牧野知弘のレビュー一覧
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著者曰く、日本全体の成長スピードが鈍化した今、日本人がなすべきことは、いつの間にか身につけてしまった「上り」中心の発想を捨て、「下る」ことである。
東京一極集中「上り経済」の終わりが始まっている。
昭和39年東海道新幹線が開通してから、営々と整備を続けてきましたが、駅は単なる通過点にすぎないし、東京へ向かうことだけが重視された。
今の日本、「お金と人」の流れが変わってしまったのです。そして、地方が稼ぎ頭になる材料はたくさんあるのに、まだまだ多くの地方で発想の転換ができていないのです。
そういう状況下、著者は、現状分析のデータを示しながら、現状分析し、未来に向かっての処方箋を示しています。
ということで、
第1章 都会が疲れた高齢者の顔になる日
第2章 雄大な自然、世界遺産に潜むワナ
第3章 平凡な風景が地方の稼ぎ頭に?
第4章 実例・非常識な地方活性化
第5章 駅前が日本経済を動かす
―上り経済から下り経済へ
第6章 お金は空と海からやってくる
第7章 「陸・海・空」モデルで稼ぐ
―国家の発展軸が変わる
おわりに
「下り優先経済」時代の到来は地方を再び輝かせる
この著者の少々ユーモアを交えた書きぶり、そして、不動産ビジネスで培った知見からなる説得力ある提言。
外国人から見た魅力ある日本の再発見、いつもながら楽しく読まさせていただいています。 -
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色々と勉強になった。
日本のマンションの歴史は、一番古いので築60年。2013年時点で600万戸、約12万棟。築30年以上が約104万棟。→10年後なら277万戸。毎年10万戸が新築されていてその内5〜7万戸が首都圏で建設。戸建の新築は僅か5千戸。
2013年の調査でマンション所有者の73%が50歳以上。住み潰す考えが一般的になり、年金生活で新たな拠出(例えば大規模修繕のための特別拠出など)は難しい。修繕が出来ずに価値が下がっていくことも。
このままのペースでいくと2035年には空き家率30%を超える。それは夕張やデトロイトのように財政破綻した街のそれに同じ。スラム化の危機。
一方で政府が何か対策を打ったとしても、住宅事情がすぐに改善するとは考えられず、将来を充分に考えてマンションを買う覚悟をすべき! -
Posted by ブクログ
2040年全ビジネスモデルが消滅してしまうという著者の仮説である。
中身であるが、一世を風靡したマクドナルド型ビジネスモデルが隆盛を極め、また、衰退していった経過が、日本経済の歴史、人口動態の変化、商品のコモデティ化などに起因していたことをデータを示しながら解説されてある。
方や、同じく米国発のディズニーのビジネスモデル、中身と言えば、消費者に夢(バーチャル・リアリティ)を与え、常に付加価値を加え続けることに良し、価格を下げないモデル。
どちらのビジネスモデルも、不動産の利用という点では同一である。
そこで、著者の得意とする不動産についての考え方、分析だ。
人間、夢を追い求めて、切磋琢磨しながら、一国一城の主となりたいがため、ローンを組んでまで、不動産を取得してきた。
しかしながら、人口減少が進展する中、不動産と言えども、コモデティ化してしまっているということです。
2040年、夢を売るビジネスモデルのディズニー型といえども、どういう展開になっていくのか、予想しずらい。
第7章 ディズニーの夢から覚めたとき 2046年に向けてのクライシス
・脳内麻薬バーチャルリアルティが仕掛けるもの
・ディズニーの夢の先にあるもの
・ディズニーの魔法が解ける恐怖
・不動産価値の激しい二極化時代の到来
・2040のニッポン
・移民社会が日本を壊す
・日本社会の崩壊〜「1パーセント対99パーセント社会
」の果て
・階級闘争の始まりと資本主義崩壊の危険性
おわりに ディズニーランドの怖いわけ
でした。
最後の件を抜粋
ディズニーランドは、訪れる顧客に強烈な印象を残していきます。
魔法をかけて夢の国に「引きずり込む」のですから、引きずり込まれた顧客は、ディズニーランドの織りなす不思議な夢の国の虜になってしまうのです。
それを本能的に拒否する感性を持つ子供がきったお何人かは存在するのです。
ディズニーの魔法が通じない子供たちは、本当はディズニーの魔法が解けたあとの怖さを知っているのかもしれません。 -
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こんな街に「家」を買ってはいけない
はじめに――子供の声が消えた首都圏郊外住宅地
ということで始まるこの本ですが、要は、戦後の高度成長経済時代、都会で住宅が不足し、社会全体の価値観として、とにかく我が家を所有したいという一心で、自分自身が置かれている時代の一瞬を切り取り、買ってしまった「財産としての家」が、数十年の年月を経て、不良資産と化してしまっている。
そのような事態になってしまった日本の戦後の歴史、そして過去、現在、未来のデータ分析予想、今後日本社会が課題解決に向けての処方箋が書かれた本でした。
内容は
第1章 住宅街が崩壊する日
第2章 全国に2000もあるニュータウンという厄介者
第3章 戸建ての維持に悲鳴を上げる人たち
第4章 人気が上昇し続ける住宅地の条件とは
第5章 相続が「負の財産」になるとき
第6章 戸建て住宅街に将来性はあるのか
第7章 戸建て住宅街からの脱出法
第8章 住宅を賢く買うには
第9章 不動産に対する考え方を変えるとき
おわりに――マイホームという蜃気楼
今後、我々が考え方として持っておかなければならないこと、「不動産が財産である、という幻想」「不動産はバランスシートの考え方で所有」「本当に必要なのは人生の舞台としての不動産」ということ。
それと、私がこの頃つくづく思っていることですが、物件を市場化する場合、売りたい人と買いたい人を丁寧につなぐビジネスモデルがいいと思っています。
結局、両者の間に存在する「情報の非対称性」を解消するため、物件情報をあらゆる角度で分析・評価する「知見」を公共化する、そのため、その分野を構築するについては税金が投入されてもいいのではないかと思います。
とにかく、社会的な課題解決に向け、日本社会が培ってきた「知見の総合化」、そして、新たに発生した「市場」は丁寧なプロセスが構築されている。
このことの社会的システムが構築されていけば、そのノウハウは、どういう分野でも適応可能ではないかというのが私が現在到達している知的限界であります(笑)。 -
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現在進行中のインバウンド現象を牧野節で、冷静に、客観的に分析された新書であります。
また、ホテルや不動産のアドバイザーのプロとして、近い将来を見越した提案も盛り込まれていて、あっという間に楽しく読めました。
内容は、以下のとおりです。
第1章 増加が止まらない訪日外国人客
第2章 ホテル業界の異変
第3章 訪日外国人客の日本での生態
第4章 受け入れ側の課題と解決策
第5章 地方創生の切り札として
第6章 日本再生の切り札として
おわりに 真の観光立国を目指して
ということでしたが、面白かったのは「作りすぎ」地方空港が切り札に でして、国土交通省、農林水産省が作った地方空港、よかったですね(笑)。 -
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この45年間で客室数が33倍に急拡大したホテル業界。
成長を支えた日本独自のビジネスホテルという業態。
はじめに、なぜ人はホテルが好きなのか、から始まり、おわりにホテルの楽しさは永遠にに締めくくられているのだが、本編は、論理的に章立てられユーモアを交え読者を説得する手法は著者の頭脳明晰さが如何なく発揮されている。
第1章 現代日本の宿泊事情
第2章 ホテルは人間動物図鑑
第3章 コモディティー化するホテルの宿泊料金
第4章 ホテル経営消滅物語
第5章 ホテルをプロデュースする
となっている。
著者は、不動産業界からホテル経営に職場を変え、現在はホテルオーナーに対するアドバイザーの他、ホテル・不動産市場に関する論説、講演活動を展開されている。
今後ますます、日本における旅事情が快適になっていくことを期待して、レビューといたします(笑)。 -
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不動産市場の最前線で感じたものを率直に書き表した「2020年 マンション大崩壊」。
著者の経験・感性が如何なく発揮された著作である。
第1章「地方」の問題ではなくなった空き家問題
第2章 都心部ですすむ「マンション空き家問題」
第3章 老朽化マンションが抱える「スラム化」の恐怖
第4章 問題解決を阻む管理組合という存在
第5章 タワーマンションの将来
第6章 マンションの資産価値を考える
第7章 解決のための処方箋
第8章 不動産価値の大変革を迎えて
管理組合における民主的手続きと日本の私的権利の強大性。
解決のための処方箋を日本社会がどう受け止め、変革できるか。
考えさせられる本でした。 -
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マンション分譲業者は需要の先細りが明白になっても相変わらず新築マンションの供給を減らすどころか増やしている。日本人の中の新築信仰もいまだ根強い。国の住宅政策も中古住宅流通市場の整備を提言しつつも、税制で新築住宅購入を後押ししている。著者が本書で述べているようにマンションは共同体だから私権を強すぎる日本では管理・維持修繕が立ち行かなくなるというのは納得。高齢者は自分が所有するマンションを「住みつぶす」という発想でとらえる。そして将来のことがどうでもよくなる。子供も住まず、賃貸にも出せず、処分(売却)もできなくなったマンションは空室で放置され、スラム化する。「家賃はもったいない」という耳障りのよいフレーズに騙されて新築という割高な将来の負債を追い求める時代は終わってもいいのではないかと本書を読んで私は強く思いました。
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人口減少と人口構成の変化によって年々浮き彫り化する空き家問題。その中でもマンションの抱える問題は大きい。
管理費や修繕積立金の滞納、建て替えも大規模修繕も簡単な修繕さえも行えない、マンションは共同体であるが故にリスクを他人の分まで背負い込まなければならない。
中古住宅を購入しようと思ってた時期だったので少し考えさせられた。
個人的には現状の日本において不動産価値の変化は既に起こっているが制度が整っていないという状況なのではないかと思う。
人生で一度しか住宅を購入しないと考えている人にとっては、マンションは購入ではなく賃貸の方が良さそうな気が本書を読んで感じた。
不動産は資産価値としても効用価値としてもやはり立地が重要と再認識。 -
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ネタバレなぜマンションは高騰しているのか。
建築費の高騰、売り手が一般層に売ってない、海外資本の流入、パワーカップルの増加、節税対策での購入、等。億超えは当たり前の時代に。
大相続時代を、前にこの、トレンドがいつまで続くか。今後のリスクとしては、まず
金利の上昇が、ある。投資家からすれば金利が上昇するということは、家賃を増やすか価格を下げるかしないと良い投資利回りを得られない。一定上がったところで海外投資家が家を売る可能性がある。
後は相続。相続による供給戸数が増える。首都圏の相続件数は今後15年で750万件、対する持ち家率は50%。年間25-30万件相続される。現在供給されている新築戸数、中古成約件数は年間8万戸。全部売りに出されるわけではないが、年間成約数の3倍の持ち家が相続対象だ。
もちろん人口も減っている。10年後の東京の人口はさらに減っている。
そうなると今築40年以上の物件は差別化できず大幅に資産価値が落ちるのではないか。
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ネタバレ最近のマンション高騰はかなり顕著で、新築・中古問わず「億ション」が珍しくなくなってきている。その背景には、富裕層の増加や相続対策としての不動産需要、低金利を活かした投資マネー、さらに海外投資家の流入がある。日本は不動産の購入規制が少なく、価格も相対的に安いので「買いやすく貸しやすい市場」として見られている。
一方で、建設コストの上昇により新築マンションは高価格帯に寄っていき、デベロッパーも一般層より富裕層や投資家を重視するようになっている。その結果、新築が買えない層が中古に流れ込み、中古価格も押し上げられている。
これから価値が伸びやすいのは「都心」や、独自の魅力を持つ“恒星都市”、そして札幌・仙台・広島・福岡といった地方中核都市。資産性で見ると、タワマンはやや金融商品寄りで、長く住む前提なら立地や管理のいい低層マンションの方が安定しやすいとされる。
ここまで読むと、「マンション=投資対象」という前提で話が進んでいる印象も強い。実際、この本で扱っている“高騰しているマンション”は、主に高級・高額帯の話が中心。ただし、そのロジック自体は一般的なマンションや中古市場にもある程度は波及しているとも感じる。
とはいえ、マンションが投資商品として扱われていく流れは避けられないにしても、どこかさみしさはある。もし自分が買うなら、資産性だけで判断するのではなく、「住みたい街か」「好きになれそうなコミュニティか」といった視点を軸に、あくまで“住む場所”として選びたいと思う。