名取佐和子のレビュー一覧
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タイトルから、もっとほのぼのした話かと思っていたけれど、命や人や人生に向き合うことの難しさとか、大切さとか、いろいろと考えさせられたり、感じさせられることの多い話だった。
お寺が舞台の話だけに、仏教の教えが折りに触れ出てくる。難しく教えを説いている訳ではなく、仁心という一人の若者の人生のとある期間に寄り添っている話なので、宗教や仏教に造詣が深い人でなくても、胸を打たれるような言葉も多いのではないかと思う。
仁心の心の中には鬱屈したものがあって、それが仁心が僧侶であることに自信をもてない理由でもあるんだけど、それ故に、仁心の言動に理解し難いところもあるのだけれど…。徐々に変わっていき居場所をみつけていく様に、あぁ、僧侶も一つの職業であって、人間なのだと、当たり前のことに気づかされる。
小説そのものの感想からはちょっと逸れるけれど…
舞台となるお寺は、岩手県にあるという設定で、東日本大震災も物語のキーになっている。
未だ見聞きするのも辛いという人もいるたろうけれど、次の世代にどのように伝えていくことができるのか。
時間が経つにつれ、マスメディアで報じられる機会が少なくなっていくことは避けられないのだろうけれど、こういう形で残し、伝えていくという方法もあるかと。
リアルタイムに知らない人に、震災の記憶を繋いでいくという意味でも、ぜひ読んでもらいたい一冊。 -
Posted by ブクログ
暖かい高知県の大きな寺から、岩手の小さな寺の募集広告を見てやってきたのは、仁心(にしん)。
そこは30代後半ほどのすらっとしたお坊さんがたった一人いる寺だった。
檀家総代の桜葉という高齢の元気で押しが強い男が待っていた。
ここで、知らせたのは恵快という名前の住職が余命1年ということだった。
引き継ぐために募集したようだった。
乳児院から孤児院育ちの仁心(にしん)は、居場所が欲しかったというだけで僧侶になった。それが故に常にコンプレックスがあった。
高知の寺は有名な大きな寺で、僧侶の人数も多い。
人付き合いが苦手な主人公はそこから逃れるように岩手の小さな寺へ、いわば逃げてきたのだった。
だが、檀家の人々と知り合ううちに、日々の生活を先輩の僧侶と会話が増えるたびに、だんだん変わってゆく。
軽い感じで読めると思っていたが、ページが進むうちにこれは生きること。人生その物だと感じ始める。
読むうちに癒され、暖かいぬくもりを登場人物を通して感じるだろう。 -
Posted by ブクログ
ポップな表紙絵とタイトルの割に、
内容はおもくそハードボイルドだった(^ ^;
少年時代の暗い過去を引きずる弱小運送屋の社長と、
一緒に住み込みで働く「相棒」の若者、それに
主人公の幼なじみである熱血弁護士の女性の三人が、
自らの正義感に従って様々な苦労を背負い込んでいく、
というのが大まかな流れ。
様々な「ひどい目に遭ってる人」が出てきて、
主人公たちはそれぞれの悩みに寄り添い、
救いの手を差し伸べていく。
連作短編集だが、全体で一つの大きなストーリーがある。
現代社会の闇の部分、逆らえない巨悪に翻弄されつつ、
窮鼠は猫に噛みつき、蟻の一穴をこじ開けていく。
アメリカンコミックのヒーローとは違い、
あくまで一般人の主人公たちは、暴力にはからきし弱い。
「巨悪」との圧倒的な力の差にズタボロにされながら、
それでも最後の最後まで諦めずに信念を貫く。
それには、主人公の少年時代の暗い過去が絡んでいる。
ちょっとオカルト要素と言って言えなくは無いが、
鼻白むほどではなく、十分納得できる範囲内。
一応はハッピーエンドを迎えるが、
「巨悪」のアタマをつぶせた訳では無し、
トナカイが「逃がした」人々の「その後」も気になるし、
読後も長く余韻が残る感じの一冊。
全く予備知識なしに手に取った一冊だが、
大当たりでした(^ ^ -
Posted by ブクログ
ネタバレ江ノ島にある、100年続く食堂の過去と未来が描かれる。
それぞれの時代を生きた、すみゑ、筆、容子、現代の麻布まで。
ねこもりという、江ノ島に暮らす猫の世話をすることが、食堂の女性に課せられた役割だった。「半分亭」という店は、最初茶店だったのが、名物ツブ貝を使った丼「江ノ島丼」を生み出し、宿泊もできるように発展してゆく。
そこへ夜逃げしなければならない事情が生まれるのだが、それも理由があった。
「半分亭は、猫とお客さんに助けられてつづいてきた店」
と代々受け継がれてきた。そこにはある猫が必ず現れている。
最後に気になっていたことがぜんぶ明かされて、気持ちの良い終わり方。続編をあれこれ想像してしまう。永遠に続いてほしいお店の話。 -
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江の島で代々、島の猫たちのお世話をしている女性たちの100年に渡るお話。
「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは、先祖代々猫のお世話をしているが、猫たちの方からもきちんと認められていて、ある時は島中の猫たちに見送られ、ある時は島中の猫たちに出迎えられる。そんな先祖代々の女の血筋‥‥「魔女の宅急便」や「コーヒーが冷めないうちに」を思い出しました。中には、ねこもりなんてやってられない!江の島を出たい!というのもいたりして、これは「あまちゃん」を思い出しましたね笑。
大正から平成まで四世代の女性たちの生き様、とても胸を打たれました。個人的には「あまちゃん」タイプの溶子の章では泣かされました。「言ってくれなきゃ、わかるわけないべ」「家族とは難しいもんだな」‥‥あ〜!泣いた!
全編通して、潮の香りを感じました。子どもたちとよく江ノ電には乗りに行ったけど、江の島までは足を伸ばしてなかった。江の島に行ってみたくなりました。 -
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ネタバレいろいろな形の「きょうだい」が出てきます。
確かに、年の近い「きょうだい」とは、親子とは違う不思議な距離感がある。
あねとおとうと、あにといもうと、あねといもうと、そして…
この作品に出てくる、素敵なきょうだいたちは、みんな本物のきょうだいだと思います。
そして、そんな「きょうだい」たちの間に神出鬼没のモヒカン君が異彩を放っているわけですが、彼にも彼の物語があり…
窓から海を見ながら、電車に揺られて行きたくなります。
寒いホームで、ベンチに座ってレッグウォーマーに首を埋めながら、一日に何本もない電車を待っていたくなります。
大切ななくし物を待ちながら…
ん?
まず、何を失くしたのか考えなくては…
第一章 きらきらデイジー
戸籍とは関係なしに
第二章 僕の卒業遠足
クラスの王様にイジられ続ける兄と、男勝りの妹
第三章 UFOと幽霊
確かにあると思うけれど、自分の手には入らないと諦めることと…
今度こそ妹を救いたい気持ち
第四章 ワンダーマジック
モヒカンくん神出鬼没の謎が今!!
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あの本屋さんらしき話題がチラッと!