木村元彦のレビュー一覧

  • ぼくは挑戦人

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    読書家の世界では年間約100冊を読むことは少ない方かもしれませんが、とにかく今まで読んできた本、特にノンフィクションの中で最も感銘を受けましたので、より多くの方に読んで頂きたくて初めてレビューを書かせて頂きます。

    在日コリアン三世として京都に生まれた著者は、小学生時代に激しいいじめを経験するが、漫画雑誌の懸賞で当たったヨーヨーによって学校では人気者になり、中学生では後に職業となるジャグリングに出会う。家族や様々な人の後押しによって著者を後のプロパフォーマーとして、そして人として成長させる。それだけにとどまらず、人々に勇気を持つことや前向きに生きるきっかけを与えるため、講演家としてその役割を果

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    2020年08月29日
  • 新版 悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記

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    ユーゴ内戦後、世界的に「悪者」となったサッカーユーゴ代表を中心に、旧ユーゴ内のチームや選手を追ったドキュメンタリー。著者のユーゴ代表への愛情や国際的な無理解への怒りなど、本当に熱くておもしろい。サッカーファンでなくても、人の営みの愚かさと愛おしさに心が震えること間違いなし。

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    2020年08月25日
  • 争うは本意ならねど 日本サッカーを救った我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

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    オシムジャパンで彗星の如く現れたストライカー我那覇和樹がJFAのデタラメなドーピング裁定に対し何故立ち上がったか、そしてアスリートを支援するチームドクター達が如何にJリーグと闘ったかのノンフィクション。
    私はナベツネの魔手からJリーグを守り、Bリーグを混沌から立ち上げた川淵さんを高く評価する身ですが、オシムをジェフから引き抜いたやり方と、このドーピング裁定の件については許し難いと。
    しかし、本書が膾炙し、我那覇和樹の名誉が救われ、当事者達が民意の批判に晒される道を作った著者には感謝の意しか無い。

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    2019年07月31日
  • 新版 悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記

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    国境で分けられぬ民、国籍で括れぬ意思。これがバルカンなのだ。
    絶対的な悪者は生まれない。絶対的な悪者は作られるのだ。

    NATOによる空爆とユーゴスラビア崩壊、そしてマスメディアによる情報操作。
    ジャーナリスト斯くあるべき、現地取材による生の声から真実に迫る戦記。
    今なお色褪せない、どころか、今も燻っているバルカン半島の民族闘争。
    サッカーという切り口から、日本では中々実感出来ない現実が克明に記されている。

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    2019年05月01日
  • 争うは本意ならねど 日本サッカーを救った我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

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    ネタバレ

    2019/2/5 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。
    2020/9/23〜9/30

     我那覇選手を襲ったこの騒動については、ぼんやりと知っているだけであったが、裏でこんなにひどいことになっていたとは。絶対的存在をもつ組織の悪い見本の典型であろう。現在のJFAおよびJリーグがこんな状態にないことを節に願うのみである。現在も40歳にして福井ユナイテッドFCで現役を続ける我那覇選手。頑張って大好きなサッカーを続けて欲しい。

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    2020年09月30日
  • オシム 終わりなき闘い

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    ネタバレ

    民族対立の中で崩壊しかけたボスニア・ヘルツェゴビナサッカー協会。立て直しを託されたのはかつて、ユーゴ代表のエース、そして代表監督としてチームを率い、後年は日本代表監督も務めたイビツァ・オシム。その内幕を取材した力作。日本代表監督時代に脳梗塞で倒れ、不自由な身体になりながらも母国のために奔走する姿はリスペクトしかない。

    オシムさんがいなければ、未だにボスニアサッカーはFIFAに復帰できなかったかもしれないし、それをきっかけに再び紛争が起こったかもしれない。よその国の話ではあるけれど、冷や汗が出る気分。

    話は別だけど、オシム・ジャパンの完成形も見たかったなあ。

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    2019年01月09日
  • オシムの言葉

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    オシムの言葉は、時に意味深長で、時にウイットに富み、またある時、鋭利な刃物となり、またある時、人の心を強く束縛するほどの力を持つ。このような人物がどのようなバックボーンを持ち、どのようにサッカーと絡み合ってきたか、どのようにチームをマネージメントするのかというようなことを通して、彼の人生哲学とはどのよなものかを浮き彫りにするのが本書である。 オシムのような人物の人生哲学を説明することは非常に難しい。そのため、著者は彼の発言を中心にしたエピソードを解説することで、その代用をする。これによるとオシムの指導者としての特徴は、プロセスを重んじることである。「できる準備を完全にした。それで勝てるかどうか

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    2018年10月23日
  • 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

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    「ユーゴスラビア現代史」を読んで、そういえば昔ストイコビッチの本を読んだあとに関連本を買ったな!と本棚を探したらありました。まだ歴史的背景がキチンと頭に入っていなくて、少々ついて行くのに苦労しましたが、忌まわしい「民族浄化」のことを少しだけ理解できたように思います。

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    2018年10月04日
  • 「独裁者」との交渉術――ボスニア カンボジア スリランカ国連和平調停の舞台裏

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    平明で読みやすい文章であったが、盛り込まれた内容は非常に充実している。国連という立場からの平和構築について、現場的な観点から生々しく回想されている。カンボジア、旧ユーゴ、スリランカにおける、私でさえ知っているような政治リーダーたちとの和平交渉の記録は、極めて貴重なものだと思う。明石さんの鋭い観察眼により捉えられた指導者像は、興味深かった(特にシハヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチ、ムラディッチについて)。
    明石さんは、特定の主体に対して肩入れしないポリシーを貫徹し、しかしながら相手の言い分・立場・背景を尊重しながら交渉を行った、慎重、冷静、柔軟、相対的、戦略的、現実主義的な調停者であったこと

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    2018年07月30日
  • 爆走社長の天国と地獄 ~大分トリニータv.s.溝畑宏~(小学館新書)

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    今、地方のJリーグの社長と言えば、長崎の高田社長だろうけど、その昔話題となった大分の溝畑社長のことを取り上げた本。ピクシーやオシムの旧ユーゴの著作なんかで有名な木村元彦さんが書いた本で、どん底の2010年に出された本をもとに加筆して新書化。
    丁度絶頂とどん底の瞬間は駐在で日本にいなかったから、ネットで事実を知った程度だけれど、世間に知られる事実の裏側にはいろんなドラマがあったんだなと。
    破綻がなければ2010年に金崎夢生がグランパスに移籍することもなかっただろうから、グランパスの初優勝もどうなっていたか分からないとも思ってみたり。
    その後、J2/J3と各地に広がったJリーグチーム。昨年始まった

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    2017年12月23日
  • テレビみたいなことはするな

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    「突然ガバチョ!」・「夜はクネクネ!」(何れもMBS)・「EXテレビ」(YTV)という、80年代~90年代半ばにかけて、それまでテレビバラエティーになかった番組が席捲した。それらの番組で人気を博した企画は形を変え、引き継がれていく。ダウンタウンの「笑ってはいけないシリーズ」、「鶴瓶の家族に乾杯」に代表される「街ブラ」、「開運なんでも鑑定団」等の元ネタとなっている。その企画を生み出したのが構成作家 倉本美津留。その異才ぶりをスポーツドキュメンタリーで知られた著者が、アシスタントディレクターを経て構成作家へと転身、松本人志との出会い、そして現在の非お笑い分野の仕事までを丹念な筆致で追いかけた評伝。

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    2017年07月21日
  • オシムの言葉

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    オシム監督すごい…私はサッカーの試合も見たことが無く、サッカー選手もベッカムくらいしか知らない。なのに、この本を読むとサッカー楽しそう!こんな監督とサッカーしたいなぁとか思ってしまう。
    選手一人一人をしっかり見てる、失敗しても下げない、周りの野次は気にしない、仕事で後輩の面倒を見る時にも活きる知恵多し。
    この本を書いた木村さんもまたすごい。こんな信念のあるジャーナリストが増えますように。

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    2017年03月08日
  • テレビみたいなことはするな

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    ネタバレ

    テレビに縛られる生活が窮屈になったのをきっかけに、少しずつテレビ離れをしはじめて、今ではテレビがなくても全く支障のない生活が送れるようになった。もっとも、家族はそういうわけでもないので、家にはテレビはあるものの、俺は茶の間にいる時についてたら観る程度で十分。

    が、そういう生活になる前は、民放バラエティはなくてはならないものだった。日々のストレスを晴らすのに、酒とお笑い番組はうってつけの薬だった。高校・大学受験の時も勉強の合間に観るテレビや聴く深夜ラジオは、欠かせない安息の時間だった。

    ヤングタウン
    オールナイト日本
    突然ガバチョ
    夜はクネクネ
    EXテレビ
    ゴッツエエ感じ
    明石屋電視台
    M-

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    2016年12月16日
  • オシムの言葉

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    ネタバレ

    オシムの言葉2005

    サッカーをモチーフに、時に自分の哲学を語る。プレーや試合についての言及が結果として深遠な人生の真理をついている。
    旧ユーゴで代表監督を務め、その崩壊過程を全身で受け止めてきた。

    稀代のアフォリスト(名言)
    ・新しい指揮官の第一声は少し長い演説になるのが常。
    ←自分を理解させるため
    ←舐められないため

    ・2チームに分かれてハーフコートで1:1をやれ。→片方の選手が押され始めても、漠然と見ている選手たちを叱責する。実戦で1:1が5秒も6秒も続くシチュエーションはない。早くサポートに行け!
    →言われた通りではなく、相手の裏をかくための創意工夫をしながら練習しろということ

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    2016年03月28日
  • オシムの言葉

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    読みたかった内容。なぜオシムさんはあんなに安定感があってぶれないのか。それは過ごしてきた過程によるものがやはり影響されているんだと思う。自分にもあの強さが欲しいと思った時やはりリスクを冒してそういった環境に身を置くことも1つの手なのだと思った。

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    2016年02月01日
  • オシムの言葉

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    『オシムの言葉』木村元彦(集英社文庫)
    私がオシムを知ったのは、ジェフ市原の監督をしていた頃からだろうか、でも本当に記憶にあるのは、テレビによく出始めた日本代表監督になってからだ。サッカーに関しては、それ程熱狂的なファンではなく、ワールドカップがあれば急に「日本頑張れ!」と応援するにわかファンの部類に入ると思う。だから、メディアの露出度が高い選手や、監督には必然的に興味をそそられてきた。しかし、オシムへの興味は違っていた。インタビューで放たれる深い言葉を聴き、彼の表情と視線を目にした時の彼への興味をひとことで言うと、『こういっ人物はどうやって作られるのだろうか?』というものだった。私が大抵人に

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    2014年08月04日
  • オシムの言葉

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    鉄人と賢者を掛け合せたような世界的名監督のオシム氏の通訳を務めた人物が書いた著者。民族問題を抱えた代表チームを率いたときや突然の紛争で家族と離れて暮らすことになったときでもクラブ監督としても驚異的な成績を残した同氏。来日してジェフの監督を受けることになったいきさつやその指導方法を超えた人材育成などについても触れた国内サッカー本として最高の一冊。

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    2014年02月19日
  • オシムの言葉

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    [一言に、人生が宿る]ユーゴスラビアと日本という2つの国のサッカー代表監督を務め、それぞれにおいて数字だけでは表すことのできない多大な足跡を残したイビツァ・オシム。「オシム語録」として注目を集めた彼の言葉の裏には、祖国の興亡や家族の離散という悲劇の渦に呑まれながらも、サッカーに人生を捧げ、前を向き続けた男の歩みが投影されていた......。ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞作です。著者は、ユーゴスラビアのサッカーならこの人の右に出る日本人なしとも言える木村元彦。


    生まれながらにしての指導者とでも評せば良いのでしょうか、とにかくその視野の広さと洞察力の鋭さ、そして人間に対する敏感すぎるほど

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    2013年10月31日
  • オシムの言葉

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    何度目かの再読
    ボスニア・ヘルツェゴビナのワールドカップ進出で久々に表舞台にあらわれた、名将オシム。思い出し再び本書を手に取る。
    日本に突然やって来た世界的に有名なサッカー監督は独特な指導方法でチームを戦う集団にしていく。
    歴史に翻弄されたユーゴスラビア代表での壮絶な体験が克明に描かれ、スポーツ伝記ものでありながら、歴史を考えさせられる良作。
    リーダーに是非、読んでいただきたい。

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    2013年10月25日
  • 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

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    ネタバレ

    旧ユーゴスラビアの国々への思い入れが深い作者によるドキュメタリー。
    セルビアとマケドニアの対立を主軸に描かれる。
    拉致や虐殺、そこにかかわってくるアメリカ。
    何度も現地に脚を運び、つぶさに現状をルポタージュしている。なので各国の現在のありようがまざまざと浮かび上がる。貧しさや苦しみが。
    もともとは民族融和が謳われていた国々で、他民族婚も多く行われていた国々で、近所同士がいがみ合い、騙しあい、果ては殺し合い...
    そんな報復の連鎖を、国単位、団体単位、そして家族単位にまでインタビューをして描いている。
    ジャーナリズムとは、ルポタージュとはかくあるべし。
    その中で、劣化ウラン弾についての記述が心に

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    2013年08月13日