田村隆一のレビュー一覧

  • 詩人の旅 増補新版

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    以下、引用

    ●そのころは、軽井沢から草津まで、草軽鉄道という高原列車があって、(中略)たしか昭和三十年代で廃線となり、それにかわってバスが運行するようになったが、乗物のコースの変化によって、風景もまた変化するのだ、ということを、痛感したものだ。いや、変化するものは風景だけではあるまい。人間も、その意識も村落もその論理も、きっと変化するだろう。交通機関と、そのコースの変化は、情報、通信、流通といったものに、大きな影響をあてずにはおかないし、その影響によって、人間の生活形態から女性のスタイルまで、変化せざるをえないのだから。
    ●野鳥がしきりに啼いている。カッコウ、つつどり、ジューイチ、ほととぎす

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    2022年03月06日
  • リスタデール卿の謎

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    何かしらのミステリー風味はあるのだが、事件っぽい事件ではなく、何かしら不思議な事象が発生してそれに対して何かしらの解決が行われるよ、というような話。
    他のクリスティ作品とは大分テイストが異なり、どちらかというと本格でない、今風のミステリー作品にクリスティが挑戦してみました、という印象を受けた。

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    2022年02月10日
  • 魔術の殺人

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    アガサ・クリスティーの描く人物がすきだなあと思う。みんな魅力的で個性的。読み進めていくと、じわじわだったり突然だったりするけれど、第一印象から印象が全然変わってしまう。
    今回ミスマープルはなにか不吉なことが起こりそうだというある屋敷に潜入する。そこにはやっぱり変なひとや魅力的なひとがいて、読み終わる頃にはみんなのことがなんだか好きになっている。
    アガサ・クリスティーの作品は、ミステリーだけどヒューマンドラマでもあると思うのだ。

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    2022年01月28日
  • ねじれた家

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    ネタバレ

    面白かった。
    子供が犯人で、エラリー・クイーンのYの悲劇的な雰囲気を感じた。富豪っていうのも同じだしな。
    なんか、モヤっとした感じが残るかな。
    ソフィアのセリフとか他にもまだ全員に疑うポイントがあって...。まあそんなことないと思うが...

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    2022年01月09日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    ノンシリーズ。

    牧師の息子ボビイは、崖下に転落した瀕死の男を発見。その男は「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という一言を告げて息を引き取ってしまいます。
    謎の男の、ダイイングメッセージがそのままタイトルになっている本書。
    ボビイと幼馴染の伯爵令嬢・フランキー(なんだか、ごろつきヤンキーみたいなあだ名ですが、本名は「フランシス」)が、男の死をめぐる謎の真相を追う、冒険ミステリです。
    若い男女の冒険モノという事で、トミー&タペンスを彷彿とさせる、ちょっと危なっかしいけどアグレッシブな二人の様子が生き生きとしていて、読んでいるこちらも一緒に謎解きやスリルを楽しんでいるような気分にさせてくれま

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    2022年01月07日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    アガサクリスティー。ノンシリーズであるが、本格推理かと思いきや、トミーとタペンスを思わせる冒険ものだった
    とはいえそちらも好きなので問題なし。
    死の淵にいる男の最後の言葉が表題であり、その意味は事件の最後の方で明らかになる。長々と引っ張った割には拍子抜けで、全体的に単調だと思った

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    2021年11月23日
  • リスタデール卿の謎

    A

    購入済み

    短編集です

    短編集です。
    いろいろなタイプの話が読めて面白いです。
    短編なので少し物足りない感じもしますが
    お気に入りの一編を探してみるのも悪くないと思います。

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    2021年11月23日
  • 死者のあやまち

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    ポアロ
    オリヴァ夫人が出るシリーズ。
    毎回そうと言えばそうだが、途中までさっぱりわからず、最後怒涛の展開でエーッっていう犯人だった。ちょっともう一回読んでみようと思う。
    ひとまず印象に残ったフレーズのメモ。
    「わたしも英国人のように、ロマンチックな方ではないのです。良縁を得るためには、ロマンスよりも分別というものが肝心です」(p82)結婚していないポアロの台詞なのが面白い。
    「あのひとはね、パンのどちら側にたっぷりバターがついているか、いつもよく知っているような女ですよ」(p209)どういう人なのかよくわかる悪口でよし。

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    2021年11月20日
  • シタフォードの秘密

    A

    購入済み

    まあまあかな

    犯人は明らかですが
    登場人物が皆怪しげで、
    なにか裏があるのかと
    惑わされてしまいます。
    最後に、それらの怪しさは一通り解明されて
    なるほどとは思うものの
    話を複雑にするためだけに作られたエピソードという感じが否めなかった。

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    2021年10月16日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    手がかりを追って大冒険!

    「なぜエヴァンズに頼まなかったのか」と言い残して男が死んだ。最期の言葉を聞いたボビイとお嬢様フランキーがこの謎を解こうと動き出す。怪しい医者とその妻、モルヒネ中毒の夫とその妻、好青年などから真犯人を突き止めろ!

    冒険、ロマンス、謎、楽しいものがいっぱい詰まっている。勝気な女性とそれに振り回される男性のコンビを描くクリスティーの筆はノリに乗っていて、ぐいぐいとページをめくらせる。「なぜエヴァンズに頼まなかったのか」の謎が解ける瞬間の気持ちよさと、そこから大団円に向けてのなだれ込むフィナーレの心地よさ。次を思わせる真犯人からのメッセージも小気味良い。ラストシーンがお約

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    2021年10月09日
  • シタフォードの秘密

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    ノン・シリーズ。

    雪深いシタフォード村の山荘で行われた降霊会。そこで“降りてきた霊魂”が、山荘の持ち主ではるかふもとの村に住んでいるトリヴェリアン大佐の死を告げます。
    そして、その同時刻に予言されたとおり、大佐が本当に殺害されていて・・。
    ナラコット警部が捜査にあたり、殺された日に大佐の家を訪問していた大佐の甥・ジェイムズ(ジム)が容疑者として逮捕されてしまいます。
    そこで立ち上がったのが、ジムの婚約者・エミリー。
    クリスティーのノンシリーズによく登場する、魅力にあふれたアクティブ女子で、新聞記者のチャールズと共に(というか彼を丸め込んで)、真相解明に乗り出します。
    シタフォードの村人達から

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    2021年10月02日
  • 予告殺人

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    ネタバレ

    なかなか凝った話で、推理小説の定石というか、冒頭にかすり傷だけの人= 怪しいというのが頭にこびりついてしまってもそれなりに展開を楽しめた。年金不正受給は現代的なテーマのようでいて昔からあったんですね。ただそもそも犯人はある程度普通な人のはずが口封じのために連続殺人鬼になってしまうのが、アガサの定番らしいけど苦手。

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    2021年09月25日
  • シタフォードの秘密

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    ネタバレ

    霊が伝えた殺人事件!

    降霊会でトリヴェリン大佐の殺害が予告される。そして大佐は本当にその時間に殺されていた。友人のバーナビー少佐、トリヴェリン大佐からシタフォード荘を借りたウィリット夫人とその娘ヴァイオレット、大佐の下男エヴァンズ、シタフォード荘の隣人たち、大佐の妹や甥姪。誰が大佐を殺したのか? 逮捕された大佐の甥ジェイムズの無実を信じて、婚約者エミリーは調査を始める。

    エミリーの勢いに乗ってぐいぐいと読んでいけた。気の弱いところのあるジェイムズにはできないとの判断、特ダネを狙う新聞記者チャールズ・エンダビーをおだてて転がして協力者にさせる。シタフォード村の住民やジェイムズが泊まっていたス

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    2021年08月14日
  • ねじれた家

    ken

    ネタバレ 購入済み

    なぜ

    なぜ、某大作と全く同じ話を発表したのか理解に苦しみます。ご教示ください。

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    2021年08月05日
  • マギンティ夫人は死んだ

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    ポアロ
    ポアロ出ずっぱり。ヘイスティングズは「いてくれたらなあ」と心の中でつぶやかれるだけ。登場人物が多くて、読むのに苦労した作品。それと私とは翻訳家が合わないみたい。余りにも古くさく感じて、スムーズに読み進められない。訳者の田村隆一氏は1923年生まれ!全く関係ないが調べたら5回結婚していた。すごい!この訳者のクリスティー作品は新訳に切り替わっていっているようだが、この作品も含めまだのものも新訳で出して欲しい。「魔術の殺人」もこの作品も新訳で読みたかった。

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    2021年07月11日
  • リスタデール卿の謎

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    ネタバレ

    世界には冒険と謎だらけ。

    特に名探偵は出てこない短編集。謎が提示され、もしくは事件に巻き込まれ、登場人物はどうにかするしかない。クリスティーお得意の国際的陰謀もあれば、強盗も出てくるし、ハッピーエンドもバッドエンドもある。

    「リスタデール卿の謎」格安物件に隠された事件とは。オチがまったくファンシーでロマンティック。いい人が報われる話はいい。

    「ナイチンゲール荘」長い付き合いの恋人ではなく、激しく恋に落ちた夫を選んだ。けれど夫が死んで、恋人の胸に飛び込む夢を見る——。疑心暗鬼が事件を生む。

    「事故」あの女性は過去に殺人を犯したけど無罪になった人だ。引退した元警部は、新たな被害者を出さない

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    2021年06月27日
  • 魔術の殺人

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    ネタバレ

    老嬢は欺けない。

    寄宿学校で共に過ごしたルースに頼まれて、ミス・マープルはルースの妹であり同じく旧友のキャリィを訪ねる。彼女は未成年犯罪者の更生教育にその身を捧げる夫と共に少年院を営む彼女の屋敷を訪ねた。そこにはセロコールド夫妻の他に、キャリィの娘ミルドレッド、キャリィの養女の娘ジーナ、その夫ウォルター、キャリィの二番目の夫の息子アレックスとスティーヴン、キャリィの付き添い人ミス・ベルエヴァー、使用人エドガー、精神医学者のマヴェリック博士、そして施設に入っている少年たちがいた。突然訪ねてきたキャリィの最初の夫の息子クリスチャンの用件はなんだったのか。エドガーは頭がおかしいのか。ミス・セロコー

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    2021年06月18日
  • マギンティ夫人は死んだ

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    登場人物が多く序盤は全体像を掴みにくい。物語が進むにつれて少しずつ真実が明らかになっていき、少ない手がかりからポアロが論理的思考で犯人を絞り込んでいく様子はいつもながらに痛快。ひとつ残念なのは、かなり前に翻訳されたものなので全体的に言葉の選び方が古いところ。海外ミステリの犯人に「下手人」という言葉が使われているのは今の時代には合わない。言葉は常に進化するものであり翻訳物が古くなってしまうのは致し方ない。名作だけに早々に新訳が発刊されることに期待したい。

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    2021年04月11日
  • ねじれた家

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    ネタバレ

    アガサは予想が全然当たらない印象があったけれど、初めて犯人どころか動機や証拠に対する行動など全部当たった!嬉しい……!!
    ちょっと紹介文、「ねじれた家に住む性格のねじれた人達」って誇張しすぎてて、そこに惹かれて読み始めたから共感できる至極真っ当な人が多くて残念。あと、ねじれた家やお祖父さんの顔など、あんまり想像できなくて登場人物がマープルシリーズより生き生きしてない印象はある。残念……。
    解説者の言う通り、他人の生活を覗き見るのは楽しくて堪らない……!でも、あの二人は私も犯人だと思っていなかったから捕まった時は「こんなにわかりやすいのに!?なぜ!?主人公自分でヒントまで言ってるのに!?」ってな

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    2021年04月04日
  • ねじれた家

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    みんながみんな怪しすぎる。そして、家族なのにお互いを怪しんで陰口を言ってみたり、上っ面だけの褒め言葉を言ってみたり。途中少し飽きてしまったけど、なんとか後半2/3あたりまでたどり着いてからは一気読み。
    この人特に怪しい!と思っていたら、全く違った。戻ってパラパラ再読してみたらところどころヒントがあるじゃないか!!最後の結末はあらあらビックリ。
    しかし…訳がもう少し自然だと読みやすい。なんだか不自然な訳がちらほらでわかりづらいところもあった。。

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    2020年10月15日