田村隆一のレビュー一覧
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〈ミス・マープル〉シリーズの4番目の長編(1950年発表)。クリスティーの50冊目の著作。
原題 “A Murder is Announced”
ミス・マープルものは、海外ドラマで何作か見てるけど原作は全て未読。(ドラマを見た作品も結局のところ内容を覚えてない…[汗])
この「予告殺人」は日本でドラマ化されると知って読み始めた作品。
面白かった。
真犯人と動機が、最後まで全く分からなかった。そして、登場人物の偽装(なりすまし)にも気づけず…。すっかりクリスティーに騙された。
きっと各人のセリフをしっかり読み込んでいたら、色んな伏線に気づけたはず!
事件の全貌を知った上で、最初から -
購入済み
最後の最後で…
ミステリー小説でこんなに衝撃を受けたのは初めてです。
最後の数ページは、目が画面に貼り付き、涙も出そうでした。(電車内なので我慢しました笑)
結末は一言で悲しいとは言えない、色々な感情が渦巻くようでした。
まさに最後の悲劇というタイトルがふさわしいです。
Xの悲劇から読み続けてこそ、意味のある1冊です。
この本含め、このシリーズは一生忘れられないものになりそうです。 -
Posted by ブクログ
相変わらずクリスティーは心理描写が上手すぎてそこらの小説よりも安心して読める。
ストーリーを読み進める中で何処を軸に推理を進めれば良いのか迷ってしまった。一瞬だけあの方法を想像したもののあまりにも想像の域を出ない推理だったのですぐに放棄してしまったくらい。
今回登場する容疑者は主に三つのタイプに分けられるように思う。善人、演者、精神異常者。だからこそ登場人物たち全てに対して表と裏があるように勘繰ってしまう。夢見がちな人間に見えたキャリイでさえも終盤には浅い人間ではないことが判るのだ。クリスティーは読者の抱いた印象を崩す事無く人間の意外な一面を描くことが非常に得意なように思える。
また -
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15編の作品を収録した短編集。
絶妙な語り口と独特のオチの数々。それだけに内容がちょっと分かりにくいものもあるものの、それすらもこの短編集の魅力として映るような気がします。
最初の3編はいずれも傑作揃いなので、そこでハマれば他の独特のオチの短編も、「こういう作家性なんだなあ」と自然に受け入れられるのではないか、と思います。
その最初の3編はワインの銘柄当ての賭けの様子を描いた「味」
思いがけず夫を殺してしまった妻が証拠隠滅を図る「おとなしい兇器」
ライターで連続10回火をつけることができれば高級車を手に入れられる、しかし失敗すれば指を一本失う、という賭けの顛末を描く「南から来た男 -
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ネタバレ2年間の海外赴任から帰国したチャールズ。恋人のソフィアとの再会。彼女の祖父アリスタイド・レオニデスの死。殺人事件として疑う家族。父親である警視総監ヘイワードの協力でレオニデス家にやってきたチャールズ。アリスタイドの若い後妻ブレンダ。ブレンダとの関係を疑われる家庭教師ローレンス。事件直前まかされていたレストラン・チェーンを破産させた長男ロジャー。消えた遺言状。チャールズに事件の秘密を語るソフィアの妹ジョセフィン。ジョセフィンが見たというブレンダとローレンスの恋文。事件の秘密を知ると公言するジョセフィン。何者かに襲われ重傷を負うジョセフィン。事件直後に荒されたジョセフィンの部屋と恋文。
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ネタバレ「車中の娘」「エドワード・ロビンソンは男なのだ」「事故」など、
短編12とも、面白く読みました。
「6ペンスのうた」は、やや悲しい物語ですが、
人間の感情の機微に触れるものでした。
アガサクリスティをたくさん呼んでくると、結末を類型化し、
今回は、どの終わり方をするのだろうと想像しながら読み進みます。
2-3候補をあげながら読むのですが、この短編集での結末で
予想しなかったものがいくつもあります。
だから、読むのが辞められない。
「リスタデール卿の謎」は、半分読み進むまで分かりませんでした。
3番目の候補で思いついた結末が当たりでした。 -
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ネタバレずばり、探偵小説作家が登場します。
ひらいたトランプが初出とのこと。
いろいろな方の小説に、小説家が登場します。
赤毛のアンや、若草物語のように、小説家になる少女の物語のように、
自叙伝とはいえないまでも自分の性格と物語の登場人物の性格が交錯するような話もあるような気がします。
残念ながら、アガサクリスティの性格を知らないので、登場人物の性格がアガサクリスティの性格とどのように交錯しているのかがわかっていません。
自叙伝風、伝記風の書籍を読んでから、また読み直すと、味わいが深いかもしれないと思っています。
この話を受けて、再度登場するのが、「ハロウィーン・パーティ」です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミス マープルものだと知らずにテレビで見て、それから数年たってから小説を読んだ作品です。
本を読むときには、結果を知っていたので、映画と文学の違いを楽しみながら読みました。
結論がわかっていても、そこまでの筋を文学としてはどのように記述するのかということを楽しみました。
細かいところはもう忘れていたので、あ、そうだったんだと思いながら、読みました。
事前に見ていても、登場人物が覚えきれずに、何度も表紙の裏の登場人物一覧をみながら読み進みました。
ps.
ミス マープルものの種明かしは、最後の最後が多いので、もう少し最後は書き込んでほしいものもあります。
英語の表題の鏡を生かし -
Posted by ブクログ
ネタバレダールの作品で、マチルダを読んで時に、すごく面白いと思った反面、
少し危うさも感じた。この本を子供に読ませてよいのだろうかと。
しかし、ダールの自伝を読んだときに、その心配は消えた。
ダールの自伝を読んだとき、ジブリの紅の豚を思い出した。
ダールの作品は、暗いところや、斜めに構えたところがあるが、
人間の温かさや、奥の深さが共通していることに気がついた。
大人向けの本も出しているというので手に取ったのがこの本である。
ますます、ダールが好きになり、翻訳ものは、ほぼ全部読ませていただいた。
時間があるときに、順に書評を書いていきたい。