Posted by ブクログ
2012年08月30日
名古屋のスーパースター、ドラガン・ストイコビッチ。1993年にプロサッカーリーグのJリーグが開幕し、沸き上がる日本の中で唯一取り残されたのが、名古屋の名古屋グランパスエイトだった。観るのも悲しくなるぐらいの弱さ。まったく希望の持てないチームに、市民はサッカーから遠ざかっていた。
そんな中、誰も期待し...続きを読むていなかった空気の中に一人の男が入団した。そうドラガン・ストイコビッチ。リネカーという超大物外国人で大失敗をしているグランパスエイト。またどうせ期待外れだろう、名古屋市民はみんなそう思っていた。
しかし、その空気は彼の魅せる異次元のプレーで変えられた。言葉では表現できないスーパープレーの数々。説明は何もいらない。彼が魅せるプレーを見れば、彼の凄さが分かるだろう。
そんなピクシーが弱小チームだった名古屋グランパスエイトを変えた。名古屋だけでなく、日本のサッカーを変えた。
あまりにプレーが華麗なので、この本を読むまでこんな苦労があったとは知らなかった。あまりに複雑すぎて、この本をどう語っていいか分からない。しかし、彼の華麗なプレーがあったのは、この数々の苦難があった故に、より一段と輝いていたんだと思う。
文庫本で追加された後書きに、「誇りとは過去の実績に依存するものではなく、今を懸命に生きる自分の中にこそ存在するのだ」という一文がある。
どんな環境であれ、今をベストにすること。ピクシーが我々に教えてくれた誇りを胸に生きていこう。