名取佐和子のレビュー一覧

  • 江の島ねこもり食堂

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    ネタバレ

    優しくて強くて、心に残る物語でした。

    4世代に渡って描かれる江の島の食堂のお話。
    いきなり夜逃げシーンも描かれていて表紙から想像していたイメージを覆されました。
    主人公となるのはそれぞれその時代のねこもりたちですが、物語に寄り添うように猫たちが出てきます。
    夜逃げのシーン、ずらりと並んだ猫たち。また最初の方だったけれど、何だか涙が出てきました。

    最初から最後まで。
    一本につながるねこもりの歴史。
    じーんと心があたたくなります。

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    2018年10月24日
  • 逃がし屋トナカイ

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    逃げるというのはとても重い決断。比較的軽いノリで物語は展開するのものの、かなりヘビーなところに物語は収束していく。
    閉塞感が漂う町で、色々な人たちが複雑に絡み合っていく感じは、なかなかに読み応えがありました。

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    2018年06月19日
  • 江の島ねこもり食堂

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    装丁の店を確かめに江の島に行きたくなった。近くにいるのに行くことはほとんどない。たまには行ってみようかな。すみゑから麻布へと脈々と続くねこもりという血。ねこもりという役目はないけど、オイラも親父とお袋からこれでもかっていうほど良くも悪くも血を引き継いでいる。若いときはあんなふうになりたくないと思っていたけど、今となってはしっかり似ていると思うし、昔ほどの嫌悪感はない。なんでだろう?溶子が庄二郎を許し認めるのはちょっとわかるような気がする。「半分亭は猫とお客さんに助けられてつづいてきた店だ」を世代を越えて守る佐宗一家のひとりであることを誇らしく思えるようになったからこそだと思う。今日は母の日。お袋に電話をして、人一倍元気な身体に産んでくれたことを感謝した。喧嘩もするけど家族っていいよね、ってあらためて感じさせてくれる温かい物語だった。

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    2018年05月13日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ちょっとしたグルメ小説なのかなと思って読み始めました。ところが出だしからなかなかハードな展開。そして話は約100年前に遡り…。江の島にある半分亭という食堂を代々営む女性達のお話です。
    江の島には何度か行った事があるので、風景を思い出しながら読みました。半分亭はここら辺にあるのかな?と想像しながら。
    強くて優しい話にとても感動しました。

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    2018年05月12日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ねこもりって何だろう。
    江の島とねこもりのタイトルに魅かれて読んでみた。

    江の島に住む半食堂半民宿を営む女性たちの物語。
    代々江の島の野良猫たちの世話をする役目を
    受け継いでいる女性たちである。
    「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは毎日猫の世話をしている。
    お返しに猫に不幸がこないように守られるような生活である。

    物語は2002年、高校生の麻布がねこもりのとき、
    大負債を背覆って江の島から一家が夜逃げする話から始まる。
    次の章は1915年、すみゑがねこもりのとき、
    島で知り合った少女からある預かり物をし、
    きっと取りに戻ってくるからという約束をかわす。
    1963年、ねこもりは筆。
    1988年、ねこもりは麻布の母である容子と、
    麻布の曾祖母の代からの話しが現代へと続いている。
    2017年、麻布たちは島から夜逃げして松島に移り住んでいた。
    麻布は預かり物を手にして再び江の島を訪れてみる。
    そこで、半世紀以上たっての奇跡的な再会を果たすことになった。

    ねこもりの女性たちの運命が変わろうとするとき、
    きまって関わってくる、島の猫がいる。
    背中に太い5本のトラシマ模様をつけた茶トラの猫。
    ねこもりの代が変わるように
    縁の深い5本のトラシマ模様の茶トラ猫も
    代々変わっているようだが、
    その縁は受け継がれているようである。

    野良猫だが、
    ねこもり一家を陰で見守る不思議なトラ猫。
    江の島への故郷愛とともにねこたちへの愛情も十分に感じられた。
    果たして江の島に「ねこもりさん」は本当にいるのだろうか。
    それ以前に江の島は本当に猫の島なんだろうか。
    作品内容も面白かったが、
    そういう疑問の方が印象深い作品だった。

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    2017年11月09日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ネタバレ

    いきなりお店を放棄して夜逃げになったときにはどうなることかと思った。
    何か、ファンタジーなどんでん返しがあるとか、いきなり救世主が現れて救ってくれるとか…
    冒頭からそんな事は起きませんでした。

    江ノ島の「山二つ」にある、「半分亭」は、横に並んで三つの入り口があり、一番左が民宿、真ん中が食堂、右は家族の母屋の入り口で、この部分だけが二階建て。
    突然、何もかも捨てて去らなくてはならなくなった、佐宗麻布(まゆ)一七歳。

    半分亭は『猫とお客さんに助けられてつづいてきた店』
    佐宗家にはなぜか女しか生まれず、その女たちは、代々「ねこもり」を引き継いできた。
    ユエ、すみゑ、筆、溶子、麻布と続いてきた、女性たちと、彼女たちと江の島との様々な思いと歴史が語られる。
    懐かしい昔と、決して平たんではない彼女たちの道でしたが、それぞれの青春があったのだな、と。
    麻布も…もしかしたら麻布が一番苦労をしたかもしれない。
    甘いだけでない、でも希望の持てる結びで良かったです。

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    2017年04月22日
  • 江の島ねこもり食堂

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    ネタバレ

    江ノ島に店を構える半分亭。
    その家の女子には、代々ねこもりという役割があってー
    100年、世代を超えて繋がる人と人とのドラマ、愛情がじんわりと心に沁みました。
    名取さんの、人を見つめるあたたかな眼差しは健在。読後は爽やかで優しい気持ちになれます。
    要所要所で顔を出す猫たちも、神秘的で憎めなくて、印象的でした。
    こんな風に、人や猫と繋がれたらいいなぁ

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    2017年04月16日
  • 銀河の図書室

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    主人公の受験を失敗し、本番に弱くなる、緊張してホワイトアウトにおそわれ、真っ白になりなにもできなくなる

    失敗したくないところで落ちてしまった心情

    それをトモダチに話すところ

    今まで他人にいえなかったことを、話せるようになる心境の変化

    話してもいいかな

    どうしようもなく、手伝ってほしい

    高校生の多感な時期の心情、変化を宮沢賢治の作品と共に、描いていく

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    2026年09月17日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    読みやすくてどんどん読みすすめた。設定とかがありきたりな気がして、正直めっちゃおもしろい!て感じでは無かったけど、最後の過去の因縁を解き明かすところはまさに手に汗握る展開で迫力があった。

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    2026年08月10日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    あの人と過ごす
    何気ない「おやつ」の時間が、
    今日を乗り切る力をくれる。

    おいしいものを愛する作家陣が贈る、
    心とおなかの空腹をあたたかく満たす連作短編集。
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    好きな作家さんが多く参加されていて購入しました。
    これもかなり前に読んだので記憶が曖昧ですが。

    ぱらぱらページをめくると少しずつ思い出してきました。

    島本理生さんの「楽園の代わりのカッサータ」が好きでした。
    議員と不倫という不毛なことと、
    切ないけどなんか爽やかな部分もあって。

    他の作品も同級生や親子等で、
    忘れられない瞬間と食べ物が。
    読後が良いアンソロジーでした。

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    2026年08月08日
  • ペンギン鉄道 なくしもの係

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    ファンタジーのようでファンタジーではない日常。
    無くしたり見つけたり。
    どうにも人間らしい歪みを持つ人達が、素直になることを知るオムニバス。当時人物は好きになれないけれど、穏やかで優しいお話。

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    2026年07月15日
  • 文庫旅館で待つ本は

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    旅館に文庫があって若女将が鼻聞きで適切な本を貸してくれるって話。最終章は因縁を解き明かしてくれる、好みの小説でした。

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    2026年07月15日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    織守きょうやさんの一編が最高に好きでした。尊い。
    作者さんの別の短編集でも描かれていたけれど、美味しいものを食べて(できれば)喜んてほしいって、シンプルに愛の本質だなぁ。尊すぎて何回も読み返しました!

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    2026年06月21日
  • 図書室のはこぶね

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    青春だなぁ、って思いました。
    情熱があって、キラキラしてて、いいな。
    あんまり共感できる部分なかったかな。

    ミステリーの部分は最初からなんとなく検討がつきましたが、真相の全てを知ったとき、なるほど、と納得の終わりでした。

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    2026年05月26日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    名取佐和子さんのドーナツ息子が特に今の私には響きました。
    私にも息子がいるのでこの先、親がこどもを思うようにこどもにも親を思う瞬間が物語の様に一瞬でもあると良いなという淡い期待をしてしまいました。
    一緒にいれる時間を大事にしないとと改めて思いました。

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    2026年05月17日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    「おやつ」をテーマにした6名の作家によるアンソロジー。

    手作りであろうと、出来合いのものであろうと、相手のためを思って食べ物を用意する行為が愛情そのものだと思った。

    クロテッドクリームをたっぷりのせたスコーンを食べたくなった。

    島本理央さんの作品は表現にドキッとするところがあったので、他の作品も読んでみたい。

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    2026年05月13日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    “美味しいおやつが食べたくなる”ようなものではなく、おやつを通して気持ちや人生の揺らぎを描いたアンソロジーだった。

    作中のおやつは、ただ甘いものではなく、それぞれの登場人物が踏ん張るための“小さな支え”や“カンフル剤”として描かれていた。

    自分らしく生きる道を見つけるきっかけになったり、本と一緒に孤独や空腹を埋める青春の思い出になったり、懐かしい味が安心へ繋がったり。

    特に4話目の子育ての話は、自分ではない誰かの人生に関わり続けることの大変さが強く伝わってきた。
    迷ったり悩んだりしながらも、その子自身を信じていくしかない。
    だからこそ、ほんの少し息をつける“おやつの時間”が必要なんだろうなと思った。
    複雑な感情を呼び起こすものだったとしても、それで踏ん張れるなら、その人にとって大切な支えなんだと思う。

    5話目では、選択することの難しさが描かれていたけれど、周りの雑音や不安があっても、自分が本当にやりたいことを素直に選びたいし、きっと選べるんだと思えた。
    海外児童文学のエピソードと一緒に語られるおやつも素敵で、ただ「美味しそう」だけでは終わらない余韻があった。

    まっすぐな道だけが正解じゃなくて、遠回りでも、自分の目指す場所へ向かおうとしているなら、それはちゃんと人生と向き合っていることなんだと思わせてくれる作品たち。
    帯にあったようにおやつはまさに“今日を乗り切る力をくれる”ものだった。

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    2026年05月10日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    なんだかんだ言っても不倫なんてろくな
    もんじゃない、何で不倫をするんだろうと
    思っていたんですが、スリルや刺激を求める
    ためなんて言われたら勝手にしてくれと
    作品の趣旨と違う感想を持った島本理生さんの
    「楽園の代わりのカッサータ」。
    受けた恩というか優しさって相手が
    思っている以上に大きなものだし
    その優しさを自然とできる彼・・・素敵だ
    と思った織守きょうやさんの
    「ファースト・アンド・オンリー」。
    両親を亡くした悲しみから救い出してくれた
    瀬戸内の島でいっしょに暮らす叔父との
    素敵な時間とジャムに心ひかれた友井羊さんの
    「春とマーマレード」。アイドルって見た目の
    華やかさとは裏腹に大変な職業だと思った
    畑野智美さんの「アンパッサン」。
    子供ってなんだかんだ言ってもその子の
    ペースで大人になっていくそして親は
    成長した子供のことも認識するけどまだまだ
    心配が尽きないって感じた伝わった
    名取佐和子さんの「ドーナツ息子」。
    有りがちなが言葉だけど、「何かをするのに
    早いも遅いもない。ただ、始めるだけさ」
    がほんとにそうだよねと心に刺さった
    伊吹有喜さんの「ストロベリーの歌」。
    どの話も面白かったけど、個人的には
    「ファースト・アンド・オンリー」と
    「ドーナツ息子」が面白かったかな。

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    2026年05月08日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    ご褒美シリーズを読むのは2作目。
    美味しいおやつを大切な人と食べるひと時は幸せ。悲しいことをちょっと忘れられたり、元気をもらえたり…
    お気に入りは友井羊さんの「春とマーマレード」。物語自体も良かったし、マーマレードって柑橘類のどれを使うかで味が変わるんだと知って試してみたくなった。手作りマーマレードが美味しそう。
    そして、伊吹有喜さんの「ストロベリーの歌」は「なでしこ物語」シリーズのスピンオフだった。まさかここで読めると思っていなかったので、びっくり。

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    2026年05月06日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    『ファースト・アンド・オンリー』『春とマーマレード』『ストロベリーの歌』が印象に残った。
    題名と中の小説の印象が違うけどやるせない昼下がりに未来への希望を持たせるということか。

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    2026年04月30日