田村隆一のレビュー一覧
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『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』
なんとも印象的なタイトルです。「どうして頼まなかったんだろう?」と誰しも不思議に思うことでしょう。個人的には『そして誰もいなくなった』『鏡は横にひび割れて』に次いで好きなタイトルかもしれません。
この本を知ったのは、改めてクリスティーを読んでみようと思い立ち、書店の本棚を眺めていたとき。
有名だけどまだ読んでいないタイトルがずらりと並ぶ本棚で、ふと目に飛び込んできたのが本書でした。
購入したものの積読の列に並び……この度やっと読むことができました。うん、クリスティーは何を書いたって面白い!
今作の主人公は牧師の息子ボビイと伯爵令嬢であるフランキー。 -
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ポアロもの。
先日、『ハロウィーン・パーティー』を読んだ時に、本文中に「ミセス・マギンティ殺人事件・・云々」という台詞と、『ハロウィーン・・・』に登場した、スペンス警視・オリヴァ夫人が“マギンティ夫人殺人事件”にも関わっていた。と、あったので、“これは『マギンティ夫人は死んだ』を先に読んでおくべきだったかな~”と少しシクッた感があった為、前後しますが慌てて手を出した次第です。
ポアロは旧知のスペンス警視から、マギンティ夫人殺人事件の再調査を依頼されます。
容疑者のジェイムズ・ベントリイは既に逮捕されていて、有罪が確定している状況なのですが、ベントリイが犯人とはどうしても思えないというスペン -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。
冒頭、ポアロの一人称から始まり彼の内面的な人物像が珍しく描かれている。もの事が正しく整理整頓されている事を好むポアロであるからこそ全てが散らかった様な環境に投じられる今作はギャップからのユーモアもありとても楽しませてくれた作品だ。
「マギンティ夫人」というのはイギリスにある遊戯歌のようで、作中でも解説されており、女史得意のマザーグースでは無いが見立て殺人の構成だ。
ポアロがエスカルゴ料理を堪能し帰宅すると旧友であるスペンス警視が待っており彼が担当したとある事件の相談をもちかけられる。事件は容疑者が捕まり、陪審員による有罪判決も下るがスペンス警視 -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。
マープルシリーズ。古典作品の読みにくさがこれでもかと詰まった作品だ。(笑)
女主人、現在の夫、1番目の夫の継子と実子。そして養子の娘、2番目の夫の子供二人、ここに付き添い人や使用人、医者等中々難しい環境設定のため序盤は苦しんだが、後半迄に何とか整理して読み進める事が出来た。さらに、舞台設定が非行少年たちを集めた少年院であり、すべてが作用しながら非常に面倒臭い、異様な世界観を漂わせている(人間関係の設定の難しさも作風に合わせている様に思っている。)
マープルの旧友であるルースは自身の妹であるキャリイをとても心配しているが原因がわからない。マープルは昔から空気感をよ -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
再読によりクリスティの作品を沢山読み返しているが、久しぶりにオリヴァ夫人の熱量に討たれた。ポアロシリーズは周辺人物も魅力的だが、何故か少し苦笑いしている様に見えるポアロが新鮮であり、彼に対して突進してくる様なオリヴァ夫人のおばちゃん感はとても魅力的で実は好きなコンビだ。クリスティはオリヴァ夫人に自身を投影している様だが、これだけ生き生きとした登場人物は他の作家でも中々思い出せないし、本当に魂がある様に錯覚させられてしまう。
今作では、ポアロにオリヴァ夫人からいきなり電話がかかって来て怒涛の如く捲し立てられ、ミスレモンが呆れる -
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イギリスの作家「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『予告殺人(原題:A Murder is Announced)』を読みました。
『ひらいたトランプ』、『ナイルに死す』、『白昼の悪魔』、『運命の裏木戸』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。
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その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。
「殺人お知らせ申しあげます。10月29日金曜日、午後6時30分より……」いたずらかと思われたが、しかし、それは正真正銘の殺人予告だった。
時計の針が予告時間を指したとき、銃声が!
大胆不敵な殺人事件に「ミス・マープル」が挑む。
(解説 「三橋 -
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小さな村で起こったマギンティ夫人殺害事件を再調査することになったポアロ。村唯一のゲストハウスで、乱雑な部屋と不味い食事に耐えながら、ポアロは住人たちの話を聞いて真相へと近づいていくが。
ポアロが終始出ずっぱりの作品。→
登場人物がとにかく多くてこんがらがるんだけど、オリヴァ夫人(「ひらいたトランプ」の登場人物)が登場したので一気に読めた!ポアロ×オリヴァ夫人、楽しい。冒頭でポアロがヘイスティングズに触れているのもファンとしては嬉しいところ。
事件としてはなかなか複雑。二重構造。→
だからこそ、ラストのパタパタと閉じる感じは気持ちいい。クリスティならではのラストにニンマリ。
ポアロはいつでも -
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「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?(原題:Why Didn't They Ask Evans?)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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牧師の息子「ボビイ」は、ゴルフの最中に崖下に転落した瀕死の男を発見した。
男はわずかに意識を取り戻すと、「ボビイ」に一言だけ告げて、息を引き取った。
「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」
―幼なじみのお転婆娘「フランキー」とともに謎の言葉の意味を追う「ボビイ」。
若い男女のユーモアあふれる縦横無尽の大活躍。
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