法村里絵のレビュー一覧

  • 失踪当時の服装は

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    帯に「最初から最後まで捜査をするだけ」「なのに抜群に面白い」とあり、いや内容のネタバレじゃねーか!と思いつつも読んだら、目から鱗。まさにその通りで、抜群に面白かった。

    「警察捜査小説」を確立した里程標的傑作らしいが、そう言われるのにも納得。「警察小説」ではなく「警察捜査小説」というのがポイント。

    探偵小説の警察と言えば得てして探偵役の主人公を引き立たせるための無能役として描かれる、というお決まりのパターンがあるが、本作を読むと「本気になった警察の凄さ」がよくわかる。

    文章が読みやすく、上司と部下の掛け合いが面白く、「無駄な風景描写」「もってまわった台詞回し」「複雑すぎる人物相関」「暗い雰

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    2025年11月08日
  • ほんとうの名前は教えない

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    めっちゃよくできてる!!おもしろかった!時系列が入り組んでいて、そのまま映像化できちゃいそう。
    主人公のキャラクターが途中まで好きかどうか‥と思いながら読んでいたけど、途中からすっかり好きになった。ただ自信があるだけじゃなくて抜かりなく計画と準備をしているところがよき。

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    2025年10月29日
  • ほんとうの名前は教えない

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    面白かった。

    最後までどうなるか分からず、ドキドキしながら読んだ。

    仕事で調査対象のライアンに惹かれていくエヴィ。しかしボスであるミスター・スミスに命を狙われる。反撃できるか、ミスター・スミスは誰なのか、息もつがせず話は進む

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    2025年09月20日
  • ほんとうの名前は教えない

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    ほほう!!ほう!!なるほど!!そうくるのね!!!???

    と最後まで楽しませてもらったよエヴィちゃん。
    ネタバレすると台無しなので予備知識なしでみんな読んで。

    どんでん返しとかそういうことではなく、ひとりの女性が自分の知力と能力で仲間を得て自分の人生を取り戻して、王子様となかよく暮らしましためでたしめでたしという、かなり斜めから攻めたシンデレラストーリだよ。

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    2025年05月05日
  • 生まれながらの犠牲者

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    この前読んだ「失踪当時の服装は」と表裏一体の作品。
    登場人物は違うけれど、突然少女が行方不明になり捜査が始まる展開は同じ。

    しかしこちらの作品の方がやるせない。
    正直すぐに犯人はわかります。ただ真相が辛い…
    当時の階級社会の暗部を見た気がします。

    生まれながらの犠牲者とは一体誰なのか。
    ぜひ読んで確かめてみてください。

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    2025年04月08日
  • 失踪当時の服装は

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    この小説には謎めいた洋館や快刀乱麻の名探偵も出てきません。倦み疲れた警察官たちが、手がかりを一つ一つたどって事件を解決するお話。めちゃくちゃ地味です。
    でもめちゃくちゃ面白かった!

    女子大生が失踪した。決まった恋人もおらず真面目な彼女に一体何が起こったのか…
    1950年代に書かれた作品で、現在のような化学捜査がない時代。地道な捜査で少しずつ真相に近づいていく過程がとても面白いです。

    作品内では「事件」と「捜査」だけに焦点が当てられていて、登場人物たち(特に主人公のフォード署長)のプライベートな場面はほとんど出てきません。でも会話や言動の描写で人となりが想像できるのは、作者のヒラリー・ウォー

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    2025年04月08日
  • 生まれながらの犠牲者

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    解説も含めて星5。
    ほんの少しずつしか変わらない。後退したようにしか思えないこともある。
    けれど、戦いをやめることはできない

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    2025年04月06日
  • ほんとうの名前は教えない

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    ネタバレ

    アメリカの作家、アシュリィ・エルストンの本邦初紹介作品。YA向け小説で有名らしく、今作で初めて大人向け作品を執筆したとのこと。

    ある女性が、何かの目的を持ってファイナンシャル・プランナーの男性に近づく。今まで偽名を使い様々なミッションをこなしていた彼女だったが、今回ばかりは男性に惹かれてしまい。。。

    事前情報なしに読み始めた方が良い作品。先の読めない展開で、止めどころがなかなかない良作。
    読みやすくあることもポイントだが、何より、間に挟まれる過去の出来事が、非常に良いタイミングで現在に影響を与えてくる。今作はスリラーだったが、ぜひミステリを描いてもらいたい。

    唯一の欠点というか、他の方も

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    2024年11月30日
  • ほんとうの名前は教えない

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    他の女になりすましライアンの彼女になったエヴィ。ライアンの友達が連れてきた彼女は自分にそっくりだった!

    めちゃくちゃ好みの小説。どんでん返しに次ぐどんでん返し。極上の犯罪小説で極上のスリラー。スゲー、スゴすぎる。

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    2024年11月03日
  • ほんとうの名前は教えない

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    ★5 胃の奥底までヒリヒリしてくるサスペンス、力強い主人公に惚れちゃう #ほんとうの名前は教えない

    ■あらすじ
    ずっと他人に成りすまし、ボスからの怪しい仕事をこなしてきた主人公。現在の彼女はエヴィとして生きており、資産家のライアンの秘密を探るべく彼氏と恋人関係にあった。ある日パーティで出会った女性が、なんとエヴィの本名を名乗り、自分自身の経歴を語りだす。彼女は何者で、何故こんなことになっているのか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    胃がいてぇ! ★5
    こんなにも胃を痛くしてくれるサスペンスは他にないすね、面白かったー

    主人公のエヴィは過去何度も他人になりすまし、ボスから指示のあった仕事をこ

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    2024年09月30日
  • 失踪当時の服装は

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    警察の捜査とはこういうものなのか、と肌感覚で理解することができた小説です。「捜査が行き詰まる」と一言で表現されることがあるが、それがどういう状態なのかをこの小説は描いています。証拠がなかなか出てこない中、あらゆる可能性を考慮して捜査を続ける警察の苦闘が実に生々しく語られています。
    夢中になって読み進めてしまう傑作です。

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    2024年03月30日
  • 英国屋敷の二通の遺書

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    最近インドミステリがよく翻訳されているが、これは英国統治下のでなく、現代もの。ブルーシティならこんな場所だろうと屋敷も想像を膨らませてくれた。まず登場人物の個性がしっかりしているし、主人公アスレアがより魅力的な紳士に描かれていて、さながらポアロ復活といった感じ。クローズモノだが、ありがちな設定でないのも良かった。次回出たら必ず読みたい。

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    2022年09月19日
  • 失踪当時の服装は

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    行方不明になった女子学生を警察が捜査する話。警察小説こ基礎というだけあって余計な寄り道がなく、事件の解決に少しづつ前進していくストーリーはとても読みやすく、自分好みでした。警察署長も推理小説によくいる頭でっかちの無能タイプと思いきや優秀な警察官で、部下との会話はコミカルで面白かった

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    2022年08月03日
  • 英国屋敷の二通の遺書

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    死因によって選ぶ二通の遺書を用意した富豪に招待された元警官アスレア。インドの山奥に建つ霧深い屋敷は、代々の当主が非業の死をとげていた。到着早々、土砂崩れによりクローズドサークルとなったり、舞台設定がとにかく惹きつけられる。その富豪の遺産をめぐる殺人か…?と思ったが、事件は思いもよらない展開へ。フーダニットとホワイダニットを鋭い観察力で解いていく元警官、アスレアが紳士的でとても魅力的。こういうミステリーが読みたかったのだ!『インド発、英国ミステリの香気漂う長編推理』との事だが、もうすこしインド色があっても良かったかな。

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    2022年06月19日
  • 幸運は死者に味方する

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    1945年のニューヨークを舞台に、女探偵に雇われたサーカス団員の助手。
    歳の離れた女性コンビもの。戦後のニューヨークの雰囲気も楽しい。
    助手が過去を振り返る形で語られているため、この先の2人がどうなるのか、次作も読みたい。

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    2021年08月02日
  • 失踪当時の服装は

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    米マサチューセッツの女子寮からふっと消えてしまったのは、美しく聡明で落ち着いた女正徒だった。気まぐれというのも彼女に合わない、深い付き合いのボーイフレンドもいなかった。
    すぐに帰ってくるだろう、突然消えた娘は周りの願いむなしくいつまでも帰らなかった。
    全寮制のカレッジからいなくなった18歳、美しく聡明な娘は失踪か誘拐されたのか殺人か。

    1952年発表の警察小説の嚆矢となる本格推理小説だという、ここから「警察捜査小説」が始まったということだが。今も全く古くなく優れたミステリの一つのジャンルをしっかり守っている。そんな警察小説は嬉しくて読まずにはいられない。かっちり出来上がっていてエンタメといえ

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    2021年01月01日
  • 遭難信号

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     べらぼうに面白い。やばい。
     海外ミステリが苦手なのだが、これは割と序盤からぐいぐいと読ませる。冒頭の事件として認識される前ですら不穏。
     登場人物に何が起きたのか、どうしたらいいのか、を主人公と一緒にぐるぐると悩まさせられる。なんでこんなに惹きつけられるんだろうか。語り口調が見事なんだろうか。日常から飛躍しないのに「起きたら嫌なこと」がきちんと想像できる範囲で描写されているからなんだろうか。

     もしかして豪華客船上での消失ミステリは流行りなのか。
     今年、容疑者ナンバー23の消失から2作目の豪華客船モノである。
     それなりに分厚いのだが、一気に読める面白さ。オススメ。

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    2018年12月31日
  • 失踪当時の服装は

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    淡々と、細かい部分を確認し、じわじわと周囲から追い詰める。根気良く、とことんまで調べつくし、犯人にたどり着く。
    その結果が、最後の一言に全て集約される。
    堪能させていただきました。

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    2015年04月11日
  • 失踪当時の服装は

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    失踪当時の服装は
    「64」を読んで警察小説がむしょうに読みたくなった時にたまたま見つけた小説。
    女子大生が謎の失踪を遂げ、地元警察のフォード署長がその行方を探すというあらすじでトリックはなし。
    部下キャメロンと毒舌の応酬を繰り広げながら少しずつ地道に彼女の足取りをつかんでいきます。
    地道に足を使って追っていく、それだけの物語なんだけど、証明したりマスコミの名の下知る権利というノコギリを振りかざす記者や被害者の弱った気持ちを食い物にしようとする私立探偵から、被害者の家族を守っても、苛立ちをぶつけられたり捜査の妨害をされたりしてやってられない状況が続きます。
    この踏んだり蹴ったり感は64に通じるも

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    2015年03月25日
  • 本好きに捧げる英国ミステリ傑作選

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    本好きに惹かれるて読むと肩透かしを食うが、英国クラシックミステリ好きなら非常に楽しめる本だろう。
    この錚々たるメンバーだけでも買う価値は十分あるが、その一つ一つがクオリティの高いこと。
    個人的にはフィリップ・マクドナルドの「殺意の家」が好みだった。これを読めただけでも満足である。

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    2025年10月22日