木村元彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひょんなことからユーゴ・サッカーに興味を持ち、取材を開始した著者。
しかしそれは奇しくもユーゴ・サッカーが政治に、そしてユーゴスラビアという国家自体が国際政治に、翻弄され愛国心を燃え上がらせ分裂していく過程に立ち会うことでもあった。
昨日までの隣人に憎しみをぶつけ、それまで喝采を送っていたおらが村のスター選手に殺害を予告する民族主義・国家主義の勃興に胸を痛め、一方的な制裁措置やレッテル貼り報道への強い憤りを隠さない著者。
その“傾き”を問題視するネット書評を読んだが、個人的には気にならなかった。
というよりむしろ大いに“アリ”だと感じた。
現在も営々と行われている各国政府、代理人、報道・言論機 -
Posted by ブクログ
読みたい本リストに『橋を架ける者たち』ってあったから市民社会や社会的企業に携わる人たちの話かと思ったら在日コリアンのサッカー選手やサッカーにかかわる人たちの話だった。在日コリアンも興味・関心があるので、そうかそっち路線の興味・関心で読みたい本リストに入れたということだったか。
日本人ならすることがない苦労や過酷な現実に直面しながら、好きなサッカーで身を立てるために、サッカーを通じて世界をつなぐために奔走する人たち。ただサッカーがうまいだけでなく、人間性のすばらしさに関するエピソードにも驚かされる。在日コリアンの人たちは苦労が常のようなところがあって苦労耐性が強いかもしれないけど、それにしても良 -
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Posted by ブクログ
★3部作、最後は薄味に?★サッカーを切り口にユーゴを描いてきた著者にとって、オシムの来日は興奮する出来事だっただろう。オシム語録が話題になれば、取材のスタートラインも全く違うだけになおさらだ。内戦の際にサラエボに戻れず、国外でサッカーチームの指揮を執り続けた心中はいかほどだったか。実情を知る著者だけにオシムの言葉の背景を伝えるのに最適だろう。
ただ前作と比べると、どうも密度が薄く思える。こちらが読み慣れてしまったのか、平和な日本でのオシムの言葉が中心にあるからなのか。
通訳がオシムから信頼を得るために、ギャグはギャグとして伝え、重複する記者の質問は訳す前に遮る。通訳の話が面白かっただけに、オ