トマ・ピケティのレビュー一覧
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2022.3.18にケ・ブランリ=ジャック・シラク美術館で行われた講演の原稿を加筆訂正したもの。講演は民族学会の招きで行われた。
・不平等を生む体制が社会によってどれほど異なるとしても、過去数世紀にわたって基調的な流れ~社会的な平等へと向かう底流はあった。18世紀末という特定の時期に水脈が現れ、政治的・社会経済的平等の実現をめざして勢いを増したていった。
・不平等を生む体制は社会によって大きく異なるが、自然、文化、不平等の間にはまったくちがう種類の関係性が存在する
・気候変動問題は、現在の資本主義システムとはまったく異なる新しい経済システムの出現なくしては解決できない。それは「民主的でエコロ -
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r>gで有名なフランスの経済学者のトマ・ピケティが過去データを分析して、不平等を切り口に世界で起こっている様々なことを論じる。
所得、ジェンダー、教育格差など。驚いたのはヨーロッパなどでは1800年代から統計データがあること。
累進課税などの導入により、十分ではないが、格差は縮まっていること。
教育に国がかけるお金は重要であり、これが格差を縮めるのに重要な役割を果たすが後回しにされること。
炭素の排出量は一人当たりに換算すると北米が群を抜いて大きいにも関わらず、同様の排出量が求められていることなど、筆者が述べるように分野を超えて専門家の知見を集約することが重要である。 -
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著者がフランスの日刊紙に月1回の頻度で掲載するコラムをまとめたもの。最新の記事が2011年であり、おおよそ10年前のフランスに関する話題。
21世紀の資本に書かれているエッセンスがすでにあり、資本による収益率は経済の成長率を超えているため、資本を持つものはさらに富み、そうで無いものとの格差が広がる、という考えのもと、度々、資本に累進性の課税を行うべきとの主張が展開される。
遺産を受け継いだだけの経営者の子が、スティーブ・ジョブズよりも資産を持っている、という例が引かれており、それを読むとこの主張も説得力を感じざるを得ない。
日本においてはどうなんだろうか? -
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議論のネタに尽きない本です。
1.この本を一言で表すと?
・ヨーロッパの時事ネタ集
2.よかった点を3〜5つ
・「46 FRBを非難すべきか」
→FRBの2010年の金融緩和について、ハイパーインフレなんか起きない、数パーセントのインフレになるのはむしろ歓迎、デフレの下で景気低迷を長引かせてはいけない、という主張は、アベノミクスに通じる所があり、面白い。
・「65 優柔不断なオランド」
→右派のサルコジを批判するが、左派のオランドも批判するの、客観的でよい。
・「68 水曜日も学校を」
→フランスは水曜日が学校休みというのを初めて知った。
・フランスの教育全般について、憂慮して -
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ネタバレヨーロッパは、政治的にばらばらで団結できずにいるせいで、金融システムの不安定性と不透明性に対して脆弱になっている イギリスの労働人口の生産性の低いのは、教育制度に投じる予算が少ないことと、貴族政治時代をひきずる顕著な階層化に大きな原因がある よい税金とは、政府支出の財源を提供し、公平かつ累進課税であって、個人と企業にできるだけ干渉しない税である ドイツ人の遺伝子にナチズムがないように、ギリシャ人の遺伝子も怠け癖はない フランスは、自国の税制・社会保障制度の改革や近代化ができないうえに、公的債務の共同管理に関して具体的な提案すらできないという無能ぶりをさらけ出している どんな国も年1~1.5%以
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やっと読み終わったが、行きつ戻りつしながら半年近くかかってしまった。
もうブームは去ってしまったのか・・・
富と所得の分配について再度考えさせられるきっかけになったこと、関連する日本経済構造のベースはアメリカではなくヨーロッパに近いことが再認識できたことは大いにメリットであったが、正直それ以外いまいち得たものがなかった。
私の意識が低すぎるのかも知れないが。
2回目
発刊当時は上記の様に感じたが、今になって書かれていることがようやく理解できるようになった気がする。
ピケティ少し先を行き過ぎていたのかも知れない。これから再評価されるのではという気がする。 -
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やっと読み終わった。長い。長いよー。
さんざん言われてるように、r > g(資本収益率 > 経済成長率)が議論の出発点。そしてそれが資本の集中と大きな経済格差につながること、その格差を是正するための政策を議論する。話としてはとてもシンプル。
それがこんな大著になるのは、世界中の膨大なデータを収集し、詳細に実証して見せているからで、そうして構築された議論はやはり力強いし説得力がある。
ただ、あまりに長く込み入っているので、通読するのはやはりしんどい。かといっていろいろ出てるピケティ本も玉石混淆ぽいし。とりあえず手っ取り早くおさえるには、山形浩生(訳者)の解説PDFがいちばんいいと思う