高野優のレビュー一覧

  • 八十日間世界一周(上)

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    面白かった。
    旅であり、冒険でもある世界一周。
    それを当時の移動手段で80日でするという。
    その80日はなんとしても守らなくてはいけない。
    障害はいくつもやって来る。どう乗り切るか?!
    追跡者との争いはどうなるのか下巻を期待!

    当時の世情も読んでいて楽しいし、登場人物はみんなしっかりキャラがある。
    わくわくドキドキする展開も楽しい。かなり前の時代に書かれた本ではあるが今読んでも十分楽しめる。ゾウに乗って旅をしたい!
    新訳だからか、読んでいて分かりづらかったり不自然な言葉もない。
    子どもたちにも読ませたい一冊。
    大人の自分が読んでも楽しいしくて、下巻が楽しみになるほど。刑事さんの結末はどうなる

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    2025年11月21日
  • 死者の国

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    親に捨てられたり、機能不全家族で育った人たちにはとても刺さる小説。私もそれなので登場人物たちにことごとく感情移入してしまった。してしまったというのは心の痛みが分かりすぎるということで、読んでる最中はトラウマが蘇り辛い場面もあった。

    犯人と主人公は同じでありながらそれぞれ違う未来を歩んだ存在として描かれる。自分がどちらになるかは自分で決められる。機能不全家族で育ったから、親に捨てられたから、呪われた血を受け継いでいるかは関係ないのだ。犯人が子どもに手をかけなかったのは、本人も薄々そのことに気づいていたからではないだろうか。

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    2025年08月22日
  • 黄色い部屋の秘密〔新訳版〕

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    フランスの田舎町の古い城館には、科学者スタンガーソン博士と令嬢のマチルド嬢が使用人たちと暮らしていた。
    ある夜、実験を続けていたスタンガーソン博士と老僕は、実験室のすぐ隣のマチルド嬢の部屋、別名「黄色い部屋」と呼ばれる部屋からマチルド嬢の悲鳴と銃声を聞く。スタンガーソン博士と使用人たちはなんとか扉をたたき破って黄色い部屋になだれ込むと、大怪我をしたマチルド嬢が倒れている。しかし完全な密室の黄色い部屋に犯人の姿はないではないか!

    この事件捜査に呼ばれたのはパリ警視庁の刑事であるフレデリック・ランサン。だがこの事件を何としても自分で解決したい!と張り切る若者がいた。まだ18歳の新聞記者ジョゼフ・

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    2025年05月06日
  • 八十日間世界一周(下)

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    そんなもん面白くないわけがない

    と言うわけで、上巻でフォッグ氏一行が利用した交通手段で、当時と現在も変わらずにあるものの答えは「象」です
    簡単すぎて申し訳ない

    それにしても、なによこの面白さ

    そして面白ポイントは無限にあるんだが、今回は主人公フォッグ氏の魅力について語りたい

    フォッグ氏はまずイギリス人紳士なんです
    で、外からは感情が良く分からんの
    常に冷静沈着、言葉数も少ない
    だけど中身はめちゃくちゃ情が厚くて、親切で、誇り高い

    そしてなんかちょっと変なことするとだいたい「イギリス人らしい」とか書かれる
    ヴェルヌはフランス人なので、恐らくちょっと馬鹿にしてる
    イギリス紳士馬鹿にしてる

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    2025年03月26日
  • にんじん

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    以下、中学2年生の時に書いた読書感想文をそのまま掲載:
    「あなたの分のメロンはないわ。だって、あなたは私と同じでメロンが嫌いだから…ええ、まちがいないわ」
    「そうか、ぼくはメロンが嫌いだったんだ。ママが間違いないと言うなら、間違いない。」
    ジュール・ルナール作の「にんじん」。この本は、あらゆる面で私に大きな衝撃を与えたし、私なりの大きな褒め言葉としてあえてこう言いたい。「出来ることならもう二度と読みたくない」。それほどに悲しくて、痛い。
    まず、この話の主人公の本当の名前は最後まで分からない。なぜかといえば、この主人公は終始周りから「にんじん」と呼ばれ続けるからである。にんじんは髪色が由来のあだ

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    2024年12月21日
  • 未来のイヴ

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    思うことが、いっぱい有り過ぎて、感想がまとまらない。
    いろいろな意味で規格外な作品。
    800頁近い大作で、読むには時間が掛かったが、飽きずに食い入るように読ませてもらった。
    これだけ、面白く読めたのは、古典新訳文庫として、僕のような無知無学な人にも分かりやす翻訳して頂いたおかげだ。
    このシリーズの古典文学は、今後も読んで行こうと思う。

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    2024年06月24日
  • 八十日間世界一周(下)

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    さて、下巻である。

    前回、上海で乗り遅れたかにみえたフォッグ氏らだが、間一髪乗せてもらうことができた。そして船ではパスパルトゥーとも再会できる。
    舞台はアメリカ大陸へ。アメリカは主に鉄道の旅であるが、インディアンとの闘争が繰り広げられていた時代、鉄道旅といえども一筋縄ではいかない。
    ニューヨークを目指して急ぐが、大西洋を渡る船にまたしても乗り遅れてしまい…。
    フォッグ氏らは、約束の時間に戻ってくることができるのか。

    上巻の感想と重なるけれど、この時代の国々の様子がわかるのが一番面白いところ。
    そして降りかかる問題に、(主に金の力をもって)フォッグ氏が慌てずに適切な次善の策をとっていくところ

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    2024年03月11日
  • 八十日間世界一周(下)

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    アウダ夫人の登場以来、旅を彩る紅一点として、心穏やかになる瞬間もしばしば。フォッグ氏に対する感謝と同時にわずかな恋心のようなものも感じ取れ、最後に2人は結ばれるのではないかとワクワクしながら読み進められた。最高のハッピーエンドが見られて非常に満足である。

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    2024年01月09日
  • あなたを想う花 下

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    フランスのシャロン村で墓地の管理人として働く中年女性ヴィオレットと不実な夫フィリップを中心に、様々な愛と喪失の物語が過去と現在を行き来しながら94の短い章で綴られる。両親を知らず複数の里親の元で育ったヴィオレットはジョン・アーヴィングの『サイダーハウス・ルール』を、主人公の孤児ホーマーの境遇や生き方に共感し愛読する。亡き母イレーヌを他人の夫ガブリエルの墓に入れる為に訪れた警視のジュリアンとの出会い。イレーヌとガブリエルの秘められた大人の恋は繊細かつ思いやりをもって描かれる。多くを求めず、有り合わせの自由な日々を幸せと感じながらも、否応なく様々な死と向き合わされる墓地での日常の中で、ヴィオレット

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    2024年01月07日
  • 八十日間世界一周(上)

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    ネタバレ

    ジュール・ヴェルヌ、既読の地底旅行、海底2万海里、十五少年漂流記ともにアドベンチャーワールドさく裂。まだ上巻だけどドキドキ。「改革クラブ」に通うフォッグは無口でニヒルな男性。クラブで80日間で世界一周できるか賭けをする。なんと行くのは自分。召使のパスパルトゥーと一緒にロンドンを出発。スエズ運河、インド、上海、横浜、サンフランシスコ、ロンドンへ戻る計画。もちろん賭けは不成功が大半。フォッグ一行はインドで恐ろし伝統を体験。亡くなった夫のために火炙りになる妻。フォッグはこれを阻止!アウダ夫人とともに下巻へ。⑤↑

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    2023年11月06日
  • あなたを想う花 下

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    2023年上半期ベスト1。
    フランスの片田舎、孤独ながら丁寧に送られる墓地管理人女性の暮らしに憧れが募り、「墓守女になりたい」などと思っていたら、徐々にあらわになっていく彼女の凄まじい悲劇…。過去の人生と、昔のあるカップルの物語と複数の筋が交錯しつつ、あるとは知らなかった謎が解かれていくミステリ小説でもあって、実に見事な構成。
    でも誰も悪くなくて、自分の価値観で行動してただけなのに、すれ違い傷つけあってしまった悲しさよ。

    自分にとって大切なものはなに?って、しっかり価値を見つめて、慈しんでいかなくちゃなんねえよと思いました。

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    2023年08月27日
  • 忘却の河 下

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    次々と事件が起きた上巻に比べ、下巻はそれぞれの事件に関わる人を中心に、謎を包囲して行くように展開していく。輪廻転生と因果応報と言う主題はそのままに、深く沈滞したままの事件と浅瀬を流れるかの様な新たな事件が交錯する。とんでもなく悪い奴の出現でページを捲る手が止まらない。
    最後は涙なのが出来すぎ感強めかな?
    全体的に人名にふりがなが付いてたのが良かった。

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    2023年07月27日
  • 忘却の河 上

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    華文ミステリーが本当にレベル高くて面白い。「幽霊ホテルからの手紙」でファンになった作家さんの邦訳2作目?訳者が4人でしかも仏語の翻訳家、と言う点も出版までの紆余曲折を疑ってしまう。少しホラーがかった輪廻転生をモチーフに始まる。日付ごとに展開していくので少年の成長ぶりや申明の命日などが分かり易く追えるのも読み易い。

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    2023年07月26日
  • 忘却の河 下

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    蔡駿『忘却の河 (下)』竹書房文庫。

    生まれ変わりという超常現象と複数の殺人事件に纏わるミステリーとを融合した中国小説の下巻。

    上巻は非常に展開が早く、非常に面白いと思ったのだが、下巻は少し間延びした感がある。それでも、申明が刺殺された事件の背景が徐々に明らかになり、犯人の正体と事件の全貌、結末が知りたくて、ページを捲る手が止まらなくなる。

    輪廻転生と因果応報。生まれ変わりと人びとの犯した罪の無限ループ。


    2011年。高校生に進学した申明の生まれ変わりの司望は、申明のかつての教え子で教師になった欧陽小枝と運命の再会を果たす。司望は申明の死に纏わる真相を解き明かそうとする。

    申明の教

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    2023年07月03日
  • あなたを想う花 上

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    久しぶりに素敵なお話を読んだ。

    50歳になるヴィオレット。彼女はブルゴーニュの小さな町にある墓地の管理人をしている。
    夫は随分前から行方不明。その夫との間に娘がいたが小さい頃にある出来事で亡くしてしまう。

    彼女の閉ざされた心は墓地の前の管理人と出会ってから溶け出していく。

    管理人として働きだしていろんな人々と出会い、
    その中には彼女の人生を変えてくれる人も。

    彼女の夫の思いも最後の方でわかったり、とにかく複雑ににいろんな話が混ざり合って、1本の映画を見たよう。実際に映画になるんじゃないかな。

    作者は、映画「男と女」の監督クロード・ルルーシュのパートナーという事で、そういった世界観かも

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    2023年06月20日
  • あなたを想う花 下

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    フランスの小さな町で墓地の管理人をしているヴィオレット。墓地にある管理人小屋で一人生活をし、墓地に訪れる人たちや、神父や墓掘人たちと静かな日々を送っている。そこにある男性が現れてからヴィオレットの日常に変化があって、過去の出来事が語られていく。なぜ墓地の管理人になったのか、過去に何があったのか。その出来事ひとつひとつの大きさ、衝撃がヴィオレットの喪失の深さを表している。過去に生きていたヴィオレットが少しずつ再生していく、生の喜びをまた見出していく過程が素晴らしい。

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    2023年05月31日
  • にんじん

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    激甘の父親の本を読んだ後は、激辛の母親…
    読むの辛かった…けど、にんじんが本当に健気で冷静で思慮深くて。今すぐ助け出しに行きたくなるけど、ちょくちょくと入る隠喩やにんじん自体の考え方が素敵すぎて。
    そして一編あたりが短いのも助かる…見てられないよ。
    じわじわと自立、成長する人参のほんの一部分を垣間見れました

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    2023年05月21日
  • あなたを想う花 下

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    上巻とは打って変わってミステリー要素の濃い内容になってきます。娘の事故の真相が徐々にわかってくるにつれてヴァイオレットがフィリップへのことを理解していきます。
    「あの人はちっとも恵まれてはいませんでした。いつも孤独で不幸だったんですもの・・・。そんなに不幸にならなくてもいいと思うくらいに・・・。」

    最後にフィリップはなんかかっこいい描かれ方をしていますが、クズらしく女性とバイクのうちバイクを選びます。彼の役割は何だったのか。女性を不幸にするのが役割だったのですが、ヴァイオレットに新しい人生を始めるためのきっかけを与えるのが本当の役割だったのではないでしょうか。

    ヴァイオレットは娘の事故の真

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    2023年05月01日
  • あなたを想う花 上

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    「たったひとりで墓地を管理するヴァイオレット」という紹介文を読んですぐに読みたいと思いました。ここ半年で3冊墓暴きの小説を読みました、墓地には人生を変えるなにかがあるのでしょう。ちなみにその3冊とはスティーヴン・キング『ダーク・ハーフ』、チャド・ハーバック『守備の極意』、チャック・パラニョーク『インベンション・オブ・サウンド』になります。この小説には墓暴きシーンはありませんが、墓を掘り起こすときの注意事項が語られています。
    「墓を掘り起こすときには、墓堀り人が両隣の墓を壊さないように、見張ってほしいということだ。」
    ということで墓暴きは複数人で行うことを推奨しています。

    私は本の表紙をしらず

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    2023年05月01日
  • 八十日間世界一周(下)

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    旅行記、サスペンス、アクション、ラブロマンス、いろんな要素が詰まっていて飽きることなく一気に読んでしまった。
    ヴェルヌの本は、読んでいるだけで実際に見て体験しているような気にさせてくれる生き生きとした描写がとても魅力的で本書でもそれが存分に発揮されていた。

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    2022年11月30日