枡野浩一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いやー、おもしろかった。本当に。
先日、枡野書店に行ったのです。
この枡野さんの代表作が数冊置いてあったのですよ。
手に取ったら、カバーにかわいいスタンプのような穴が開いているのです。「文庫本にこんな凝った装丁があるんだー」と感心していたら、店番のあららさんが、この穴は枡野さんご自身が五七五七七の形のスタンプで開けたものだと教えてくださいました。
私はもう、そのかわいさにノックアウトされました。
中身も、とてもおもしろいです。
伊賀君や克夫君の若さ。いわゆる甘酸っぱいやつ。
私には短歌を詠む知り合いがいないので、本当にこんな気持ちで短歌をやっている若者がいるのかと新鮮でした。おもしろいけど -
Posted by ブクログ
どーてーと吉祥寺の話。
こういう話って、男だから面白いのかな。
女子に薦めてもいいのかな?
どうしても、伊賀さんをかわいそうに思ってしまうのは、結婚というものをリアルに考える年齢になったからか・・・
無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分
階段をおりる自分をうしろから突き飛ばしたくなり立ちどまる
「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね 気持ちがいいね
「本好きを自慢する心はさもしい。人はただ、『必要』だから読んでしまうのではないか。威張るようなことではない。単に臆病で、それなしではいられなかったから、多くの本を読んでしまっただけだ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレもの凄い本を読んでしまった。穂村弘もそうだが、歌人という人種は言語に対する感覚が違うのだろうか、散文を書かせてもやはり凄い。
次から次へと心臓が高鳴るような話ばかりが飛び出す序盤といい、この瞬間が永遠に続けばいいのにと思うくらい脆く儚い中盤といい、圧倒的なスピードで畳みかける収束といい、小説としての出来も素晴しいが、それよりもなお、間々に挟まれる短歌が凄い。短歌には、散文では到底書けないような心の奥底を、平然と詠めてしまう不思議な力がある。それが、心の奥底を描き切れない(読者に想像させるしかない)小説という形態と組み合わさって、登場人物の抉られた胸の奥底の、その傷をまた描き切っている。
登 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直に言いましょう。ボクはあとがきを読むまで、タイトルに"い"を補完して読んでいました。お前だけじゃない。つまり著者が読者に同情するような意味を持たせていたのだけれど、実際には著者が自嘲する言葉だったのです。先入観というのは怖いものです。
この作品は短歌とページ下に描かれたパラパラ漫画の様な絵、そして短歌について書かれたエッセイで構成されています。はじめに本を開くと、やたらと行間が空いていてスカスカだなという印象を持ちます。しかし、読み始めるとその印象は覆されるでしょう。
普通の人生の中でも、心に残る出来事というのはたくさんあると思います。どんなに言葉を連ねても表し