田村隆一のレビュー一覧
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BBC制作の同名ドラマを随分前に録画しており、それを観たかったので、先に原作本を読んだ。
結果、ドラマ化失敗じゃね???という残念な感想に。原作が面白いのだからそのまま素直に映像化すればよいものを、脚本家よ、なぜあんなにいじくり回した…。謎。
全3回のドラマは途中からイギリスの美しい田舎町の風景と、ルーシー・ボイントンのファッションを楽しむためだけに観ました。
お転婆貴族のご令嬢と幼馴染の庶民の好青年という最強テンプレ王道カップリングのドタバタ冒険劇をクリスティーが書いたら面白いに決まってる上に、タイトルの意味がわかったときの快感が最高の一冊。 -
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『予告された殺人』なんてミステリーの醍醐味ですね。
奇妙で不気味で奇抜な出来事から始まる先の見えない展開には、もう、ほんと「オラ、ワクワクすっぞ!」でした。
そして衝撃の第一の殺人から始まる第二第三と続く連続殺人までスピーディに話は進みます。アガサ・クリスティーの作品を何冊か読んでいると、この人が犯人だなって分かるんですが、犯人を当てるよりまさかの真相に驚かされます。
つくづくアガサ・クリスティーは人間の先入観を上手く突いて読者をミスリードする天才だなと思います。
それに引っかかってしまっても、なぜか悔しいという気持ちよりも「まじかー、参った」と言いつつ心地良さを感じてしまいます。だから、アガサ・クリスティーのミステリーは読むのが止まらないです。 -
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ポアロでもミスマープルでもない、シリーズではない長編ミステリー。今回の探偵役は、牧師の息子で海兵隊上がりの素朴な青年ボビーと、貴族だけど気取らなくてスリル大好きな女子フランキーです。
とにかく主人公のボビーと、フランキーが魅力的。専業探偵ではないので、推理を間違えたり、危なっかしかったりしてハラハラしながら、若くて元気で行動力のある2人がパワフルで、読んでる側も若返ってくる気がします笑
ストーリーについては、アガサクリスティーの作品はいつも犯人もトリックも最後の最後まで分からず、どんでん返しが体感3つはあったように思います。複雑にいる組んでいた事件が解きほぐされて華麗に伏線回収されていくのはもはや爽快!
ラストも明るくてさっぱりした読後感。
シリーズものでないのがもったいないぐらい、まだまだフランキーとボビーの活躍が見たかったです。 -
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私にとってアガサ・クリスティの作品5つめ!ポアロやマープルシリーズではない数少ない作品なのだとか。
個人的には、シリーズものは安心感があってそれはそれで良いけれど、シリーズものじゃない作品の方がハラハラドキドキして好き!向こう見ずなフランキーにヒヤヒヤした〜!最後にタイトルの謎(Why Didn't They Ask Evans?)もばっちり回収していて、めっちゃ面白かったです!途中で気付いたんですけど…Theyなんですよね。
個人的に、名探偵がスマートに事件を解決する話より、主人公がドタバタと四苦八苦して何とか事件の真相に辿り着く話が好きなので、今のところ、アガサ・クリスティ作品の中でイチオシかも! -
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【ノンシリーズ】
またもやすごい作品と出会ってしまった…。
この作品を忘れることはないと思う。
重い余韻が残り、読み終わった後にもずっと考えてしまう。
クリスティー自身のベスト10に入っているのも納得。
ねじれた家に住むねじれた一族。
全員がねじれていて、それぞれが絡まって強い1本になっている。
どんな一族なのかを書くとこの本の面白さが半減するので書かないけど、今までの作品に出てきた一族とは違うタイプの一族だった。
最後の方は犯人が誰か早く知りたくて、目が勝手にどんどん先に進んでしまった。
読み終わってから気になる所を2度読みすると、堂々と伏線が張られていることに驚く。
ここまで書いてるのに犯人に気付けない。
これだからクリスティーはやめられない。
ノンシリーズはこれで6作品目だけど、全てほぼ★5を付けてる。
やっぱり名探偵が出てこないノンシリーズの方が人間ドラマが濃くて好きだ。 -
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『三体』に”エヴァンズ”がでてきたので、まったく関係無いけど、秀逸なタイトルの本書を読んでみました。
有名なポアロやマープルのような名探偵ではなく、ど素人だけど何故か微笑ましい、ボビイとフランキー嬢の幼なじみコンビ。謎やスリル、友情あり、ロマンスありと、所々ドタバタしながらの素人探偵の行動に引き込まれ、とても面白かったです。ミステリだけど、爽やかなハッピーエンドの素敵な作品でした。
あらすじ :
ウェールズの海辺の小さな町マーチボルトに暮らすボビイは、ある日ゴルフのラウンド中に、崖から転落して瀕死の男を発見。その男は「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という謎めいた言葉を最後に息を引き取ります。
翌朝、ロンドンに向かう汽車に乗り込んだボビイは、幼馴染みのフランキー嬢に久しぶりに再会しますが、昨夜の事故の話しをする内に、彼女は殺人ではないかと憶測します。しかし、男の死は平凡な不慮の事故と審判が下されて、死者の親族と思われる夫人が、臨終の様子を知りたがった以外、何事もなく終わるはずでした。
ところが、ボビイが何者かに毒を盛られて死にかけたことや、死んだ男のポケットに入っていた美しい女性の写真が別人にすり替えられていたことを知るに至り、ボビイはフランキー嬢に急かされるまま、事件の真相解明に乗り出します…
俗にノンシリーズと言われる本作ですが、『春にして君を離れ』や『そして誰もいなくなった』とともに、タイトルも内容も好きな一冊に加わりました。 -
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クリスティ作品は再読が多いのだが、今作は初めて読む作品だったのだ。クリスティにもその種類のミステリーがあったのかと驚愕、新しい発見だ。余り今作をクリスティのベストにランクしているものを見た事が無いが、少なからず現時点では僕のクリスティ10選に入れたい程、強く衝撃を受けた作品だ。
「ねじれた家」という土台がありながら、そのイメージに合った世界観、環境観下でありながら、実は家族愛に満ちたレオニダス一族の物語で、クリスティ作品では金持ちは嫌な印象を与える事が多いが今作のアリスタイドは読み進めるととても好印象な人物である。しかし、その「家族愛」こそねじれの原因であり、家族一人一人が個性と歪みを持っており作品自体を「ねじれた」イメージにする一環を担っている。
物語のスタートは戦時下のイギリス。若い二人の男女、チャールズとソフィアは気が合い、結婚を考えるが、チャールズは二年感東洋での任務がある。彼はソフィアに二年後ロンドンでまだ自分達の気持ちが変わらなければプロポーズしたいと伝え、彼女も了承。その時初めて彼女が大金持ちの孫娘である事を知る。
二年後、任務を終えイギリスに戻り、ソフィアと再会するが、その際に彼女の祖父アリスタイドが亡くなった事を知る。ソフィアは結婚自体反対ではないが、祖父の死に疑念があり、それが解決しなければ家族が原因で暗いモノを引きずるかも知れないため、真相の解明を望む。チャールズの父親は警視総監であり、警察の捜査とともにソフィア達の暮らす通称「ねじれた家」を訪問する。
あからさまな探偵役が乏しい為、一体真相はどうなのかが終盤まで明かされない。ソフィアの妹が探偵役の片鱗を見せるが、中々チャールズに伝わらない。ソフィアの家族達は何かを感じている様でありながらそれも読者には明らかにされないもどかしさもあり、不穏な空気感漂う世界観が続いていく。
今作の真相について、有名作家の作品には必ずある種類の真相であり、ある意味でフーダニットの王道になるが、当時はまだ少なかった手法だろう(ネタバレになるので作品名は挙げないが、クイーンのシリーズが挙げられる)。ミステリー好きなら読みながら犯人を推測するが、一番衝撃的なのはという事で二名程怪しんでいたがそれでも充分に驚いた。
また、結末についても慈愛に満ちたものであり、登場人物のイメージがガラリとかわる。結末も先程挙げたクイーンの作品と同じプロットなのだが、こちらの方が印象が強い。完成度が非常に高く、作中でクリスティ特有の伏線や匂わせがあるにも関わらず気持ち良く騙される。
チャールズ、ソフィアもそうだが、エディス、ジョセフィンと活躍する人物が多い。特にジョセフィンは12歳で有りながら一部探偵役を担いチャールズは振り回される様がワトソンの様だ。
非常に面白く、是非おすすめしたい作品。実は読み易く余りクリスティを読んだ事がなくても勧めたい。 -
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ネタバレ楽しかった〜!面白かった〜!!
解説で言いたいこと全部言ってくれてたけど、謎解き・冒険・ロマンスの3つがそろったとても楽しいミステリ小説だった!
読むきっかけを与えてくれた、夢水清志郎シリーズ(「なぜ夢水に頼まなかったのか?」というセリフがある)と、古典部シリーズ(「なぜ江波に頼まなかったのか?」という副題がついた作品がある)に感謝!!
好きな小説を書く人がオマージュする作品って、やっぱりわたしも好きなんだな〜と思えた。
通勤電車や昼休みに夢中になって読み進めた。解明されていく謎と深まる謎のバランスが良くて、最初はこの1人の殺人事件だけでこんなに長編?と思ったけど、読み終わる頃には寂しい気持ちになって、読み終わったときには満足感がすごかった。
やっぱりアガサ・クリスティーってすごい!
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。巻末解説にて記載されているが、マープルシリーズは12篇しかないという事で驚いた。もっと幾つかの作品があった様に思うが、意外にもたったの1ダースなのだ。ポアロもクリスティ財団公認で続編が発表されているが、マープルの世界観を再現できる人材があれば是非書いてみてほしいし、読み続けたいシリーズだ。
今作、「予告殺人」はクリスティの作品の中でも好きな作品の一つだ。犯人の意外性は勿論の事、殺人を偽装する為のトリックの秀逸さ、真犯人の人生の悲しみと救い、そして今作に蔓延っているなんとも言えないドライな雰囲気。田舎で生活している登場人物達とのコントラストがとてもはっきりとしており、最後、全員で団欒の様に結末を話共有している恐ろしさは田舎特有のものだ(想像して欲しいが、三人も殺害された事件の当事者達が集まり、警察もふまえ、この時はこうだったと楽しそうに語らう様は異様な筈だが時代背景やミステリー特有のものとして誰も不思議に思わない)
残念な事に作中でマープルが死ぬ訳がない為、彼女が失踪した部分についてはスリリングな展開ではなかったが、殺害された人物たちが第二、第三と不用意に何かを漏らしそして殺害されるのはある意味クリスティのお約束なので、受け入れてしまった。ただし、犯人からすれば証拠が増えたり自身に不利になる事は多いはずで、さらに第三の殺人についてはなんとか言い逃れできる道もあるかも知れない為、犯人も不用意だったと想像している。
新聞の広告欄に殺人をお知らせしますとアナウンスがあり、という形で冒頭はスタートしていくが、本当にクリスティのミステリーは序盤に奇想天外に見える様な状況や環境を当ててくる事が多い(それでいて結局は単純な状況だ。)
今作の犯人については余り犯人であって欲しくない人物だったが、巧妙に疑惑の人物を配置し、後々に登場させ、読者を混乱させた。人物の入れ替わりはクリスティ作品では当然の作用であり、驚きも無く、今作も一部人物の真相が隠されているが、一部の偽装については中盤である程度予測はできてしまった。
僕自身の評価が高い点は序盤に述べたが、何より読みやすい事が一番だろう。古典ミステリー、しかも海外ものでは人物名、地名、設定や環境について読み慣れない部分や共感できない、そもそもわからない部分も多いが、今作はとてもすらすら読めた作品だ。