頭木弘樹のレビュー一覧
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ネタバレ自分の本体は「体」なのか「心」なのかについて、考えてみようよ!という本。文学や科学やアニメやマンガなどを引用して、「自分とは何か」について考察を深める。著者は消化器系の病気をされていて、「自分の中にも大腸があること」や「食事をとって、排泄をコントロールできるのは当たり前のようでいて、実は凄いこと」などということを考える。
「なぜ大小便を漏らすと社会は冷たくなるのか」とかとか、そういうことも書いてある。
計画通りに動けない自分に苛立ち、私はこの本を手に取った。自分らしく生きられてないなとか考えたこともあったけれど、著者が言うには「本当の自分なんてものはなく、そのときどきの自分がいるだけだ」ということ。つまり、自分の奥底に「本当の自分」が眠っているわけではなく、思い通りにいかない今の自分も「本当の自分」なのだということか。
最終的には「心か体かではない。その間にある。なんでも白か黒かつけてしまわない方がいい。もっと曖昧にグラデーションで物事を考えていこうよ」と着地している。 -
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能天気なほど絶望的。
ってな事で、頭木弘樹の『絶望名言』
文学紹介者の頭木さんとアナウンサーの川野一宇さんがNHKの深夜ラジオ便での放送を活字化したもの
絶望名言の著名者カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア達の絶望名言をお二人が解説、掘り下げる内容。
お二人共、絶望的な経験をしている中で、励ましや労りの言葉は、実は全く癒されることは無く、絶望感の中に堕ち込んでいる時こそ絶望的名言の方が心を癒して労わってくれたそうです。
読んでるうちになるほどなぁと思う事に。
絶望の中は実は生きたい欲望が強く、もがいている時ではないのかと
数ある名言の内、わしに響いた名言を載せときます
このラジオのアーカイブ無いんかな?
文章を読むのもええけど、ラジオも聴いてみたいな
2020年55冊目 -
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”自分に疲れる” 原因とは何か。
生きづらさの原因が解れば少しでも生きやすくなるのか
著者が様々な視点から考えたり、自身の経験談を交えて文字化している。
解っているようでこうして文学化されることで、そうだよなと自覚出来る。
著者の体験談の部分では、真面目に書いてあることなのだが、どうしてか
クスリと笑ってしまった。本人にとっては一大事なのだが、どうしても思い通りにならない事はある。
皆やり過ごしながら生きづらい世の中を生きているのかなと感じた。
理由や原因探しも良いかもしれないけれど、もしかしたら他に大事な事があるかもしれないと思えた。 -
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20世紀文学の代表的作家、フランツ・カフカはとてもネガティブな人だったらしい。そんな彼が日記や手紙、メモにのこしたネガティブな言葉を紹介した本。
恋愛、家族、仕事、社会など、あらゆることに絶望し、悲観的な言葉をのこしている。繊細で傷つきやすく、自己肯定感が低い。考えすぎて臆病になり、一歩が踏み出せない。100年前の人ではあるのにその性格は現代的で、その言葉に共感するところも少なくない。(だからこそ文学史に名前がのこることになったのだろう。)
『変身』しか読んだことはないが、カフカがこんな性格だったことを知ると、ああいう小説を書いたというのも納得。カフカ自身も自分の作品の異質性に自覚的であったようだ。
「すべては幻影だ。
家族も、仕事場も、友達も、道も。
遠くにいようと、近くにいようと、すべて幻影だ。
女性もそうだ。
すべてはおまえの頭の中にしかない。
窓もドアもない独房の壁に、
おまえが自分の頭を押しつけているのだけが真実だ。」
(188ページ) -
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大の排泄を取り扱ったアンソロジー。
最近はないが、若い頃は通勤時や帰宅時にに危ない思いを何度もしたことがあり、ストッパを持ち歩いていたこともあった。最初の小説と同様、これまでもどうにかなってきたので、これからも大丈夫だろうと思っている。
とは言え、これを読んで、結局老後は誰かの世話になるのだと痛感した。いや、そんなに先のことではない。
仏教では排泄も扱っているのに他の宗教ではあまりないというのも面白い視点だし、人は結局うんこ製造機に過ぎないと考えると何だか気が楽になる気もする。
アンソロジーなので、読み応えという意味で星3にしているが、目から鱗が落ちるという意味では星5だった。
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星野源や朝井リョウが「うんこを漏らした」という話を面白おかしくエッセイで語っていますが、その流れをくむ本だろうと思い手に取りました。
本書ではエッセイだけでなく、古今東西の文学作品や哲学者の考察など幅広く「排泄」について取り上げた作品を収録しており、このテーマは他者と広く共有する者ではないにしても、人間が生きてゆくうえでは避けて通ることができず、皆それぞれに考え方がある、ということが分かる一冊だと思います。
大人になって(排泄を自分自身でコントロールできるようになって)から、「うんこを漏らす」ということがあると、それは「人間の尊厳」を失うに等しい「恥」として受け止められたり、他者に語るにあたっては「下ネタ」「笑い」として語るしかない、というのが一般的な印象ですが、そこに一石を投じる本だと思います。
想像していたよりもエンタメ色が少なかった点が、少し残念でした。
ただ、解説にある「何か体験して、自分が抱いた気持ちを、ほかの誰にも共有してもらえなくて、もやもやしたまま苦しいとき、開いてみるべきは文学です。どんなに心の奥底のネガティブな気持ちでも、人が誰も自分からは口にしないようなことでも、文学にはちゃんと描いてあります。……文学というのは、ありがたいものだと、あらためて思いました。」という文章は、非常に沁みました。 -
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編者頭木さんが難病に罹り大変苦しんだことは『食べることと出すこと』で知ったが、20歳のときに人前でうんこを漏らしてしまったときのショック、茫然自失の状態になってしまった経験から、同じような状況になってしまった場合、人はどのような気持ちとなり、どのようにするのかを知りたいとの思いから、本アンソロジーを編んだとのこと。
尾辻克彦「出口」。帰途、便意に襲われるこの苦しみは良く分かる。自分も食事をして帰る途中、どうも腹の調子が悪いなから始まり、早く家に戻ってトイレに行かなくちゃ、さらに戻るまで持つだろうかとの不安。歩き方を工夫したり、肛門辺りを手で押さえたり、あと何歩とカウントしたり、何とか間に合ったときの安堵感。しかし、本作では、あらゆる技法、あらゆる秘術を尽くしたが、限界となってしまう。そこに至るまで、そしてとうとう漏らしてしまった後の感情の揺れが見事に描かれている。
筒井康隆「コレラ」。カミュの「ペスト」と対比して「コレラ」の蔓延を描く。筒井らしい荒唐無稽さではあるが、エイズやコロナを経験した現在からすると、決して笑ってばかりはいられない。
山田ルイ53世「ヒキコモリ漂流記 完全版」。うんこが嫌われるのには、あの臭いも大きく影響していると思われる。何とか回りに気付かれずに漏らした下着を洗って凌いだと安堵していたらあの臭いが漂い出す。でも笑いにできない、周囲の人間も触れない気まずさ。そこから長い引きこもり生活に突入したとのこと。おそるべし!
谷崎潤一郎「過酸化マンガン水の夢」。日録のような作品。家人と共にストリップショー見物、映画「悪魔のような女」の詳細な解説、料理屋辻留での食事、そして熱海に帰着。朦朧化した状態での幻想では、洋式便所での糞便の観察から、映画の登場人物の風貌を連想し、さらには史記呂后本紀の人彘(じんてい)が脳裏に浮かぶ。谷崎の筆にかかると別世界のようなあり様。
ヤン・クィジャ「半地下生活者」。半地下のアパートに暮らす工場勤務の主人公。彼の部屋には便所がなく、借りるときの約束では大家のトイレを使わせてもらうことになっていたが、決してドアを開けてもらえない。外で用を足していたが、次々に使えないようになってしまう。一方で少人数の工場ではストライキが始まり、彼も仕事をする訳には行かなくなってしまう。同僚工員や工員とほとんど変わらない社長とのやり取り、暑苦しい工場の描写が実にリアル。そしてトイレが使えない悶え苦しみ。こうした閉塞感が、ある出来事で急に開けたかのように見える展開がとても面白い。
うんこという、あまり口に出しづらいテーマを取り上げた様々な作品を目にすることができて、大変満足した。
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フランツ・カフカ
Franz Kafka
勿論、名前は知ってます!
小説を書いた人というのも知ってます
(作品は読んだことないですが…)
あとは何にも知りません(^_^;)
では、なぜこの本を読んだかというと、おびのりさんの
「パワーさえ感じるカフカのネガティブな人生論。あまりに絶望的で笑えて、こちらは元気がでてきそうな迷言な名言集。」
というレビューを見て気になったからw
【あまりにも絶望的で、かえって笑えてくる】
カフカの日記やノートは、日常生活の愚痴で満ちています
「父が…」「仕事が…」「胃が…」「睡眠が…」
カフカが関心があるのは自分のことだけ
自分の気分、体調、人から言われたこと、人に言ったこと、やったこと、されたこと…
そして、その発言はすべておそろしくネガティブであるw
そんな愚痴を読む価値があるのか?と思いますが、あるんです!w
カフカは偉人です!
普通の人たちより上という意味の偉人ではなく、普通の人たちよりずっと下という意味での偉人なのですw
その言葉のネガティブさは人並み外れていますw
例えば、
『将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまづくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。』
( ゚∀゚)・∵. アハハハハハッ!!
何これ!?カフカ最高www
こんなくだらないネガティブなカフカの言葉が86コも載ってます!
笑えます!
みなさんも読んでみては_| ̄|○ガックリ(←ネガティブに)
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「ひきこもり」という言葉から一般的に想像するのとは違う、入院や宇宙船内での生活を含めた「社会から遮断された生活」をしている人々の話。
「部屋から出られない人のための12の物語」という副題がついていますが、病気や宇宙船内、そして自らの意志によるひきこもりであれば本も読めると思いますが、育児中に外に出られなかったときは、本を読む余裕なんてなかったなあ、と思います。
病気も私の場合は目だったので、やはり本は読めませんでしたが。
元教え子を訪ねて韓国(ソウル)に行ったとき、教え子家族が住んでいる高層マンション群に泊めてもらったので、韓国文学の「私の女の実」の妻の気持ちが一番理解できた気がします。
また、「鬼退治に行かない桃太郎」も面白く、
紹介されていた『桃太郎話 みんな違って面白い』を読んでみたいです。
SFはやや苦手ですが、「フランケンシュタインの方程式」は面白かった!
萩尾望都の「スロー・ダウン」。「手の感覚」は私には理解できませんが、「感覚遮断実験」は興味深い。
日本に住んでいると、ほぼ日の出から一日が始まりますが、緯度の高い地域で、まだ暗いうちから学校が始まったり、まだ明るいのに寝る時間だったり、不思議な気持ちを味わったこともあります。それはじきに慣れましたが、閉じ込められた真っ白な空間だったらどうでしょう。
いろいろなジャンル、しかも時代や国の異なる話がつまっているので、普段なら手を出さないような話もとりあえず読んでみることができたのはよかったと思います。
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ひきこもりのアンソロジー。
ひきこもりを否定することはない。
なんらかの事情があるのだから…。
出たくなければ出なくてもいいじゃないか、と思うほうである。
自分もいつ、突然に引きこもるかもしれないわけで。
それは、わからない。
ひきこもらずに一生を終えるかもしれないし…。
どうなるかはわからない。
たとえば、萩原朔太郎の「死なない蛸」は、存在しないものと思われると悲しいが、魂はある。
たしかにそこに居る、自分がわかってれば良いじゃないかと思わせる。
想像以上のかなり上をいくのが、ハン・ガンの「私の実」である。植物で活きた心地になるならばそれを完成形というのだろうか。
萩尾望都の「スロー・ダウン」は、感覚遮断実験を描いているが、特に手の感覚の凄さをあらわしている。
誰かの手に触れることですべての機能が目覚めるかのような…。
意識しなくとも握るという感覚は、ずっと残るのだろうか。
とても不思議な感覚で読み終えた。 -
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【収録作品】ひきこもっている間に忘れられる-散文詩 「死なない蛸」 萩原 朔太郎/ひきこもり願望-ドイツ文学「ひきこもり名言集」 フランツ・カフカ(Kafka,Franz) 選訳/頭木 弘樹 /鬼退治に行かない桃太郎- 昔話「桃太郎 岡山県新見市」 編著/立石 憲利/差別によるひきこもり-ショートショート「凍った時間」 星 新一/感染を避けるためのひきこもり-アメリカ文学「赤い死の仮面 The Masque of the Red Death」 エドガー・アラン・ポー(Poe,Edgar Allan) 新訳/品川 亮/ひきこもりによる物の見え方・感じ方の変化-エッセイ 「病床生活からの一発見」 萩原 朔太郎/部屋から出られない苦しみ-日本SF小説「フランケンシュタインの方程式」 梶尾 真治/ニートのつぶやき-大正文学「屋根裏の法学士」 宇野 浩二/ひきこもりと植物-韓国文学「私の女の実 내 여자의 열매 」 ハン ガン (韓 江) 初訳/斎藤 真理子/究極の孤独-アメリカSF小説「静かな水のほとりで Beside Still Waters」 ロバート・シェクリイ (Sheckley,Robert) 新訳/品川 亮/ひきこもり実験の結果-漫画「スロー・ダウン」 萩尾 望都/番外編「ひきこもらなかったせいで、ひどいめにあう話」 頭木 弘樹