田村隆一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティー読み直しキャンペーン」の第4弾です
お久しぶりになってしまいました
この後も「ディック・フランシス感謝祭」とか「江戸川乱歩ワールドツアー」とか「ヤマザキ春のパンまつり」とかいろいろ控えてるんですが
読みたい本が次から次へと出てくるんでどうしても再読は後回しになりがちです
でもやっぱり読み直して良かったなぁと思わせるクリスティーの名作中の名作『ねじれた家』です
この作品はクリスティーの晩年の名作なんですが、クリスティーらしいどことなくユーモアのある軽快な会話の妙で物語が進みつつ、全く新しいミステリーの形になっていて、まだ新しいアイディアが出てくるのか!という驚き
誰もがわかる安心安定なクリスティー節と初めての世界観の提示という完全に矛盾することをサラッとやってのけてるところはもう驚天動地です
さすがミステリーの女王!
次あたりはさすがにクリスティー王道のオリエント急行あたりを読みたいけどいつになるやらw -
Posted by ブクログ
〈ミス・マープル〉シリーズの4番目の長編(1950年発表)。クリスティーの50冊目の著作。
原題 “A Murder is Announced”
ミス・マープルものは、海外ドラマで何作か見てるけど原作は全て未読。(ドラマを見た作品も結局のところ内容を覚えてない…[汗])
この「予告殺人」は日本でドラマ化されると知って読み始めた作品。
面白かった。
真犯人と動機が、最後まで全く分からなかった。そして、登場人物の偽装(なりすまし)にも気づけず…。すっかりクリスティーに騙された。
きっと各人のセリフをしっかり読み込んでいたら、色んな伏線に気づけたはず!
事件の全貌を知った上で、最初から改めて読み返すと、1回目に読んだ時とは違った面白さが味わえそう。
(もう一度、読み返したいけど、また別のミス・マープルものを読みたい欲求が高まっているので、再読できるか分かりませんが。)
-
購入済み
最後の最後で…
ミステリー小説でこんなに衝撃を受けたのは初めてです。
最後の数ページは、目が画面に貼り付き、涙も出そうでした。(電車内なので我慢しました笑)
結末は一言で悲しいとは言えない、色々な感情が渦巻くようでした。
まさに最後の悲劇というタイトルがふさわしいです。
Xの悲劇から読み続けてこそ、意味のある1冊です。
この本含め、このシリーズは一生忘れられないものになりそうです。 -
Posted by ブクログ
相変わらずクリスティーは心理描写が上手すぎてそこらの小説よりも安心して読める。
ストーリーを読み進める中で何処を軸に推理を進めれば良いのか迷ってしまった。一瞬だけあの方法を想像したもののあまりにも想像の域を出ない推理だったのですぐに放棄してしまったくらい。
今回登場する容疑者は主に三つのタイプに分けられるように思う。善人、演者、精神異常者。だからこそ登場人物たち全てに対して表と裏があるように勘繰ってしまう。夢見がちな人間に見えたキャリイでさえも終盤には浅い人間ではないことが判るのだ。クリスティーは読者の抱いた印象を崩す事無く人間の意外な一面を描くことが非常に得意なように思える。
また最後にはこの物語から悪人が1人残らず居なくなってしまうのは驚き。それは殺されたりしたということではなく犯人も被害者も含めてあらゆる人物が善い心を持っていたことが判るのだ。これは他のジャンルだったら有り得るかも知れないが、ミステリで中々出来る芸当ではない筈だ。
流石はミステリの女王と言わざるをえない。 -
Posted by ブクログ
15編の作品を収録した短編集。
絶妙な語り口と独特のオチの数々。それだけに内容がちょっと分かりにくいものもあるものの、それすらもこの短編集の魅力として映るような気がします。
最初の3編はいずれも傑作揃いなので、そこでハマれば他の独特のオチの短編も、「こういう作家性なんだなあ」と自然に受け入れられるのではないか、と思います。
その最初の3編はワインの銘柄当ての賭けの様子を描いた「味」
思いがけず夫を殺してしまった妻が証拠隠滅を図る「おとなしい兇器」
ライターで連続10回火をつけることができれば高級車を手に入れられる、しかし失敗すれば指を一本失う、という賭けの顛末を描く「南から来た男」の3編。
「味」はオチの書き方が絶妙! 単純に書けばそれまでの話なのですが、結末を微妙にぼやけさせて書くことで独特の”味”のある短編になっています。
「おとなしい兇器」も今となってはトリックは見覚えのあるものかもしれませんが、そこに至った時のブラックな書きっぷりが見事の一言に尽きます。思わずにやりとしてしまいました。
「南から来た男」もラストの一行が印象的。どんでん返しの衝撃というものではなく、例えるなら気づかぬうちにスッと自分の背後に何かが忍び寄っていた、という感覚のような感じです。淡々としながらも、想像すればするほど恐怖や狂気が感じられるオチです。
比較的分かりやすかった短編としては、「南から来た男」と同じくスッと忍び寄る怖さが印象的な「皮膚」。自動で文学を描く機械の発明を描いたブラックユーモア系の「偉大なる自動文章製造機」も好きです。
そしてオチの不可解さが印象的な短編も多いです。「海の中へ」「毒」「音響捕獲器」など、面白いのかどうか正直よく分からないのですが、なんだか忘れられない短編が多かったです。これもまた”奇妙な味”の短編集の最高峰とされるこの作品の魅力なのかな、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「車中の娘」「エドワード・ロビンソンは男なのだ」「事故」など、
短編12とも、面白く読みました。
「6ペンスのうた」は、やや悲しい物語ですが、
人間の感情の機微に触れるものでした。
アガサクリスティをたくさん呼んでくると、結末を類型化し、
今回は、どの終わり方をするのだろうと想像しながら読み進みます。
2-3候補をあげながら読むのですが、この短編集での結末で
予想しなかったものがいくつもあります。
だから、読むのが辞められない。
「リスタデール卿の謎」は、半分読み進むまで分かりませんでした。
3番目の候補で思いついた結末が当たりでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミス マープルものだと知らずにテレビで見て、それから数年たってから小説を読んだ作品です。
本を読むときには、結果を知っていたので、映画と文学の違いを楽しみながら読みました。
結論がわかっていても、そこまでの筋を文学としてはどのように記述するのかということを楽しみました。
細かいところはもう忘れていたので、あ、そうだったんだと思いながら、読みました。
事前に見ていても、登場人物が覚えきれずに、何度も表紙の裏の登場人物一覧をみながら読み進みました。
ps.
ミス マープルものの種明かしは、最後の最後が多いので、もう少し最後は書き込んでほしいものもあります。
英語の表題の鏡を生かして「鏡の魔術」という方がいいように思いますが、いかがでしょうか?