船戸明里のレビュー一覧

  • Under the Rose (7) 春の賛歌

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    Web雑誌は購読をやめて単行本派になって久しい。Webスピカは半年の期限付きになってしまった。懐に余裕ができたらバックナンバーを買い揃えようと思っていたが、もう二度と買うことはないだろう。
    一年一冊のペースに馴らされた身にも二年四ヶ月は永かった。
    雑誌掲載時、ネット情報では厳しい意見が多かった。月10ページ前後の掲載量では無理もないと思う。単行本で読んだ身としてはイライラすることもなく普通に読めた。一巻で五話しかないから単行本用に編集したのだろう。
    今まで通りの面白さを維持していると思う。ただ、物語の終末をどのようにつけるのか、現在も話が発散しているので収束するのに時間がかかると思う。
    作者は執筆ペースがさらに落ちると言っているので、無事完結を迎えることができるか心配だ。万一、完結できなかったら単なる駄作になってしまうと思う。

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    2011年10月04日
  • Under the Rose (7) 春の賛歌

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    相変わらず波打つような群像劇。

    これからどうなるのか、もやもや、しかしここで言っておきたいことは、私はこの物語の中でグレゴリーが一番好きなのである。第一印象から決めてました!いやほんと。

    当時のイギリスについてはもちろん、人間の多面的な部分がすごく密に描かれていると思う。

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    2011年09月30日
  • Under the Rose (7) 春の賛歌

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    何年ぶりかの新刊なので少しは話が進むのかと期待したら、どろどろだったのが更にどうしようもない事態に。ザ★底なし沼です、アンダロ。作者はこれ描いてて楽しいんだろうか。レイチェルと子供たち(特にウィル)の晴れやかな笑顔が見れる日はくるんですか。
    もうここまできたら何年かかろうが完結まで付き合いますが、そもそも完結するのかっていう…悪魔の問いが…

    相変わらず絵は完成度高くて、黒服着衣のエロス描かせたら業界一。
    セリフなく表情だけで語るシーンは、いつも通り迫力です。

    まぁ色々あるけど、全てお前が悪いよねアーサーこの優柔不断野郎。子供たちからの手紙はもやしちゃいかんだろ。不精ひげはやしたって許してあげないんだから!表紙でたそがれてないではよ家に帰れバカ(罵倒しか思い浮かばない

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    2011年11月26日
  • Under the Rose (3) 春の賛歌

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    綺麗な絵。
    美少年が何人も公然と一緒に暮らしている。
    そりゃ、兄弟だから…
    仲はそんなに良くないけど。
    そりゃ異母兄弟だから…
    愛人との間に何人も子を作った父親が、気弱そうで優しげなのが変わっている?

    ピリピリする思春期。
    少年達の葛藤。
    昔愛読したいろいろな作品を思い出させる懐かしさ。

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    2011年07月22日
  • 天気晴朗なれど波高し。

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    <2巻までのネタバレを含みます>

    小説を読んでこれだけ笑わせられたのも久々かもしれない。とにかく面白さ抜群のタイトル!読んでいる途中のわくわく感、そして読み終わった後の突き抜けるような爽快感は、本編が暗く絶望的な雰囲気に満ちたものであるがゆえに、かえっていっそう感慨深い思いを読者にもたらしてくれる。
    正直、須賀先生の作品は流血女神伝しか読んだことのなかった私は、この2冊を読み終えた際「何だ…須賀先生ってコメディもめちゃめちゃ書けるんじゃん…」と拍子抜けするやら感動するやら――もちろん、本編のあの政治色に満ちた重厚なカラ―も好きなのだが、本編でもちょこちょこ差し挟まれるギャグシーンにいちいちウケまくっていた自分としては、作者いわく「読者へのサービス」的位置づけにある本作品の底抜けの明るさは、まさに「須賀しのぶの本領発揮!」という印象だった。
    とにもかくにも、主役のギアス、そして脇を固めるトルハーンのキャラが素晴らしい。理屈っぽい冷めた見た目とは裏腹に、底知れぬ情熱を秘めたギアスと、粗野で豪快なだけに見える性質の奥に、絶望の過去を乗り越えてきた強靭な精神力と優しさとを備えたトルハーンの阿吽のバランスが見事だ。この二人に関しては、先の展開を知っていると落ち込むところも大きいので、あえて「姉妹編」として本編とはきっぱり切り離された時間軸で物語が語られたところも良かったと思う。じんわり胸が温かくなるラストも、この先のトルハーンの処刑やギアスとの決別などという悲劇を微塵も感じさせない。ただ明るく賑々しい作品の雰囲気を壊さぬままに、二人の前に広がる前途洋洋の未来をにおわせたうえで、思いやりに満ちた幕引きを用意されていたのが本当に嬉しかった。

    それにしても、最後のオーリアとのシーンで思わずギアスの口から漏れた「だがオーリア、私は寂しい」の一言には何度読んでもほろりとさせられてしまう。1巻冒頭、海軍に入ろうとする前の冷めきった彼と比較してみると本当に驚くべき変貌だと思う。「ギアス家」という圧倒的な名前のもとに、自分でも気付かない無意識の淵で自我を抑圧してきたギアスが、トルハーンや海軍の若い衆達との血の通った交流(時には、ただの乱暴や暴力に満ちたものでもあったけれど)によってだんだん自分の感情の素直になっていく過程が丁寧に描かれていて気持ちも救われる。あと、やっぱりトルハーンがはんぱなくかっこいい。琥珀の左眼のせいで人並以上の能力と苦労を引き受けてきたのに、その中から力と自信と優しさだけを拾い上げて、他の暗く冷たい部分は少しも衆目に晒さない彼のストイックさが好きだ。ウェインが「この二人の出会いは海神ワーデンのお導きだ」というようなことを言うけれど、本当に文字通り運命的な引き合わせだったのだと思う。それが、彼らの未来にとって結局は悲劇的な結末をもたらすだけのものであったのだとしても。

    最後に、大事なことを書き忘れていた。何はともかく、この作品の一つの目玉と言えば「グンダホア・ジンガ」だ。今思い出しただけでもいろんな意味で胸が熱くなるが、これのせいで私は電車の中で危うく爆笑してしまいそうになり、あと一歩で不審者の仲間入りだった。例の股間のオロキ鳥も…海神ワーデンはよっぽど懐の広い神なのだなぁとしみじみ感じ入る。一つだけ残念だったのはジール・ウェインも交えたギアス家三兄弟の共演でこの神舞を見れなかったことだが、そんなことになったらなったでトラウマものの記憶になりそうで恐い。特に、ジール兄上。彼はなぜあんなにもグンダホア・ジンガにご執心なのか。幼い頃のギアスがショックのあまり記憶の奥底に封印していた、腰布一枚で踊り狂う兄二人のシーンは本当に傑作だった。「そんなへっぽこな踊りでは、水夫たちに舐められるぞ!ギアス家の人間たるもの、艦上では完璧でなければならん。たとえ芸でも同じこと!」は名言だ。そしてそれを自ら率先して体現するジール兄上、さすがは名門ギアス家の男です!

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    2010年06月12日
  • 流血女神伝 暗き神の鎖(前編)

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    <後編までのネタバレを含みます>

    とにかく陰惨な話。途中細かなギャグシーンがないではないが、物語全体を覆うおどろおどろしさのようなものはシリーズ中でも断トツ。流血女神を奉じる秘境の集落ザカールを中心に話が展開するためか。何と言うか、巻数が進むにつれてどんどん救いがなくなっていくような気がする。特に後編最後の一文などは本当に心が折れる。今まで散々辛い出来事が起きて、戦いがあって、殺戮があって、それでもようやく話は終息に向かっている、これで安心できると思っていたら「あれ」だもの。思わず「嗚呼…」と、ため息とも悲嘆ともいえる声が漏れてしまった。前編表紙の幸せそうなカリエとバルアンの笑顔を見るにつけても、かえってやりきれなさは増してしまう。本当に、あの苛烈で揺るぎない「赤き死の王」が、まさかカリエ一人を失ったことで「落ちて」しまうとは――。よもやあれだけのお膳立てをして、カリエが絶対自分のもとに帰ってくると信じていた訳ではないだろうが、ということは彼の怒りは本質的なもので、決して嫉妬や怨恨といった浅はかな理由によるものではないのだろうが、それにしてもカリエやバルアン本人が思っていた以上に、二人の関係はお互いにとって大きなものだったのだなぁ。今作ではカリエも今まで以上に悲惨かつ屈辱的な目にあわされたし(実際、女神というか作者はカリエにどSすぎると思う)、バルアンもバルアンでかなり大変だったので、どちらが悪いとも言えないが、やはりこの二人は間に人が入り過ぎというか、お互いをよりよく理解し合うための言葉が致命的に足りていなかったのだろうと思う。カリエが賢かったから何とかなっていたものの、バルアンの本質的な破壊への衝動、そうした破滅的な性質をも一つ越えたところにあるカリエへの深い愛(というか、執着?)そのものは、あまり彼女にも伝わっていなかったのではという気がしてしまった。もちろん、「赤き死の王」、冷酷な策略家としての部分と、女性不信を心の奥底に秘めた、感傷的で情愛深い部分とが同時に混在しているのがバルアンの難しさなのだろうが……。同時に、カリエを取り巻く壮大なる女神の運命を理解できなかったという点でも、いずれ二人は袂を分かつ結果となったのだろう。なったのだろうが、しかしこれは予測し得えた中での最悪の結末の一つとしか言えないのかもしれない。少なくとも、カリエを失い、自身の闇を制御していた箍が外れて、今後際限なき破壊と殺戮の渦にその身を投じ行くバルアンにとっては。

    今作でも多くの人々がカリエのために奮闘し(もちろん、カリエ自身も頑張った。ものすごーく頑張っていた)多くの人が死に、少数の人が命からがら助かったが、個人的に特筆すべきはエディアルドの活躍だと思う。カリエ救出にかけるラクリゼの覚悟は壮絶だった。ラクリゼを追う形にはなったが、あのうさんくさい美形僧侶サルベーンの献身も目覚ましかった。イーダル王子の華やかさと強さはとりわけ落ち込んだ読者の心を救ってくれたし、トルハーン以下海の荒くれ者たちがカリエのために立ちあがってくれたことも嬉しかった。前作『女神の花嫁』からの流れで考えれば、ここはラクリゼとカリエの関係をメインに書くべきところだということも分かっている。けれども、今作においてやはり最も感動したのはエディアルドのカリエに対する山よりも高く海よりも深い愛情のほどだった。
    思えば、登場人物紹介での扱いの割に出番の少ない彼ではあるが、エディアルドとカリエの関係には第一巻『帝国の娘』からずっと感動させられてきた気がする。目も眩むような眩しさと強さで自らの運命を切り開いていく娘と、常に彼女を守るように寄り添い、その身辺から一切の不安とためらいを蹴散らしていこうとする青年。恋人でもなく、兄妹でもなく、かと言って赤の他人でもない。言葉で説明できる分かりやすい繋がりなど何一つとしてないのに、カリエの心の最も奥深い部分におそらくエディアルドは常にいて、カリエの存在自体もまたエディアルドにとっては生きる動機そのものとなっている。一巻の感想でも書いたことだが、考えれば考えるほど不思議な結びつきを持った二人だと思う。少なくとも、普通の少女小説の類には見られない。可愛らしい主人公の少女がいて、端正な容姿の美青年がいれば、二人は必ず最後にくっつくというのがお決まりの展開である。けれども、カリエとエディアルドはそうはならない。そもそも、そうなりたいという意思もないし、読者にもその予感はない。ただ、恋人としても、また家族としても結ばれないからこその強い絆がこの二人の間には確かに存在している。「人は変わる」と繰り返し主張するカリエの言葉にも、一方でこの二人の結びつきは永遠だと確信できる揺るぎない何かがそこにはある。神殿が崩れ、砂岩の瓦礫が降り注ぐ中、自らの傷も省みずまずカリエとアフレイムを庇おうと走ったエディアルドの姿には心を打たれた。昔は、この人良い年して彼女の一人もいないのかなぁ、とか、こんなまじめ一徹仕事人間で友達いるのかなぁ、とか、そんなどうでも良いような些細なことを気にしていた自分が思わず恥ずかしくなった。エディアルドは、本当にただ真っ直ぐにカリエを愛しているのだ。彼女の魂が無駄な傷を負うことなくのびやかに成長し、彼女自身が望む幸せをつかむことだけを望んでいる。まるで、彼女の幸福が自分の幸福であるかのように生きている。そうして、そんなエディアルドの献身を理解しているからこそ、カリエもどんな辛い運命に苛まれようと、決して生を諦めない。彼の守護と愛情のもと、誠実に、そして真摯に自分の運命と向き合い、自らが正しいと思う未来に向かって一心不乱に駆けていく。カリエが女神の化身で、女神の半身たる神鳥リシクは裏主人公たるラクリゼが負う役割のようだが、「半身」という意味ではエディアルドも十分カリエの人生にとって不可欠な存在になりつつあると思う。
    今作でも、『帝国の娘』の最後のように、結局エディアルドと二人国の追尾を逃れて姿をくらませることになってしまった。二人の失踪が招いた災厄の予感は既にバルアンの狂気によって示されてはいるが、未だカリエの胎内に守られつつある千人目のクナムの存在が新たな道を指し示してくれることに期待して、次巻を手にしたいと思う。

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    2010年05月25日
  • 流血女神伝 女神の花嫁(前編)

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    <後編までのネタバレを含みます>

    ひょっとするとシリーズ中では一番好きな作品かもしれない。初めは(一応物語の流れとして読んでおかないといけないタイトルに指定されてはいるものの)前作で脇役だったラクリゼとサルベーンの過去の話かー、個人的には早く次の『暗き神の鎖』に行きたいんだけどなぁ、と若干気乗りしないまま読み始めたのが嘘のように引き込まれてしまった。どうしてだろう、大勢の登場人物が入れ替わり立ち替わりピンチに遭って、悲しむ間もなく次の試練があって……という感じで、どうしてもせわしい印象の抜けなかった前の二作品と比べ、この『女神の花嫁』はラクリゼとサルベーンというたった二人の男女に焦点を当てているからだろうか。その分二人の半生をじっくりと3冊かけて描いているという余裕があって、読む側としてもキャラクターの中に入っていきやすかった。何より、相変わらずの須賀節(ようやく幸せになったと思ったらすぐに次の残酷な運命がやってくるという……)の中に、ようやくコバルトレーベルらしいロマンティックな少女小説の要素が見て取れた作品でもあったので、これを思春期に読むことができた少女たちは、おそらく今まで以上に夢中になって読み進めたのではないかと思う。もちろん、大抵の場合期待はこっぴどく裏切られて、結局はまたきりきりと胸を痛めることになってしまうのだけれど。

    少女小説らしい要素が含まれていると言いながら、それでも核となるラクリゼとサルベーンを巡る関係性はひどく複雑で、あれほど愛し合っていたはずの二人が結局は憎み合う(と言っても、ラクリゼから一方的にという感じではある)ことになるという結末は、一筋縄ではいかない愛の難しさを読者に教えるものとなったことだろう。孤独の中に生まれ、それでもようやく魂の伴侶を見つけ、授かった子どもを失うという不幸に見舞われても共に生きていこうと誓い合った二人が、終いには互いへの愛に縛られるがあまり病み疲れるまでに疲弊しきっていく様は本当に悲惨としか言いようがない。お互いを愛しているからこそ離れなければならない、それこそ「愛」という輝かしいイメージがまるで呪詛のように二人を追い詰めて行く描写は見事だ。そこで別れいく明と暗も。前者に属するラクリゼは、「女神の花嫁」としてカリエを守る人生を選び、後者を選んだサルベーンは、愛しい人の憎悪を引き受けてまで流血女神の意思を全うする運命を取った。女神の祝福を受けられたものと、受けられなかった者、女と男、憐れみと嫉妬のあらゆる分岐点が二人の愛を完膚なきまでに叩きのめしてしまったことが悲しい。どちらが悪いとも言えない。どちらがうまくやったとも言えない。相手をも自分をも許すことができないために消えないしこりを抱えたまま、けれども女神の見る未来のために永遠に平行線をたどらざるを得なくなってしまった二人のことを思うと、作者はどこまでキャラクターを苛めれば気が済むのか、と気の毒に思ってしまうと同時に、これだけ複雑な絆のあり方を描き切った作者の技量に感服してしまった。もしラクリゼとサルベーンの背後にこれだけの感情のうねりがあることを、それこそ『帝国の娘』を書く前からはっきりと意図してシリーズを進めていたのだとしたら本当にすごい。これまではルトヴィア帝国を中心に、東のエティカヤ、北のユリ=スカナと平面上にすそ野を広げていった流血女神の世界が、今回初めて過去にさかのぼって「時間」という垂直の軸を得たことで、一気にその立体性を増した厚みのあるものになったと思う。結末は悲劇的だけれど、これがあると思えばまた以前の2作品が違った角度から見える。『帝国の娘』と『砂の覇王』を読み終わった時点で理解できたと思っていた物語空間に、実は読者もまだ知らなかったより深い領域があることの発見、また作品を読むことを通じてどんどんその奥に引きずり込まれて行くような感覚は快感だ。私が思っていた以上に流血女神伝の世界が奥深いことを思い知って、長丁場に疲れ始めていた心が一気に次タイトルへと向いた。なお早く次を読みたいと焦る気持ちから、私は『女神の花嫁 前・中・後』→『暗き神の鎖 前・中・後』と読み進めなければいけないところを、『女神の花嫁 前編』を読んだ後には『暗き神の鎖 前編』という風にそれぞれ交代交代に読み進めていったので、残すところはあと『暗き神の鎖 後編』の1冊のみなのだけれど、個人的にこれからこの2タイトルを読まれるという方には同じ読み方を強くお勧めしたい。二つの作品を横断する秘密や謎が、それぞれ1冊ずつ読み進めていくことでまるで追いかけっこするようにゆっくりと姿を現していく様子がリアルに体感できるからだ。

    正直なことを言ってしまえば、まだ「女神の花嫁」というキーワードの真意を理解できていないような気もするけれど、でも前作ではサポーターとして終始脇に引き下がっていたラクリゼやサルベーンが、どのような決意や苦悩を抱えて行動しているかということが分かるだけでも、一読の価値がある3冊だと思う。なんとなく苦手だなぁと感じていたサルベーンも、これを読んで好きになるという人はあまりいないだろうが(笑)ラクリゼに対する信仰と挫折を思いやるにつけても、彼の数奇な人生を理解しようという心は生まれるかもしれない。そうして、忘れちゃならないキーパーソン、アデルカは本当に良い奴だ。良い奴すぎて、何の報いも得られないまま孤独な死を迎えてしまったけれど、彼の犠牲が後の女神の復活を巡る凄惨な運命に一筋の光明を灯したのだと思えば、人が生きること・死ぬことの意味とは一体どのようにして決まるのだろうと感慨深い気持ちにさせられる。それでも、彼が満足を得て死ねたことだけが救いだった。それが正しいかそうでないかは別にしても、自分の人生を丸ごと誰かのために捧げた人間の死に様というのは、それだけで神々しい何かを感じさせるものだ。

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    2010年05月19日
  • Under the Rose (2) 春の賛歌

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    船戸明里の描く英国のとある貴族の家庭を舞台にしたお話。 船戸明里氏はあまり知名度はありませんが、素晴らしいストーリーテラーで物語の見せ方とか、キャラクターの心理描写というものをよく判ってる作家で、その巧みな描写力で、普通なら飽きそうなシリアスオンリーの展開も飽きさせません。 お話は、1巻から続いていたライナス編が決着。 親に捨てられたという思いから周囲に憎しみを振りまくことしたできなかったライナスの、心のそこからの慟哭と、切実な願い。 ちょっとぐっときました。 今は新しいキャラクターである家庭教師を迎えての、たぶんウィリアム編、なのかな。 愛憎に彩られた一級のドラマですので、未読の方は是非!

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    2010年05月18日
  • Under the Rose (1) 冬の物語

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    タイトルと表紙買いの1冊。
    話も時代背景も何もかもがツボ。
    しかし友人にオススメしても誰も読んでくれない、不思議な漫画。
    地元のビレバでは「友達にお勧めすると引かれます」と書かれていた。
    こんなに面白いのに…。

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    2010年05月12日
  • 若草一家でいこう

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    船戸先生の絵が好きで買いました。原作は未読です。
    姉妹それぞれの恋愛を描いていて四者四様で面白かったです。少し思ったのが、大人男性キャラ二人の容姿が似ていたのでもっと書き分けて欲しかったです。

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    2010年03月19日
  • 流血女神伝 喪の女王8

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    詰め込み感がないわけではないけど、
    “終末”ってこんなもんかもね、とも思う。

    子供達編が読みたいんだよー!

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    2009年10月30日
  • Under the Rose (6) 春の賛歌

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     伯爵の本心が吐露されてしまいました…本当のこのマンガは毎回感想に困ります。理想と本音が入り交じっていて複雑な気持ちになります。

     私HonyRoseは読んでないのでこの後伯爵家がどうなるか全然知らないんですよ。次巻からは小さい弟達のほのぼのした場面は減っちゃうんだろうなぁ。

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    2009年10月04日
  • 流血女神伝 喪の女王8

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    きれいに風呂敷がたたまれたうえ、読後感がとてもよかったです。
    みんな本当に精一杯生きていて、自分の正義を信じていて、全力で。

    これはぜひ子供世代も読みたいよ……フィンル(いやシャナカーンか)はどんな腹黒っこに育つのかとか、初恋?なスゥランとはどうなるのかなとか、カリエを許せるまでにアフレイムがどんな成長を遂げるのかとか、結局エアリアスは息子なのか娘なのかとか。

    つーかエド、双子かよ。

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    2009年10月04日
  • 流血女神伝 喪の女王7

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    ギアスとオレンディアにきゅんきゅんきます。
    あかん。20年間会ってなかったのに、お互いに一番思い合っていたとかそんなの弱すぎるー。

    髪の毛を一房ほしいと言うためにいろんな言い訳をしちゃうギアスも、全部もってけ!な勢いのオレンディアも、せつないわ愛しいわで大変です。

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    2009年10月04日
  • Under the Rose (6) 春の賛歌

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    メガネ!メガネ!
    内容的にはアンナさん崩壊への序曲で大変なんだけど、あのメガネのひとコマに全部持って行かれてるというかなんというか。
    ちなみに表紙に出てるライナス君は全然出てきませんよ。
    これはスピカでやってた人気投票結果で配布されてたイラストだったりします。
    描き下ろしの「アグネスさん」にほんわか。いい話だ…。

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    2009年10月04日
  • Under the Rose (6) 春の賛歌

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    カバーと別丁扉で、本編に全く出てこないライナス祭り。ランドリのライナスもこのライナスも赤毛なんだよな。あんだろライナスは、いま思えば単に(傍点)第一話の主人公だったわけだが、兄弟の中でかなり別格に好き。朴王路美希望(ロレンスは釘宮か!笑)。
    ウィリアムとレイチェルの関係はほんとうに、ぞくぞくするほど良い。はにろを見るに結婚しちゃってるわけだが(しかもレイチェル死んでるし)、あんなふうに青年になってしまう前だったらもう、ずっと秘密は守られ、このまま背徳的で心の奥底の欲望をお互い探り合ってびちょびちょになるような関係を続けていただきたい。ぜひ。しかしこの6巻でウィリアム−アンナの絶対的な関係は崩れてしまったので、私にとってのふたりの蜜月もまた終焉を迎えるんだろう。
    今月はPALM、Landreaall、Under the Roseとめっちゃくちゃ新刊を待っているシリーズが3点ともでちゃったのであたしの股間は洪水よファアアアアアアアック!(bia D.M.C.)

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    2009年10月04日
  • Under the Rose (5) 春の賛歌

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    ヴィクトリアンガヴァネス本。

    女性の身体が隠すべきもの。忌むべきものだった時代。
    なんというか、女性って財産なんだなと思わせる。

    この作者さんの追い詰める描写はすごい。線が綺麗。
    続きが気になる。Honey Roseも待ち遠しい。

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    2009年10月07日
  • 流血女神伝 帝国の娘 後編

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    ミュカがいいよ!
    兄上たちよりエドよりミュカ押しの私です。いやロイも素敵だけどさ……初登場時からの成長ぶり(+やせw)ならミュカが。
    そんな私の心の声は届かず、カリエは誰ともひっついたり離れたりしてくれなかったわけですが。

    おもしろかったです。

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    2009年10月04日
  • 流血女神伝 帝国の娘 前編

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    長い重いきつい! でも読み応えはある!
    須賀しのぶの長編ファンタジー。

    舞台が中世ヨーロッパな感じですが、呪いやら神様やら出てくるファンタジー。
    お家騒動や政権争いやら戦争やら、ライトノベルの枠に括るにはもったいないほどの長編小説です。

    主人公カリエが、少女から大人になるまで次から次へとつらくて苦しい試練に巻き込まれるんですけど、泣いたり落ち込んだりしながらも最後には立ち上がり、前を向いて歩いていく強さが大好きです。
    しかし須賀さん。いい加減主人公いじめすぎるのやめてください笑

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    2009年10月04日
  • 流血女神伝 帝国の娘 前編

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    主人公が不幸の連続なのですが、どんな窮地に陥っても生きようとする力に惹きつけられました。
    当時もコバルトっぽく無い作品だなと思いましたが、ハードカバーとかにしたら、一般の大人の方にも読んで貰えるような内容だと思います。
    つけた評価が中途半端なのは、読んだのが学生の頃で、引っ越しの際に紛失してしまったから…。
    もう一度読み返したいので、機会をみつけて大人買いします。

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    2009年10月04日