高野優のレビュー一覧

  • 八十日間世界一周(下)
    さて、下巻である。

    前回、上海で乗り遅れたかにみえたフォッグ氏らだが、間一髪乗せてもらうことができた。そして船ではパスパルトゥーとも再会できる。
    舞台はアメリカ大陸へ。アメリカは主に鉄道の旅であるが、インディアンとの闘争が繰り広げられていた時代、鉄道旅といえども一筋縄ではいかない。
    ニューヨークを...続きを読む
  • 八十日間世界一周(下)
    アウダ夫人の登場以来、旅を彩る紅一点として、心穏やかになる瞬間もしばしば。フォッグ氏に対する感謝と同時にわずかな恋心のようなものも感じ取れ、最後に2人は結ばれるのではないかとワクワクしながら読み進められた。最高のハッピーエンドが見られて非常に満足である。
  • あなたを想う花 下
    フランスのシャロン村で墓地の管理人として働く中年女性ヴィオレットと不実な夫フィリップを中心に、様々な愛と喪失の物語が過去と現在を行き来しながら94の短い章で綴られる。両親を知らず複数の里親の元で育ったヴィオレットはジョン・アーヴィングの『サイダーハウス・ルール』を、主人公の孤児ホーマーの境遇や生き方...続きを読む
  • あなたを想う花 下
    墓地の管理人として、一人つつましく暮らすヴィオレット。彼女の現在の暮らしと、今までの人生が交互に語られてゆく。失ったものの大きさに驚くが、悲しみだけではない、優しさと愛情に満ちた物語。私にとってよい時に出会えたと思う。
  • 八十日間世界一周(上)
    ジュール・ヴェルヌ、既読の地底旅行、海底2万海里、十五少年漂流記ともにアドベンチャーワールドさく裂。まだ上巻だけどドキドキ。「改革クラブ」に通うフォッグは無口でニヒルな男性。クラブで80日間で世界一周できるか賭けをする。なんと行くのは自分。召使のパスパルトゥーと一緒にロンドンを出発。スエズ運河、イン...続きを読む
  • あなたを想う花 下
    2023年上半期ベスト1。
    フランスの片田舎、孤独ながら丁寧に送られる墓地管理人女性の暮らしに憧れが募り、「墓守女になりたい」などと思っていたら、徐々にあらわになっていく彼女の凄まじい悲劇…。過去の人生と、昔のあるカップルの物語と複数の筋が交錯しつつ、あるとは知らなかった謎が解かれていくミステリ小説...続きを読む
  • 忘却の河 下
    次々と事件が起きた上巻に比べ、下巻はそれぞれの事件に関わる人を中心に、謎を包囲して行くように展開していく。輪廻転生と因果応報と言う主題はそのままに、深く沈滞したままの事件と浅瀬を流れるかの様な新たな事件が交錯する。とんでもなく悪い奴の出現でページを捲る手が止まらない。
    最後は涙なのが出来すぎ感強めか...続きを読む
  • 忘却の河 上
    華文ミステリーが本当にレベル高くて面白い。「幽霊ホテルからの手紙」でファンになった作家さんの邦訳2作目?訳者が4人でしかも仏語の翻訳家、と言う点も出版までの紆余曲折を疑ってしまう。少しホラーがかった輪廻転生をモチーフに始まる。日付ごとに展開していくので少年の成長ぶりや申明の命日などが分かり易く追える...続きを読む
  • あなたを想う花 上
    久しぶりに素敵なお話を読んだ。

    50歳になるヴィオレット。彼女はブルゴーニュの小さな町にある墓地の管理人をしている。
    夫は随分前から行方不明。その夫との間に娘がいたが小さい頃にある出来事で亡くしてしまう。

    彼女の閉ざされた心は墓地の前の管理人と出会ってから溶け出していく。

    管理人として働きだし...続きを読む
  • あなたを想う花 下
    フランスの小さな町で墓地の管理人をしているヴィオレット。墓地にある管理人小屋で一人生活をし、墓地に訪れる人たちや、神父や墓掘人たちと静かな日々を送っている。そこにある男性が現れてからヴィオレットの日常に変化があって、過去の出来事が語られていく。なぜ墓地の管理人になったのか、過去に何があったのか。その...続きを読む
  • にんじん
    激甘の父親の本を読んだ後は、激辛の母親…
    読むの辛かった…けど、にんじんが本当に健気で冷静で思慮深くて。今すぐ助け出しに行きたくなるけど、ちょくちょくと入る隠喩やにんじん自体の考え方が素敵すぎて。
    そして一編あたりが短いのも助かる…見てられないよ。
    じわじわと自立、成長する人参のほんの一部分を垣間見...続きを読む
  • あなたを想う花 上
    「たったひとりで墓地を管理するヴァイオレット」という紹介文を読んですぐに読みたいと思いました。ここ半年で3冊墓暴きの小説を読みました、墓地には人生を変えるなにかがあるのでしょう。ちなみにその3冊とはスティーヴン・キング『ダーク・ハーフ』、チャド・ハーバック『守備の極意』、チャック・パラニョーク『イン...続きを読む
  • あなたを想う花 下
    上巻とは打って変わってミステリー要素の濃い内容になってきます。娘の事故の真相が徐々にわかってくるにつれてヴァイオレットがフィリップへのことを理解していきます。
    「あの人はちっとも恵まれてはいませんでした。いつも孤独で不幸だったんですもの・・・。そんなに不幸にならなくてもいいと思うくらいに・・・。」
    ...続きを読む
  • 八十日間世界一周(下)
    旅行記、サスペンス、アクション、ラブロマンス、いろんな要素が詰まっていて飽きることなく一気に読んでしまった。
    ヴェルヌの本は、読んでいるだけで実際に見て体験しているような気にさせてくれる生き生きとした描写がとても魅力的で本書でもそれが存分に発揮されていた。
  • 死者の国
    ペーパーバックのような分厚さ、読むの手が疲れるけれど夢中になって読んでしまった。
    美術系にSMとかグロい系あり。途中で意味不明なアクション?ありで、そこはいらなかったようにも思うけど、最初からは全く想像のできない最後だった。
    人ってそんなに出自にこだわる?と思いつつ、ヨーロッパは特にいろんな民族が入...続きを読む
  • 死者の国
    めちゃくちゃ面白かったですよ。
    エログロがとんでもなく多いし、こんな分厚くしといて伏線全部回収出来るの?とおもったらまぁすごいったりゃありゃしない。
    話の内容としては進撃の巨人に似てるね。
    憎んでた敵は同族ってね。
    なんかもう動機やらなんやらまで完璧じゃないかなぁ。
    あー凄かったって久しぶりに思った...続きを読む
  • にんじん
    痛い。痛過ぎる。表紙イラストのかわいさ故、ディズニー的ハッピーエンドを期待して購入したが、初っ端から虐待の嵐。顔が引き攣るシーンが度々出てくる。毒親の発言が自分の思考と化していた(刷り込み、思い込み?)が、大人になるにつれ、自分の意見をちゃんと言語化できていく。最後の、「ああ、誰も僕を愛してくれない...続きを読む
  • 八十日間世界一周(上)

    大好きな本

    冒険、サスペンス、ロマンス、紀行、全部入っていて本当におもしろいです。
  • 地底旅行
    「どちらに?」
    「私は地球の中心を指差した」
    「地下室に?」
    「いや、もっと下だ」
    どんな時代のどんな場所に行くことも出来るし、人間の想像力ってすごいと、この小説を読んで改めて感じた。
    本の中には地底世界さながら、果てしない世界が広がっているから、読書は一生ごとの楽しみになると思う。
  • 高野優の親子であっちこっち探検隊
    いろいろなところに3人の子どもたちを連れてお出かけする体験レポート。かなり面白い。我が家でも忍者体験に行ったり、春日部市の水路体験に行ったりしてみたい。

    全く期待していなかった巻末の「カナダ体験記」が1番面白かった。カナダが多民族国家であり、非常に寛容な面やしっかりした教育ポリシーを持っていること...続きを読む