加藤廣のレビュー一覧
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現在の日本の貨幣制度は金等に基づく制度ではありませんが、歴史の大部分では金や銀に基づく貨幣制度であったと認識しています。
戦国時代において覇権を取った人たちは例外なく日本の金や銀鉱山を掌握していますが、この本の著者である加藤氏によれば、金の使い方が秀吉と徳川幕府においては異なっていたようで、それが最終的には倒幕の原因にまで繋がっていたようです。
加藤氏の歴史小説は、金融業界に勤務されていたこともあり、所々に経済的な視点から時代を捉えていることが特徴的です。この本は彼が書いた最初とも思える「金」をベースとした日本通史の解説本です。今までには無いユニークな本として大変楽しく読むことができました -
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信長の三部作第三弾が読み終わった。日本最大といっていいくらいの謎を3方向から読み終わり、実に充実感があった。
特に今回の明智左馬之助の恋はすごく興味深かった。明智光秀を有能な部下というより、出世を重んじる武将とし、今まで私が持っていたエリート武将の意識を全く別の観点から描き、謀反を朝廷の策略に信長との単なる行き違いとしてしまっている点が非常におもしろい。もし、上司と部下の行き違いが歴史の謎の原因だったとしたら、いつの時代も変わらないなということになり、いかにも光秀には冷酷な生涯ということになる。
明智左馬之助下巻は、その謎に迫る加藤廣の仮説と勝負が決まってからの左馬之助のカッコよさが目立った。 -
Posted by ブクログ
本能寺三部作読み直しです。まず初めに本書。
この第一部は、桶狭間の戦い、本能寺の変の裏側や、信長公の遺体の秘密など、本能寺前後の謎が明かされる歴史ミステリー。
また、信長公はじめ、戦国武将たちのこれまでのイメージを覆してくれる、新たな人物像の描写もあり、それも面白いです。なるほど、もしかしたらこんな人物だったのかも、と想像を掻き立てられますね。
主人公は太田和泉守。上巻は本能寺の変が起こり、信長公の側近であった彼が、時代の流れに翻弄されるところから始まります。初っ端からこの人どうなんの?という状況にハラハラしますが、結構図太いです、太田殿。
そして、無事に戻ることができると、信長公の伝記を