【感想・ネタバレ】2040年全ビジネスモデル消滅のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年01月28日

2040年全ビジネスモデルが消滅してしまうという著者の仮説である。
中身であるが、一世を風靡したマクドナルド型ビジネスモデルが隆盛を極め、また、衰退していった経過が、日本経済の歴史、人口動態の変化、商品のコモデティ化などに起因していたことをデータを示しながら解説されてある。
方や、同じく米国発のディ...続きを読むズニーのビジネスモデル、中身と言えば、消費者に夢(バーチャル・リアリティ)を与え、常に付加価値を加え続けることに良し、価格を下げないモデル。
どちらのビジネスモデルも、不動産の利用という点では同一である。
そこで、著者の得意とする不動産についての考え方、分析だ。
人間、夢を追い求めて、切磋琢磨しながら、一国一城の主となりたいがため、ローンを組んでまで、不動産を取得してきた。
しかしながら、人口減少が進展する中、不動産と言えども、コモデティ化してしまっているということです。
2040年、夢を売るビジネスモデルのディズニー型といえども、どういう展開になっていくのか、予想しずらい。
第7章 ディズニーの夢から覚めたとき 2046年に向けてのクライシス
・脳内麻薬バーチャルリアルティが仕掛けるもの
・ディズニーの夢の先にあるもの
・ディズニーの魔法が解ける恐怖
・不動産価値の激しい二極化時代の到来
・2040のニッポン
・移民社会が日本を壊す
・日本社会の崩壊〜「1パーセント対99パーセント社会
 」の果て
・階級闘争の始まりと資本主義崩壊の危険性

おわりに ディズニーランドの怖いわけ

でした。

最後の件を抜粋
ディズニーランドは、訪れる顧客に強烈な印象を残していきます。
魔法をかけて夢の国に「引きずり込む」のですから、引きずり込まれた顧客は、ディズニーランドの織りなす不思議な夢の国の虜になってしまうのです。
それを本能的に拒否する感性を持つ子供がきったお何人かは存在するのです。
ディズニーの魔法が通じない子供たちは、本当はディズニーの魔法が解けたあとの怖さを知っているのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2023年12月25日


マクドナルドとディズニーランドという有名企業でありながら、関連性が見いだせない2つの事例を対比させ、マーケティングと経済的な知見で論じられた本書は大変興味深かったです。

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Posted by ブクログ 2017年01月02日

不動産の専門家がどうしてビジネスモデルを語るのか?

というのが、書名を目にしたときの率直な疑問だが、
マクドナルドとディズニーランドという、
誰しもが知っている商売を対比しながら論じてゆき、
最終的には不動産につながってゆく・・・という、
いちおう、筋が通ったものにはなっていた。

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Posted by ブクログ 2017年09月23日

新年(2017)あけましておめでとうございます!二年越しで読みましたが、新年になって初めて読み終わった本です。昨年末に最寄りの本屋さんで見つけた本ですが、タイトルの衝撃さ「2040年全ビジネスモデル消滅」に惹かれて購入してしまいました。

凄い内容が書かれていました。日本が絶頂期を迎えた1996年(...続きを読む私が社会人になって7年目)までは、質より量の「マクドナルド型」が成功モデル、それから今までは、そのモデルはダメになり、代わって、量より質で勝負する「ディズニーランド型」が絶頂期を迎えている。

ところが、このモデルも、2040年を迎えるころには絶滅してるというものです。絶滅が2040年なので、勢いを失う起点はいつかということですが、それをこの本の著者は、東京五輪が終わる2020年あたりとしています。

2017年から東京五輪を迎えるまでの3年間、日本経済は最後の輝き(あがき?)を見せるのかもしれません、それから2040年の既存ビジネスモデルの絶滅へ向かって、変化することができた会社のみが成長しているのでしょうね。最近読んだ、神田氏の本に書いてあった通りです。私の中で、この二冊の本が繋がりました。新年早々素晴らしい本に出会えたと思います。

以下は気になったポイントです。

・マクドナルドが上陸したときのハンバーガーの価格は80円、タクシーの初乗り料金が130円、子供のお小遣いでは少々高い食べ物であった(p2)

・不動産関係の仕事をしている著者は、マクドナルドの低迷と、ディズニーランドの降盛は不動産に対する人々の価値観の変化にも密接に結びついていることをわかっている(p9)

・2021年からの時代は、ディズニーが演出してきた「質的充足」の時代の到来である。不動産においても、ハコを用意するだけでなく、ハコの中身、つまり、ソフトウェア・コンテンツの創造、演出が勝負を分ける時代となる(p10)

・戦後四半世紀を過ぎて、日本は世界でも類を見ないほどの人口増加を見せた。太平洋戦争終結時に7214万人だった人口は、1970年には、1億466万人、45%もの大幅増を記録した(p25)

・マクドナルドは直営店を中心に進出したが、日本国中に店舗網を形成するために、アメリカ仕込みのフランチャイズ制を導入した。1976年、沖縄浦添市が一号店(p29)

・1971年に、1個80円だったハンバーガーの値段は、73年4月に100円、74年150円、79年170円、80年180円、83年には200円、85年12月には、210円となった(p31)

・オリエンタルランドは、京成電鉄・三井不動産・朝日土地興業の三社による出資によって設立された(p45)

・東京TDLは、ディズニーランドの直営ではなく、ライセンス契約を締結し、オリエンタルランドの責任と費用負担の下、多大なライセンス料を負担することで進出を検討してもらえることになった。(p49)

・買い物ばかりに目を奪われていた日本人旅行客も、リピート率が増えるにつれて「コト消費」と呼ばれる体験型旅行へ軸足を移していった、日本にやってくる中国人旅行客と似ている(p57)

・1996年ころを境に日本は、経済成長が止まり、「超デフレ社会」とも言われる「失われた時代」に突入する。このころからマクドナルドは迷走を始める。このころ、共働き世帯の数が、専業主婦世帯の数を上回る。1997年に男女雇用機会均等法が改正され、女性保護の規制が廃止された(p71、79、226)

・2000年にマクドナルドの店舗数は、1995年の2.4倍の3598店舗となり、人々にとっては「いつでもどこでも」味わえるものになった(p91)

・マクドナルドの迷走は、利益追求と、質的充足を追い求めるあまり、自社のターゲットとなる顧客層が拡散し、事業コンセプトが曖昧になったことから始まった(p98)

・質的充足は、顧客に「驚き」「感動」を与えること、どうやったら「驚いて」くれるかと尋ねるのは、落語家や漫才師が「何をしゃべったら笑ってくれますか」を聞いていることと同じ(p103)

・ディズニーランドのすごさは、大真面目に夢と魔法の「本物の国」を築き上げていること、これが遊園地(リアルな世界に対するバーチャル)との違いである(p119)

・スタンプラリーのように、人間は順番をつけてあげると、その順番通りに行動をしていく特性がある(p127)

・2020年に3569万人に達する首都圏人口は、2040年には3231万人に減少すると言われている。東京都ですら2020年以降は減少する(p136)

・都心の一部を除いて、今後の住宅地の値上がりを期待するのは望み薄、住宅は、今やマクドナルドと同じく、コモディティ商品となった(p143)

・2015年度の新設住宅着工戸数は、持ち家よりも、賃貸の着工が多く、全体の40%を超えている(p145)

・相続評価による基礎控除額の減額改正(2015年1月より)により、基礎控除額が6割に減額されたので、アパート建設を利用した節税が広まった(p149)

・住宅地には敷地面積200平方メートル以下の小規模住宅用地について、固定資産税の税額を6分の1に減額する特例措置があるが、更地にすれば、税額は6倍になる(p157)

・日本の総住宅数が、6063万戸なので、マンションはその約1割を占める(p158)

・新築マンションが値上がりしているのは、資産価値が高くなっているのではなく、原価がアップしているのが原因(p160)

・シンガポールの例を見ると、カジノ施設が全体に占める面積割合は5%程度であるが、収入では全体の80%(p192)

・2013年における日本の富裕層(金融資産額:1-5億円)および、超富裕層(5億円以上)の世帯数は、100万世帯になり、2年前比較で24.3%の高い伸び、総額は241兆円で同じく、28.2%の伸び(p213)

・2040年には、首都圏の主要都市と、西日本の県庁所在地では、高齢化率は殆ど変わらない状況となる(p220)

・日本にやってくる多くの移民は、都心部に多数所在する賃貸住宅の空き家に住みつくだろう(p224)

2017年1月1日作成

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Posted by ブクログ 2016年12月30日

よく言われている量重視のビジネスはそろそろ限界で、コンテンツ重視になっていきますよという話。不動産の話も絡めているのが新鮮。

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Posted by ブクログ 2023年09月09日

全ビジネスモデル崩壊という強烈なタイトルではあるものの、中身としては過去の日本が経験してきた高度成長、バブル景気からバブル崩壊、そして超高齢社会の到来から人口減少時代を迎えるにあたり、日本のビジネスモデルがどの様に変遷してきたか、将来どの様になるかを予測する内容となっている。筆者は三井アウトレットパ...続きを読むークなど数々の人気のハコモノを手掛けてきた三井不動産出身の方である。
本書はその変遷をマクドナルドとディズニーランドを運営するオリエンタルランドに焦点を当てて、2社の経営思想・手法を例に挙げて解説している。マクドナルドは1970年代に日本に進出したから、当時の日本はまだまだ成長真っ只中を突っ走り、庶民が気軽に(高額なビフテキは滅多に口にできない事から)食べることの出来る牛肉として、銀座のど真ん中に1号店を登場させる。当時の時代背景からはそれまでの日常にはなかったハンバーガーや高価な牛肉を気軽に食べられる発想がウケて長蛇の列を作る人気店となった。その後も日本全国津々浦々、マックの無い街など見かけないほどに店舗数を伸ばし、いつしか外食産業日本一へと成長する。時代背景に支えられて業績を伸ばし続けたマックも、バブル崩壊長期のデフレスパイラルで価格をどんどん下げていく。これに加えて余りにも気軽に安く誰でも食べれる事がマックのコモディティ化を促進させ、珍しいハンバーガーを食べに行くという商品に対する明確な目的意識が無くなり、安く滞在出来るゲームスポットの様な感覚に陥ってしまう。こうして時代背景に合わせて姿形を変化させた結果、果たしてマクドナルドの価値とは一体何だったのか、という企業の存在価値が曖昧になっていくのである。
一方、1980年代に海外初出店先としてウォルトディズニーが選んだのは日本の舞浜である。この設立背景も本書で紹介されており、なかなか興味深いものとなっているが、設立にはオリエンタルランドへ投資する三井不動産の姿も紹介されている。当時ディズニーランドに懐疑的な目を向けていた同社の経営陣をよそに、ディズニーランドは圧倒的なソフトウェアパワーと掴んだ顧客を離さないリピーター戦略が大成功し、入場料の値上げを繰り返しても人が付く経営を実現した。
ディズニーランドの経営哲学を紹介する書籍も大量にあり、一貫して夢を見て提供すると言う目的・価値を創り上げる全キャストの想いや経営の考え方を学ぶ事ができる。時代に合わせて姿を変えるマクドナルドと一貫して夢を提供し続けるディズニーランド、この2社を比較させる事でソフトウェアパワーの重要性と経営哲学の重要性を明確にしている。
本書後半はその様な2社であっても迎えたことのない人口減少時代に日本は突入していく。不動産業出身の筆者であるから、土地建物に求められる価値についての言及が多くなっていくが、都心マンション購入者には少々恐怖の内容になっていく。誰でも予測は可能だが、いざ人口減少に加えて、実態を伴わない都心マンションの高額化はどことなくバブルに浮かれた時代を思い出す。この10年でマンション価格は倍、株価もバブル時の最高額を狙える額まで来ている。一方、自身の手元の給与額は変わらず、一時期に見かけた様な外国人だらけのインバウンド需要がそれ程増えたとも思えない。本書はコロナ前のものではあるが、コロナで閑散とした旅行業が元に戻りつつある現時点でも、それが以前の中国人爆買いに支えられた時期に戻るとは思えない。中国は世界第2位の大国になり、低価格な買い物より価値を求める様に変わってきている。
将来の日本が人口1億人を下回り、労働者の数が圧倒的に減少した時、前述の2社は果たしてどの様なビジネスモデルになっているだろうか。日本の不動産業界は空き家問題をどの様に解決しているだろうか。日本の政府は荒廃する地方、加速度的に進む過疎化を止める事ができるだろうか。何によって地方を活性化させるのであろうか。
全ビジネスモデルが直面する日本の状態を直視し、これから自分がどこでどの様な働き方をするかまで考えさせられる一冊である。

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Posted by ブクログ 2019年09月27日

2040年のビジネスモデルがどうなってるかを書いてるのかと思いきや、マクドナルドとディズニーランドの話がメインだった。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

牧野さんという人は不動産が専門なのに「全ビジネスモデル」まで風呂敷を拡げてしまった。全部読まなくてもよい新書の例としてはよい。最初の5分の一だけ読めばよさそう。

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

20世紀半ばに誕生したマクドナルドとディズニーランドは共に飛躍的な発展を遂げてきたが、21世紀になると業績に大きな差が生じ始める。マクドナルドは、デフレに対応するため価格を下げ、下がった売上を補うために他店舗化を推進したけっか、完全なコモディティ商品となった。一方、ディズニーは施設の魅力を上げること...続きを読むで価値を上げ、今も人気の施設となっている。

同じような現象が、日本の不動産市場にも今後、当てはまるであろう。首都圏の人口は2020年にピークを迎え、3569万人に達するが、その後は減少に転じる。上述の様に、不動産市場もコモディティ化が加速し、首都圏ですら人口増という新たな需要の増加が期待出来なくなるのである。住宅を建てれば、“誰かが買う”、オフィスを建てれば“誰かが借りる”という経済モデルは、何れ達行かなくなる。

現在、日本の空き家率は13.5%にも及ぶが、2033年には2160万戸、30%にも達するという。つまり、両隣のどちらか1軒が空き家という事になる。わずか17年後の事だ。2040年には、これが43%に及ぶと予測され、日本中がスラム化の危機を迎えることとなる。

生産人口が2010年の8173万人から、2040年には5786万人となり2100万人が減少する中、橋や道路、駅、空港といった社会インフラの維持には巨額の費用が必要となる。世の中の仕組みにも様々な歪が生じ、格差は拡大し、ディズニーの提供する夢の世界に酔いしれる事が出来るひとはいなくなる。当然、移民を受け入れる事が避けられなくなり、その移民たちはスラム化した空き家に住む事となる。移民は、治安上や生活上の問題を引き起こす事となるだろうが、もう日本として不可欠なものとなり向き合うことを余儀なくされる事であろう。

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Posted by ブクログ 2017年03月16日

【2040年全ビジネスモデル消滅】

●A. 日本の不動産の世界はこれまで、マクドナルドと同様、住宅やオフィスなどの「量的充足」を目指してきた。しかし、人口減少により新たな需要の増加が期待できなくなる中、不動産はコモディティ化し、地価は下がり続けている。

●B. 観光やイベント、体験などの提供を通...続きを読むじて価値を演出する商業施設などの不動産は、集客に成功している。演出をして顧客を誘い込むその手法は、まさにディズニーランドの商売手法につながるものである。

●C. 今、人との絆や共感を求めることが時代の潮流になりつつある。他人との面倒な関係を避けたがる若者が、ライブやイベントに参加し、熱狂を楽しむ。彼らはその場に一緒にいることで価値観を共有し、自分の立ち位置を確認しているのだ。

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

あまりビジネスの知識がない自分が読んでも、興味深く読める本でした。
マクドナルドとディズニーランドの分析が緻密で面白かったです。
ただ、タイトルは少し大げさなような気がします。不動産ビジネスとした方が誠実。

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Posted by ブクログ 2016年12月29日

タイトルに惹かれて購入。
マクドナルドとディズニーランドのビジネスモデルを時系列で対比させ、述べられた現在までの結果と今後起こるであろう危機の予測には大いに共感した。

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