名取佐和子のレビュー一覧

  • ひねもすなむなむ

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    暖かい高知県の大きな寺から、岩手の小さな寺の募集広告を見てやってきたのは、仁心(にしん)。
    そこは30代後半ほどのすらっとしたお坊さんがたった一人いる寺だった。
    檀家総代の桜葉という高齢の元気で押しが強い男が待っていた。

    ここで、知らせたのは恵快という名前の住職が余命1年ということだった。
    引き継ぐために募集したようだった。

    乳児院から孤児院育ちの仁心(にしん)は、居場所が欲しかったというだけで僧侶になった。それが故に常にコンプレックスがあった。
    高知の寺は有名な大きな寺で、僧侶の人数も多い。
    人付き合いが苦手な主人公はそこから逃れるように岩手の小さな寺へ、いわば逃げてきたのだった。

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    2021年12月08日
  • シェアハウスかざみどり

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    お試しキャンペーンでシェアハウスに集まる4人と管理人の物語。シェアハウスにしては年齢層が高め。無愛想なのに大事なところで住人の助けになってくれる若い管理人。最後にいろいろ明らかになるが、それがなくても十分楽しめる良い作品だった。自分の言動が他人に影響与えるって覚えておこう。

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    2021年11月07日
  • 逃がし屋トナカイ

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    ポップな表紙絵とタイトルの割に、
    内容はおもくそハードボイルドだった(^ ^;

    少年時代の暗い過去を引きずる弱小運送屋の社長と、
    一緒に住み込みで働く「相棒」の若者、それに
    主人公の幼なじみである熱血弁護士の女性の三人が、
    自らの正義感に従って様々な苦労を背負い込んでいく、
    というのが大まかな流れ。

    様々な「ひどい目に遭ってる人」が出てきて、
    主人公たちはそれぞれの悩みに寄り添い、
    救いの手を差し伸べていく。

    連作短編集だが、全体で一つの大きなストーリーがある。
    現代社会の闇の部分、逆らえない巨悪に翻弄されつつ、
    窮鼠は猫に噛みつき、蟻の一穴をこじ開けていく。

    アメリカンコミックのヒー

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    2021年07月06日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ネタバレ

    江ノ島にある、100年続く食堂の過去と未来が描かれる。
    それぞれの時代を生きた、すみゑ、筆、容子、現代の麻布まで。
    ねこもりという、江ノ島に暮らす猫の世話をすることが、食堂の女性に課せられた役割だった。「半分亭」という店は、最初茶店だったのが、名物ツブ貝を使った丼「江ノ島丼」を生み出し、宿泊もできるように発展してゆく。
    そこへ夜逃げしなければならない事情が生まれるのだが、それも理由があった。

    「半分亭は、猫とお客さんに助けられてつづいてきた店」

    と代々受け継がれてきた。そこにはある猫が必ず現れている。
    最後に気になっていたことがぜんぶ明かされて、気持ちの良い終わり方。続編をあれこれ想像して

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    2021年03月29日
  • 江の島ねこもり食堂

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    江の島で代々、島の猫たちのお世話をしている女性たちの100年に渡るお話。
    「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは、先祖代々猫のお世話をしているが、猫たちの方からもきちんと認められていて、ある時は島中の猫たちに見送られ、ある時は島中の猫たちに出迎えられる。そんな先祖代々の女の血筋‥‥「魔女の宅急便」や「コーヒーが冷めないうちに」を思い出しました。中には、ねこもりなんてやってられない!江の島を出たい!というのもいたりして、これは「あまちゃん」を思い出しましたね笑。
    大正から平成まで四世代の女性たちの生き様、とても胸を打たれました。個人的には「あまちゃん」タイプの溶子の章では泣かされました。「言ってく

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    2020年09月30日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    今回も最終章でボロボロ泣きました。
    電車で読まなくてよかった。

    前回に引き続き、読み終わった後に気持ちがホッコリ。
    今回も、それぞれ別のストーリーに見えて、みんな繋がってるのがよかったです。

    前のシリーズ読み直してから、リターンズを読んだので、感動もひとしおでした。

    また、続編出たらいいのにな。

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    2019年10月12日
  • 江の島ねこもり食堂

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    一度は行きたい江の島!戦前から続く食堂兼民宿の「半分亭」の女性は島の猫を見守る役目を担っている。その「半分亭」と、「半分亭」と「ねこもり」を引き継ぐ戦前、戦後、現代にわたる四世代の女性の話。猫たちもほんの少し手助け。序章で訪れる一家の悲劇。大事に続けてきた「半分亭」がなぜそんな事に…?の答えが戦前からの「半分亭」の家族達の生き方や、時を越えて絡み合う不思議な人と人の縁から導き出される。筆さんの章が1番好き。とても印象に残る作品。

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    2019年04月22日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係 リターンズ

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    ネタバレ

    いろいろな形の「きょうだい」が出てきます。

    確かに、年の近い「きょうだい」とは、親子とは違う不思議な距離感がある。
    あねとおとうと、あにといもうと、あねといもうと、そして…
    この作品に出てくる、素敵なきょうだいたちは、みんな本物のきょうだいだと思います。

    そして、そんな「きょうだい」たちの間に神出鬼没のモヒカン君が異彩を放っているわけですが、彼にも彼の物語があり…


    窓から海を見ながら、電車に揺られて行きたくなります。
    寒いホームで、ベンチに座ってレッグウォーマーに首を埋めながら、一日に何本もない電車を待っていたくなります。
    大切ななくし物を待ちながら…
    ん?
    まず、何を失くしたのか考え

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    2019年01月21日
  • シェアハウスかざみどり

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    とても良かった。
    神戸の街を舞台なのも(名称は変えてるけど)好きだし、物語がとても優しく柔らかいのがなんとも言えない。
    読んでいて「あー本好きだなぁ」と何度思ったか。
    麻矢の話が1番好きだった。

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    2018年04月27日
  • 江の島ねこもり食堂

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    タイトルで選んだ初めての作家さん。
    江の島で長年営業してきた半分亭。その女主人の親子3代にまつわるお話。それぞれの主人公の若い時の話を中心に人と人のつながりが描かれています。猫との関係性も面白い。
    最初はどうなる事かと思いましたが、章立てを見ていたので安心して読み進めることが出来ました。
    個人的に江の島関連の本が続きましたし、母娘の三代葛藤話が続きました。
    こういう時代を超えてつながる話好きです。
    最後はうるっときちゃいます。お勧め。

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    2017年06月01日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ネタバレ

    ほっこりかと思いきや最後まさかのお涙頂戴。
    ちょい人生に難ありの登場人物達が程よく繋がって、その後がわかるのもいい。
    ペンギンかわいい。

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    2026年04月02日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    短編はそれぞれの著者の作風が顕著に現れていて、ぐるぐる変わる世界観に飲み込まれながら、様々なおやつの複雑で繊細な魅力を味わい尽くすことができる。

    春とマーマレード
     一番好きな雰囲気だった。母の作ったマーマレードの味を、味覚や記憶を辿りながら追い求めていくなかで、徐々に明らかになっていく真実。

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    2026年04月01日
  • 図書室のはこぶね

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    学園物語的なものは自分にはどうかなと思ったけど、大人が読んでも楽しかったです。むしろ大人に読んで欲しい。

    今、学校現場も学校行事も変わりつつあって、良いように変わることもあれば、簡略化や、多数の人を配慮するあまりに楽しみがなくなっているものもある。
    そんな学校行事についても考えさせられたかな。

    しかもそこに図書室が、良いつながりの場になっている。よかったです。

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    2026年03月31日
  • 銀河の図書室

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    高校生たちのピュアな心と
    相手を思うばかりに、ちょっとした言動やしぐさで
    心が不安定になる様子が細かく書かれていた。
    出でくる先生方がとってもいい人。

    後半にかけて、物語がどんどん進んでいく。

    自分の正義を信じ、良いことだと思って
    行ったことが結果的な相手をつらい状況へ追い込んでしまう。そんな経験をしたら、自分の信念や生活も何もかも受容できなくなる。

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    2026年03月26日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    爽やかな読後感。
    ラストの1篇に出てくる、いちご水のおかげかも。

    織守きょうや 「ファースト・アンド・オンリー」
    友井羊 「春とマーマレード」

    どちらもミステリー畑の方だからかな、ラストシーンでニマニマさせてきたり、伏線回収してきたり、物語として好きな感じ。


    名取佐和子 「ドーナツ息子」

    ラストシーンで涙が出た。
    自分も同じような場面で、母を前に涙を堪えたことを思い出した。

    改めて自分が、物語の題材だとしてもアイドルや不倫が好きじゃないことがよくわかった。

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    2026年03月15日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    ネタバレ

    昼下がりのご褒美と、それにまつわる思い出。
    同じ食べ物にも、そこには一人ひとり違う、誰かにとっての大切な記憶がある。
    中でも、「春とマーマレード」がとても好きだ。日々の生活の中で、「食」を通じたひととひとのつながりを、丁寧に繊細に描く友井羊さんの作品は、食や人に対する愛に溢れていて、いつ読んでも心が安らぐ。
    どの短編も、あたたかく、素敵なお話だった。

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    2026年03月10日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    泣いちゃった。お母さんに会いたくなった。お母さんと一緒にご飯が食べたくなった。私にとってはお母さんだったけど、心に浮かぶ大切な人はそれぞれなのだと思う。
    食とは人の生活に欠かせないものであるがゆえ、「習慣」として認識してしまいがちだが、この本を読むと食が人とのコミュニケーションであったり、経験、栄養、思い出、愛情になると気づかせてくれる。全部が本当に素敵なお話だった。

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    2026年03月09日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    2023年出版。247ページ。幾分ファンタジックな設定だな...と思いつつ、味わい深く読み進んでいたら、最後の最後で超重くドス黒い締めが来た。血、子孫・血縁、跡継ぎ...個人的には特段には縁のない認識だけど。読後感は爽快とは決して言えないが、読めて良かったと感じた。

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    2026年03月04日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ファンタジーのようなファンタジーでないような、やっぱりファンタジーなのかな。

    こんなペンギン見てみたい。

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    2026年02月28日
  • 図書室のはこぶね

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    青春ミステリーということで、中高生向けなのだろうか、平易な文章で色々な要素を詰め込んだ小説。
    10年前に貸し出された図書。突然、発見された図書に挟み込まれた謎の文章。この高校で絶対的に全員実施される土曜日のダンス(土ダン)。この「土ダンをぶっつぶせ」という不穏な内容。誰が何の目的で、ということで高校生男女2人の調査が始まる。ガードされたデータに非合法にアクセスしたり、次々と事実が明らかになる。土ダンは、1週間以内に開催されるので、展開が早い。土ダンを絶対視する体育会系と変革を求める一部の生徒達。これに生徒同士の淡い恋が挟み込まれる。結末はそっちか、と意外なものだったが、色々楽しめた。

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    2026年02月24日