あらすじ
アイルランドの小さな町で、ハリウッドを夢見て脚本を書き続けてきたアダム。恋人のサラが仕事でバルセロナに出張し、まったく連絡がとれなくなってしまう。だが出発から数日後、アパートにサラのパスポートが郵送されてくる。それには「ごめんなさい――S」とサラの字で書かれた付箋が貼ってあったが、封筒の文字は別人のものだった。彼女に何があったのか? アダムは恋人を追い、手がかりをもとに地中海クルーズ船に乗り込む。千以上もの客室を持つ豪華客船で暴かれる、予想外の真実。巧みな構成力と謎解きの妙味を味わえる衝撃のサスペンス!/解説=穂井田直美
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
べらぼうに面白い。やばい。
海外ミステリが苦手なのだが、これは割と序盤からぐいぐいと読ませる。冒頭の事件として認識される前ですら不穏。
登場人物に何が起きたのか、どうしたらいいのか、を主人公と一緒にぐるぐると悩まさせられる。なんでこんなに惹きつけられるんだろうか。語り口調が見事なんだろうか。日常から飛躍しないのに「起きたら嫌なこと」がきちんと想像できる範囲で描写されているからなんだろうか。
もしかして豪華客船上での消失ミステリは流行りなのか。
今年、容疑者ナンバー23の消失から2作目の豪華客船モノである。
それなりに分厚いのだが、一気に読める面白さ。オススメ。
Posted by ブクログ
トリッキーな逸品。複雑すぎて後から確認の為に何箇所か読み返す必要があった。それくらいラストは驚きがあった。
沢山の人が亡くなり、犯行も複数、平行するものもあり、過去からの絡みもあり。いくつもの愛があり、真っ直ぐなものも歪んだものも。ただ、あまりに理不尽な死にただただ悲しさが募り、やるせなさに評価を星3つにしようかと思ったが、作品のレベルは高く、この暗さはアイルランドだよなと4つに。
航海法でアメリカ合衆国だけが認めさせている特権がポイントで、これをミステリに生かすのはとても興味深かった。
いつか読書の役に立つようにと地中海クルーズに行っておいて良かった。スワイプアウトとかよくわかったし、カード紛失して再発行も経験したので笑
Posted by ブクログ
突然いなくなった恋人サラを探すため自分で調べ始めたアダム。そしてたどり着いた豪華客船。数々の伏線とアダム以外の語り手の意味。サスペンス的な張り詰めた空気ももちろんあるし面白いけれど、それ以上にアダムのサラへの想いが物語にずっと流れていて謎解きだけではなく、そういった感情に訴えてくるものもある。ラストに向けで伏線が繋がりだし語り手も繋がりだし驚きと、さらにそこからの展開と最後まで楽しませてくれる。
Posted by ブクログ
ハリウッド作家になる夢があと一歩に迫ったアダムの恋人サラが姿を消した。恋人の足跡を追って豪華客船に乗り込み真相を探るが…
良質なサスペンス。
各章で視点が変わり、核心に近づいていく過程、また、なんのことだかわからない不穏な描写で盛り立てます。ドラマとして楽しいです。
正直、書ききれていないところが多い。それなら半分のページ数でもよかったのではと残念と思いつつ、デビュー作ということなので、今後に期待できるのは間違いない。
23というワード。
オコンネル。
サラ笑。
近々の読書とつながるものがあってこれがまた…
※『乗客ナンバー23の消失』とは読み比べないほうがいいかもしれません。
私は乗客の方が何倍も上だと思いますので。