田村隆一のレビュー一覧
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『予告された殺人』なんてミステリーの醍醐味ですね。
奇妙で不気味で奇抜な出来事から始まる先の見えない展開には、もう、ほんと「オラ、ワクワクすっぞ!」でした。
そして衝撃の第一の殺人から始まる第二第三と続く連続殺人までスピーディに話は進みます。アガサ・クリスティーの作品を何冊か読んでいると、この人が犯人だなって分かるんですが、犯人を当てるよりまさかの真相に驚かされます。
つくづくアガサ・クリスティーは人間の先入観を上手く突いて読者をミスリードする天才だなと思います。
それに引っかかってしまっても、なぜか悔しいという気持ちよりも「まじかー、参った」と言いつつ心地良さを感じてしまいます。だから、 -
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ポアロでもミスマープルでもない、シリーズではない長編ミステリー。今回の探偵役は、牧師の息子で海兵隊上がりの素朴な青年ボビーと、貴族だけど気取らなくてスリル大好きな女子フランキーです。
とにかく主人公のボビーと、フランキーが魅力的。専業探偵ではないので、推理を間違えたり、危なっかしかったりしてハラハラしながら、若くて元気で行動力のある2人がパワフルで、読んでる側も若返ってくる気がします笑
ストーリーについては、アガサクリスティーの作品はいつも犯人もトリックも最後の最後まで分からず、どんでん返しが体感3つはあったように思います。複雑にいる組んでいた事件が解きほぐされて華麗に伏線回収されていくのは -
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私にとってアガサ・クリスティの作品5つめ!ポアロやマープルシリーズではない数少ない作品なのだとか。
個人的には、シリーズものは安心感があってそれはそれで良いけれど、シリーズものじゃない作品の方がハラハラドキドキして好き!向こう見ずなフランキーにヒヤヒヤした〜!最後にタイトルの謎(Why Didn't They Ask Evans?)もばっちり回収していて、めっちゃ面白かったです!途中で気付いたんですけど…Theyなんですよね。
個人的に、名探偵がスマートに事件を解決する話より、主人公がドタバタと四苦八苦して何とか事件の真相に辿り着く話が好きなので、今のところ、アガサ・クリスティ作 -
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【ノンシリーズ】
またもやすごい作品と出会ってしまった…。
この作品を忘れることはないと思う。
重い余韻が残り、読み終わった後にもずっと考えてしまう。
クリスティー自身のベスト10に入っているのも納得。
ねじれた家に住むねじれた一族。
全員がねじれていて、それぞれが絡まって強い1本になっている。
どんな一族なのかを書くとこの本の面白さが半減するので書かないけど、今までの作品に出てきた一族とは違うタイプの一族だった。
最後の方は犯人が誰か早く知りたくて、目が勝手にどんどん先に進んでしまった。
読み終わってから気になる所を2度読みすると、堂々と伏線が張られていることに驚く。
ここまで書いてるの -
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『三体』に”エヴァンズ”がでてきたので、まったく関係無いけど、秀逸なタイトルの本書を読んでみました。
有名なポアロやマープルのような名探偵ではなく、ど素人だけど何故か微笑ましい、ボビイとフランキー嬢の幼なじみコンビ。謎やスリル、友情あり、ロマンスありと、所々ドタバタしながらの素人探偵の行動に引き込まれ、とても面白かったです。ミステリだけど、爽やかなハッピーエンドの素敵な作品でした。
あらすじ :
ウェールズの海辺の小さな町マーチボルトに暮らすボビイは、ある日ゴルフのラウンド中に、崖から転落して瀕死の男を発見。その男は「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という謎めいた言葉を最後に息を引き -
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クリスティ作品は再読が多いのだが、今作は初めて読む作品だったのだ。クリスティにもその種類のミステリーがあったのかと驚愕、新しい発見だ。余り今作をクリスティのベストにランクしているものを見た事が無いが、少なからず現時点では僕のクリスティ10選に入れたい程、強く衝撃を受けた作品だ。
「ねじれた家」という土台がありながら、そのイメージに合った世界観、環境観下でありながら、実は家族愛に満ちたレオニダス一族の物語で、クリスティ作品では金持ちは嫌な印象を与える事が多いが今作のアリスタイドは読み進めるととても好印象な人物である。しかし、その「家族愛」こそねじれの原因であり、家族一人一人が個性と歪みを持っ -
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ネタバレ楽しかった〜!面白かった〜!!
解説で言いたいこと全部言ってくれてたけど、謎解き・冒険・ロマンスの3つがそろったとても楽しいミステリ小説だった!
読むきっかけを与えてくれた、夢水清志郎シリーズ(「なぜ夢水に頼まなかったのか?」というセリフがある)と、古典部シリーズ(「なぜ江波に頼まなかったのか?」という副題がついた作品がある)に感謝!!
好きな小説を書く人がオマージュする作品って、やっぱりわたしも好きなんだな〜と思えた。
通勤電車や昼休みに夢中になって読み進めた。解明されていく謎と深まる謎のバランスが良くて、最初はこの1人の殺人事件だけでこんなに長編?と思ったけど、読み終わる頃には寂しい気 -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。巻末解説にて記載されているが、マープルシリーズは12篇しかないという事で驚いた。もっと幾つかの作品があった様に思うが、意外にもたったの1ダースなのだ。ポアロもクリスティ財団公認で続編が発表されているが、マープルの世界観を再現できる人材があれば是非書いてみてほしいし、読み続けたいシリーズだ。
今作、「予告殺人」はクリスティの作品の中でも好きな作品の一つだ。犯人の意外性は勿論の事、殺人を偽装する為のトリックの秀逸さ、真犯人の人生の悲しみと救い、そして今作に蔓延っているなんとも言えないドライな雰囲気。田舎で生活している登場人物達とのコントラストがとても -
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「アガサ・クリスティー読み直しキャンペーン」の第4弾です
お久しぶりになってしまいました
この後も「ディック・フランシス感謝祭」とか「江戸川乱歩ワールドツアー」とか「ヤマザキ春のパンまつり」とかいろいろ控えてるんですが
読みたい本が次から次へと出てくるんでどうしても再読は後回しになりがちです
でもやっぱり読み直して良かったなぁと思わせるクリスティーの名作中の名作『ねじれた家』です
この作品はクリスティーの晩年の名作なんですが、クリスティーらしいどことなくユーモアのある軽快な会話の妙で物語が進みつつ、全く新しいミステリーの形になっていて、まだ新しいアイディアが出てくるのか!という驚き
誰もが -