木村元彦のレビュー一覧
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在日コリアンの世界チャンピオンの自伝書。
面白過ぎて止められず、3時間半で一気読み。
めちゃくちゃ泣いてちょっと笑って、知らない世界の現実を垣間見て。頭の中を刺激されて。心と頭が忙しかった。
【最高にしびれたおかんのセリフ】
▶校長先生へ
「学校からいじめがなくならんのは、学校で子どもたちにとっていじめよりおもろいもんがないからや!子どもたちにいじめよりおもろいもん教えたれ!」※要約
▶いじめっ子へ
「素敵な夢持ってる子はな、いじめなんてせえへんのや。お前らのやってることはただの弱いもんいじめや。強さを自慢したかったらルールのある世界で勝負せえ!」 -
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ちゃんへん.さんのパフォーマンスを生で見たくなる。
でも、それまでにもっと過去のことを知らねば。勉強せねばと思う。
ちゃんへん.さんが小学生の時にいじめられた時に、校長、いじめた子たちに放ったお母さまの言葉が心に刺さる。
「それはな、この学校で、子どもたちにとっていじめよりおもしろいもんがないからや!お前、学校のトップやったら子どもたちにいじめよりおもしろいもん教えたれ!じゃ、わし帰るわ」
「素敵な夢持ってる子はな、いじめなんてせえへんのや。お前らのやっていることはただの弱いもんいじめや。強さを自慢したかったらルールのある世界で勝負せえ!」 -
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この本は、著者・木村元彦によるユーゴ内紛のルポタージュである。
ピクシーことドラガン・ストイコビッチ選手の華麗なサッカーに魅了され、ユーゴスラビアサッカーを愛してやまない著者が
「サッカー」というフィルターを通して、自らの目と耳と足で体験した当時のユーゴ情勢を
一般人の目線でそのまま書き綴っている。
なので、これまでレビューしてきた本(小説)とは根本的に趣が異なる為、点数による評価は控える事にした。
(何となく、小説と同じ土俵に乗せるべきではないと判断した為。小説とルポの上下関係だとか、そういう意味は全くない)
先にも述べたように、著者はユーゴスラビアという国をとても愛している。
が、ユーゴ内紛からNATOの空爆、そしてコソボでの独立運動に至るまでを
『セルビア側の視点』で書いている訳では無い。
見たまま、聞いたままを書き綴り、その上でセルビアが「不当に悪者にされている」としている。
つまり、『作られた悪者』だという。
セルビアはアメリカ及び西欧諸国連合により政治的に『悪者』とされたのだが、
実際に空爆が始まる前までは、ユーゴスラビアの地に住む人々はどの民族もそれなりに平和に生活してきたのだ。
サッカー選手も例外ではない。セルビア人もモンテネグロ人もアルバニア人もクロアチア人も、
同一のリーグで同一のチームで、仲間だったのだ。
そんな一般の人々が、政治的な決断により容赦なく分断され、空爆が開始された。
祖国から遠く離れた日本の地で活躍するユーゴスラビア出身のJリーガー達の気持ちを考えるだけでも、とても心が痛む。
日本という国はとても平和だ。
民族的な対立が皆無とは言わないが、少なくとも現在は、
このバルカン半島のような「武力行使」を伴う民族紛争が起こる程ではないだろう。
正直、この本を読むまでこの1990年以降のユーゴ内紛について、一般のニュースとしての意識しかなかった。
そしてこの本を読み終ったとき、その無知さ加減が恥ずかしくなった。
しかし、大半の日本人は自分と同様ではないかと推測する。
なぜなら、遠く離れた地で起きた想像のつかない内紛だから。
「だから日本人は平和ボケしているのだ」等という事をここで言うつもりは無い。
日本人であり、日本に住む限り、バルカン半島の民族意識を理解する事は非常に困難な事であろうから。
それでも、筆者のユーゴ愛とそのわかり易い文章のお陰で胸を痛める事ができた。
ピクシーの、マスロバルの、ペトロビッチの、そしてプラービィ(ユーゴ代表)の気持ちが少しだけわかった気がした。
彼らはどんな困難な状況でも、ユーモアを忘れない。そして心に「イナット(意地)」を秘めている。
セルビア人のイナット。それを思うだけでも胸が熱くなる。
ここまで心を揺さ振られた本は久しぶりである。サッカー好きならば是非読んで欲しい一冊だ。
サッカー好きではなくても、ユーゴの内紛に少しでも興味があれば読むべきかもしれない。
ユーゴ内紛の真実の一面が見えてくる、とても意義深い本であろう。
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著者の木村元彦さん、我那覇選手の姿勢、後藤医師、チームドクター連盟の方々、そして我那覇選手のため、ひいては選手たちのために立ち上がったすべての方々の尽力に心から敬意を表したい。
そして、とても大好きなオシムさんの言葉が随所に出てくるところもオシムさんの人を表していてとても胸が熱くなりました。
本書を読んでいて、悪しき体育会系主義、過ちを認められない権力、権威、長というのは本当に害悪でしかないと感じました。
サッカーであれなんであれ人はミスをする。間違いもする。それならば、間違えてしまったこと、ミスしてしまったことを認め、そのうえで正しい判断をしていくことが大人であると考えます。
それさえできていれば、こんなことにはならなかったし、我那覇選手、そしてそのご家族がこんな目に遭うこともなかったのにと思います。
そして、このことが良かったなんて絶対に思ってはいけないということもオシムさんの言葉で思い知らされました。
大人であるということ、責任ある立場にいること、人で在るということは、過ちを認める勇気を持つこと、誠実であることだと本書から学びました。今後の人生、自分が本書に出てきた過ちを認められないヒトのようなものにならぬよう自戒しつつ生きていきたいと思います。
本当に読んでよかったです。 -
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読書家の世界では年間約100冊を読むことは少ない方かもしれませんが、とにかく今まで読んできた本、特にノンフィクションの中で最も感銘を受けましたので、より多くの方に読んで頂きたくて初めてレビューを書かせて頂きます。
在日コリアン三世として京都に生まれた著者は、小学生時代に激しいいじめを経験するが、漫画雑誌の懸賞で当たったヨーヨーによって学校では人気者になり、中学生では後に職業となるジャグリングに出会う。家族や様々な人の後押しによって著者を後のプロパフォーマーとして、そして人として成長させる。それだけにとどまらず、人々に勇気を持つことや前向きに生きるきっかけを与えるため、講演家としてその役割を果たしていく。
本書は著者が半生を振り返る笑あり涙ありの痛快サクセスストーリー(特に家族にインパクトがあります)なのですが、この本の真の素晴らしさは、いじめの問題について非常に考えさせられるいじめ対策本。著者の家族の生きてきた時代背景が垣間見える数々の哲学的な言葉から多くの気づきを与えてくれる子育て本とも言える人間育成本。夢や目標を持って努力することの楽しさや大切さを教えてくれる熱血(夢中)系教育本。好きなことかつ自分にできることを仕事にする難しさと喜びを教えてくれるキャリア教育・ビジネス思考本。平凡に生きていては知らない(気づかない)まま人生が終わっていたであろう世界がたくさん見えてくる人権啓発本。どんなに辛い経験をも超人的なプラス思考で学びに変えてしまう自己啓発本。その他、民族や宗教、人間の尊厳や生き方まで、日本はもちろん、隣国や世界で起こっている出来事の本質や問題が見え、現代人に突きつけられている課題がこの一冊にほぼ集約されていると言っても過言ではないはずだ。
昨年はブレイディみかこさんの著書「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という作品にも非常に多くの気づきを与えて頂きましたが、この本は単なる自叙伝や在日コリアンを学ぶための本ではなく、むしろ民族や宗教や国家といった「属性」という枠組みを超え、「個」の目線で「人間」を今一度見つめ直せる一冊である。
駄洒落とも思えるタイトルの「朝鮮人」をもじった「挑戦人」という表記も、読み終わる頃にはただの駄洒落ではなく、著者が祖父から学んだ哲学であることが分かる。
コロナ禍の中、このタイミングでこの本が世に出たことは何か意味があるでしょう。初めて著者の存在を知りましたが、機会があれば生でパフォーマンスを見たいと思います。 -
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ネタバレ民族対立の中で崩壊しかけたボスニア・ヘルツェゴビナサッカー協会。立て直しを託されたのはかつて、ユーゴ代表のエース、そして代表監督としてチームを率い、後年は日本代表監督も務めたイビツァ・オシム。その内幕を取材した力作。日本代表監督時代に脳梗塞で倒れ、不自由な身体になりながらも母国のために奔走する姿はリスペクトしかない。
オシムさんがいなければ、未だにボスニアサッカーはFIFAに復帰できなかったかもしれないし、それをきっかけに再び紛争が起こったかもしれない。よその国の話ではあるけれど、冷や汗が出る気分。
話は別だけど、オシム・ジャパンの完成形も見たかったなあ。 -
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オシムの言葉は、時に意味深長で、時にウイットに富み、またある時、鋭利な刃物となり、またある時、人の心を強く束縛するほどの力を持つ。このような人物がどのようなバックボーンを持ち、どのようにサッカーと絡み合ってきたか、どのようにチームをマネージメントするのかというようなことを通して、彼の人生哲学とはどのよなものかを浮き彫りにするのが本書である。 オシムのような人物の人生哲学を説明することは非常に難しい。そのため、著者は彼の発言を中心にしたエピソードを解説することで、その代用をする。これによるとオシムの指導者としての特徴は、プロセスを重んじることである。「できる準備を完全にした。それで勝てるかどうかは相手チームに聞いてみよう」との発言はまさにそのことを物語ると思う。 平凡なマネージャーは、結果を重視しすぎるあまり、部下のプロセスを規定する。これは一時しのぎにはよいが、指示待ち人間を大量生産する。しかし彼は、プロセスを重視するからこそ、プロセスを決めるメタ・プロセスを規定するのである。結果ではなく意図。それに加え創意、献身、努力。つまりプロセスを作り上げることができる個を作り上げること、それによる軋轢をものともしない人格の持ち主を作ること。これがオシムのスタイルである。マネージャー、コーチ、リーダーの理想像がここにある。指導者諸氏よ、心して読まれるがよい。 このような人物が一時的にでも日本サッカーのよき導き手となった幸運を感謝する。
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平明で読みやすい文章であったが、盛り込まれた内容は非常に充実している。国連という立場からの平和構築について、現場的な観点から生々しく回想されている。カンボジア、旧ユーゴ、スリランカにおける、私でさえ知っているような政治リーダーたちとの和平交渉の記録は、極めて貴重なものだと思う。明石さんの鋭い観察眼により捉えられた指導者像は、興味深かった(特にシハヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチ、ムラディッチについて)。
明石さんは、特定の主体に対して肩入れしないポリシーを貫徹し、しかしながら相手の言い分・立場・背景を尊重しながら交渉を行った、慎重、冷静、柔軟、相対的、戦略的、現実主義的な調停者であったことが伝わってくる。終盤に語られる交渉者論についても、読者にとって一社会人としても非常に参考になるものだろうと思った。また、明石さんの決断力、多角的な行動力、思考の明晰さと一貫性、そして高潔な人柄については、個人的には大いに尊敬したいと感じた。
(一応、自分用のメモとして補足する。本書はあくまでインタビュー形式により行われた「回想録」であり、学術的な観点から資料として用いるには困難が伴うことは否定できず、使用する場合には細心の注意が必要とされると思う。あくまでPKOや和平交渉の舞台裏についてと、明石康さん(の個人的な考え方)について、大まかに知るための予備知識的ツールに過ぎないことに留意しておきたいと思う。) -
Posted by ブクログ
今、地方のJリーグの社長と言えば、長崎の高田社長だろうけど、その昔話題となった大分の溝畑社長のことを取り上げた本。ピクシーやオシムの旧ユーゴの著作なんかで有名な木村元彦さんが書いた本で、どん底の2010年に出された本をもとに加筆して新書化。
丁度絶頂とどん底の瞬間は駐在で日本にいなかったから、ネットで事実を知った程度だけれど、世間に知られる事実の裏側にはいろんなドラマがあったんだなと。
破綻がなければ2010年に金崎夢生がグランパスに移籍することもなかっただろうから、グランパスの初優勝もどうなっていたか分からないとも思ってみたり。
その後、J2/J3と各地に広がったJリーグチーム。昨年始まったBリーグもしかりだけど、身の丈をどう知るのか、いかにやり過ぎないかっていうのが肝心なんだと思う。成功したら○○社長のお蔭。失敗したらワンマン経営だと糾弾。難しいね。