加藤廣のレビュー一覧

  • 水軍遙かなり(下)

    Posted by ブクログ

    本作は…敢えて「一定程度知られる華々しい戦い」というものを描写する機会を設けず、寧ろ「実は…」という“新説”めいた事項も含む話しを明かし、そして膨らむ想いとそれが幻滅してしまう過程を丹念に描き込んでいる…或いは非常に「この作者の作品らしい」印象も受けた…

    作者らしいものであろうと、その限りでもないものであろうと、それはどうでも構わないのだが、或いは「エネルギーや意欲を傾注すべきポイントがズレた」結果として展開した歴史という“問題意識”が大変に興味深い。“水軍”というモノが大きな存在感を持ちえた時期が在り、“水軍”の存在感が矮小化されてしまった時期も在ったという訳である…

    こうした「或いは一

    0
    2016年09月08日
  • 信長の血脈

    Posted by ブクログ

    「信長の棺」を書いた加藤廣の作品。
    四部作の短編集になっていて、
    平手政秀の証
    伊吹山薬草譚
    山三郎の死
    天草挽歌
    この中で個人的にこれは!!と思ったのが
    平手政秀。
    男の中の男だわ、政秀。
    史実云々どうであれこれはこれで素晴らしい
    信長の最後の変身っぷり。
    あんまり世に出ないというか、どちらかというとサブ的な?描かれ方の多い
    登場人物が主になっているので
    また普段の時代小説とは違った楽しみ方が出来ると思う。

    0
    2016年02月13日
  • 安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録

    Posted by ブクログ

    3つの短編のどれも面白い。特につくもなす物語は、天下壷が武将の手を渡っていくことと、人々の栄枯盛衰を描いた、興味深いはなしになっている。つくも茄子は、今は世田谷区にあるセイカドウの所有になっているとのこと。みてみたい。

    0
    2015年06月08日
  • 信長の血脈

    Posted by ブクログ

    著者の長編・本能寺三部作を知らずに読んだが、脇役の視点をもって、うつけと称される信長の成長期、戦国時代における薬草と火薬の伝播、秀吉の嗣子・秀頼の出生秘話、そして徳川治世に至る最後の大戦・天草四郎の乱の経緯という、歴史の不明瞭な大事について推論を仕立ててくれる。文章が平易で読みやすく、展開は史料をもとに独創的で惹かれる。出雲の阿国の念仏踊りにカブキ踊りの描写は、その真偽は別としてそそられた。どうやら本能寺三部作を読まぬわけにはいかない。

    0
    2015年02月12日
  • 黄金の日本史

    Posted by ブクログ

    日本史は義務教育以来ですが、こんな視点もあるなら興味が持てそう。
    優秀なリーダーはキンに目を向けているんですね。

    0
    2012年11月20日
  • 信長の棺 下

    Posted by ブクログ

    歴史ミステリーおもしろかった!信長の遺骸が消えた謎、秀吉の「中国大返し」がなぜ可能だったのか、桶狭間の戦いの奇跡の大勝利の謎、本能寺の変の黒幕などなど興味深い話ばかり。主人公が「信長公記」の著者だというのも面白い!ほんとの信長はどんな人だったのかますます興味を惹かれた。史実はわからないけど物語としても十分面白かった。

    0
    2013年05月09日
  • 秀吉の枷 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文字通り秀吉の「枷」を描いた作品。
    ミステリーの要素を含むが、実はこれが真相であってもおかしくない裏付けがある。
    天下人となった秀吉に子供ができない葛藤、淀君との関係、家康への嫉妬と非常にわかりやすく面白かった。
    欲を言えば家康との絡みがもっとあってもよかったと思う。

    0
    2012年01月23日
  • 信長の棺 上

    Posted by ブクログ

    まだ上巻なのでなんともいえないけれど、私が今一番興味がある戦国時代の話だし、本能寺の変の謎、信長の遺骸はどこにあるのか?の謎の話なので大変興味深い。最後どうなるのか楽しみ!

    0
    2013年05月09日
  • 信長の棺 上

    Posted by ブクログ

    一気に読み終わりました。おもしろかったです。
    信長の遺骸の真相が分かるラストシーンに深い感動を覚えました。
    信長公記の作者である太田牛一の視点から、戦国のミステリーを綿密な伏線とともに紐解いていく展開と世界観にどっぷりとはまり込むことができます。
    75歳にして初めて執筆した小説ということを巻末の解説で知り、脱帽するかぎりです。
    もう一度読み返したい一冊です。

    0
    2013年12月07日
  • 明智左馬助の恋 下

    Posted by ブクログ

    本能寺の変へつながる一連のストーリーもさることながら、表題の明智左馬助の恋についても切なく一気に読んでしまいました。

    歴史を題材としているので、ある程度の流れは推察できてしまいますが、それでももしかしてとワクワク感をもったまま読めました。

    歴史のミステリーという意味でも面白かったです。

    0
    2010年06月15日
  • 明智左馬助の恋 下

    Posted by ブクログ

    これ、秀吉や信長の物語の続編だったんですね。
    そちらも読まなきゃ!
    そうするとよりこの物語がふかーく読み込めそう。

    0
    2025年09月10日
  • 信長の棺 上

    Posted by ブクログ

    この文庫が出版された当時、上巻の途中で読まなくなった記憶があり。。。20年近くぶりに手に取った。

    本能寺の変と信長の亡骸の謎を巡って、太田牛一が史料や知人からの伝聞、更にはその土地にまで赴いて謎解きのヒントを探していく過程が面白かった。
    まだ上巻なので散らばったパズルは完成していないが、下巻でどう展開して結末を迎えるのかが楽しみ。

    余談。
    1章で清州を出て北國街道を逃げる牛一、捕えられて幽閉されたあたりの場所、うちの地元で(と言っても今と昔では多少の県境の違いはあっただろう)面白かった。

    0
    2025年05月01日
  • 信長の棺 下

    Posted by ブクログ

    上巻の勢いそのまま下巻に入りましたが、あっという間に読み終えてしまいました。信長の最後も新たな視点で書かれていて面白く、また太田牛一視点で物語に入り込みやすかったので、最後牛一が信長と空想で対話する場面は込み上げるものがありました。濃密な歴史ミステリーに出会えて本当に良かったです。

    0
    2025年03月04日
  • 信長の棺 下

    Posted by ブクログ

    家に向かえた多志の故郷参りから、秀吉が丹波者であったこと、桶狭間の策謀が明らかになり、本能寺から南蛮寺に続く地下道、秀吉の策謀など伏線が色々あって面白く読めた。

    0
    2024年07月30日
  • 利休の闇

    Posted by ブクログ

    『秀吉の枷』は未読。
    利休の茶会の記録をベースに歴史を見ていくと、こんなにいろいろなことが分かるのだな。記録部分の狭間は加藤さんが埋めていて、あくまでこれは小説なことには注意がいるが。
    秀吉が利休の茶に対して違和感を抱いた部分は面白く感じたが、その後の展開はやや説明不足な気もした。茄子の部分のおもしろさは分かる。
    何となく認識してた「突然切腹を命じられた」というのはおそらく史実と異なるのだろう。それを認識できたのもよかったな。
    あと、文庫のあとがきに載っていた各国の茶の話も面白かった。

    0
    2024年06月17日
  • 秀吉の枷 下

    Posted by ブクログ

    淀君(茶々)とのご性交辺りから下り坂となる太閤記。軽蔑していた信長と同じ殺戮をしてしまうのは権力者の常なのか…。秀吉が英雄なのは確かだろうが抜け穴からの疑心暗鬼から始まり臨終の床で味わう生き地獄は悲惨というか哀愁というか、死に時と死に方を誤ったとしか見えない。
    山の民という誇りと自らを道化に見せてまでも先を見据えて自制する事ができた秀吉だが養子の件で選択を見誤った感が強い。
    淀君懐妊については山田風太郎先生の『妖説太閤記』もあるが本作の淀君はより悪女に見える。秀次一族誅殺は面白い解釈だった。
    家康については信康実子でない説が本当だとしても冷酷。秀吉を健康面からも抜け抜けと追い詰めるのも嫌な奴ぶ

    0
    2024年04月08日
  • 信長の棺 下

    Posted by ブクログ

    信長の遺体がどうなったのか?のクライマックス。
    歴史ミステリー小説と言われるのも頷ける。
    主人公の太田牛一の人間臭さと読者がオーバーラップするように自分はあらゆる場面で感じた。
    中小企業ビジネスの専門家なる故のキャスティングだと考えた。

    0
    2024年03月27日
  • 信長の血脈

    ネタバレ 購入済み

    織田信長の傅役平手政秀の諌死の真相、伊吹山に異人が欧州の薬草を植えるというのを阻止する話、
    「信長の棺」「秀吉の枷」「明智左馬助の恋」の三部作上における豊臣秀頼の「本当の」父親名古屋山三郎を巡り片桐且元が苦悩する話、
    明智左馬助の息子三宅藤兵衛からみた天草四郎の乱、の4つの短編集。
    作者の加藤廣さんが三部作を書いている最中に盛り込めなかったエピソードだそうだ。
    やっと生きている信長が出てきたなとか思ったり、キリシタンの話が意外と多いなと感じたり。

    0
    2024年02月09日
  • 安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録

    ネタバレ 購入済み

    短編3話。
    今川方の武家松下源太左衛門に仕え始めた藤吉が、織田信長と出会い、取り立てられていく「藤吉郎放浪記」は、下っ端時代の秀吉を知らないので、作者の創作である「山の民」の出自と絡めているとはいえ、興味深かった。
    表題作「安土城の幽霊」は、信長の刀に宿る女の霊と、それに振り回される信長の話、「つくもなす物語」は、足利義満が入手した唐渡の陶器が、「天下壺」と呼ばれるようになり、山名、朝倉、松永、織田、豊臣へと渡り、落城で焼けた後継ぎ直されて徳川へ、最終的には明治の岩崎家へ渡る物語。

    0
    2024年02月09日
  • 信長の棺 下

    Posted by ブクログ

    本能寺の変の謎が明らかに…てかこれが織田信長の死の真実なんでしょうか?歴史に疎くてホントのところは知らないのですが、物語としてこの結末には納得。太田牛一をこの本で初めて知りましたが、信長に惚れ込んでるところが凄く高感度高いです。ロイヤリティの高い…日本人ですねー

    0
    2023年03月18日