枡野浩一のレビュー一覧
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ネタバレ我が家の鉄板ドラえもん。
今でも毎週録画している。
小二の息子どころか中一の娘まで、食事時になるとその録画を見ながら食事しようとするほど好きな模様。
自分も『ドラえもん』は好き。
のび太の度重なる浅はかさにはほとほと飽きれかえるのだが、変な方向に頭の回る道具の使い方だったり、弱々しさの芯にある優しさはもはやハードボイルドと行っても良いほどの生き様で、ドラえもんじゃあないけど、やっぱり放っては置けない嫌いになれない存在。
そんなのび太を中心とする、ひみつ道具の魅力、ドラえもんとの信頼関係、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんたちとの友情で溢れる世界観にリスペクトを寄せた短歌達。
現実世界の一場面にそっと『ドラえもん』の世界を重ねることで、いい具合に真意がぼかされたり、おかしみが加わったり、言葉の深さが増したり、逆に大人感が出たり。
これほどまでに影響力のある漫画だったのか。
短歌はその真意を読み取るのが難しいものも多く、歌集や雑誌を読もうにも自分的には結構パワーが必要で、尻込みして最近読めていなかったのだが、すっと頭に入ってくる上におもしろさやひねりを備えたこの作品集はとても良かった。
次は『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』あたりを読んでみようか。
○テスト期間終わってみるとなぜだろうドラえもんの絵うまくなってる
○ドラえもんよりも好きだといっただけなんでそんなにうれしそうなの
○君とした「ひみつ道具でどれが好き?」みたいな話ばかり思いだす
○奥さんがどこでもドアを持ってたらあたしたちもう会えなくなるね
○どこでもないここにいたいと気付くだけ何度どこでもドアを開けても
○あやまちはムードもりあげ楽団が変にムードをもりあげたせい
○空港でチェックにかかりポケットの中身を全部出すドラえもん
○ドラえもんビッグライトで胸だけを大きくするってことはできるの?
○ドラえもん話を聞いてそばにいてひみつ道具は出さなくていい
○大丈夫タイムマシンがなくってもあの日のことは忘れないから
○「ドラえもんがどこかにいる!」と子供らのさざめく車内に大山のぶ代
「さよなら、ドラえもん」の名シーンもなんか短歌っぽく感じてしまった。
ぼくだけの力で、きみにかたないと・・・ドラえもんが(安心して)帰れないんだ! -
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川入勝。運動ができず、勉強もできにあモテない高校男子。唯一の友達でゴツくて柔道部で、リビドーを無駄に持て余している宇佐田だけが友達である。ある日、クラスでも目立つ美人の波多野さんに自転車でぶつけられ、気になる存在になってしまったが、波多野さんからはどうも嫌われているようで、毎日が暗闇なのだ。
川入くんの遺書のノートという形で前編が描かれる、男子高校生の日常を描いた作品。一章一章は2~3ページと短く、ほとんどの日は何も起こらない。ただただ、モテなくて死にたいと思い続ける日々が綴られていく。
しかしそんな中、柔道部の宇佐田が作詞するという能力を披露。そしてそれがきっかけで疎遠になっていくのだった。
全体にちょっと古いなと思っていたら、途中で御巣鷹山の日航機事故に阪神タイガースの大躍進(バースがいる)、岡田有希子に『ガラスの仮面』31巻と、唐突に1985年であることが明かされていく。
そこで疑問を感じるわけだ。1985年に、中学生が熱中するラップ(ヒップホップ)があっただろうか?なぜ「1999」なんていう歌詞を思いついたのか?「カワユス」は存在し得たか?
同時代を経験したからこそおかしいぞと感じる部分もいくつかあり、途中からは少し冷めた目で読んでしまった。あまりに集中して時代製のキーワードを出してほしくはなかったかな。
終盤では、運動も勉強もダメな川入くんが、とあることから皆の注目を浴びていく。
作者があとがきで言い訳して入るが、特技を除いてかなり私小説の部分はあるのであろう。川入くんがあまりに救われなくて仕方がなかったのだろうが、実際の高校生なんて、ほとんどが本当に救われずに卒業まで過ごすのである。そういうストーリーでも良かったような気はする。
まあ、男子高校生は一度読んでみたらいいと思うよ。思い当たるところがたくさんあるだろう。 -
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ネタバレ詩心の全くない私は、短歌も俳句も詩もほとんど解さない。よって当然だが啄木にも親しんでこなかった。
そんな私が、娘の「バイト先のカフェのオーナーが石川啄木のひ孫みたいだよ」の一言で、俄然興味を持って読んだのが本書。
どうやら、正しくはひ孫ではなく血縁関係があるみたいだけだったが・・
それにしても、本書を読んで驚いた。いや、驚いたなんてものではない。このゲスっぷりはただことではない。詳しくは書かないが、教科書的な芸術活動に励むも貧しさに負けて夭折した天才、みたいなイメージはガラガラと崩れる。ここまで徹底してゲスだと、アッパレと言いたくなる。
おそらく世の中と多くの人は啄木のホントの姿を知らないのではないか。恐るべし啄木。
と、ここまで書いて、もしかしたら本書の筆者のバイアスが相当かかってる可能性もある事に気付いたので、ぜひ「ローマ字日記」と「一握の砂」を読んでみたい。 -
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ツイッター経由で加藤千恵さんの短歌も収録されていることを知って気になり読んでみた。
そもそもドラえもんの短歌っていうコンセプトがすでに心惹かれる。それだけですでにエモい。
のび太くん みたいに泣けば 君がきて
助けてくれると 思ってたんだ
あの頃は どこでもドアが なくたって
どこでも行ける ぼくだったのに
自転車で 君を家まで 送ってた
どこでもドアが なくてよかった
君と僕 ため息だけで 会話して
翻訳コンニャク 出番はこない
大丈夫 タイムマシンが なくっても
あの日のことは 忘れないから
加藤千恵さん、このドラえもん短歌をテーマにしたNHKの番組で、投稿者として才能を見出されデビューしたんですね。。。全然知らなかった。。。!
確かに短歌に詳しくない私ですら感じられるほどの、きらりと光るものある。
ドラえもん生誕50周年。私も娘たちも大好きなドラえもん。
未来から来てるドラえもんにとって昔を懐かしむということは、私たちからしたら未来を懐かしんでることなんだね、っていう矛盾がとても愛おしい。未来を振り返る。 -
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ネタバレ離婚協議中の私が、離婚エッセイを読んでみました。
枡野さんは昔から好きだし。
離婚はつくづく十人十色。
結婚よりずっとバリエーションが豊富だよね。「豊富」と言うと、自分でもなんだか悲しく響くけど、でも実際子ども有無からバリエーションは無数にあって、私と誰かの離婚が同じなんてあり得ないんだろうなー。
お子さんと会えなくなった枡野さんは本当にかわいそうで、読んでいる私もその場にうずくまりそうになったくらいだったけど、こうして公の場に晒される元奥様やお子さん達にもやはり同情してしまう。
そして、解説の映画評論家の町山さんが厳しい。鋭い。
町山さんもおもしろい方だな。町山さんの著作もちゃんと読みたいと思いました。 -
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ネタバレ妻に離婚を迫られているAV監督速水の物語だが、中に挟まれる書評は実在の本について。
どこまでホント?とか思いつつ読み進めると、後ろ三分の一は「あとがき」として枡野浩一の実際の状況と、枡野に加え、穂村弘と長嶋有の特別寄稿。そして枡野の短歌30首。最後に映画評論家、町山智浩の解説、という変わった本。
最後の解説で、一気に読者のひっかかりがクリアになる感じ。穂村弘の指摘もするどい。
枡野浩一について、本人が一番わかっていないっぽい。
一言で言ってしまえば、だから奥さんがあのような形を取ってでも離婚したんだね、ってこと。
この人の短歌は嫌いじゃないけど、人としてはね~。
むしろ、発達障害系空気読めないサンプルの参考にはなるかも。
気になる存在ではあり続けそう。 -
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知り合いに言われて初めて手に取った短歌がメインで進むお話
感想は素晴らしいの一言でふとした時にまた手に取りたい
短歌から想像できれば面白いできないならば駄作に変わる
あくまでも短歌がメインのストーリー知って読まねば期待外れに
本書にて掲載された首の中で私の好みをいくつか示そう
・焼きたてのパンを5月の日だまりの中で食べてるようなほほえみ
・かわききるくちのなかまでしみとおるゆうきさえないのがプレゼント
・さっきからずっと出ている虹だからまだ見てるのは私だけかも
・遠くまで行く必要はなくなった 遠くに行ける そんな気がした
・靴音で笑いあえたらなって 蹴る くつくつくつ石畳みどきどき
凄くない?どんな感性していたらこんなセンスを剥き出せるのか
本を閉じ想いに耽った午前2時久方ぶりの幸せな味 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説かどうかということが話題となっている。確かに起承転結や時系列的なドラマ展開などは特になく、作者の身辺の現在形の出来事とそれに関連する過去の出来事の回想によって思いが綴られている。それを考えると一体小説とはなんなのかという問いが生じる。なんなのだろう?
それより気になるのは作者は知人であり、僕自身が登場人物の一人でもあり、その立場で読んでいたのだが、全く枡野浩一さんのことを知らない人が読んだらどのように受け取るのだろう。とても気になった。
枡野さんはずっと会えない息子さんのことを考えていて、この本を読むとより僕も会えない娘の事が一層気になってしまう。
最終章の、中村うさぎさんの枡野さんへの質問の回答が素晴らしかった。人と人が分かり合わないのは当たり前じゃないかと思っていたのだが、その先にあるものを言葉にしていて本当に驚いた。