トマ・ピケティのレビュー一覧

  • 平等について、いま話したいこと

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    知の巨匠二人による対談集。
    平等をキーワードに展開される世界の在り方。
    特に機会の不平等という視点で語られる話は考えさせられることが多かった。
    自戒を込めて「お互い様」の精神が薄れている気がした。

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    2025年07月13日
  • 平等についての小さな歴史

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    トマ・ピケティと言えば、私のイメージは『21世紀の資本』によって資本主義においては格差が縮まらないという事をエビデンスに基づいて明かした人。r > g の法則(資本収益率rが経済成長率gを上回る限り、富は労働者よりも資本所有者に集中する)という、格差拡大の根本的なメカニズムは有名だ。だが、この本は約1000ページと分厚く、ペラペラ捲るだけで購入するに至らず、解説本を購入した記憶がある。

    これ以外にも、『格差と再分配』『資本とイデオロギー』という著作もあり、3冊合わせて約3000ページ。で、今回の本の凄さは、この3000ページだと読み切れないので、コンパクトに纏めて欲しいというリクエスト

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    2025年06月18日
  • 平等についての小さな歴史

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    ネタバレ

    北側諸国(残念ながら日本含む)が植民地から搾り取った資本をさんざん貯め込み、戦争が終わったり独立した後も補償をすること無く、復興のスタート地点から回復し難い差をつけた。
    それにとどまらず、今度は自由主義と市場主義の名の下に、貯め込んだ資本をさらに投資して利益を吸い上げ、援助と言う名の投資すらも自らの利益として還流するシステムを作り上げてきた。
    ついにはr>gが決定的となり、自己フィードバックでますます資本が集まるような強固な国際体系が完成しつつある。
    これが、自由と平等を謳う民主主義が国際協調の美名のもとに行ってきたこと。ピケティの母国で、自由の国と見られがちなフランスも、例外ではないど

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    2025年06月07日
  • 平等について、いま話したいこと

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    ピケティとサンデルの対談本。あまり一緒に考えたことなかったけど、この2人が対談することがあるんだ。
    サンデルが知的で観念的な思考実験をするのに対し、ピケティが現実社会でどのような活動をすべきかの選択を迫る展開は面白い。サンデルも哲学的な裏付けがあるものではないが〜、とか感覚的には〜とか言いながらかなり鋭い意見で応えているのも楽しい。
    左派の頭のよい人たちがそういう風に考えているというのを知ることができるだけでも読む価値ある。

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    2025年05月30日
  • 平等についての小さな歴史

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    「r>g」で著名な経済学者トマス・ピケティ氏のこれまでの書籍のエッセンスを詰め込んだ一冊。総計3,000ページを250ページに凝縮(が、内容が簡単というわけでない)。
    これまでの「不」平等の歴史や背景を数値で分析・解説。それを以って社会国家・累進税・参加型社会主義・公平な選挙や教育・新植民地主義からの脱却を主張する。本書を読むと、植民地政策や租税方針など、18-20世紀の欧州の悪影響を感じざるを得ず、フランス出身の経済学者だからこそ切れ味鋭く自己批判と推敲が出来ている印象。
    現在の権威主義や保護主義が台頭し、分断が再度進む世界において、氏の論説は社会主義や資本主義と並ぶ大変革であろうが、

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    2025年05月08日
  • 平等について、いま話したいこと

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    だいたい海外の学者さんが書く本は分厚くて怯んでしまう。でもこの本はスター学者2人の議論をたのしめるしな、とミーハー心とコスパ精神から取り寄せましたが、手にとってみれば150ページ強という薄さ。対談なのでさらにリーダブル、という読みやすい本でした。対談ものは日本以外はあまりウケない、とどこかで読んだ気がするけれどそんなこともないのかな?内容についての自分の理解としては、我々は特にここ数十年の政治的社会的経済的体験をもとにいわゆる個人にあらゆる責を帰す「公正社会仮説」信者状態だけれど、そのよって立つ足場はあらゆるものが商品化された「市場」だよー。ということ。2人の学者は大きくは脱商品化と人としての

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    2025年05月06日
  • 平等について、いま話したいこと

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    不平等についての2人の対談は、大変面白かった。色んな不平等が存在する中で我々人類が、いかに平等に、かつ幸福に生きるためのヒントが詰まっています。
    しかし、政治や大学入試にくじ引きを使う案は、想像もしませんでした。

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    2025年04月26日
  • マンガで読む 資本とイデオロギー

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    「今日までのあらゆる社会の歴史はさまざまなイデオロギーと正義を追求する闘争の歴史である トマ・ピケティ」

    フランスのとある一族の歴史をなぞりながら、時々の政治の紆余曲折と紐解いた一冊。
    いま各国で見られるアイデンティティの分断に帰結するまで、主に税制に着目して丁寧に解説してくれている。
    全体にかわいらしいイラストとデザインで、楽しく読める。そして、読み終わったとき、表紙のイラストが読む前よりも数段グロテスクに思えた。

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    2025年04月06日
  • 平等について、いま話したいこと

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    欧米を代表する知識人の対談を編集した書物ということで期待は大きかったものの、当たり前ではあるが対談がベースであるため、通常書物であれば解説されるようなことが両者間の知識のレベルによって省略(当然の前提として)されるため、理解が及ばないことが多々あった。また議論が噛み合わない点も多く、サンデルが多くを語らずに終わるテーマがあるのが残念。
    それでも欧米の分断の背景等は説得力のある背景分析が語られ一読に値する。分量もなく2・3時間もあれば通読できる。

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    2025年04月05日
  • 平等について、いま話したいこと

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    不平等は経済的なものに留まらず、仕事・生き方への尊厳にも及ぶ。そもそもあなたと私が何者かを定義しようとするから不平等が発生するのでは?鈴木大拙の「東洋的な見方」で論じる“西洋の二分的な見方”を思い出した。

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    2025年03月08日
  • 21世紀の資本

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    ジャック・アタリのように数字で押しまくるページもあればバルザックからの長い引用もあり、教養の深さの見せ方もさすがといったかんじ
    14章、15章は近〜現代の各国の制度における功罪について述べており興味深い

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    2025年03月02日
  • 平等についての小さな歴史

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    資本主義の歴史を通して、平等がどのように変わってきたか。
    平等のあり方を示すのは、資産や富ばかりでなく、権力もまた、不平等の原因の一つであること
    奴隷制や植民地支配や解放も、ヨーロッパ諸国の勝手で行われてきたこと
    不平等の是正によって、最も富を得たのは、中産階級であったこと
    奴隷解放のために、奴隷の雇い主に賠償金を払うと言うのも。納得できない部分もありますが、長い歴史の中で、平等や自由という概念が、人類に根付いたのは本当にここ最近のことの様な気もします。世界の分裂が進む今、公平さを求める風潮がむしろ、後退している気もしました。

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    2025年02月23日
  • 平等について、いま話したいこと

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    世代的に、僕がかなり影響を受けた二人の思想家の対談本。特にピケティの『21世紀の資本』を読まなかったら今の道に進んでなかったかなとも思うので感慨深いです。内容はピケティが一方的に喋ってて、ほぼ単著でしたが、能力主義によって不平等が正当化されてしまい、その反発として反エリート主義(トランプ現象)に繋がってるというのは、頭に入れなければならない考え方だなと思います。

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    2025年02月05日
  • 平等についての小さな歴史

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    長い歴史を俯瞰したときには、社会の「平等」が進んでいることがデータをもとに説明されている。著者によれば、本書は、過去の複数の著作のサマリとして編纂されており、そのうえで、未来への展望を加えた内容になっているとのこと。たしかに、他書のボリュームを考えると非常に見通しが良くなっており、「比較すれば」とても読みやすい。

    読んでいて、感じたこととして、「社会の平等は善である」が当然の前提として議論が進んでいるが、それは「本音?実際?」の社会のコンセサスといってよいのかと思った。つまり、この「平等は善」について、幅広い実際的なコンセサスを図ること自体について課題を考えなくてよいのかと感じた。もちろん、

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    2025年01月19日
  • 21世紀の資本

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    19世紀から20世紀にかけての世界のお金の流れを、今までにない規模でのデータから集約、分析し、資本主義のなかで拡大する格差に歯止めが必要であると訴える書。

    ふとしたきっかけから手にした、ピケティ『21世紀の資本』。
    本文、およそ600ページ。
    経済の話、苦手だし……、読んでもわからないかもしれないし……。
    読まない理由はいくつもあったけれど、2010年代を代表するベストセラー、せっかくならどんな本か知りたい!と1ページ目から体当たりしていくことにしました。

    さいしょは「資本」とか「所得」の用語が出てくるたびに、意味が頭に定着していないから、いちいち立ち止まっていました。
    ノートにメモをとっ

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    2024年10月27日
  • マンガで読む 資本とイデオロギー

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    原作未読。
    ヨーロッパとアメリカを中心に経済格差について、ある一族の物語を通して解説している。
    勉強になるが、読むと暗い気持ちになる。

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    2024年07月28日
  • 差別と資本主義――レイシズム・キャンセルカルチャー・ジェンダー不平等

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    差別と資本主義は関係がある
    人種差別の問題、日本においてはなかなか実感しずらい
    教育と医療は普遍的な公共サービス
    全ての人に平等に与えられなければならない
    お金儲けのために人の命が軽視される
    人の命がお金に換算される

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    2024年06月14日
  • トマ・ピケティの新・資本論

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    ピケティが書いていた新聞のコラムのまとめ。1章が大体3,4ページくらいなので非常に読みやすい。内容もEUや政権の評価から税金、教育など広範。どの章も簡潔に言いたいことがまとまっておりスッと読めるのが良い。
    大体は不労所得や国際的な個人口座の管理など超富裕層への課税と取り締まり、フランスの教育水準向上などが多く、著者の興味がそこら辺にあることがうかがえる。

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    2024年04月02日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    ピケティさんの書籍はどれも読むのが大変だが、本書は講義内容の文字起こしなのでサクッと読める。格差(所得、資産、ジェンダーなど)や環境問題(炭素排出制限量の南北問題、自然資本の破壊など)についての彼のスタンスとその結論に至った経緯が簡潔に記されている。ピケティさんご自身による「ピケティ入門書」という位置づけの本。

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    2024年01月11日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    あまり追加された新しい視座はなかったように思う。格差はさらに格差を生む、どんな分野でもそれは生じると言うことを本を通して書いてます

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    2023年11月19日