法村里絵のレビュー一覧
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帯に「最初から最後まで捜査をするだけ」「なのに抜群に面白い」とあり、いや内容のネタバレじゃねーか!と思いつつも読んだら、目から鱗。まさにその通りで、抜群に面白かった。
「警察捜査小説」を確立した里程標的傑作らしいが、そう言われるのにも納得。「警察小説」ではなく「警察捜査小説」というのがポイント。
探偵小説の警察と言えば得てして探偵役の主人公を引き立たせるための無能役として描かれる、というお決まりのパターンがあるが、本作を読むと「本気になった警察の凄さ」がよくわかる。
文章が読みやすく、上司と部下の掛け合いが面白く、「無駄な風景描写」「もってまわった台詞回し」「複雑すぎる人物相関」「暗い雰 -
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この小説には謎めいた洋館や快刀乱麻の名探偵も出てきません。倦み疲れた警察官たちが、手がかりを一つ一つたどって事件を解決するお話。めちゃくちゃ地味です。
でもめちゃくちゃ面白かった!
女子大生が失踪した。決まった恋人もおらず真面目な彼女に一体何が起こったのか…
1950年代に書かれた作品で、現在のような化学捜査がない時代。地道な捜査で少しずつ真相に近づいていく過程がとても面白いです。
作品内では「事件」と「捜査」だけに焦点が当てられていて、登場人物たち(特に主人公のフォード署長)のプライベートな場面はほとんど出てきません。でも会話や言動の描写で人となりが想像できるのは、作者のヒラリー・ウォー -
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ネタバレアメリカの作家、アシュリィ・エルストンの本邦初紹介作品。YA向け小説で有名らしく、今作で初めて大人向け作品を執筆したとのこと。
ある女性が、何かの目的を持ってファイナンシャル・プランナーの男性に近づく。今まで偽名を使い様々なミッションをこなしていた彼女だったが、今回ばかりは男性に惹かれてしまい。。。
事前情報なしに読み始めた方が良い作品。先の読めない展開で、止めどころがなかなかない良作。
読みやすくあることもポイントだが、何より、間に挟まれる過去の出来事が、非常に良いタイミングで現在に影響を与えてくる。今作はスリラーだったが、ぜひミステリを描いてもらいたい。
唯一の欠点というか、他の方も -
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★5 胃の奥底までヒリヒリしてくるサスペンス、力強い主人公に惚れちゃう #ほんとうの名前は教えない
■あらすじ
ずっと他人に成りすまし、ボスからの怪しい仕事をこなしてきた主人公。現在の彼女はエヴィとして生きており、資産家のライアンの秘密を探るべく彼氏と恋人関係にあった。ある日パーティで出会った女性が、なんとエヴィの本名を名乗り、自分自身の経歴を語りだす。彼女は何者で、何故こんなことになっているのか…
■きっと読みたくなるレビュー
胃がいてぇ! ★5
こんなにも胃を痛くしてくれるサスペンスは他にないすね、面白かったー
主人公のエヴィは過去何度も他人になりすまし、ボスから指示のあった仕事をこ -
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米マサチューセッツの女子寮からふっと消えてしまったのは、美しく聡明で落ち着いた女正徒だった。気まぐれというのも彼女に合わない、深い付き合いのボーイフレンドもいなかった。
すぐに帰ってくるだろう、突然消えた娘は周りの願いむなしくいつまでも帰らなかった。
全寮制のカレッジからいなくなった18歳、美しく聡明な娘は失踪か誘拐されたのか殺人か。
1952年発表の警察小説の嚆矢となる本格推理小説だという、ここから「警察捜査小説」が始まったということだが。今も全く古くなく優れたミステリの一つのジャンルをしっかり守っている。そんな警察小説は嬉しくて読まずにはいられない。かっちり出来上がっていてエンタメといえ -
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べらぼうに面白い。やばい。
海外ミステリが苦手なのだが、これは割と序盤からぐいぐいと読ませる。冒頭の事件として認識される前ですら不穏。
登場人物に何が起きたのか、どうしたらいいのか、を主人公と一緒にぐるぐると悩まさせられる。なんでこんなに惹きつけられるんだろうか。語り口調が見事なんだろうか。日常から飛躍しないのに「起きたら嫌なこと」がきちんと想像できる範囲で描写されているからなんだろうか。
もしかして豪華客船上での消失ミステリは流行りなのか。
今年、容疑者ナンバー23の消失から2作目の豪華客船モノである。
それなりに分厚いのだが、一気に読める面白さ。オススメ。 -
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失踪当時の服装は
「64」を読んで警察小説がむしょうに読みたくなった時にたまたま見つけた小説。
女子大生が謎の失踪を遂げ、地元警察のフォード署長がその行方を探すというあらすじでトリックはなし。
部下キャメロンと毒舌の応酬を繰り広げながら少しずつ地道に彼女の足取りをつかんでいきます。
地道に足を使って追っていく、それだけの物語なんだけど、証明したりマスコミの名の下知る権利というノコギリを振りかざす記者や被害者の弱った気持ちを食い物にしようとする私立探偵から、被害者の家族を守っても、苛立ちをぶつけられたり捜査の妨害をされたりしてやってられない状況が続きます。
この踏んだり蹴ったり感は64に通じるも -
ジョージ・ダグラス・ハワード・コール / マーガレット・コール / E・C・ベントリー / ニコラス・ブレイク / S・C・ロバーツ / フィリップ・マクドナルド / A・A・ミルン / ジュリアン・シモンズ / グラディス・ミッチェル / ロイ・ヴィカーズ / マイケル・イネス / クリスチアナ・ブランド / マージョリー・ブレムナー / ヴィクター・カニング / ジョン・クリーシー / エドマンド・クリスピン / ナイオ・マーシュ / マーティンエドワーズ / 浅羽莢子 / 宇野利泰 / 鈴木美朋 / 中村有希 / 法村里絵 / 深町眞理子 / 宮脇孝雄 / 山田順子3.7 (3)