名取佐和子のレビュー一覧

  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    舞台となっている通称「ペンギン鉄道」のモデルは鶴見線だろうか。
    海辺に作られた工場へとつながる特殊な短い路線の終点にペンギンのいる「なくしもの係」がある…
    もっとファンタジーっぽいお話かと想像していたけれど、人生の中で迷子になってしまっているような、自分こそをなくしてしまって途方に暮れているような人たちをふんわりと包み込んで、読んでいる私の心も温めてくれるような素敵な一作だった。
    ペンギンはいないだろうけれど、鶴見線に乗りにいってみたくなった。

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    2025年05月26日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    自分の琴線にふれるとっておきの一文が、数多の本のどこかに眠っているかもと、新たな本との出会いに思いを馳せた。答えのない謎、抱える罪悪感、赦し。短編を緩やかにつないで見事。しかし名作『こころ』を読んでないのは大反省…ラストの理解度が変わりそう。

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    2025年05月17日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ネタバレ

    歴代のねこもりさんにまつわるお話でした。
    それぞれの人のお話を読むとこの人とここで繋がっているのかぁとその時代ごとの登場人物がいて面白かったです。
    あってないような仕事でもねこもりは江の島に必要な役割なんだろうなぁ。

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    2025年04月05日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    文豪の名作がこうやって紹介されると俄然読みたくなる

    知らない本はまだこの世の中に沢山あって、もはやBGMも本の内容であって欲しいと思う始末

    本が沢山ある旅館
    なんて素敵なのでしょうか
    着いた途端にずっと読み漁り、そこから出てこないかもしれません
    その時の私にぴったりな本を選んでくれる、というのもぜひやってほしいけれど難しいかな

    次、文豪の名作は何を読もうか

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    2025年04月02日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    名物の海老澤文庫が揃う図書スペースがある戦前から続く老舗旅館。そして本好きなのに、本が読めない若女将。これだけでとても面白そう。

    中盤までは若女将が同じ匂いを持った本を泊まり客に勧め、それを読むことで新たな発見や気付きを得ていく流れで進んでいく。

    終盤にかけて本が読めない理由や、海老澤の謎に迫っていく構成は素晴らしかった。

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    2025年01月07日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    古書を収めた文庫を持つ海辺の老舗旅館・凧屋の“鼻が利く”な若女将が宿泊客に薦める小説。さりげなく、彼らが進んでゆくための後押しをする姿が素敵だった。一冊目と三冊目のお話が特に好きでした。自分には何が薦めて貰えるんだろう?と気になる

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    2024年11月30日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    ネタバレ

    続編があるとの事で読みましたが、さすが名取さんとゆうか終わり方がとっても上手。
    いつも通りペンギンが出てくるだけでなく、家(駅)に帰ってきていないことに驚き心配し、毎話出てくるパンクなお兄さんは誰なんだと考えながら読み進め、途中からもしかして?とは思いつつも最後はそうゆう事ねと納得しながら、そこ繋がるのかぁ、と思わされ、やっぱり上手いなぁと感心してしまいました。
    あと、金曜日の本屋さんが|´-`)チラッっと出てきて名取さんファンとしては嬉しかったです!

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    2024年11月23日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ペンギンの飼い方と値段を調べたことがある、くらいペンギンが好き。なのでペンギンが出てくるだけでやや満足。
    3章あたりまでは、ペンギンが出てくるし最後までなんとか読むかあ、という感じだったのだけど、4章でいろいろなことがキレイにまとまる。諦めなくてよかった。
    なくしもの係のある海狭間という駅、海芝浦という駅と似ている、というか同じ?ペンギンがいる駅も実際にあればいいのになあ。

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    2024年11月09日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    ペンギンの家出!?序盤から相変わらず登場してきていたので、気づきもしなかったー。
    蒼平の捜し物と、過去を覗き見させてもらい、今に繋がったのを読みながら、うまく繋げて巡ったなぁと思った。
    一作目の方が好みであったな。

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    2024年10月13日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    名取佐和子先生、初めて読ませていただきました。
    5つのエピソードにそれぞれ登場する文庫は「文豪先生達の本」ですが、本文はライトな雰囲気でとても読みやすかった。シリーズ化も有りですね。
    構成としては面白くて良くできてると思いますが、何故か物足りなさを感じてしまいました。

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    2024年10月11日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    昭和初期までの古書が自由に閲覧できる文庫が自慢の凧屋旅館。宿泊客と同じにおいのする本を若女将の円が薦めてくれる。本が読めない体質の円は客から本の話を聞きたいとお茶会を開く。円の薦める本がさまざまな事情を持った客たちに寄り添っていく。
    幼馴染カップルと3人旅行の青年、妻の快気祝いに来た老夫婦、夏休みの旅行に来た母子、4人の少年と卒塾旅行の引率をする大学生、再来した青年とその父親…。最後に明らかになる凧屋旅館と蔵書に関する大きな秘密。
    全体的にきれいな話だった。1冊目と5冊目に登場する葉介に好感を持った。3話目の母子にも通じるのだが、「普通」から外れるのはこわいし、生きづらい。でも「普通」は人それ

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    2024年10月10日
  • シェアハウスかざみどり

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     異国情緒溢れる関西きっての港町御門。町の急な坂を登った先にシェアハウスかざみどりはある。
     この3階建ての古い洋館に集ったのは、年代がバラバラの男女4人と無愛想な若い管理人の男。これまで決して順調とは言えない人生だった5人を、その過去から解き放つ連作群像劇。
              ◇
     南北を海と山で挟まれた関西きっての港町と言われる御門市。その中心街から北にミシン坂を登ったところが北屋丘町だ。
     坂道の先には人目を引く一軒の古い洋館がある。目を引く理由は、3階建ての赤い屋根に骨董品級の古い鋳物の風見鶏が取り付けられているからだ。

     今朝はその洋館3階にあるバルコニーに、ラジオ体操をしている

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    2024年08月31日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    大和北旅客鉄道波浜線の遺失物保管所、通称なくしもの係の物語の続編。今回も4話収録。
    母が再婚して同学年の義弟がいる女子高生がなくしたもの『きらきらデイジー』、小学6年生の男の子が妹ともに卒業遠足に出かける『僕の卒業遠足』、女医が入院中の女性の落とし物を探しに行く『UFOと幽霊』、前3話で登場するペンギンを探す男性サイドから描かれた『ワンダーマジック』。
    1巻を再読しようと思ったところ、続編が出ていることを知ってまとめ読み。今回もよかった。そしてペンギンは相変わらずかわいかった。

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    2024年08月14日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    大和北旅客鉄道波浜線の遺失物保管所、通称なくしもの係には赤髪の職員とペンギンがいる。なくしものを探しに来る人々の物語を4話収録。
    飼い猫を亡くした女性が落とし物をする『猫と運命』、男子高校生がオンラインゲーム仲間のために限定アイテムを手に入れようとする『ファンファーレが聞こえる』、マタニティマークを拾った主婦の物語『健やかなるときも、嘘をつくときも』、頑固な男性がペンギンを追いかける『スウィートメモリーズ』。
    再読。ペンギンが乗り降りする電車、素敵すぎる。基本的に遺失物保管所にやって来る人々なので物をなくしているのだけれど、目に見えないものも同時になくしている。どの人もなくしものを見つけて前を

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    2024年08月14日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    老舗旅館凧屋に訪れる人々の話。お客さんの悩みを嗅ぎ取り今のその人に合った本を渡す若女将、私もこの旅館に行きたくなる!各々が本に後押しされ前に進んでいくのを眩しく見つめる。本と共に若女将がそっと寄り添ってくれるのが良い。今の私の本はなんやろう。

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    2024年08月04日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    赤い髪でふにゃ〜っと笑うなくしもの係の優しい守保さんとペンギンの組み合わせがとてもかわいくほっこりするお話。
    4章からなる短編小説ですが、3章までの伏線が回収されとてもスッキリしました。

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    2024年07月24日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ペンギンのいるペンギン鉄道、イカつい門賀さん、無くし物係の守保さん。キャラの濃い、でも優しい人達でした。

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    2024年04月28日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    「ペンギン鉄道なくしもの係」の2冊目。

    前作と同様、駅や電車で忘れ物落し物をして、鉄道会社の遺失物保管所を訪れる人たちのお話。
    親の離婚届を代わりに出しに行く姉弟、学校の遠足に行かずに自分たちだけで水族館へ行く兄妹、重い病気と闘う女性と彼女を気に掛ける女医。それらの話すべてに気儘に出没するペンギンとモヒカン頭の男が絡む。
    いずれも少しうまくいっていない関係が探し物をしている内にわらわらと解きほぐされていく展開は、どうってことないけど結構泣かせる。
    最後の話でモヒカン男が主人公になり、ばらばらに見えたそれまでの話が繋がるところも前作同様だが、ここで明かされる秘密にもほっこり。

    前作で「ヘアバ

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    2024年04月09日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    飛行機の中で一気読みした。1羽のペンギンがいるとある路線と、そのなくしもの係の青年のお話。
    タイトルから勝手に、言葉を話すペンギンが駅員をしているのかと思ったけどそうではなく、ペンギンはただそこにいて、普通の動物として気ままに暮らしているだけ。自分で電車に乗って出かけられる器用さはあるものの、もちろん言葉は話せないし、そこらへんでトイレもしてしまう! でもその自然体さや人間との距離感が心地よくて、「ここに来れば大丈夫」という安心感を与えてくれる感じがする。なくしものを持ち帰るか預けたままにしておくかを選べるという点と、どうしてペンギンがいるのかが最後の章で明かされる点がよかった。

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    2025年07月10日
  • 江の島ねこもり食堂

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    代々繋がれてきた
    江の島の猫のお世話をする“ねこもりさん“の物語

    それぞれの時代にそれぞれの思いがあって、
    “つなぐ“という言葉の重さを感じました。
    自分たちがいま生きているのもこれまでつながれてきたからなのだと改めて思いました。
    もしだれかが欠けたら、出会わなければ
    もしかしたらここにいないかもしれない。
    そう思うと一つひとつの出会いを大切にしていきたいなと思いました。

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    2023年12月01日