牧野知弘のレビュー一覧
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今の住居からの引越しを考えており,次の住まいをどのようなところにしようかというのは悩ましいところです。
マイホームの購入は考えていませんが,賃貸よりも分譲の方が,一般的に設備が優れていることも事実であり,知人がマイホームを購入したなどの話を聞くと,心揺れ動くことはあります。
その中で,持家派か賃貸派のどちらがお得なのかの比較は無意味であるなどの指摘や,私が不動産に関して感じていたことも触れられており,自分の考えは,そう大きくずれてはいなかったのだと,勇気づけられました。
マイホームを購入することを検討中の方は,一度読んでみても損はない本です。 -
Posted by ブクログ
個別具体的な戦略の話しは出てこないのですが、これを読むとコンサルに仕事とはどういうものかがよくわかると思います。コンサルへの就職を考えている人は一度読んでみると入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐ手立てになるかも。
また本の中で展開される「思考」自体はちらかというと経営者視点寄り(コンサルだから当たり前といえば当たり前ですが)であり、一般のビジネースパーソンにとっては日々の実務になかなか生かしにくい面があるかもしれません。しかしながら、仕事をしていると「二つ上の役職者の視点でモノを考えろ」と言われるケースが多々あり、この本で経営者視点で発想するためのヒントを得ておくことは後々役に立つことがあるだろうと思うのです。 -
Posted by ブクログ
思いのほか良かった。
確かにマンションの価値のほとんどは土地じゃなくて建物。しかもすぐボロボロになる。
P94 多くの日本人は不動産の価値のほとんどを建物においている?
タワマンの多くが容積率が高く、1000%程度のものも存在。⇒一室あたりの土地が狭い⇒せいぜい5坪⇒土地と建物の割合が85:15とかになる。⇒経年劣化する建物の価値にみをゆだねる
P101 たいていの会社は不動産運用の副業を容認
P124 不動産広告というポエム。イメージコンセプト、言葉の意味は何のことやらさっぱりわかりません。意味はなく、客を酔わせる美辞麗句というのはみえみえ。
P130 3つの駅からアクセスできます⇒どこからも遠いのね。
P138 「第一期販売」は売れるかどうかの様子見。売れる物件なら分けて売る必要ない。 -
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かつて住宅は資産であり、子どもに相続するものだったが、核家族化によって主を失った親の家は空き家となり、固定資産税や管理費がかかる負担にさえなっている。時代が移っても新たな世代が住み続ける地域を選ぶ視点が必要との指摘は正鵠を射ている。住宅がコモディティ化したという時代を迎えたからには、住まい方を考え直さなければならない。
1996年頃に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、現在は62:38になっている。1997年には容積率の緩和などの大都市法が改正されるなどしたこともあり、住宅の選択は、駅からバス便の郊外から、都心部のタワーマンションへと変化した。
著者が勤めていた三井不動産が開発した緑園都市や山手台(西が丘、領家)は、1990年前後入社の社員の目標でもあったが、すでに売却してタワーマンションに移っている。現在の緑園都市の中古住宅の価格は4000万円台。
住宅地の将来は、人の出入りで評価できる。人の出入りがあることで平均年齢と経済活動が維持され、各年代が均等化される。1970年代につくられた佐倉市のユーカリが丘は、長期にわたって少しずつ分譲したため、若い家族が購入し、人口も年々増加している。 -
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【世界遺産も、NHKの朝ドラの舞台も、大河ドラマの舞台も】、ブームが過ぎれば、
観光客の数は数年で元よりも減ってしまうような状況に。
【団塊の世代】が大量に都市圏で高齢化している今。
年金暮らしの元気な年寄りが、半年で映画も見飽き、旅行も行き飽きたという状態。
そのお年寄りを、移住という形でなく、農繁期にだけ手伝ってもらう人材として活用していく。そのためには古民家を家具付き、水周りも修繕し、素晴らしいリニューアルの上、身1つで着てもらい、お世話係をつけ、地方都市の祭りなどの行事にも、どんどん参加してもらう。都心に家を持ちながらの別荘感覚でもいいのだ。
バブルの若者にターゲットをした【長野県の失敗例】。
テニスにスキーというけれども、今の若者はそんなにお金も使わないし、そんなにお金を使う余裕もない。
【飛騨高山の成功例】。積極的に英語のみならず他国語の外国語を地名看板標識に取り入れ、サイクリングで外国人を町中を走らせ、地元の人には、積極的に、かど先でおもてなしをするように、頼んだ。高いリゾートホテルを建てる余裕がなくても、きちんとした民泊ならみんな外国人観光客を受け入れる余裕もある。そういう数々の努力で高山は、年々インバウンドを増加させている。
【北海道旭川の成功例】。アジアの人は別にスキーをしなくてもいいんだ。ただ雪を見るだけでも喜んで行く。
例えば中国は平野ばかり。日本のように近場で海や山が楽しめるという景色はそうそうない。
【境港の成功例】。水深が深い港である境港は、外国の豪華客船が立ち寄ってくれるようになった。日本海側の港にはそういう可能性がある。
湖にスワンボートが浮かび、ラーメンとカレーが食べられ、ジュースの販売機があって、温泉饅頭が売っている【湖畔の普通のリゾート】。その【さびれたリゾート】を筆者は変える。
湖の周りには遊歩道を整備。ナンバーを付けて撮影スポットを用意する。ラーメンカレーの食堂は、地元のものを使った小洒落たビストロに。甘いジュースの代わりに、地元で採れたフレッシュフルーツのジュース、ノンアルコールビールを用意。お土産物はレストランで作っている地元名産のハムやソーセージに野菜。
もうそれだけでストーリーが出来上がる。
人々の趣味が多様化している今、【ちゃんとしたストーリ】を作って、いきたい人の気持ちにさせて上げる。
人付き合いのない、自然のない、高齢者施設の少ない東京。
地方は【2020年には】高齢者施設はきちっと充足する予定になっている。逆に東京での高齢者施設はもっともっと不足するようになっている。
【役所の空き家対策】というのは、腐ったものも店に出しているようなものである。腐ったものはこれから店に出さず、きちんとリニューアルをして住める状態になった古民家のみを市場に出してくべきである。
【駅前のシャッター商店街】。商店主は年金暮らしだから、店を開ける必要もない。後を継ぐ2代目は都会に出てサラリーマン暮らし。日本という国は大変私有財産の権利が強いところだが、駅前の店を開けないということにペナルティを課してはどうだろうか。駅前のシャッター通りの店を整備し、店を出す気のある若者に、貸して行く。
【駅前】というのはその街の顔なんだから、シャッター商店街でなく魅力的な街にしていこう。
また【コンパクトシティー】へのの拒絶反応というのも大いにある。しかし水道管1本引くのに、散らばっていてはものすごいコストがかかる。またそのようにコストのかかる水道管1本引けないような時代が来ているのだ。協力しあって、集落に住んでいくということも大事だと思う。
高齢化、人口減少は、当たり前の出来事だ。
ただその中で地方都市は東京のまねっこではダメだと思う。
そこでしか体験できないものを、そこに行く人の目線で、考えていくことが生き残りの道だと。
暗い中で1筋の明かりが見えるような本であった。 -
Posted by ブクログ
新年(2017)早々読み終わった本です。昨年末に2040年にはあらゆるビジネスモデルが終焉する、という衝撃的な本を読みました。その本の著者が、不動産に関する本を書いていることがわかり、取り寄せて読んでみたのが経緯です。
数年前に読んだ本がきっかけで「なぜ、以前すごい価格で売り出されていたスキーリゾートのマンションが、10万円で売られているか」のカラクリが分かりました。結局は、ババを把まされるということでした。トランプのババ抜きと同じで、誰かにババを渡さない限りゲームに負けてしまう(不動産的にいえば、永遠に維持費を払い続けることになる)のです。
この本も趣旨としては同じようなアドバイスがなされています。しかし、少し厄介なのは、その不動産が相続するものであったり、自分が苦労してローンを組んでやっと手にしたものであることです。かつて住んで懐かしい思い出が詰まっている住居を、不良資産・不良債権とは思いたくないですよね。しかし、そのような感傷的なことはさておき、具体的に問題を先送りしておくとどうなるのか、新法(空き家特措法、2015.5)施行により、どのような影響が及ぶのか。現在払っている固定資産税にはどのような特典(本来の6分の1へ軽減)があるのか、知っておくべきことが満載でした。
以下は気になったポイントです。
・空き家が増加する背景として、1)戦後一貫して増加し続けてきた人口が2008年を境に減少、毎年20万人減少しているにも拘らず、毎年100万戸が着工している、2)人口構成の極端な高齢化、3)ライフスタイルの変化(p20)
・郊外の高級住宅地の人気が凋落した理由は、都心部で高級仕様のマンションが数多く誕生したから(p25)
・1996年頃を境に、専業主婦世帯と共働き世帯は逆転している、91年くらいでほぼ同じになり、2000年を超えたあたりから差が激しくなった。2015年現在では、1114万世帯vs687万世帯(p34)
・1997年に大都市法の改正が行われて、容積率の緩和、計算方法の変更、日影規制の緩和により、マンションを大量に供給可能となった(p56)
・木造住宅は、しばらく人が居住していないと、建物の劣化スピードが早まる。(p74)
・2014年8月に広島で発生した大規模土砂災害は、新興住宅地で広島市内に通勤するベットタウンとして発展してきた、1960年代後半から開発された(p85)
・ニュータウンは都市郊外部に面的に拡大してきたが、今は超高層マンションのように、立体的に伸びるニュータウンとなっている(p90)
・買ってはいけない新興住宅地として、1)東京までの通勤時間1時間超、2)1970-80年代に開発、3)駅からバス、4)住宅地内の傾斜がきつい、5)近隣に観光地なし、6)地域内に産業がない(p92)
・不動産価格の高騰を享受できたのは、戦中世代から団塊世代まで、1950-60年代の人たちが割りを食っている(p98)
・タワーマンションは、新築時は、修繕費は安かったが、25年も経過すると何倍にも増額、さらに修繕に対して追加負担(p101)
・今は、孤独死や自殺があったら、重要事項説明書で告知が必要(p102)
・賃貸する場合のポイントは、毎日必ず使う水回りの「清潔度アップ」である(p142)
・不動産屋のチラシで、古屋ありといった表示は、たいていの場合、築20年以上の家屋があり、買い手側で取り除いてくれといった意味(p196)
・家賃を払うとは、費用として捨てているのではなく、「効用を得るためのもの」である(p206)
・コモディティになると、価値は急速に下落する、郊外戸建て住宅地の不動産価格が下落しているのは、当たり前の商品になってしまったから(p209)
・自宅が財産かどうかは、住んでいる間の家族の効用、そして最後に売却した場合の売却益がどの程度のものになるかで判断される(p213)
・4000万円を20年の元利均等返済、金利1.5%、返済額は毎月19万円、年間で231万円、効用が20年続くかという判断となる。(p214)
2017年1月3日作成