田村隆一のレビュー一覧
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『予告された殺人』なんてミステリーの醍醐味ですね。
奇妙で不気味で奇抜な出来事から始まる先の見えない展開には、もう、ほんと「オラ、ワクワクすっぞ!」でした。
そして衝撃の第一の殺人から始まる第二第三と続く連続殺人までスピーディに話は進みます。アガサ・クリスティーの作品を何冊か読んでいると、この人が犯人だなって分かるんですが、犯人を当てるよりまさかの真相に驚かされます。
つくづくアガサ・クリスティーは人間の先入観を上手く突いて読者をミスリードする天才だなと思います。
それに引っかかってしまっても、なぜか悔しいという気持ちよりも「まじかー、参った」と言いつつ心地良さを感じてしまいます。だから、アガサ・クリスティーのミステリーは読むのが止まらないです。 -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。巻末解説にて記載されているが、マープルシリーズは12篇しかないという事で驚いた。もっと幾つかの作品があった様に思うが、意外にもたったの1ダースなのだ。ポアロもクリスティ財団公認で続編が発表されているが、マープルの世界観を再現できる人材があれば是非書いてみてほしいし、読み続けたいシリーズだ。
今作、「予告殺人」はクリスティの作品の中でも好きな作品の一つだ。犯人の意外性は勿論の事、殺人を偽装する為のトリックの秀逸さ、真犯人の人生の悲しみと救い、そして今作に蔓延っているなんとも言えないドライな雰囲気。田舎で生活している登場人物達とのコントラストがとてもはっきりとしており、最後、全員で団欒の様に結末を話共有している恐ろしさは田舎特有のものだ(想像して欲しいが、三人も殺害された事件の当事者達が集まり、警察もふまえ、この時はこうだったと楽しそうに語らう様は異様な筈だが時代背景やミステリー特有のものとして誰も不思議に思わない)
残念な事に作中でマープルが死ぬ訳がない為、彼女が失踪した部分についてはスリリングな展開ではなかったが、殺害された人物たちが第二、第三と不用意に何かを漏らしそして殺害されるのはある意味クリスティのお約束なので、受け入れてしまった。ただし、犯人からすれば証拠が増えたり自身に不利になる事は多いはずで、さらに第三の殺人についてはなんとか言い逃れできる道もあるかも知れない為、犯人も不用意だったと想像している。
新聞の広告欄に殺人をお知らせしますとアナウンスがあり、という形で冒頭はスタートしていくが、本当にクリスティのミステリーは序盤に奇想天外に見える様な状況や環境を当ててくる事が多い(それでいて結局は単純な状況だ。)
今作の犯人については余り犯人であって欲しくない人物だったが、巧妙に疑惑の人物を配置し、後々に登場させ、読者を混乱させた。人物の入れ替わりはクリスティ作品では当然の作用であり、驚きも無く、今作も一部人物の真相が隠されているが、一部の偽装については中盤である程度予測はできてしまった。
僕自身の評価が高い点は序盤に述べたが、何より読みやすい事が一番だろう。古典ミステリー、しかも海外ものでは人物名、地名、設定や環境について読み慣れない部分や共感できない、そもそもわからない部分も多いが、今作はとてもすらすら読めた作品だ。 -
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〈ミス・マープル〉シリーズの4番目の長編(1950年発表)。クリスティーの50冊目の著作。
原題 “A Murder is Announced”
ミス・マープルものは、海外ドラマで何作か見てるけど原作は全て未読。(ドラマを見た作品も結局のところ内容を覚えてない…[汗])
この「予告殺人」は日本でドラマ化されると知って読み始めた作品。
面白かった。
真犯人と動機が、最後まで全く分からなかった。そして、登場人物の偽装(なりすまし)にも気づけず…。すっかりクリスティーに騙された。
きっと各人のセリフをしっかり読み込んでいたら、色んな伏線に気づけたはず!
事件の全貌を知った上で、最初から改めて読み返すと、1回目に読んだ時とは違った面白さが味わえそう。
(もう一度、読み返したいけど、また別のミス・マープルものを読みたい欲求が高まっているので、再読できるか分かりませんが。)
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購入済み
最後の最後で…
ミステリー小説でこんなに衝撃を受けたのは初めてです。
最後の数ページは、目が画面に貼り付き、涙も出そうでした。(電車内なので我慢しました笑)
結末は一言で悲しいとは言えない、色々な感情が渦巻くようでした。
まさに最後の悲劇というタイトルがふさわしいです。
Xの悲劇から読み続けてこそ、意味のある1冊です。
この本含め、このシリーズは一生忘れられないものになりそうです。 -
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相変わらずクリスティーは心理描写が上手すぎてそこらの小説よりも安心して読める。
ストーリーを読み進める中で何処を軸に推理を進めれば良いのか迷ってしまった。一瞬だけあの方法を想像したもののあまりにも想像の域を出ない推理だったのですぐに放棄してしまったくらい。
今回登場する容疑者は主に三つのタイプに分けられるように思う。善人、演者、精神異常者。だからこそ登場人物たち全てに対して表と裏があるように勘繰ってしまう。夢見がちな人間に見えたキャリイでさえも終盤には浅い人間ではないことが判るのだ。クリスティーは読者の抱いた印象を崩す事無く人間の意外な一面を描くことが非常に得意なように思える。
また最後にはこの物語から悪人が1人残らず居なくなってしまうのは驚き。それは殺されたりしたということではなく犯人も被害者も含めてあらゆる人物が善い心を持っていたことが判るのだ。これは他のジャンルだったら有り得るかも知れないが、ミステリで中々出来る芸当ではない筈だ。
流石はミステリの女王と言わざるをえない。 -
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15編の作品を収録した短編集。
絶妙な語り口と独特のオチの数々。それだけに内容がちょっと分かりにくいものもあるものの、それすらもこの短編集の魅力として映るような気がします。
最初の3編はいずれも傑作揃いなので、そこでハマれば他の独特のオチの短編も、「こういう作家性なんだなあ」と自然に受け入れられるのではないか、と思います。
その最初の3編はワインの銘柄当ての賭けの様子を描いた「味」
思いがけず夫を殺してしまった妻が証拠隠滅を図る「おとなしい兇器」
ライターで連続10回火をつけることができれば高級車を手に入れられる、しかし失敗すれば指を一本失う、という賭けの顛末を描く「南から来た男」の3編。
「味」はオチの書き方が絶妙! 単純に書けばそれまでの話なのですが、結末を微妙にぼやけさせて書くことで独特の”味”のある短編になっています。
「おとなしい兇器」も今となってはトリックは見覚えのあるものかもしれませんが、そこに至った時のブラックな書きっぷりが見事の一言に尽きます。思わずにやりとしてしまいました。
「南から来た男」もラストの一行が印象的。どんでん返しの衝撃というものではなく、例えるなら気づかぬうちにスッと自分の背後に何かが忍び寄っていた、という感覚のような感じです。淡々としながらも、想像すればするほど恐怖や狂気が感じられるオチです。
比較的分かりやすかった短編としては、「南から来た男」と同じくスッと忍び寄る怖さが印象的な「皮膚」。自動で文学を描く機械の発明を描いたブラックユーモア系の「偉大なる自動文章製造機」も好きです。
そしてオチの不可解さが印象的な短編も多いです。「海の中へ」「毒」「音響捕獲器」など、面白いのかどうか正直よく分からないのですが、なんだか忘れられない短編が多かったです。これもまた”奇妙な味”の短編集の最高峰とされるこの作品の魅力なのかな、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミス マープルものだと知らずにテレビで見て、それから数年たってから小説を読んだ作品です。
本を読むときには、結果を知っていたので、映画と文学の違いを楽しみながら読みました。
結論がわかっていても、そこまでの筋を文学としてはどのように記述するのかということを楽しみました。
細かいところはもう忘れていたので、あ、そうだったんだと思いながら、読みました。
事前に見ていても、登場人物が覚えきれずに、何度も表紙の裏の登場人物一覧をみながら読み進みました。
ps.
ミス マープルものの種明かしは、最後の最後が多いので、もう少し最後は書き込んでほしいものもあります。
英語の表題の鏡を生かして「鏡の魔術」という方がいいように思いますが、いかがでしょうか? -
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ネタバレダールの作品で、マチルダを読んで時に、すごく面白いと思った反面、
少し危うさも感じた。この本を子供に読ませてよいのだろうかと。
しかし、ダールの自伝を読んだときに、その心配は消えた。
ダールの自伝を読んだとき、ジブリの紅の豚を思い出した。
ダールの作品は、暗いところや、斜めに構えたところがあるが、
人間の温かさや、奥の深さが共通していることに気がついた。
大人向けの本も出しているというので手に取ったのがこの本である。
ますます、ダールが好きになり、翻訳ものは、ほぼ全部読ませていただいた。
時間があるときに、順に書評を書いていきたい。 -
Posted by ブクログ
哄笑の物語。
ただし、まじめな人は読んではいけません。
再読のつもりで、本棚から引っ張り出したのですがきっと違います。これだけの作品、たとえ20年前に読んだとしても、記憶の片隅には残っているはず。多分、兄貴の一人の購入本が混ざり込んだのでしょう。
1920年前後のヨーロッパの国王、音楽家、画家、著作家、科学者などの実在の人物に超強力なバイアグラを飲ませて、その狂態を描くという、悪趣味この上ない物語。よくもまあ、名誉毀損などで訴えられなかったなあと思います。
しかし、悪趣味もここまで突き抜ければいっそ潔いかと。もちろん、ダールという才人が書いた作品だからでしょうが。