枡野浩一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
枡野さんの描く小説が好きで、
短歌は、買って読もうと思う自分ではないので読まないだけで、
何かの拍子に目にするものはおもしろいな、と思っていて、
そういうわけで枡野さんの本を漁っていたときにこの本の存在を知った。
うわ、そんなこと書いちゃうんだーと、読んでみたくなったのは、興味本位というか、噂好きのおばちゃんの域を出ない感じだった。
短歌はもともと感情をストレートに表すものだけれど、
書評部分と言い、解説といい、興味本位で覗いちゃいかん世界だった。濃いいです。
いや読んでみて良かったよ、でも。
そこに人が居る、という感じがした。
男の人と、女の人では、感想が違いそう。 -
Posted by ブクログ
私、勝手に本のタイトルの最後に「い」を入れちゃってたんですが、この「お前」とは枡野氏自身を指す事がこの本を読むと分かります。
枡野氏と言えば「ショートソング」で大ブレークした歌人であり作家ですが、この本には35首の歌が綴られて、ひとつひとつの短歌に、枡野氏の若い頃の思い出がエッセイとして綴られています。
彼、そーとー、繊細で暗い面がある人だな、と言う感想を持ちました。
私がいいな、と思った歌を紹介しますね。
感染はあの冬の日の それっきり潜伏期間九年の恋
枡野氏は、「叶わない夢は、永遠の片思いのように、そのまま心の隅で発熱し続ける」。そして、人には「叶ってほしくない夢」や、「思い続けたい恋」というものがあるのだと締めくくっています。年取ると、頷ける歌ではないでしょうか。
お次は、枡野氏が「結婚はしない」と言う話で意気投合していた女友達から、ある日、電話で・・
「永遠の愛なんて、やっぱりありえないと今でも思うけど、たとえ一瞬 でも『永遠に好きかもしれない』と思えたから、その一瞬の記憶があれば一生やっていける気がする」
と、別の男性と結婚する事を、打ち明けられたそうです。
要約すると、「永遠の愛は、一瞬の記憶の中に、永遠に存在する」ということらしい と。。まるで失恋したみたいな夜だったと、枡野氏は当時を振り返り、この歌を詠んだそう。。
永遠の愛を誓うよ 永遠もあと半年で終わりらしいし
最後は、枡野氏が人生で一番貧乏だった頃、自転車が盗まれた時に生まれた歌。
自転車を盗まれ徒歩で帰路につく 満月を見てキレイと思う
普段は自転車でどこでも移動していたそうですが、自転車を盗まれてから、夜道を歩いていた時にふと見上げた夜空に浮かんだ満月に、心を奪われたと言うシチュエーションでしょうか。その辺の説明は書かれていませんでした。
自転車に乗っていたら、満月の美しさにも気付かなかったかもしれませんし、この歌も世に出なかったかもしれませんね。