名取佐和子のレビュー一覧
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ネタバレツイッター読書アカウントのフォロワーさんから教えていただいた一冊。
晴生、暢子、麻矢、有。シェアハウスに集まってきた、年齢も性別もバラバラの4人と、その管理人である弓月との生活を描く。章ごとに視点が変わり、4人の過去が少しずつわかってくる。生意気で無愛想な弓月=吸血くんが、それぞれをフォローしていく。
終盤で吸血くんの過去や謎も明らかになり、最後にはすっきりと伏線が回収される。
面白かった!これは、早くも今年面白かった本にランキングされると確信。
「やって後悔する方が、やらなくて後悔するより楽」
という、有の雇い主の颯馬の言葉もよかったな。
心が温かくなる良本に出会えた。 -
Posted by ブクログ
装丁の店を確かめに江の島に行きたくなった。近くにいるのに行くことはほとんどない。たまには行ってみようかな。すみゑから麻布へと脈々と続くねこもりという血。ねこもりという役目はないけど、オイラも親父とお袋からこれでもかっていうほど良くも悪くも血を引き継いでいる。若いときはあんなふうになりたくないと思っていたけど、今となってはしっかり似ていると思うし、昔ほどの嫌悪感はない。なんでだろう?溶子が庄二郎を許し認めるのはちょっとわかるような気がする。「半分亭は猫とお客さんに助けられてつづいてきた店だ」を世代を越えて守る佐宗一家のひとりであることを誇らしく思えるようになったからこそだと思う。今日は母の日。お
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Posted by ブクログ
ねこもりって何だろう。
江の島とねこもりのタイトルに魅かれて読んでみた。
江の島に住む半食堂半民宿を営む女性たちの物語。
代々江の島の野良猫たちの世話をする役目を
受け継いでいる女性たちである。
「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは毎日猫の世話をしている。
お返しに猫に不幸がこないように守られるような生活である。
物語は2002年、高校生の麻布がねこもりのとき、
大負債を背覆って江の島から一家が夜逃げする話から始まる。
次の章は1915年、すみゑがねこもりのとき、
島で知り合った少女からある預かり物をし、
きっと取りに戻ってくるからという約束をかわす。
1963年、ねこもりは筆。
1988 -
Posted by ブクログ
ネタバレいきなりお店を放棄して夜逃げになったときにはどうなることかと思った。
何か、ファンタジーなどんでん返しがあるとか、いきなり救世主が現れて救ってくれるとか…
冒頭からそんな事は起きませんでした。
江ノ島の「山二つ」にある、「半分亭」は、横に並んで三つの入り口があり、一番左が民宿、真ん中が食堂、右は家族の母屋の入り口で、この部分だけが二階建て。
突然、何もかも捨てて去らなくてはならなくなった、佐宗麻布(まゆ)一七歳。
半分亭は『猫とお客さんに助けられてつづいてきた店』
佐宗家にはなぜか女しか生まれず、その女たちは、代々「ねこもり」を引き継いできた。
ユエ、すみゑ、筆、溶子、麻布と続いてきた、女