AV業界で働く男優二人がゆっくり心を通わせていくラブストーリー。
主人公の猪原仁(いのはらじん)は35歳の人気AV男優。
業界の人間からも信頼されている。
そんな仁はマネージャーの意向で女性向けゲイビに出演する機会が増えている。
バディとして天羽光(あもうひかる)というゲイビ向けのAV男優と
...続きを読む組んでることが多い。
仕事中の相性はばっちりだが終わった後はビジネスライクであまり飲みに行ったりすることがなかった。
仁が帰宅するとマンションにパトカーが停まっていて何か事件があったらしい。
そして警察を呼んだのがそのマンションの住人である光だった。
同僚がこんなに近くに住んでいたことにびっくりした仁だったが、光がストーカーの被害にあっていたこと、部屋の窓ガラスだ割られていてめちゃくちゃになっていたことから彼を泊めることにした。
さっきまで肉体関係があった人とこんな風にプライベートで一緒になることや、仕事柄いろんな人と肉体関係がありながら同じ人とこんなに長く関係を持ち続けることに奇妙な感覚を覚えるのだった。
その後自分の部屋に戻るがその後の仕事に出勤してこない。
その前にスタッフから光が前組んでいた男優が自分が出てきた後にクビになったこと、その男優が光のことを好いていたことを聞いた仁は仕事に来ない光が元男優に何かされてるのではないかと不安を覚えてそいつの住所を聞き出し助けることができた。
その出来事によってビジネスライクなふたりの関係は仕事仲間兼友人にステップアップしていった。
友人になった二人は周りから見ても関係が変わったように見える。
マネージャーは光に対して、「仁は仕事では信頼できるけどプライベートはゴミクズだから気をつけろ」と忠告する。
そんな折認知だけはしている仁の息子が問題を起こして警察の世話になっていた。
母親と連絡が取れないので仁が仕方なく引き取ったが父も子もお互い嫌そう。
二人のわだかまりを光が間に入ることで解きほぐすことができた。
息子も少し心が軽くなったようだし、仁と光の距離もまた縮まるのだった。
AV業界という外側からだとベールに包まれているところにいる人たちの日常について描いていてとても興味深い作品だった。