名取佐和子のレビュー一覧

  • 銀河の図書室

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    高校生の青春群像劇、と言うには、登場人物のそれぞれが背負うものがあまりにもこの時勢を反映していて、綺麗事ではないリアルな高校生活を見せてくれたような気がしました。重たい内容が端々に出てきますが、それを物語としてさぁっと風が吹いたように流していってくれて、読みやすかったです。

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    2025年08月31日
  • 図書室のはこぶね

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    小説に人生を支えられている自分は、本を中心に描かれる作品にどうしても心惹かれる。
    それぞれの信念であったり、無自覚の諦めであったり。どのように信念を貫き、諦めずに進んでいくのか。
    学生ならではの空気感や人間関係、若さゆえの未熟さや葛藤。眩しい青春には、懐かしさや羨ましさを感じてしまう。そして、主人公と共に謎を解き明かしていくストーリーは非常に面白い。いつの間にか、物語の中に入り込んでしまうことだろう。

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    2025年08月22日
  • 図書室のはこぶね

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    10年ぶりに返却された本の謎を解き明かしていく青春ミステリー。読み終わった後、静かな爽やかさを感じた。とても良かった。
    一週間でも成長していく高校生たち、見守りサポートしながら一緒に前へ進んでいく大人たちがとても魅力的でした。


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    2025年08月17日
  • 図書室のはこぶね

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    本から顔をあげた瞬間、物語世界と自分のいる世界とのずれに視界が歪んだ。わりと読書に没入できていたことを、そこではじめて知る。

    そうそうと納得してしまう☺️

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    2025年08月17日
  • 銀河の図書室

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    ネタバレ

    どこか米澤氏の古典部シリーズを想起させるような、青春学園小説でした。
    「善意」というものは受け取る側の気持ちや背景によって変わります。その人の気持ちや背景を常に完璧に理解することは不可能であり、そうしないといけないのであれば誰も人に親切にしようとはしません。「善意」とは、一定は自分本位になってしまうのは仕方のないことではないでしょうか。
    風見先輩と一緒に過ごす最後の1年間を覗いてみたいです。きっと楽しいのでしょう。

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    2025年08月07日
  • 銀河の図書室

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    調べたところ2026年は、賢治の生誕130年にあたることがわかりました。

    2025年第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書の中で、高校の部の課題図書の一つが宮沢賢治がサブテーマになっている作品です。

    テーマは「ほんとうの幸いって、何だろう?」

    宮沢賢治の作品を紐解きながら、現代に潜む自分よがりなSNSによる発言の恐ろしさと、それによって狂わされる人たち、恐ろしさを知り世の中との壁を作ってしまった高校生の苦しみを解明し、今を大切に生きようとする若者のリアルな姿が描かれています。

    私自身、ある程度宮沢賢治の作品は読んでいましたが、かなり年数が経っているので深いところは忘れていて、「

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    2025年08月05日
  • 銀河の図書室

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    最初は読みにくかったけど、読み進めるごとに面白くなっていった。先輩の不登校の理由が悲しすぎて自分も同じことがあったら不登校になりそうだと思った。高等学校の感想文図書になっていたけど今の高校生ってこいう感じの本を読むのかな?宮沢賢治の作品が読みたくなる本でした。

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    2025年08月04日
  • 銀河の図書室

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    風見が不登校になったのは?ほんとうの幸いは、遠い。このキーワードが軸で遠く、重い。その扉を開けるヒントがまさに、銀河鉄道の夜なのだ。イーハトー部の部員たち、それぞれが抱える心の傷。口から出したくない傷。それらが語られる時、風見の傷も語られる。宮沢賢治の詩の言葉に魅了させられる。その詩を書いた背景に魅了させられる。賢治の生き様に魅力させられる。読み進めるうちに、生きることの意味を哲学的に考えさせられる。読めば読むほど面白い本だ。出会えて感謝。

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    2025年08月02日
  • ひねもすなむなむ

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    還暦を過ぎてから、仏教が身近に感じる様になった昨今、友人よりこの本を紹介されてたちどころに読んでしまいました。

    なかなか感動する本でした。あたしの祖父も岩手の海岸沿いのお寺の住職だったので、時代がだいぶ違うけれど… 興味深く読めました。親戚は絶えてしまいましたが、この本を読んで先祖が眠る岩手のお寺に御墓参りに行かねばと思わせてもらいました。

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    2025年07月28日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    3人の関係を変えたくない〖むすめこごろ〗
    夫との関係に悩み自分を見つめ直す
    不思議な力の子どもと泊まりに来たお母さん
    塾の子ども達との引率
    文章も読みやすくて、旅館を通してのストーリー
    ひとつひとつ素敵でした

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    2025年07月08日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    海辺にある凧屋旅館。寄贈された昔の書物を多く所有し、文庫旅館とも呼ばれる。そんな旅館をめぐる物語。

    本を読めない若女将が、宿泊客に本を勧め、あとでお茶を飲みながら本の話を聞かせてもらう。

    古い文学はほとんど読んだことがなく、名作のあらすじも含めて、楽しませてもらった。
    最後の章は、一章のお客さんの再訪と思ったら、亡き曾祖父の手記により、二つの家族の謎が明かされて、ビックリ。

    不思議なものが見える子供と母親の話が、好きだった。
    人生をやり直そうとする中年女性の話も好きだな。最後にその後の姿も触れられていて、嬉しい。

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    2025年06月10日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    凧屋旅館という古い旅館にある海老澤文庫。
    海老澤という人が、寄贈してくれた文庫とのことで、戦前戦後の作品を中心にとりそろえている。
    その宿の若女将は、本が読めないという体質だが、鼻がたいそうきくので宿泊客と同じ匂いのする本を文庫から選んで勧め、その本の感想や内容を宿泊客から聞くのを楽しみにしている。

    短編集のように進むのかと思っていたので、最後のお話では文庫の謎もとけてすっきり・・・?
    内容としては悲しいつらい秘密だったわけだが、なんというか、結局死んだ人をこれ以上恨めないということなのだろうと思う。
    女将の三千子が、70代前半で認知症で介護がないと生活できないような状態であることもかわいそ

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    2025年06月02日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    短編集のようですべてがつながっていくのが面白かったです。ペタペタ歩くペンギンを想像してほっこりしました。最後は幸せな気持ちになりました。

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    2025年05月21日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    大雑把に言うなら、旅館の若女将が悩める宿泊客にピッタリな一冊を薦める話。
    里見蘭さんの『古書カフェすみれ屋〜』によく似てるが、こちらを最初読みづらいと感じたのは、主人公の本が読めないという設定と、若女将としての立ち居振る舞いが、少し浮世離れしている様に思えたからかな。

    5話から成り立つ本作。
    なのでもう少し、と2話、3話と読み進めると物語全体の奥行きを感じる様になる。
    …あれ…ちょっと、印象が変わってきた。
    4話で少し風向きを変え、ラストの5話。

    主人公の日常から始まる5話は、最初に感じた浮世離れ感を払拭させ、再び訪れる宿泊客によって、奥行きだと感じた種が紐解かれて行く。

    ほぼ記憶にない

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    2025年05月04日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    プロローグの、円はなぜ匂いがキツくて本が読めないのか、曽祖父の後悔とはなにかの謎が少しずつ綺麗に回収されていったのが気持ちいい。
    二つ目の自分を取り戻す話がエンパワーメントされるみたいで力強い。

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    2025年04月18日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    凧屋旅館、行ってみたい。若女将の円さんの心遣いが素敵。文庫で出される飲み物と食べ物がまた惹かれる。
    一冊目から四冊目までは旅館を訪れるお客さん目線、最後の五冊目は円さん目線の物語。

    川端康成「ゆめごころ」
    葉介の迷いや不安が描かれる。“普通”が良いと思うのは悪いことじゃないけど、“普通”が人の数だけあることは忘れずにいたい。打ち明けないという選択もあるんだ。

    「春は馬車に乗って」横光利一
    このお話好きだった!則子さんが美容院で髪を切って染めたところ、かっこよかった。自分を喜ばせること、大切にすること、忘れたくないなぁと思った。

    「小僧の神様」志賀直哉
    自分にとっての事実と相手にとっての事

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    2025年03月20日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ネタバレ

    短編集かと思いきやそれぞれの主人公が少しずつ関わっていくのが、面白かったです!
    ペンギンや駅員さんがなくしもの係にいる理由もなるほど…!となりました。
    次作も楽しみです。

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    2025年02月20日
  • ひねもすなむなむ

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    『ひねもすなむなむ』
    名取佐和子

    『ペンギン鉄道』シリーズや『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』などの著書のある名取佐和子さん、令和3年の作品になります。

    ひらがなのタイトルと表紙のイラストから、ほっこりとしたお話を想像しましたが、ちょっと違っていました。最近お寺が題材となったコミカルな要素のラノベから日常の謎解きと愉しんできましたが、名取さんの本はまた一味違った人間味の深い小説でした。

    25歳の独り身の僧侶仁心は、自身の居場所を求めるように、高知のお寺から岩手のお寺へ移ります。約1年を通して、僧侶として学びながら人としても成長していく中で、周囲の人々や仁心のそれぞれ

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    2025年02月12日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ネタバレ

    なかなかほっこりさせる小説でして。
    ペンギンにまさか謎があるとはつゆ思わず!!
    短編連携の形を取る小説です。

    最後、ハートフルストーリーなんだけどどこかミステリー、な感じもあって、面白かったです。

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    2025年02月04日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    題名に惹かれて読んだ本。
    本が読めない若女将が、宿泊客にすすめる同じ匂いのする小説。その小説によって、一歩進む勇気をもらう客。
    面白かった。

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    2025年02月02日