名取佐和子のレビュー一覧

  • 文庫旅館で待つ本は
    創業90年を超えた凧屋旅館。そこには文庫コーナーがあり、昭和初期くらいまでの古書が揃っている。1冊目から4冊目までは、凧屋旅館を訪れた客に、若女将の円が同じ匂いのする本をその人が今必要としている本を勧めていきます。最後の5冊目では、海老沢文庫がなぜこの旅館にくることになったのかの答え話です。
    現実で...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    いやあ、なかなかに面白かった。土曜のダンス、土ダンや図書室を中心に描く学生たちのハートフルストーリー。なかなか深いテーマもあり、登場人物も個性が際立っていていい。人におすすめしたい一冊。
  • 文庫旅館で待つ本は
    本が読めないという若女将とたくさんの文豪の本を所蔵している旅館での話。ほっこりした話かと思いきや、途中ミステリーにもなってきた。人と人との想いと重ねた罪は繋がり、赦されていく。
  • ペンギン鉄道 なくしもの係
    大号泣した
    ほのぼのしてて、それぞれのお話の主人公と、駅員さんのキャラクターが大好き!
    久しぶりに大好きな本に出会えて良かった〜
  • 文庫旅館で待つ本は
    名取佐和子の文庫旅館で待つ本はを読みました。
    若女将の円が居る凧屋旅館には、文庫が置いてあるレトロな部屋があり、訪れるお客さんに若女将がお勧めの本を伝えます。
    5話構成です
    次が読みたくなる本です。
    一冊目は川端康成のむすめごころ。
    二冊目は横光利一の春は馬車になってです。
    三冊目は志賀直哉の小僧の...続きを読む
  • 文庫旅館で待つ本は
    この旅館の若女将は本の放つにおいに悩まされ読むことができないという特異体質の持ち主。
    どんな本なのかも知らないのに旅館を訪れた悩めるお客に最適な本を選びそしてその本の感想を語らせることで気付きを与える。

    不思議な力を持つ若女将の振る舞いや接客が品良く変にキャラ立ちしていないのが好印象だった。
    どの...続きを読む
  • 文庫旅館で待つ本は
    めちゃくちゃ面白い小説でした!
    古書を収めた文庫を併設する老舗旅館の若女将である円が、訪れるお客様に同じにおいを纏った文豪たちの小説をおすすめするという物語で、章ごとに1冊の小説が1人のお客様に読まれ、そのお客様の抱えている悩みや問題が晴れ、前に進んで行く・・・
    という、よくあるほっこり系のいいお話...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    泣き崩れた…

    物語のきっかけは、体育会系で本に興味が無い臨時図書委員になった主人公が所在不明な本と暗号のメモを発見するのが発端。
    そこから学校の伝統やら10年前の過去やら初代生徒会長やらいくつもの要素が絡み合って来る。

    好き、本当に好き。この文章力、物語の構成のセンスから、私の脳内では容易に映像...続きを読む
  • 文庫旅館で待つ本は
    戦前から続く老舗旅館・凧屋の名物は、様々な古書が揃った文庫があること。
    そこの若女将は、本のにおいに敏感すぎて、ただの一冊も読み通せたことがことがないが、客には同じにおいのする書物を勧める。
    大抵の客はその書物を読むことで、抱えていた思いの出口を見つけ、喜んでくれる。

    不思議な感覚でもあるが、今の...続きを読む
  • ひねもすなむなむ
    余命幾許かの住職・恵快の後継として岩手に来た若手僧侶・仁心を中心に話が進みますが、一回読んだ後もう一度振り返るとまた違った感想になるなと思いました。
    後悔があったり、人を許せなかったり、誰もがあることをそれでも大丈夫って思わせてくれる物語でした。
    あとご飯が美味しそうでした。生きること死ぬことが書か...続きを読む
  • ひねもすなむなむ
    書店の文庫コーナーで購入。令和3年10月の初版発行と書いてあり、増刷されてないのかよ?!とびっくり。こんなに良い本が世に埋もれてるのだとしたら勿体無い。

    おそらく「東日本大震災」「住職」「檀家」などのキーワードが重いからだと思うけど、それらに馴染みがなかったり、何もできていない自分に後ろめたい罪悪...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    図書室で発見された10年前の紛失本をめぐる青春群像。しかし、主題は、LGBTなどを含め価値感多様化の中で排除されるものの存在。言い換えると、ノアの箱舟に選ばれたものと、見捨てられたものの存在。見捨てることなく誰でも受け入れられる新しいはこぶね(P276)。高校生向け青春小説としてしまうには惜しいテー...続きを読む
  • シェアハウスかざみどり
    『シェアハウスかざみどり』
    名取佐和子/幻冬舎文庫
    .
    クリスマスまでの期間限定でシェアハウスに集められた年齢性別バラバラの住人。管理人は若く見える吸血鬼風の男性で…
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    一人一人のドラマが伏線で最後に大きな話になる好きなパターンのお話だった。愛想がないように見えつつも実は仲間想いな管理人さんいい人...続きを読む
  • ひねもすなむなむ
    タイトルから、もっとほのぼのした話かと思っていたけれど、命や人や人生に向き合うことの難しさとか、大切さとか、いろいろと考えさせられたり、感じさせられることの多い話だった。⁡

    お寺が舞台の話だけに、仏教の教えが折りに触れ出てくる。難しく教えを説いている訳ではなく、仁心という一人の若者の人生のとある...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    怪我のため部活を引退した主人公が、ヘルプで入った図書委員での1週間の物語。
    所在が不明な文庫本に挟まっていたメモの謎をどう解き明かしていくのか。
    伝統の体育祭の全校ダンスは、皆んなが参加できるものに変えていくのはできるのだろうか。
    そして、主人公の不器用な恋はどうなっていくのか。
    謎解き要素が詰まっ...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    友人から一週間限定で図書委員の代打になった花音。
    一冊の本と、その本に挟まった手紙に出会い、新しい世界が広がっていく。
    ひとつのことを始めようとすると、いろんな考えの人がいる。そして前例とか多数決で意見はまとめられがちだ。そして少数派というか、反対派は肩身が狭く我慢を強いられる、私はそういう時代を生...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    最後の一文が、とにかく好きです。ものすごく。

    この本を手にとる人は、少なからず本や図書室が好きなのではないかと思いますが、私は完全にそんな一人です。
    受験生の頃、毎日高校の図書室で勉強していました。
    叶うならば、好きな人や自分を見てくれる人がそこにいないかと思いましたが、そんな事はありませんでした...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    10年ぶりに帰ってきた「飛ぶ教室」から始まった謎解きが、学校の伝統行事を揺るがすことに…

    「みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある」

    学校生活は何かと"みんな一緒"が定番だ
     "みんな一緒"がキラキラしたものとは思えない人もいるんだけどね

    一緒⁉︎
    うん、そうだね、一緒...続きを読む
  • 図書室のはこぶね
    みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある。
    多数派になれない者の想い。それぞれが大切にしたいこと。本に挟まれたメモから10年前の出来事が浮かび上がる。
    苦くも爽やかな青春の物語に、学生時代の想いが重なり心がざわつく。
  • ひねもすなむなむ
    人を赦すこと。それが難しく、ささくれ立っていた主人公が、様々な人と出会ってその心をほぐされていく…今を見つめる事、変化を受け入れる事の尊さが、じんわりと心に染み渡るようでした。優しくてあったかいお話に、自分の心もほぐれました。