名取佐和子のレビュー一覧
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ネタバレ1章から3章までは、普通の人が登場する。婚期を逃した女性、引きこもりに堕ちた高校生、嘘をそのままにした主婦。
全編に登場するのが、達観した若造とジェンツーペンギン。ペンギンはペンギンとして登場し、擬人化はされていない。
(題目から想像した内容とは、全然違う。。。)
4章で怒りに燃えた親父が登場する。行く先々で、1章から3章の人々が再登場し、衝撃的な事実が明らかにされる。
「4章はこの視点で進んでいたのか?」とびっくり。突き飛ばされた気がした。
全ての謎が解かれ、伏線が回収される。
この著者は、4章仕立てが得意のようだが、今回参りました。日付が変わる時刻を過ぎて読み終わったが、余熱が取れるまで、寝付けなかった。
続編のリターンズが楽しみ。既に買ってあるが、楽しみは先送りにしよう。。。 -
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帯に「宮沢賢治」の文字があった為、興味を惹かれ読みました。
タイトルも銀河鉄道の夜を思わせるし。
私自身が高校を卒業したのはもう、十年以上前になるため、気持ちとか共感できるかな?と不安になりながらも読み進めた結果、号泣。
私はコロナのせいで学生時代の色々な経験をつぶされたわけでもないし、18歳で成人になったわけでもない。
それぞれ登場人物の抱えたものは、私にはなかったけど(恵まれていると思う)きっと当たり前に抱えている人は沢山いるのだろうな、と今更ながら実感。
自分以外に鈍感になったり、自分を出せなかったり…。
高校生らしく恋愛模様もチラリ、見えたり。
(キョンヘもチカも失恋しちゃった…けど、相手の背中を押せるいい男じゃん!いつか素敵な人が現れるよ!と思ったりした笑)
多感な時期だからこそ抱えたトラウマを乗り越えるまだまだ小さく頼りない背中を押せる大人でありたいと思った。 -
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とても面白かったので、いっきに読んでしまった。
短編連作というには、個々の短編のつながりは浅い。第1話と最終話が密接という感じだろうか、途中で『この話は、終わりの形としては良いけど、なんか中途半端だな』というものも最終話で回収していく。分かりやすい伏線がきちんと回収されていくので何かと整合性に意識がむきがちな特性持ちの私には読んでいてストレスがなかった。
主人公は大変鼻の利く女性である。相手の感情なども読み取るという、どこかの鬼退治漫画の主人公のようである。もしかすると、そこから着想を得たのかもしれない。とはいえ、この物語の重要アイテムである文庫本、しかも古本というもののことを考えたら、『匂い』というのは最適なフックだと思う。
本といっても文庫本というのはある意味特殊だ。
最近では単行本で出版された本が、一年以内に文庫本として発売されることも珍しいものではなくなったが、昔はそうではなかった。『売れる』と確信のないものは文庫本にならなかった。それを考えると古典で文庫本となっているものは、過去も現在も手にとる者がいるという前提で発行されているものなのだろう。
話が前後するが、本を描写する方法には視覚による見た目、触覚による質感がある。五つの内のこのふたつは第三者にも分かりやすい。残り三つの味覚、聴覚は特殊な場合を除いては本の描写には使われない。(聴覚は異論がありそうだ。頁をめくる音は確かにある)最後のひとつ嗅覚である匂いは、明確にありながら第三者に伝聞するのが難しい。匂いによる体験はあまりにも個人的過ぎて、一般化が難しいからだ。その癖、本そのものの個性を描写するのに、匂いほど実感があるものもない。本棚にしまい込まれた埃のそれや、紙自体のそれ、印刷会社ごとに違う製本に使うインクや糊の匂いは、それがそれだと実感させる。(昔、匂いで何処の印刷会社の本か分かる知人がいた)その匂いをフックにして、本と登場人物を結びつけるというのは、なかなかに面白いアイデアだし実感に紐付いてリアルでもある。
また底本にある本のチョイスも良い。知っていそうで、実は全部を知らないような、そんな本を選出している。
旅館とという舞台設定からして普通ならばあり得ない、現代劇のファンタジーなのだが不思議なリアリティがあり、とても面白い本だった。 -
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クロテッドクリームとジャムがはさまれた装画に…
キュ(о゚д゚о)ン♡となり…
『やるせない』ってタイトルに惹かれて買ったんだけれども…
『やるせない』ってことがイマイチ私には分からなくて…どういう感情??となり、読むのに時間を要しました
(;´∀`)
『やるせない』を調べてみると…
「心が晴れない」
「どうしようもない」
とありましたが、どーも納得できず(笑)
結局は、言葉にできない感情。日本語の奥深さと落ち着かせました(笑)
読解力を高めなくては!!
『やるせない』を説明してくれる方、求ム✨
どの作品も素敵なんだけども、島本理生さんと織守きょうやさんの世界観はやっぱり好き♡
オススメ!! -
Posted by ブクログ
棚差しで目が合って借りた本
タイトルから期待大やったけど、それ以上に揺さぶられた。めちゃくちゃ面白かった
こうしてみたら昭和初期ってすごい時代やね
本を読む理由は、つくり話の中に本当を探す、て、いう作中の台詞にも、はっとした
たぶんそう
それ
本読みはみんなそうなんじゃないかな
それをズバンと言語化されたから、びっくりしたやら心臓をつかまれたやら
においがするから本が読めない、と、いうのも、最初は
またこれすごい設定やな…
と、思ったけど、いやいやいやいや
わたしらも、無自覚ににおいを感じてるのかも
そして自分と同じにおいの本を無意識で探しているのかも
ほんで、本のほうも、同じにおいがするわたしらのところへ来てくれるのかも
素晴らしい本を読むと
本を読む人でよかった
て、思うけど、今回はそれを踏まえてさらに
もっと読めるようになりたいな
と、思った
それこそ昭和初期の文豪作品は読解力が追いつかなくて全然読めないから…
そして、本を読むための旅をしたいなと思った
めちゃくちゃ贅沢よね、それ -
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「図書室のはこぶね」のたぶん続編。舞台が一緒で先生も一緒だけど、学年は大層違いそう。
イーハトー部の勧誘をする高田千樫と石館恭平。一年生は増子耶寿子が入部する。
文化祭のビブリオバトルではイートハー部では高田が「銀河鉄道の夜」を発表することになった。去年同じ部から風見さんが優勝しているので、ハードルが高い。高田は舞台の上で過換気発作を起こして逃げ出す。ファミレスに飛び込んだら3年生の真琴さんがいた。
マスヤスは軽音部に駆り出され、恭平は受験のため活動に出てこなくなった。本の補修の手伝いをして、宮沢賢治の詩を読む。
恭平の弟が死んだ。弟の棺に風の又三郎を入れたいから買ってきてと頼まれるが、本屋さんに行ってもない。本屋さん自体がない。隣駅なども探すがなかった。マスヤスにばったり会い、一緒に探してもらって手に入れた。一緒にお葬式にいく。
学校で合宿をする。花火もする。
修学旅行が岩手。宮沢賢治の故郷だ。宮沢賢治記念館に行く。風見さんの不登校の理由がわかるか。学年20位に入ったら風見さんは会ってくれるという。19位に入れた。風見さんは自分が思っているほど良い人でなかったことがショックだったと言った。 -
Posted by ブクログ
お久し振りにこの作者さん。
「金曜日の本屋さん」シリーズで色々な本を絡めたお話を楽しんでおり、今回はタイトルに「図書室」とあるのでどんな話になるのか楽しみにしていたが、なかなかいい話だった。
校内が体育祭を控え沸き立つ中、怪我のためメインイベントのダンスに参加できなくなり、友人に代わって図書当番を引き受けた百瀬。
そこで10年前に貸し出されたままだった1冊の本「飛ぶ教室」を偶然見つけ、それに挟まっていたメモの謎を解こうと、一緒に当番をする図書委員の朔太郎を巻き込んで…というところから始まるお話。
そこに、それぞれの事情で図書室に逃げ込んできた美樹や生徒会長の翠子が抱える悩みの解決など色んなことが重なっていくが、手際よく捌かれていく話に引き込まれる。
謎解きにのめり込まずに逡巡しながらも誰かのためになると信じて行動する百瀬や朔太郎の人柄の良さに気持ちよく読むことができ、二人に限らず敵役も含んで登場人物の誰もがひとつの芯を持っているところも、また周りの大人たちの見守り方もいい感じ。
話が進むにつれ序盤に描かれた様々なことが繋がっていくが、高校の伝統行事のあり方を巡って現在と過去がリンクしていく展開に加え、思いがけなくもLGBTやいじめの問題までが絡んでくる筋書きがお見事。
再三『みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある』という言葉が登場するが、サラリとそれぞれの人にとっての“正義”とか“自由”ということにも考えさせられる語り口がまた良い。
登場してくる本のどれもに気を惹かれ、巻末のリストが嬉しいが、とりわけ「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」という歌集は興味深く、「火星の話」も読んでみたいと思った。
「飛ぶ教室」はBOOKOFFに在庫があったので早速注文した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレラストシーン、ビブリオトークでの
"ほんたうにいいこと”をしたいと思っている。
だけど、みんな間違うんだ。残念ながら、絶対に。それは、自分にとっての善きことが、他人にとっての善きこととは限らないから
というところがズーンときた。
チカと風見さん、キョンへとチカ、マスヤスと風見さん、チカと美濃部先輩、風見さんと美濃部先輩…
それぞれの関わりが、絡まりあって物語をおもしろくさせる。
単体で読んでもおもしろいけれど、「図書室のはこぶね」を先に読んでいたからこそのおもしろさがあり、野亜高校図書室を舞台にした、他の三時代(伊吹さん、郡司先生たち、図書室のはこぶねの主人公たちがそれぞれ高校生だった時代)も垣間見える。
「図書室のはこぶね」もそうだったけれど、「銀河の図書室」も、高校演劇で語ってほしいセリフや名場面が散りばめられている。
作中のビブリオバトルで登場する本など、実在する本たちを読みたくなる物語でもあった。