法村里絵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
アメリカ ルイジアナ州が舞台。
エヴィ・ポーターは恋人であるマイケルと付き合い始めて4ヶ月。
同居することになり幸せいっぱいの恋人同士にみえるが、実はエヴィは本名ではなくその経歴も嘘だらけ。
エヴィ=ルッカの正体はミスタースミスをボスとする組織からマイケルの裏稼業を探るために送り込まれたスパイだった。
そんな中マイケルの友人が自分にそっくり、名前もエヴィの本名、経歴もエヴィ自身の過去を語る恋人を連れてきた。
彼女の正体は?マイケルの本性は?そしてミスタースミスとは??
・感想
先の展開が気になって一気読み。面白かった!
語り手であるエヴィも信用ならない語り手だし、そもそもミスタ -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「自由研究には向かない殺人」で紹介されていたので気になって読んでみた。警察捜査小説というジャンルを立ち上げた作品。
18歳の少女が寮から突然姿を消し、死体で発見される。自殺かと思われた事件を、警察署長のフォードと部下のキャメロンが地道な捜査で真相を明らかにする。最近ではスマートな警察小説が多いなか、フォードたちの捜査はとにかく泥臭い。わずかな可能性を追及し、少しずつ真相に迫っていく過程は読み応えがあり引き込まれる。
捜査過程のみが淡々と書かれているようでいて、フォードの犯人に対する怒りや、少女の死に対するやるせなさなどが垣間見える、実は人情味のある作品だ。
ヒラリーウォーの他の作品も読んでみた -
Posted by ブクログ
熱い警察官のお話。ある登場人物のセリフ。「警察の仕事がどういうものかは、わかっているだろう?歩いて、歩いて、歩きまくる。そして、あらゆる可能性について調べ尽くす。一トンの砂を篩にかけて、ひと粒の金をさがすような仕事だ。百人に話を聞いて何も得られなければ、また歩きまわって、もう百人に話を聞く。そういうものだ」
この小説には結果的に事件に関係ない情報が多く語られる。途中まではそういうのを読むのが面倒くさく感じるが、やがてそれらが物語のリアリティを高め、読者と物語の警官たちとの一体感を生んでいることに気づく。天才探偵や伏線はりまくりトリックなどに食傷気味の方は一読を。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ植民地時代に英国人が建設し、代々の主が非業の死を遂げると言われているグレイブルック荘。
元警察官のアスレヤは現代の主人であるバスカーに招待されて、屋敷へ。
財産家のバスカーは何者かに命を狙われていた。そのために数々の事件を解決したアスレヤの助けを求めたのだ。
そして、彼は2通の遺言書を準備していた。その死に方によって、効力変わる遺言書。
その遺言書を巡って、一族と隣人の間に流れる不穏な空気。
その中で誰からの好かれている画家が惨殺される。
彼の遺体の側にはバスカーが使っている電気車椅子があった。
狙われてのはバスターだったのか?
一見、平凡な一族と隣人の裏の顔 -
Posted by ブクログ
女性バディ物が読みたいな、と思ってたので嬉しい一冊。全編、女性たちの絆が物語を動かすので「女の敵は女」など如何に前時代の言葉か思い知らせてくれる。
進行性の難病を抱えた女性探偵ミズ・ペンテコストと元サーカス団員の新人助手ウィルが難事件に挑む。聞き込みや資料収集、ピッキングで侵入しての証拠集めと地道な作業で事件解決に進むミステリーが好きな人にオススメだ。
推理小説であると同時に、作品の底にマイノリティや社会と戦わねばならない人々への温かい視線を感じさせる点も評価が高い。ウィルの回想として描かれているので、登場人物たちの今後――とりわけラストで明らかになる黒幕との戦いがどうなっていくのか、次回 -