高野優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ黄色い部屋の謎、人体消失の廊下の謎、銃で撃たれたはずなのに刺殺の死体。この作品の謎は大きく分けるとこの3つだった。特に1つ目と2つ目が難題で、これどういうトリックなんだろうな~と思いながら読んでいた。
窓も扉も締め切られている密室で、犯人はそこからどう脱出したのか!?という古典的な謎。しかも密室も隠し部屋などがない完全な密室。
この事件、最後に男が一人死んだけど、狙われていた科学者の娘は死ななかったのは驚いた。その娘が犯人に秘密を握られているから犯人のことを知っていても言えなかったという流れはよくあるやつだなと思った(1907年の作品なので当時ではかなり新鮮だったのかもしれない)
密室はガチ密室で、本当に襲われたのはもっと前で、娘が悲鳴を上げたときは部屋に一人でしたという真相は、「なあんだ」ではあった。事前に「なあんだ」と思うようなもの、と探偵自らが言ってたので期待値下げれていてよかった。
人体消失廊下の謎も、言われてみればたしかにという真相だった。
犯人も結構驚いた。この中にいる……?誰だ……?と思ってたが、なんだかんだあの優秀刑事を犯人候補から外していた自分に気づかされた。こいつはかませ犬的な役割なんだろうなと思っていた……。
犯人のシンプルな驚きもあったし、密室と人体消失廊下の謎も面白かった。娘の秘密は犯罪者と結婚して子供まで生んでいたという内容で、まあそんなもんだよなという感じだった。
1907年の作品だということを鑑みるとすごくよくできたミステリだと思う。真相がわかってしまうと「なんだそんなことだったんか」って感じだったが、謎のひとつひとつ、手掛かりのひとつひとつが真相に関連していて面白かった。
探偵が登場人物の前で真相を明かすパート、本格ミステリの醍醐味のひとつだなと思う。 -
Posted by ブクログ
感想は1、2あわせてのものです。というか、なぜ上下ではないんだろうか?
ナチス政権下で女性の惨殺体が発見される連続殺人事件。極端な監視社会でなぜこんなことが起きたのか?そして被害者は妊娠しており、殺害後に胎児を取り出されていたことも明らかに・・・
前半は手掛かり探しとほぼほぼミスリードに費やされて・・・2巻半ばくらいからようやく真相に迫っていく感じ。そのあたりで初めて提示された手がかりなんかもあったりするのでミステリとしてというよりはサスペンス的な楽しみが主じゃないかな。
あとナチスドイツだしなあ・・まあ実際に行われた人体実験の話とかもりもりでてくる露悪趣味な展開は十分に予想できた。それでもまあ暗い。史実だからしょうがないけど。
そして最終的な犯人も大してひどい目に合うことなく・・というのはなあ。どうせフィクションだったらフィクション部くらいは爽快感がほしいところではあった。個人的な好みとしては。 -
Posted by ブクログ
にんじん―。髪の毛が赤くてそばかすだけらけのルピック家の三番目の男の子はみんなからそう呼ばれている。あだなをつけたのはお母さんだ―。
原作は1894年の出版。村田沙耶香sanが小学生の時に読んで、「最後まで絶望的であることにすごく救われた」と紹介されていることを知り、手に取りました。
冒頭から母親による精神的な虐待につぐ虐待の連続。「にわとり小屋」から始まり、「うさぎ小屋」辺りでは、読むのがツラ過ぎて断念しそうでした。ただ、「ウマゴヤシ」で兄のフェリックスと野原で無邪気に遊んでいるシーンは、少し救われました。
訳者の高野優sanのあとがきにもありましたが、本作は、この辛い状況でもにんじんが生き抜く力(レジリエンス)を示したり、悲しみや苦しみのなかにある小さな喜びや楽しみ等が描かれている文学作品だと思います。
最後の姉エルネスティーヌの結婚式直前のエピソードで、塀の影から出てきた母親に対し、恐ろしい笑みに負けずに、返した言葉が良かったです。にんじん、負けないで! -
Posted by ブクログ
空想科学小説とは」…巻末にある解説が面白い。
現代の地球科学の定説から見ると、ヴェルヌのこの小説は荒唐無稽すぎてちょっと引いてしまうかもしれない。
でも冒険物語として読むと、「映画」ではインディ・ジョーンズシリーズもハムナプトラシリーズも、古くはロマンシングストーンシリーズだって「ありえない」が満載。
同じようなストーリーを持つSF映画「ザ・コア」(地球の核へ冒険する映画、2003年公開)だって、21世紀にないってからにもかかわらず、かなり怪しい。
でも、みんな楽しんでいる。
ディズニーシーのアトラクション「センター・オブ・ジ・アース」は、この小説をもとにした映画からできているじゃない♪
さらに、巻末の解説を読めばこの物語が当時の科学レベルからして、十分にSF小説として成り立つことがわかる(今だって、誰も地球の中心を見たことはないし……)。
児童書の枠を外して『海底二万里』に次いで『地底探検』を改めて読んでみると、科学に対する探究心とは、常識を疑うことと突き進み続ける力であることが浮かび上がる。
リーデンブロック教授の作中での“爆裂”ひと言集
「それがなんじゃ。わしは信じぬ」
「人ができて自分にできないわけがない」
「科学は間違ってばかりだ。だからこそ進歩する」
さあ、あなたならどう読むか。