船戸明里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ角川で「帝国の娘」が復刊したので再読。全9巻。
シリーズ2章目エティカヤ編。
1巻表題の「帝国の娘」が主人公カリエで、「砂の覇王」はカリエの最初の恋人?になるのか、砂漠の国エティカヤの第二王子バルアン+かつてのギウダ王で史上最大の覇王シャウル。
欧州っぽい文化から砂漠の国、エティカヤへ。
旅人>奴隷>第二王子の側室候補>「災いの女神」として危うく死刑>第二王子の小姓>第二王子の正妃(名目だけ)>・・から最終的に正妃になるまで。地理的にもルドヴィア>エティカヤ>ルドヴィア>エティカヤ>海上>エティカヤと大移動・・ととっても波乱万丈な15才。
2章目でカリエの出生の秘密もラクリゼたちに執着され -
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Posted by ブクログ
<最終巻までのネタバレを含みます>
プロットにすれば数行の物語が、気が付けば伸びに伸び…と後書きか何かに作者も書いていたが、しかし9冊に渡る大長編だった割に「ようやく読み終わった!」という感慨はあまりなかった。とにかく、一つ前の「帝国の娘」同様、むしろそれ以上にさくさくとテンポ良く読み進めることができる。途中「これは小説なのか?それとも脚本なのか?」と、その描写のあまりの簡潔さに疑念が湧いてしまうほど、とにかくあれよあれよという間に人々が登場し、笑ったり悲しんだり、己の運命を全うしたかと思えば、あっさり死んでいったという印象だった。無論、お涙ちょうだいの自己満足描写がだらだらと冗長に続くより -
Posted by ブクログ
<後編までのネタバレを含みます>
あれよあれよという間に劇的なイベントの数々が過ぎ去っていったという印象。時々淡白なほどにも感じられる軽快な文体のおかげで、途中変につまずくこともなく最期まで一気に読み進めることができた。実際にはかなりヘヴィーな内容を扱っているような気もするのだが、作者の計らいか作風か、必要以上に深刻にならないところが本当に凄い。一体どこを書いてどこを切り捨てるべきか、読者の視点からきちんと話を組み立てられる人なのだろう。
の割に、舞台となるルトヴィア帝国の政治状況や皇族の力関係、そこに絡む他国や民族問題のしがらみ等についてはかなり詳しく描写されているので、世界観がしっかりし -