田村隆一のレビュー一覧
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。
マープルシリーズ。古典作品の読みにくさがこれでもかと詰まった作品だ。(笑)
女主人、現在の夫、1番目の夫の継子と実子。そして養子の娘、2番目の夫の子供二人、ここに付き添い人や使用人、医者等中々難しい環境設定のため序盤は苦しんだが、後半迄に何とか整理して読み進める事が出来た。さらに、舞台設定が非行少年たちを集めた少年院であり、すべてが作用しながら非常に面倒臭い、異様な世界観を漂わせている(人間関係の設定の難しさも作風に合わせている様に思っている。)
マープルの旧友であるルースは自身の妹であるキャリイをとても心配しているが原因がわからない。マープルは昔から空気感をよむ鋭さがある為、キャリイの住む邸に赴き(マープルに生活苦を演じる様にすればキャリイはきっと招待してくれるという、何とも屈辱的な依頼だが)不穏な空気の原因を探る様に依頼される。
(現在の少年院とは少しイメージが違うが、生まれや生い立ちなどにより罪を犯したり精神的に不安な少年達を改心させ、優秀な仕事や役割を与える住み込みの学校の様なものだ。)
そんな環境下においてエドガーという一人のおかしな青年が、キャリイの夫であるルイスに陰謀論等をふっかけて部屋に立て篭もり銃を発射する事件が起こる。結局、実際に弾は発射されるが空騒ぎに終わり、事なきを得るが、実は同じ邸の別の部屋にて銃殺された死体が見つかる。
マープルシリーズ特有の特殊な殺害現場、方法であり今回は安楽椅子探偵ではなくマープルが自ら乗り込んでいる点が面白い。マープルシリーズでは警察も協力的であり、現代ではありえないが皆んなで考えようの精神があり、捜査で発見された謎は次々と共有される。
トリックも手の込んだアイデアで、正にそれが一番しっくりくる方法だ。夫ルイスはキャリイを愛している事に変わりはないし、実はキャリイが狙われている場合には犯人の割り出しは彼女の遺産などから検討しなければならない。今回、様々な「魔術」がクリスティによってかけられており、①キャリイが実は狙われているという偽装②キャリイに毒が盛られているのが嘘だという偽装、③ホール内での立て篭もりが実は二人の共犯でありトリックの肝だという偽装。④動機がキャリイに関わるものではなくルイスの横領によるものだという事実。
つまり幾重にも罠が張り巡らされており、読者を惑わし偽装へ誘う。少なからず世界観もある作品の為引き込まれていく。
残念な事に最後、犯人の結末が滑稽で勿体ない退場の仕方だ。二人が実は親子だった事や夫婦は少なからず本当に愛し合っていた事等を踏まえ、もっとスリリングな、衝撃的な結末があった様に思う。(終盤にまとめて発見される二人の死についてもおざなりな印象を受けてしまう。死体が一つじゃ足りないから・・・的な印象を持ってしまった。)
クリスティの作品でよく言われるが、夫婦の殺人は相手を疑うはもはや王道であり、結局王道に至るのだがそういう結末だと終盤迄感じさせない描写力が今作の魅力だ。最後、批評にてマープルを魔女と評しているが、今作の彼女はどちらかと言えば友人への優しさが溢れる役回りであり、一瞬で真相を突く恐ろしさは控えめだった様な思う。 -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
再読によりクリスティの作品を沢山読み返しているが、久しぶりにオリヴァ夫人の熱量に討たれた。ポアロシリーズは周辺人物も魅力的だが、何故か少し苦笑いしている様に見えるポアロが新鮮であり、彼に対して突進してくる様なオリヴァ夫人のおばちゃん感はとても魅力的で実は好きなコンビだ。クリスティはオリヴァ夫人に自身を投影している様だが、これだけ生き生きとした登場人物は他の作家でも中々思い出せないし、本当に魂がある様に錯覚させられてしまう。
今作では、ポアロにオリヴァ夫人からいきなり電話がかかって来て怒涛の如く捲し立てられ、ミスレモンが呆れる熱量でなにも知らないままのポアロを引っ張り出す荒技だ(笑)現地のナス屋敷に赴いたポアロにオリヴァがお祭りの為に考えた殺人ゲームの表彰者になってくれといわれた時の彼の自尊心が怒りに震えてある描写は読者にもありありと伝わるが、彼女がポアロを呼び寄せた本心はこの屋敷に蔓延る不穏な空気であり、中傷的だが感覚の鋭いオリヴァの話を受け入れ、このナス屋敷で開催される地域のお祭りに参加する。その中でオリヴァが考案した殺人ゲームの死体役が実際に殺害され、合わせて屋敷の夫人が失踪し行方不明になる。
今作もやはり序盤から面白く、オリヴァに振り回されるポアロはある意味お約束であり読者の大好物のはずだ(笑)長編に相応しく最後数ページ迄真相が見えてこないスリリングな展開はとても面白く、読者も同じ道筋を辿りながらも納得のいく推理に中々進んでいかない。そんな中、ボート管理人の老人が酔って誤って池に転落し亡くなった事を受け、そこから物語が進展し、一気に解決へと進んでいく。
クリスティの作品では人物の入れ替わりや変装がよく登場するが、今作はよくその効果を活用している。ハティを訪ねてくる従兄のド・スーザという人物を効果的に見せる事で読者を混乱させており(当然、長らく女史の作品を読んでいればまず疑う人物なのだが)実際にかれの作用が何にたいしてなのか、何を偽装する為に彼を登場させたのかは巧妙の限りだ。しかし、少なくともフォリアット夫人がもう少し彼女の家族やハティについて証言したり描写しなければ、読者はこの真相を思いつかないだろう(冒頭、ボート管理の先代から使える老人が匂わせており、色々と疑ってはみたが。)
クリスティの作品では犯人以外の人物達は事件後幸せになる事が多く、今回例に漏れず科学者夫婦のロマンスは好転する予測があるが、フォリアット夫人には更に悲しい結末が用意され、彼女の人生はリドルストーリーの様に締められており、もしかすると悲劇的な最後を選んでいるのかも知れない。
クリスティ作品の中でも悲哀に満ちたいる作品であり、プロット、トリック、余韻とどれをとっても満足度の高い作品だ。 -
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イギリスの作家「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『予告殺人(原題:A Murder is Announced)』を読みました。
『ひらいたトランプ』、『ナイルに死す』、『白昼の悪魔』、『運命の裏木戸』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。
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その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。
「殺人お知らせ申しあげます。10月29日金曜日、午後6時30分より……」いたずらかと思われたが、しかし、それは正真正銘の殺人予告だった。
時計の針が予告時間を指したとき、銃声が!
大胆不敵な殺人事件に「ミス・マープル」が挑む。
(解説 「三橋暁」)
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1950年(昭和25年)に発表された「ミス・マープル」シリーズの長篇4作目となる作品、、、
「ミス・マープル」シリーズは、4年前に読んだ『動く指』以来なので久しぶりですね。
■1. 殺人のお知らせ
■2. リトル・パドックスの朝食
■3. 午後六時半
■4. ロイヤル・スパー・ホテル
■5. ミス・ブラックロックとミス・バンナー
■6. ジュリア、ミッチー、パトリック
■7. その他の人々
■8. マープルの登場
■9. ドアについて
■10. ピップとエンマ
■11. マープルの訪問
■12. チッピング・クレグホーンの朝
■13. チッピング・クレグホーンの朝(つづき)
■14. 過去を訪ねて
■15. 甘美なる死〈デリシャス・デス〉
■16. 帰ってきたクラドック警部
■17. アルバム
■18. 手紙
■19. 犯罪の再構成
■20. いなくなったミス・マープル
■21. 三人の女
■22. 真相
■23. 牧師館の夕べ
■エピローグ
■解説 三橋暁
チッピング・クレグホーン村の地元紙「ノース・ベナム・ニューズ・アンド・チッピング・クレグホーン・ギャゼット」の広告欄に次のような文章が掲載された… 「殺人お知らせ申し上げます…10月29日金曜日、午後6時30分よりリトル・パドックス館にて…」 、、、
これはいったい何事だろう?気の利いた遊戯か、単なる悪ふざけか… 好奇心旺盛な村の人々はリトル・パドックスに集まる。
時計が6時30分を指したとき、明かりが消え、3発の銃声が響く… 明かりがつくと、そこに男の死体があり、リトル・パドックスの女主人「レティシア(レティ)・ブラックロック」は銃弾が掠り出血していた、、、
死んでいたのは、村のホテルに勤める従業員の男「ルディ・シャーツ」だった… 悪ふざけではなかった、世にも大胆な、恐るべき殺人予告だったのだ!
警察はその場に居合わせた村人たちをひとりずつ調べていく… そして、チッピング・クレグホーンの友人「ダイアナ(バンチ)・ハーモン」のもとを訪れていた饒舌で詮索好きなオールドミス「ジェーン・マープル」は、「クラドック警部」や「フレッシャー巡査部長」とともに事件の真相を暴いていく。
最初の殺人以降、「レティシア・ブラックロック」を狙ったと思われるアスピリンの瓶に入れられた毒薬で、リトル・パドックスに居候している「ドラ・バンナー(バンニー)」が亡くなり、事件当夜のことのある女性の行動に気付いた養鶏業者の「エミー・マーガトロイド」が絞殺される… そして、「レティシア・ブラックロック」の元雇い主で資産家の「ランダル・ゲドラー」の多額の遺産相続を巡って「レティシア・ブラックロック」の命が狙われる可能性があることが判明、、、
さらにリトル・パドックスに同居するある人物が、「レティシア・ブラックロック」が亡くなった場合に遺産を受け取る権利が生じる「ランダル・ゲドラー」の姪「ピップ」と「エマ」であることが判明する… そんな中、「ミス・マープル」が行方不明となる。
リトル・パドックス「クラドック警部」は、関係者をリトル・パドックスに集め、判明した事実を話し始める… いやいや、いやー 意外な人物が真犯人でしたね。
姉と妹の入れ替えですね… 愉しめました!「アガサ・クリスティ」ファンからも高く評価されている作品らしいですね、、、
終盤、直接的な証拠がない中で犯人を特定するための大芝居… さすが「ミス・マープル」と思える作品でした。
以下、主な登場人物です。
「ジェーン・マープル」
探偵好きな独身の老婦人
「レティシア(レティ)・ブラックロック」
リトル・パドックスの女主人
「ドラ・バンナー(バンニー)」
レティシアの旧友
「パトリック・シモンズ」
レティシアの甥
「ジュリア・シモンズ」
レティシアの姪。薬剤師
「フィリッパ・ヘイムズ」
リトル・パドックスの美貌の下宿人。園芸師
「ミッチー」
レティシアのメイド。外国避難民
「アーチー・イースターブルック」
大佐。心理学者
「ローラ・イースターブルック」
イースターブルック大佐の妻
「エドマンド・スウェッテナム」
文学青年
「スウェッテナム夫人」
エドマンドの母
「ヒンチリフィ(ヒンチ)」
チッピング・クレグホーンの養鶏業者
「エミー・マーガトロイド」
チッピング・クレグホーンの養鶏業者
「ジュリアン・ハーモン」
チッピング・クレグホーンの牧師
「ダイアナ(バンチ)・ハーモン」
ハーモン牧師夫人。ミス・マープルの友人
「ルディ・シャーツ」
ロイヤル・スパー・ホテルの接客係。スイス人
「クラドック」
警部
「ライデスデール」
警察署長
「ヘンリー・クリザリング卿」
前警視総監
「ベル・ゲドラー」
ランダル・ゲドラーの妻
「マーナ・ハリス」
ロイヤル・スパー・ホテル、グリルのウェイトレス
「フレッシャー」
巡査部長。クラドックの部下
「ロウランドスン」
ロイヤル・スパー・ホテルのマネージャー
「マックルランド」
ベル・ゲドラーの看護婦
「ランダル・ゲドラー」
資産家。レティシアの元雇い主
「ベル・ゲドラー」
ランダルの妻
「ソニア」
男と駆け落ちてゲトラー家を出たランダルの妹
「ピップ」
ソニアの子
「エマ」
ソニアの子
「シャーロット・ブラックロック」
レティシアの妹。愛称「ロティー」 -
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小さな村で起こったマギンティ夫人殺害事件を再調査することになったポアロ。村唯一のゲストハウスで、乱雑な部屋と不味い食事に耐えながら、ポアロは住人たちの話を聞いて真相へと近づいていくが。
ポアロが終始出ずっぱりの作品。→
登場人物がとにかく多くてこんがらがるんだけど、オリヴァ夫人(「ひらいたトランプ」の登場人物)が登場したので一気に読めた!ポアロ×オリヴァ夫人、楽しい。冒頭でポアロがヘイスティングズに触れているのもファンとしては嬉しいところ。
事件としてはなかなか複雑。二重構造。→
だからこそ、ラストのパタパタと閉じる感じは気持ちいい。クリスティならではのラストにニンマリ。
ポアロはいつでも紳士なんです。グルメな紳士。今回はかなり食事と寝床に苦しめられてるけど(笑) -
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「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?(原題:Why Didn't They Ask Evans?)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
牧師の息子「ボビイ」は、ゴルフの最中に崖下に転落した瀕死の男を発見した。
男はわずかに意識を取り戻すと、「ボビイ」に一言だけ告げて、息を引き取った。
「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」
―幼なじみのお転婆娘「フランキー」とともに謎の言葉の意味を追う「ボビイ」。
若い男女のユーモアあふれる縦横無尽の大活躍。
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『終りなき夜に生れつく』に続きノン・シリーズモノです、、、
牧師の四男坊「ボビイ」と、幼馴染で伯爵令嬢「フランキー」のコンビが素人探偵として活躍するミステリ、冒険、ラヴロマンスの3要素がミックスされた作品… 若い男女ペアの冒険推理譚がいきいきと描かれているという点では、おしどり探偵コンビ「トミー」と「タペンス」シリーズに近いイメージの作品でしたね。
二人が事件に関わる発端となったのは、「ボビイ」がゴルフのプレー中に発見した、崖下に転落した謎の男性、、、
その男性は「ボビイ」に、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」というダイイングメッセージを残して息を引き取る、
そして、「ボビイ」は、その男性のポケットには人の心を惹きつけるような女性の写真が入っていたことに気付く、
そこへ偶然「バッシントン・フレンチ」と名乗る男が現れ、夜の祈祷に遅れそうな「ボビイ」に代わって死体の見張りを引き受けてくれる、
(しかし、警察が確認した時には「ボビイ」が見た写真は消えていた)
その後、男性のポケットに残されていた別な写真から妹夫婦が判明して事故として事件は片付けられたが、「ボビイ」が遺族の「ケイマン夫妻」にダイイングメッセージを伝えた後、「ボビイ」はビールに盛られたモルヒネにより危うく毒殺されかける… 元々、この事故は殺人ではないかと憶測していた「フランキー」は、「ボビイ」とともに事件の真相を探り始める。
いやぁ… 序盤からぐいぐいっと物語に引き込まれる感じの展開でしたね。
その後、、、
「フランキー」が、事件の鍵を握ると思われる「バッシントン・フレンチ」邸に交通事故を装って潜入したり、
「ボビイ」が、「フランキー」の情報からの疑惑の人物として浮上した、精神病院を経営する医師「ニコルソン」が麻薬患者を隔離・治療している邸宅に侵入したり、
二人が真犯人に捉えられたり… 意外な人物に助けられたりと、
それぞれが手掛かりを拾い集め、犯人と知恵比べをしながら、徐々に真相に近づきます… その過程を二人に感情移入しながら愉しめた作品でしたね。
そして、二人が探り当てた真相、、、
「エヴァンズ」は身近にいた意外な人物(結婚して苗字が変わっていたとは!?灯台下暗しですね…)で、真犯人たちも意外な二人(男女)でしたね… 特に女性の犯人は、守ってあげるなきゃいけない人物(被害者)だと思わせる伏線が張ってあり、まんまと騙されました。
ダイイングメッセージは、
「ジョン・サヴィッジは、遺言書の証人を、なぜ、本人のことを良く知らない料理人と庭師に頼み、なぜ、本人のことを良く知っているメイドのエヴァンズには頼まなかったのか?」
というのが正確な感じかな。
ここまで判明していれば、真相に近づくのが早かったんですけどね… まっ、それじゃあ面白くないかな。
「ボビイ」と「フランキー」の二人の前向きな行動力と、明るい将来を予感させるハッピーエンドが印象的な作品でした。
以下、主な登場人物です。
「ロバート(ボビイ)・ジョーンズ」
元海軍軍人。ジョーンズ牧師の四男
「トーマス・ジョーンズ」
ボビイの父。マーチボルトの牧師
「フランシス(フランキー)・ダーウェント」
伯爵令嬢。ボビイ・ジョーンズの幼なじみ
「マーチントン卿」
伯爵。ダーウェント嬢の父
「ヘンリイ・バッシントン・フレンチ」
地方名家の当主。治安判事
「シルヴィア・バッシントン・フレンチ」
ヘンリイの妻。アメリカ人
「ロジャー・バッシントン・フレンチ」
ヘンリイの弟
「アレックス・プリチャード」
死んだ男
「アメリヤ・ケイマン」
プリチャードの妹
「ジョージ・アーバスノット」
医者。フランキーの友人
「ジャスパー・ニコルソン」
医学博士。カナダ人
「モイラ・ニコルソン」
ジャスパーの妻
「アラン・カーステアーズ」
博物学者。狩猟家。カナダ人
「ジョン・サヴィッジ」
億万長者
「フレデリック・スプラッゲ」
マーチントン卿の弁護士
「ロバーツ夫人」
ジョーンズ家の家政婦 -
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ネタバレねじれた家に住む邪悪。
婚約者ソフィアの祖父が殺された。副総監を父に持つチャールズは、彼女との結婚のために事件解決に挑む。亡くなった老人の若い後妻が犯人か、それとも息子たちか。家族内での疑いの目。何かを知っているそぶりを見せる子ども。明らかになった犯人は——。
クリスティーらしくキャラクターが立っていて、そのセリフを楽しむだけでもぐいぐいと読ませる。正義感というよりは、ソフィアとの結婚のためというべきかもしれないチャールズの関わり方が、警察でないだけ家族から様々な証言を引き出す。明らかに怪しい若い後妻にチャールズが同情し、ソフィアに憤慨されるのも様式美。
真相は、ある意味では読者の死角をついたもの。ひねくれたミステリ愛好家なら犯人がわかって読めるのかもしれない。犯行は誰に可能だったのか、誰にでも可能だった。また、一般的な犯罪者の性格を分析したチャールズの父のセリフもきっちりと犯人を指し示している。やられた、というのが快感で、しかしじっとりと怖さも感じる。
解説にもあるように、初クリスティーにはお勧めしないが、クリスティーを読み進めてきた人にはぜひお勧めする。 -
Posted by ブクログ
もう廃盤となってる旧訳版。
絶妙な語り口でぐいぐいと読ませてしまう。
オチもどうなるのか意外と読めなかったりして、引き込み方が非常に巧い。
シニカルが効いている奇妙な味。
人間の弱さ醜さ恐ろしさをユーモラスに描いた逸品。
傑作と言われる冒頭の3編から始まり、「韋駄天のフォックスリイ」の心痛みながらも笑えるオチ、「告別」の苦笑いしてしまう復讐劇、子供の頃の妄想は世界共通でドキドキした「お願い」など、ゾクゾクする短編で出来上がっている。
誤訳、悪訳が所々にあり読みづらい部分もあるものの、充分に良いと思う。
なにせ40年以上前の古い出版なので、新訳版も読んでみたい。
チャーリーとチョコレート工場の作者とは知らなかった!
味 ★4
おとなしい兇器 ★4.5
南から来た男 ★3
兵隊 ★2
わがいとしき妻よ、わが鳩よ ★3
海の中へ ★4.5
韋駄天のフォックスリイ ★5
皮膚 ★4
毒 ★3.5
お願い ★3.5
首 ★4.5
音響捕獲器 ★3
告別 ★5
偉大なる自働文章製造業 ★4
クロウドの犬 ★4