最果タヒのレビュー一覧

  • 少女ABCDEFGHIJKLMN

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    最果タヒ。もうすっかり信用しているので、小説になって、時々ちょっとわからなくてもどうってことない。この人が持っている感覚や言葉は、生まれ持ったものだけではなくて、じっくり考えて、努力して手に入れたものだと思うので。表紙の著者名のタヒって文字間隔が近すぎて何度も見た。

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    2016年08月30日
  • 星か獣になる季節

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    書き下ろしで後編である「正しさの季節」のほうが好き。
    だけど、でも、けど、ばかりの正しさ の分かり合えないもどかしさ、決して交わらない心苦しさ。
    誰かの正義は確かに誰かを傷付け否定するね

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    2016年08月16日
  • 渦森今日子は宇宙に期待しない。(新潮文庫nex)

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    主人公は地球で女子高生をやっている宇宙人。でも普通に地球人と同じ生活をし、普通の高校生となんら変わらず友人との関係や進路について悩んだりしている。奇抜な世界設定や特殊能力が幅を効かせるのでもなく、いわゆるキャラクター小説でもない。誰もが思春期に持つ現状や将来に対する漠然とした不安を描きだすことに主眼を置いた青春小説である。ただ、会話文がコミカルで量も多く、地の文も大方が主人公の心の中のツッコミといった具合。なので、ライトノベルと普通の小説の中間くらいの位置付けか。

    私はとても面白く読めた。「覚悟」についての主人公の気づきは私にとっても有益な学びであった。登場人物たちの希望進路はバラバラだが、

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    2016年07月19日
  • 星か獣になる季節

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    わあ、横書き!と嬉しくなった。そうなの、そうやって人にあわせてみたり、はしゃいでみせたりと、だいたいは人に影響を受けて、へとへとになって毎日を過ごしているから、正しいか正しくないかを完全無視して、自分の「ほんとう」へと突き進める人はまぶしい。まぶしがりながらもへとへとしている現実なんです。誰かが主役の女子会で、なにが好き?に「なんでも好きですよ(どれでもいい)」と返事したら、もう一生その人に興味がなくなるくらいのつかれっぷり。

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    2016年07月13日
  • 渦森今日子は宇宙に期待しない。(新潮文庫nex)

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    おもしろかったー!青春だった!やはり、詩の集合体ってかんじだからか、読みやすい!!ハルヒのパロなのかなって感じた。京アニがアニメ化したら成功すると思う〜〜雰囲気にかなり谷川流先生み感じた

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    2016年04月04日
  • 渦森今日子は宇宙に期待しない。(新潮文庫nex)

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    女子高校生の中に宇宙人がいつの間にか自然に紛れ込むという漫画みたいな設定のシュール系コメディとでもいうべきか。4編ある話の中で毎話繰り広げられる同じやりとりに、3話目でだいぶ飽きてきたが、最終話で予想以上に面白かったし、最後まで読んで、このスタイルでキャラぶれずに書き通した作者に脱帽

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    2016年03月30日
  • かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

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    ネットの力で魔法少女に変身する女子高生 織田日月はネットの悪意から生まれる魔物を退治していた。
    ある日、日月は図書室で転校生 安楽栞と出会う。
    安楽は風紀委員長から風紀違反検挙を依頼された探偵でアンドロイドだった。
    安楽から頼まれだ日月は協力して校内のネット問題を解決していく。

    注目の詩人 最果タヒさんの長編小説。
    雲の上の人とか、憧れの人も、自分と同じ普通の人間なんだって実感できるようになったのはいつの頃からだろうか。
    ネットなどの科学技術と人間についての関係も的確にとらえていて納得させられました。

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    2015年11月21日
  • 星か獣になる季節

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    一気に読んだ。あとがきより、「青春を軽蔑の季節だと、季節だったと、気付けるのはいつだろうか」。くだらない無視とかグループとか神様みたいに崇拝しないといけなかった部活の先生とか思い出した。

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    2015年09月13日
  • 星か獣になる季節

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    感情の説明の付かなさ。
    これを読むともう言葉ってどれだけ軽率なんだろうと。

    感情を全て正確に言語化できるはずは無いのに、人の言葉に答えを探す日々。
    答えを得たところで理解できない人間の思考なんていくらでもあり得るんだということ。
    人気者だって、結局平凡じゃない。そもそも平凡ってなんだっけ?

    分からないことを解釈し、自分なりの答えに変換するしかその人間に歩み寄れない。
    ひりひりするお話。

    ページの使い方が最果さんらしいです。

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    2015年06月26日
  • 星か獣になる季節

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    地下アイドル愛野真実が殺人容疑で逮捕された日、クラスの人気者 森下が教室から姿を消す。
    ぼく(山城)は森下の後をおって愛野真実の家に向かう。
    クラスの誰からも好かれる森下と、誰からも構われる事のなかったぼく、同じアイドルのライブに行きながら会話もしたことがなかった二人は愛野真実をたすけるために・・・。

    注目の詩人 最果タヒさんの小説。
    括弧の使い方が面白い。
    結末も予想と違って意外。
    後日談の「正しさの季節」も、加害者の親友、被害者の家族、大きな事件や事故を経験した人のその後の心情がリアルに描かれていて、どの人にも共感できた。

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    2015年03月26日
  • かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

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    言葉にしてしまうと零れ落ちてしまうもの、物語が、関係性がある。しかし、人間が人間であるには言葉が必要だ。言葉にする以前の想いと言葉にしてしまった気持ちの差異というかうっすらした膜のようなものを僕らは伝えたいし聞きたいし見たいと思う。
    物語という装置はそれを孕んでいる、孕める可能性がきっとあるんじゃないかって思う。きっと最果さんはそう思って詩だけじゃなくて小説も書いているんじゃないかって読みながら思った。だけどこうやって言葉にするとなにかが零れ落ちていく。それは個人個人の物語の中でふわふわと浮かんでいて形にしようとするときにほんのわずかな部分だけは表出できる質のものなのかもしれない。

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    2015年03月07日
  • 星か獣になる季節

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    縦書きではなく横書きなのに意味があると思う。文字が横に並ぶときに見える形(キャラクター的な)をかなり意識して書かれていると思う。同じ言葉でも縦書きより横書きだからこそわかる感覚、ひらがなが特に視覚的に。読むという行為は文字を見ることだから。最初の一篇『星か獣になる季節』は岩井俊二監督『リリイ・シュシュのすべて』を思い出してしまった。蓮見と星野の関係性のように。『星か獣に~』はコミュニケーションと関係性についてふたりの地下アイドルファンの少年について書かれている。その後が書かれたもう一篇『正しさの季節』はふたりの少年と関係があったものたちの話。どこかに行ってしまった者と置いていかれた者の物語とし

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    2015年02月23日
  • だから捨ててと言ったのに

    匿名

    無料版購入済み

    同じ文章から始まる短編のアンソロという着想がすでに楽しいです。2作目では、捨てられる対象が分かったとき、ぞくっとさせられました。

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    2025年12月29日
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)

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    ◼️ 最果タヒ「グッドモーニング」

    最先端?の現代詩集は慣れないな・・女性最年少にして中原中也賞受賞の1st詩集。

    最果タヒは小説「星か獣になる季節」を読んだ。表層に現象を潜ませる感じで、フィクション、悲惨な事件を周囲から想像させるという、正攻法ではないもの、しかし小説の体は成していた。だから今作の崩し方にはけっこうびっくり。現代詩はこんな感じなんだろうか。

    まだの
       その 
         遠い空の
              」
    上に舞い上がり子供のふりをしている小さなその
     黒い/影!」から
    雨が降り出すのだ、(「空想距離」より一部抜粋)

    行や上下のずらし、/や+、「」の多用など使えるもの

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    2025年12月20日
  • だから捨ててと言ったのに

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    同じ1文から始まるのに、それぞれの物語はまったく違うもの。

    好きな作家、好きな作品、その反対もあり、満足度としてはどっちつかずという感じ。

    最果タヒさんと金子玲介さんの小説ははじめてで、とくに最果さんの『指輪の幽霊屋さん』は可愛らしくてどこか切なくて、ファンタジーのようでもあって、いいなぁと思って読み返した。

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    2025年12月16日
  • だから捨ててと言ったのに

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    前回読んだ他シリーズでも思ったんだけど、金子玲介さんのショート・ショート、個人的には好きなんだなぁと確信にいたりました。
    ラストのタワシかわいかったー。

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    2025年11月15日
  • 恋の収穫期

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    最果タヒさんの詩が好きで、今回初めて小説の形で最果タヒさんの作品に触れました。なかなかむずかしい。1時間半ぐらいで読みました。
    詩として読むにはボリューミーだし、小説として読むには飲み込みづらい。詩っぽい部分は完全に頭を切り替えて読んでく感じでした。慣れるまでは何度も脱落しようか悩みましたが、全部読んでよかった。
    恋愛小説の分類と思いますが、私は読み終わったあと、恋とか愛とはなんだか違うものが頭に残っていた気がします。
    近未来要素もいいなあって思いました。最近、身体改造系(?)の作品をたまたま手に取る事が多くて、なるほどこういう攻めもあるのかという気持ちです。後半の展開好きです。
    あとがきもす

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    2025年11月13日
  • だから捨ててと言ったのに

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    「だから捨ててと言ったのに」
    という冒頭しばりの掌編アンソロジー。

    「捨てる」とは、その対象との別れを意味するわけで。25編ある物語の多くに「別れ」から連想させる「死」が漂っています。
    掌編でありながらスッキリ終わらせているものもあれば、これは序章なのかな?続きが欲しいな、なものも。
    いずれの作品もツマラン!な印象は無く、そつなく書かれているかと。

    お気に入りは
    『パルス、またたき、脳挫傷』岡崎隼人
    『重政の電池』荒木あかね
    『恋文』金子玲介
    『こわくてキモくてかわいい、それ』背筋
    『探偵ですから』麻耶雄嵩

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    2025年11月13日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    チ。の世界観、込められた思いなどを魚豊さんの対談や数々の執筆陣を通してさらに知ることが出来た。そんな風に言語化するのか…と驚き物語への解像度がさらに上がった。これを読んだ後に原作を読むとまた違った味わいがあると思う。

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    2025年11月12日
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    書名は、十代から大人への言葉かと思ったら、同じ十代への言葉とも読めたので、それが面白かった…そもそも「他人」への共感はともかく、「十代」への共感は有り得ないのかもしれない。
    ひたすら主人公の理解不能な内面が語られるという変な小説で、ついていけなかったし消化できなかった。
    なので、評価不能というのが正直な感想です。
    ただ、いつか再読して、自分なりに理解してみたいとも思わせる不思議な小説でした。

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    2025年11月04日