田村隆一のレビュー一覧
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ネタバレねじれた家に住む邪悪。
婚約者ソフィアの祖父が殺された。副総監を父に持つチャールズは、彼女との結婚のために事件解決に挑む。亡くなった老人の若い後妻が犯人か、それとも息子たちか。家族内での疑いの目。何かを知っているそぶりを見せる子ども。明らかになった犯人は——。
クリスティーらしくキャラクターが立っていて、そのセリフを楽しむだけでもぐいぐいと読ませる。正義感というよりは、ソフィアとの結婚のためというべきかもしれないチャールズの関わり方が、警察でないだけ家族から様々な証言を引き出す。明らかに怪しい若い後妻にチャールズが同情し、ソフィアに憤慨されるのも様式美。
真相は、ある意味では読者の死角を -
Posted by ブクログ
もう廃盤となってる旧訳版。
絶妙な語り口でぐいぐいと読ませてしまう。
オチもどうなるのか意外と読めなかったりして、引き込み方が非常に巧い。
シニカルが効いている奇妙な味。
人間の弱さ醜さ恐ろしさをユーモラスに描いた逸品。
傑作と言われる冒頭の3編から始まり、「韋駄天のフォックスリイ」の心痛みながらも笑えるオチ、「告別」の苦笑いしてしまう復讐劇、子供の頃の妄想は世界共通でドキドキした「お願い」など、ゾクゾクする短編で出来上がっている。
誤訳、悪訳が所々にあり読みづらい部分もあるものの、充分に良いと思う。
なにせ40年以上前の古い出版なので、新訳版も読んでみたい。
チャーリーとチョコレート工場の作 -
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Posted by ブクログ
短篇集。収録作品は、味、おとなしい兇器、南から来た男、兵隊、「わがいとしき妻よ、わが鳩よ」、海の中へ、韋駄天のフォックスリイ、皮膚、毒、お願い、首、音響捕獲機、告別、偉大なる自動文章製造機、クロウドの犬。
短編の醍醐味はキレの良い展開。 この短篇集は、ミステリー要素はあまりないけど、話がどう展開してゆくかワクワクする。 予想外の結末にうならされたり、予想通りの顛末に納得したり。 特に好きな作品は、ワインをあてる賭けをする「味」、なんでもないような賭けが緊張感を募らせる「南から来た男」、時代を先取りし過ぎている「偉大なる自動文章製造機」。 賭けにまつわる題材が多い。 最後の「クロウドの犬」だけ -
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ネタバレミス・マープルもの。
冒頭で、チッピング・クレグホーン村の人々のもとに、新聞が配達されるシーンから物語が始まります。
各々読んでいる新聞が異なる中で、地元紙だけは全員読むという事を踏まえたような、“殺人予告”が地元紙の広告欄に掲載されるという、なかなかのシチュエーションです。
とにかく登場人物が多く、しかもそれぞれの状況や会話が逐一書いてあるので、どうしても話が長くなり、つい読む側も流し読みっぽくなってしまいそうになるのですが、ちょっと待った!その会話の中に伏線ありますから!というところがクリスティー。
後で語られる真相部分で、何度ページを後戻りしたことか・・。
で、今回のトラップはドラ・バ -
Posted by ブクログ
ネタバレ注意!思いっきりネタバレしています。
全然、推理した上での話じゃないんですけど、前半一通り人物が登場した段階で、犯人になり得そうなのは2人。もしくは、その2人の片割れのペアを加えて3人か?って感じ。
というのも、夫婦2組と変則的なペアは見事なくらい、作者が「犯人じゃないからね~」的に書いているし。
さらに言えば、解説を先に読んじゃうわるいクセがあるもので。
そこで、“「犯人はおしゃべりだ」が重要なヒントになる”なんて書いてあるものだから、てことは犯人になり得そうな3人に内、ペアの1人は外れるか?なんて(笑)
な~んて、思いつつ読んでいたのに関わらず、ラストで「あ、そうきた?へー」と思ってし -
Posted by ブクログ
マギンティ夫人の殺人事件に関して、重要容疑者が逮捕されるものの、事件を担当した刑事が疑念を持ち、ポアロに再調査を依頼。ポアロは、夫人が雑役婦として働いていた家庭等を訪問して、聞き取り調査を行う。夫人の所持品の中に日曜新聞の記事を見つけ、そこに書かれていた4つの過去の悪女にまつわる事件が今回の殺人事件と関係があると推測する。調査を進めていく過程で、ポアロ自身が襲われ、さらに新たな殺人事件が発生する。
それぞれに癖のある5つの家族が登場し、4つの悪女事件のどれと誰とが結びついているのかということが焦点となり、なかなか興味深い展開を見せる。
犯人が仕掛けたミスリードのトリックのほかに、日曜新聞の記事 -