トマ・ピケティのレビュー一覧

  • 平等について、いま話したいこと

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    非常に示唆に富んだ本でした。
    都議選を終え、参議院選挙を控えた今の時期にぜひ読んでほしい一冊です。

    トランプの台頭、日本でも排外主義が蔓延し始めた状況に危機感を覚えつつも、ポピュリズムに一定の魅力を感じなくもないと私は思ってしまいました。

    怖かったです。

    だってヒトラーでも民主主義のプロセスの中から出てきたのだから、自分が誤った価値観で投票することが一票という小さな影響がしれないけれど日本を悪くしてしまうかもしれないと。

    なので、勉強の一環としてこの本を手に取りました。


    漠然としか認識していなかった、

    能力主義
    平等と公平
    グローバリゼーションの物/人/金の違った側面

    それぞれ

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    2025年07月09日
  • 平等について、いま話したいこと

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    大学入試や議会選挙にくじ引きを導入すべき?

    アメリカのトランプ大統領の言動に始まり、
    世界中の国で格差が拡大している現在、これだけタイムリーなテーマがあろうか。
    しかも、それを語るのが「21世紀の資本」の著者のピケティと、
    「実力も運のうち」のサンデル教授!

    確かに、ピケティの言うとおり、昔っから世の中は不平等だった。
    ある意味ここ数百年はましになってきていた。
    しかし、ここにきて世の流れは富を集中させる方向に行きつつある。

    ピケティが一番問題視するのは、GAFAMに代表される、
    多国籍企業の莫大な利益に税金が取れないこと。
    21世紀の資本はこれに真っ向から取り組み、国際的な累進課税を

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    2025年07月07日
  • 平等について、いま話したいこと

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     不平等ineaquality(格差disparityではない)をアメリカの哲学者ハーバード大学教授マイケル・サンデルとフランス経済学者のトマ・ピケティとの対談本。
     不平等がもたらす人間個人と社会のマイナスを累進課税とか大学入学を親の経済力ではなく能力プラスくじ引きで入学させると提案したり、アメリカアイビーリーグの出身者が社会で高い地位についているとの現実を学歴主義から脱皮させようと論じている。左派の論が経済富裕層をより富ませて民主党がアメリカの分断に拍車をかけ、トランプの支持を高めたと説いている。
     地球温暖化、環境破壊も西欧社会が作ったもので、グローバルサウスに負担を強いるような西欧の対

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    2025年06月26日
  • 21世紀の資本

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    ネタバレ

     格差が生まれる原因に興味があり読んだ。
     多くの人が望む資本の蓄積に拡大再生産する性質があり、放置すると格差の固定化につながる、との結論は驚いた。

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    2025年06月09日
  • 平等について、いま話したいこと

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    早川書房ってこんな本も出すんだね。感動したよ。
    作者だけでなく出版社も選ぶタチなので、これから狙いつけておく。
    マイケル・・サンデルもトマ・ピケティも気にはしてたけど読むのは初めて。いきなり「再分配と脱商品化」から対談が始まってうれしかった。私のいまの関心事は教育や介護など公共物の民営化の危険性なのでドンピシャだ。さっそくノートを用意して構えを作った。
    熱いトマと沈着冷静なマイケルが共感しながらも火花を散らしながら考えを交える。サスペンスフルだ。だから早川か。
    市場勝利主義や能力主義が新自由主義と結んで現れるとき結局被害者になるのは我ら普通の国民。豊かさとは縁遠い自分のような人間はほんとに平等

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    2025年05月25日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    トマ・ピケティが社会にある不平等の定量的実態と、その源泉について講演した際の書き起こし。

    不平等の源泉は政治的構造であるという批判は、『国家はなぜ衰退するのか』と同じ論調。
    再分配・累進課税の強化には賛成だけど、どこまでも比率を上げ続ければ良くなるのか?という検証と、働く人が意欲を失わない制度設計(=『壁』の完全撤廃)は必須に思う。

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    2025年05月15日
  • 平等について、いま話したいこと

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    市民の『尊厳』という視点を失った国家は分断が進み、やがて全体合意が取れず前進できなくなるというダイナミクスがイメージされる。読んでいるとドキドキする。
    トランプのような人物が生まれる背景についても実直に議論していて、非常に納得感がある。
    対談形式なのでライトに読み進められるし、読めるところだけ掻い摘んでも今の世界構造に対する解像度が上がると思う。
    多くの東海岸の住民たちが同時にこの対談に触れたら、その時彼らはなにを思うのだろうか。

    昔からマイケル・サンデルの思想は自分にめちゃくちゃフィットするのだけども、同じような方向を向きつつ違う視点での提案をするトマ・ピケティの話もおもしろかった。今まで

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    2025年05月12日
  • 21世紀の資本

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    データのまとめ方が秀逸。
    そして、恒常的に資本収益率が経済成長率を上回る状態が世界各国に何をもたらすかということを真剣に受け止めなければならないのだと理解した。
    格差社会化は日本に限った話ではない。これが行きつく先はどんな世界なのかと思うと希望がなくなってくる。

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    2025年05月12日
  • 平等について、いま話したいこと

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    確かトマ・ピケティは、途中挫折したけ、要約本を読んだか、程度で、歯が立たないと思ってたが、この本は対談だから読みやすくて良かった。
    私が特に感銘を受けたのは
    ・株主による企業の保有割合を半分までとする案
    ・金持ちとそうでない人の闘争にしようという案(昔はアメリカも高額所得者への税率が高かったことへの驚き)

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    2025年05月07日
  • 平等について、いま話したいこと

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    ネタバレ

     不平等の3つの側面=経済的側面、政治的側面、そして社会関係-尊厳、身分、尊重に関する側面、について語り合う。
     
     トランプやル・ペンを生み出したものは左派がそれらについて置き去りにしてきたからだ、という。そしてそれらを解決していくためには、経済の脱商品化、累進課税の強化、大学入試や議員をくじ引きで・・と、幾つもの提案がなされる。二人の考えは、微妙に異なるが、大筋では合意されながら議論は進んでいく。

     読者の覚悟が求められています。平等であるべきだ、とすれば3つの側面で大胆な改革を進める必要があることを明白で、それを現実の政治に引き付けて考えれば、各政党の今の主張、施策は平等を拡大するもの

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    2025年04月29日
  • 平等について、いま話したいこと

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    ネタバレ

    本当に、こうして本に収めたい対談ですね、感謝。

    ピケティの頭の中ーそれを世界に、伝える体力と精神力。
    サンデル教授も、自分の言いたいところちゃんとついてくる+まとめるのうますぎる。

    何を今話しているか、きっと常に宇宙から衛星で眺めているんだろうね。

    サンデル教授が問いを重ねて、ピケティの持論が展開されていく、

    という問答スタイルに一見感じる部分も多いのだけれど、

    最後にはサンデル教授の論、

    つまり、これまでの著作で主に論点として議論されてきた、

    グローバリゼーション、リベラリズム、

    金融化、商品化、

    能力主義、学歴偏重主義、

    について、

    ピケティもそれに合わせて話している

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    2025年04月03日
  • 平等について、いま話したいこと

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    平等にまつわる問題について、深い議論というよりは、考えるタネをたくさんばら撒いてくれている。
    サンデルファンとしては真新しい主張は見受けられなかったが、ピケティの本をもっと読んでみようと思えた。

    みんなルソー好きだなあ。ルソーももう一回ちゃんと読んでみよう。

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    2025年03月26日
  • 平等について、いま話したいこと

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    個人的には期待以上の本であった。確かに掘り下げた議論になっておらず、噛み合っていなかったり上手くかわしているだけのところも多いのだが、対談録と言うことで、具体的なデータや筋を追ったわかりやすい議論、ましてや一定の結論を示すというのはそぐわないであろう。むしろ、議論の中から浮かび上がる「平等」と言うテーマに対するスタンス、アプローチの違いこそが重要で、それを把握した上で、自身なりの考察をするに当たって、大変良い本と思う。中でも解説が大変分かりやすく、思考の整理に役立った。
    個人的には、サンデルは平等を社会が追求すべき「善なるもの」の定義に関わる前提条件の一つとして捉えている様に思われる。社会が共

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    2025年03月15日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    ピケティ入門書。2冊の他の著書を引用しながらした講演をまとめたもので、問題意識がクリアなものの、資料は一部のみしか掲載されてません。気になる箇所が出たら追加で文献を買って深掘りする必要があります。
    なぜ不平等ではいけないのか、参政権が平等にあれば男女格差は是正されるのか、先進国は本当に二酸化炭素の排出量が低いのか、そんな素朴な質問を持つ人が最初に読むと良い本かもしれません。

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    2025年01月04日
  • マンガで読む 資本とイデオロギー

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    原作はピケティ氏。表紙の絵がキャピタリズムの基本を象徴している。1980年頃まで政策論争の構造は階級闘争的なもので、左派は労働者、右派は資本家が支持していた。しかし、それ以降徐々に左派は高学歴の管理職や知的職業の人達からの支持を集めるようになった。この逆転現象は欧米のあらゆる民主主義国(日本は入っていないようだ)の投票行動に見られるという。確かにトランプ派やルペン派の勢いを見ると、右派は旧来型の資本家と、逆に現状の収入等に不満を持つ層からの人気が有るように見える。この本でも、庶民階級や中流階級の人々の思っている「自分達は見捨てられている」という気持ちを利用して、反移民とナショナリズムのイデオロ

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    2024年09月12日
  • 資本とイデオロギー

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    931ページの大著。「21世紀の資本」の続編。
    当然熟読は不可能。
    しかし、全頁間違いなく眺めた。
    ピケティの思考プロセスを追うことだけはできたと自負している。

    テーマは「格差」。
    私の問題意識でもある。
    ピケティはこの問題を、古今東西の格差の歴史を追いかけながら、分析を深める。
    格差を正当化するのは「格差レジーム」、格差はイデオロギーだと看破する。

    1950年から80年はそれ以前と比べ、格差が低い水準だった。
    それが今日拡大するきっかけになったのはレーガノミクス。
    このあたりは自分もリアルタイムに覚えている。

    累進課税こそがやる気を失わせ、経済発展を削いでいる。
    課税を低くすれば、能力

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    2024年08月02日
  • 資本とイデオロギー

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    『21世紀の資本』に続くトマ・ピケティの超大作。欧米の他に中国、インド、日本、南アフリカなどについても経済の格差に主眼をおいて歴史的に分析している。時代の変遷に従って、国民の資本格差がどうなっているのかを比較することによって普遍性を導き出し、解決策を述べている。分析は極めて精緻であり勉強になる。ピケティの主張はマルクス主義に似ており、純粋な資本主義、自由主義、グローバル主義は格差を広げるので、平等を追求する社会主義の方向に舵を切るべきというのが結論となっている。自由と資本主義は強力であり、ピケティの主張では競争力を低下させ国力を削ぐだけになるように思われる。ピケティのいう「参加型社会主義」の地

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    2024年05月12日
  • 21世紀の資本

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    8年ぶり再読。2024年現在の状況は日経平均最高値更新、なかなか増えない名目賃金とまさにr>gの世界であり、ますます本書の指摘通りとなっている。

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    2024年03月26日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    講演録なので、分かりやすかった。所得格差と資産格差をどうにかしないと格差はなくならない、とわかった。教育もすごく重要だし、ジェンダー格差もなくさないと日本に未来はないと思った。

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    2024年01月10日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    格差についていくつもの観点からなされた分析を、1〜2枚の図表と短い文章で次々と展開していく。しかもそれらが一つの明快な主張のもとに構成され、澱みなく連なっている。どのトピックもワークショップのネタにすぐ使えそうだ。

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    2023年11月28日