枡野浩一のレビュー一覧
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ネタバレ枡野氏の「石川くん論」が本当なら、プライベートの石川啄木は、どうしようもないダメ男だったんだなと思いました。
石川啄木には金田一京助という親友がいて、何かと石川啄木のサポートをしてくれます。私が以前読んだ本に、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』がありますが、カフカもよい友達に恵まれて、精神的に支えられたり、自作を世に出す手助けをしてくれたりしたようです。天才として名を残すには、友達運に恵まれることが重要になってくるのでしょうか。あるいは、一見、人間的に大きな欠点があっても、何か他の人を強く引き付ける魅力があって、よい友に恵まれるのでしょうか。 -
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歌人・枡野浩一が詠む歌はもちろん面白いけれど、小説もとても面白い。本作は煩悩だらけの17歳、高校生男子が主人公。徹底して運動ができない勝(しょう)は、バレーをすればサーブが1本も入らず、バスケをすればオウンゴール。同級生たちはそれを面白がって、勝のことを運痴ゆえ「うんちゃん」と呼ぶ。そんな彼だがアソコだけは大きい。見られるのが嫌で、少し離れたところにあるトイレでなぜかしょっちゅう出くわす「うさちゃん」と仲良しに。うさちゃんは柔道部でみんなの人気者。しかし秘かに詩を書いていることは勝しか知らない。国語の成績のみ優秀な勝は、うさちゃんから詩を見せられては感想を言うように。ところが、うさちゃんが勝の
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「石川くん」とは石川啄木のこと。短歌でありながら、口語に近い、わかりやすい言葉を用いて、世間の人を驚かせた石川啄木。しかし、当時の言葉は今聞けば十分に難しい。そこで、歌人の枡野浩一がさらにわかりやすく今の言葉に変えて詠み直してみました、というもの。これが非常に面白い。例を挙げてみると、こんな感じ。
啄木のもとの歌:「一度でも我に頭を下げさせし 人みな死ねと いのりてしこと」
著者の詠み直し:「一度でも俺に頭をさげさせた やつら全員 死にますように」
数々の短歌とともに、親しみを込めて語られる啄木の素行。茶化しているふうではあるけれど、そこには愛情も感じられます。読めば石川啄木という人に興味 -
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『ショートソング』が気に入って数冊まとめて購入した枡野浩一の著書。『ワコール・ニュース』に連載していた『現代短歌(みじかうた)』の文庫化なのだそうです。自伝ストーリーの間に挟まれた短歌は、どデカイ字と広い行間がこれまで私が好んで読んできた本とは別もの。が、いくつか心を引きつけられる短歌がありました。特に“振り向いてくれたけれども「がんばれ」はたぶん自分に言った言葉だ”とか。「ガンバレ」という言葉は的確に使うのが難しいけれども、誰かを励まそうとするエネルギーに触れる。そのとき著者がいた情景が目に浮かんで、こちらも励まされたような気に。ちなみに30分かからずに読めちゃいます(笑)。
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プレイボーイ・伊賀とチェリーボーイ・国友。2人の章が交互に見開き1ページ半ずつで同時進行するので、隙間時間読書に持ってこいだった。
男の子って、女子以上にドーテーか否かで決定的に何かが変わるのかなぁ〜なんてぼんやり思いつつ、バンバン出てくる下ネタを軽く受け流し、短歌界の諸々を覗き見ながら、五七五七七の世界の奥深さを知る。
短歌って、中学の国語の時間に作らされて、自分の才能のなさを確認させられたから、苦手意識があったんだけども…。
この本でいろんな歌人の歌を引用してくれているので、一気に読んでみれば、短い中にも個性出てるし、おもしろい言葉の紡ぎ方もあるし、同じ歌でも自分の経験が多分に反映され