最果タヒのレビュー一覧
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舞台は22世紀の軽井沢。そこで暮らす山科梢のクラスに東京から転校生(未来人)がやってくる。その転校生、早見くんは転校初日から東京から来たということで大人気。梢の友人の光も早見くんに初日から告白して一緒に帰る約束をした。が、放課後、早見くんは光以外の女子生徒と同じ約束をしていた。
え、未来人?と思ったけど東京は文化が発達しすぎて未来みたいだという比喩かと思ったら比喩でもない…?東京は機械化された人で溢れ、早見くんは機械化できず、その目には機械化された人はロボットのように見えるという。
いやー、私には難しかったな。文章も全体的にセリフが多くて、ほとんどが登場人物の台詞で成り立っているから背景とか状況とかがはっきりとわからないことが多かったからかも。
あとがきが良いというレビューが多いので、もう一度読み返してみようと思う。 -
Posted by ブクログ
近未来の日本。科学技術の進歩する東京から、軽井沢に引っ越してきた高校生の早見くん。東京から来たというだけで、彼にときめく女子が多発。そんな早見くんには秘密があって…。
最果タヒさんの書いた作品は小説も詩集も合わせても初めて。なんか、こそばゆい感じがして手に取りにくかった。でも、YA世代の子と接する機会が多いのでネタを仕入れるために手に取った。
ブグログのレビューを見てると合う合わない真っ二つに分かれてるが、私は読むのに苦労した。
単刀直入が好きなので、回りくどい言い回しや話の遠回りする進み具合が、これぞ思春期の心情なんだろうけど、私には合わなくて、途中でやめようか、でもここまで来たし読もうか、と何度も思った。
もうちょい若い子の気持ちに寄り添えば楽しく読めたのかな。 -
Posted by ブクログ
あまり共感はできないが、ああそういうようなことを考える時もあるよねとは思えた。人と仲良くしたいと思わないっていうのは、人と違うことや、あるいは同じであろうとする勇気がないのかなと思った。コミュニケーションや話すことが苦手っていうのはすごくわかるし、だからこそそういうフラストレーションみたいなものを言葉や本に込めているのは純粋にすごい。けど、じゃあそれをコミュニケーションに載せる練習をしたらいいじゃん。話すのは苦手かもしれないけど、人と距離を置きたがるのは、こんな素晴らしいエッセイ書けてるんだから、よくわかんねぇよ、と思ってしまった。だから言い訳なのか。まあそれくらいじゃないとかっこいい詩は書けないのか。
読んでいて、エッセイならばもっと人間臭くあってほしいと感じた。めちゃくちゃ視点は鋭いのに、昇華されない感じ。 -
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ネタバレ2025.5.23〜2025.5.24
最果タヒ先生の詩集は読んだことあったのですが、小説は初めて。とても独特な文章の表現とリズムなので時々よく分からないけど、一貫して「恋や愛というものは」というところが根本にあるな〜ということはふんわり伝わりました。章が変わるごとに装画も担当されている、西村ツチカ先生の挿絵が入るのも素敵。
舞台は近未来、一点集中して発展した東京から軽井沢に越してきた少年と、そこに住む恋がよく分からない少女と、その周りのお話。
青春恋物語かと思えば、急に少年側の近未来発展世界・東京の話に変わったりするので、読者はずっと世界観にふわふわ漂って流されている気分になります。
個人的にですます口調と砕けた口調がコロコロ変わるのがあまり得意ではないので、ちょっと読みにくかったです。
これは特徴なのか、こう、頭で浮かんだ感情をそのままどうにか言葉にして紙に打ち付けている印象が強くて、一連の物語としてある為に詩集より人を選ぶのではないかなと思います。
そこで終わるのかー!とも思ったけれど、ある意味そこで終わるのが正解なのかも。この先早見くんが最初の母親との約束通り帰ってしまうのか、それとも梢と一緒にいるために止まり続けてくれるのか。最後の挿絵が恐らく梢1人だったので帰ってしまったのではという気持ちもあるけれど、明言しない方が色々想像できて楽しいのかなと思います。
読むの自体は、今までない感じだったのでとても楽しめました。 -
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◼️最果タヒ「星か獣になる季節」
初読みの詩人・作家さん。衝撃的な事件と、あわいに漂う、尽きない感情と。
最果タヒ、さいはて、と読むのだそうだ。詩集で注目されて中原中也賞、萩原朔太郎賞を受賞している。作品をもとにした映画もあるんだそうだ。書評がよく上がっていて興味を持っていた。小説もものしており、今作はその第一作。
愛野真実というアイドルがバラバラ殺人容疑で取り調べられている。目立たず友達もいない優等生・山城は真実に歪んだ愛情を抱いていて、真美の実家に出掛けて行き、誰かが仕掛けた盗聴器の音を拾って聴いたりしている。ある日その盗聴器で真実が連行される音を聴いた後、山城はライブで何度も見かけていた同じクラスの人気者、森下と会う。森下は妹だという小さな女の子を連れていた。翌日、女の子は行方不明だとニュースで流れた。学校で、山城は森下に声をかけるー。
ファンとしてのたがが外れた行動。誰からも好かれ、モテる彼と行動をともにしつづける山城はクラスの女子から忌避されている。一方、そんな山城を気にかける才女・渡瀬と、クラスの誰もに、森下の金魚のフン的存在とみなされている青山。
やがて森下の行動に切羽詰まっていく山城、衝撃的な結末とその後のことー。
まず違和感満載のまま、まるで止まれないジェットコースターのように息つく間もなく進んでいく物語に引き込まれる。対比と何気ない言動、シラケと高校時特有の薄っぺらな感情、傷。事件の中の青春群像劇。エピローグ的な2話も含め、異常な中で湧いてくる思い、戸惑い、なんらかの実感とぐるぐる回る思考を文章で表そうとしているのかな、と。2人の時はいいつきあい、でも集団になると関係性が変わる、というのはよくあるが、リアルだ。
怒涛のように言葉を連ねる舞城王太郎に少し似てるかな、どうかなと思わせた。少なくとも筋道だっていて常識通りに人が行動する正攻法の小説ではない。青山と渡瀬、被害者の少女の兄との後編は、みながみな、ぶつけどころのない傷の深い想いを発している。
ふうむ。小説的にほどよい未解決感が残る。極端な前提でありつつ、直接的な打撃のある場面はないことが効果を増幅している。
集中できるストーリー立て、何かモヤモヤとした、解決できないもの、を際立たせる作品だった。 -
Posted by ブクログ
いわゆるヅカファン・ヅカオタなどと呼ばれる、宝塚歌劇団のファンである著者が、推しているスターへの想いについて綴っている。
私は宝塚の知識はほぼなく、著者もお相手や公演のことなど詳細については伏せているため、詩から広がる言葉のような、わりに抽象的な表現が多かった印象。
なかなかつかみどころがなかったのだけれど、それでも時折ハッとするような文章に出会えた。
「好き」とは、いったいなんなのか。誰かを応援するとは、ファンになるとは、推しとは。
独りよがりともいえてしまうような、なぜか苦しくて複雑なそれらの感情や行動をひとつひとつ手に取って確かめていくように読むことができた。
私はこれまで、好きが、推しが、持続したためしがない。
たとえばずっと好きな作家や聴き続けているバンドはいるけれど、そこにあるのは、その人たちが創り出したものを通して醸成された、あくまでも自分の感動や作り手への信頼によるものだと思っている。
アイドルや俳優、興味をもったり憧れたりした人たちは数多いたけれど、存在まるごとをずっと応援したくなるような対象は見つけられていない。
だけど今ちょうど気になっているコンテンツがあって、我ながらめずらしく結構寝ても覚めてもそのことを考えている。戸惑いとともに、ファンクラブに入会してしまおうかどうかを現実的に考えている。
今度はどうだろうか。手に負えないような熱量とまっすぐな眼差しで、ステージに立つ人たちがみせてくれる幻を追いかけることができるのだろうか。
こんなふうに誰かを好きになってみたい。魔法にかかってみたい。
「人を愛する幸せを私にくれて、ありがとう。」と率直に紡ぐ最果タヒさんの言葉に、今読めてよかった一冊だと心から思った。