特に館モノが好きとかではなく、手っ取り早く読んだことのない作家さんの小説を読みたい!と思い、手に取りました。
■はやみね先生といえば児童書というイメージが強いのですが、掲載作は大人が読んでも充分に楽しめるし、青少年が読んでも楽しめる話だと思いました。ガッチガチのミステリーを期待している方には物足りないかもしれませんが、1作はこういった話があってもいいのではないかと思います。
■恩田先生の作品はタイトルでわかるように『麦の海に沈む果実』のスピンオフで、私も楽しみにしていました…が、いかんせん話が短い!勿論、このページ数で恩田陸の世界を見事に作り上げる力量は流石ですが、『麦の海に沈む果実』のスピンオフとしては肩透かし感が否めず、他の作品とのバランス的にも恩田先生だけを目当にこの本を読む必要はないかな、と思いました。
■高田先生の作品はこれが初めてです。
QEDシリーズがお好きな方には登場人物の新たな一面が楽しめる作品なのかもしれません。私も短いページ数でふんだんに語られる薀蓄をおおいに楽しめました。でもこれ…館じゃないよね!?
■綾崎先生も初めてです。これもまたシリーズものの主要人物が登場しているようですが、キャラ付けがなんともラノベっぽい!ミステリーとして読むとうーん…と思いましたが、館だからいっかな!とも思えました。(掲載順の妙)
■白崎先生も初です。
こちらはなんとも個性的というか、読む人を選ぶ作風だと思いました。でもミステリーとしては面白いと思いますし、はじめはギョッとするしほりんのことも段々と好感を抱いてすまうんですよ。これは純粋に凄いなと思いました。でも本当にグロい!し、品性に欠ける!ので、はやみね先生の作品目当てでこの本を読んじゃった青少年がいたらどうすんだよ!と思いました。とはいえ、責任は編集部にあるので、先生は別に悪くないのではないかな…。
■井上先生の作品も初読みです。
首無し館の後に読むと、この作品だけ取り出して読む時よりも、ものすごく正統派なミステリーに思えてしまうという。そこへきてあのオチ。作品の魅力を最大限に生かした掲載順の妙だと思いました。、ラストを飾るに相応しいしんみりとさせられる話でしたね。本格かというと本格ではないような気がしますが。
1作ずつ取り出すと、どれもちょっっぴり物足りないところがあるのですが、1冊として捉えると、それぞれバラエティに富んでいて、バランスのいいアンソロジーだと思いました。