牧野知弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
バブル時代、都内の土地価格の高騰から宅地開発が都内から郊外へ広がり、通勤時間1時間以上が当たり前になる中で、サラリーマンが住宅取得に奮闘するさまを描いた1991年のTBSドラマ「それでも家を買いました」の話が何度も出てくる。1970年代から全国で開発が進んだいわゆるニュータウン=「郊外の新興住宅地」の暗い行く末(というか現状)が何度も強調され、気分も暗くなる。新興住宅地のため歴史も文化もなく街としての魅力にかけ、皆が同世代で移り住んでいるため皆が同じように高齢者となり、立地が不便なため(共働き夫婦も多い)現代の子育て世代は寄り付かず、それらの影響から借り手も買い手も見つからない。今住んでいる人
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトル通り、不動産の話。
前半の負動産・腐動産の話には、本当によく考えないといけないと思う。
購入か賃貸かの不毛な議論というのは、個人的にはその通りだと感じた。30年・35年の資金が凍結される投資案件は、会社のプロジェクトではありえない。
それでも購入するのであれば、絶対に欲しい、どんな苦労も厭わないと断言できる場合に限るべき、というのは個人の指針として有用と思いました。
で、前半部分は、これからの住宅の不動産に対して話だったので、興味深く読めたが、3章以降は観光に対する影響とか、不動産産業という視点での話だったので、そこまで食指が動かない感じでした。 -
Posted by ブクログ
東京近郊の”街”をテーマとした本を同時期に続けて読んでみました。一つはこの本、もう一つは「東京郊外の生存競争が始まった!」(三浦展著)です。同じテーマでありながらも好対照な内容になっています。「東京郊外~」は社会デザイン研究者である著者による衰退する街の再生策を語る一冊で、著者の”熱量”を感じることができる内容になっています。対して本作は不動産事業プロデューサーである著者ならではの視点でこれからの東京23区の趨勢、いわば”アガる街”はどこかを考察する内容になっています。ただ最終章では「時に別の自治体から、もしくは近くの「街」から人を奪うようなやり方も生じるのかもしれません。」と述べており、この