千野隆司のレビュー一覧
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江戸の経済に詳しい作者のシリーズの一つ。
結婚が決まっていた許嫁を五千石の旗本に襲われて自死に追いやられた主人公。
その仇とも言える旗本が後ろから何かと策を弄される。
それが嫌で家を飛び出す次男、冷や飯食い。
偶然知り合った岡っ引きが営む湯屋に住み込みで働くことになる。常連客たちからもすっかり親しまれたおり、無銭飲食の浪人が新しく入った。
瀬古という名前以外には何も教えてくれないものの、働きぶりが陰日向なく実に好ましい。子供たちにもすぐに慕われた。
ところがその瀬古の命を付け狙われた。
知るうちに、どうやら次の嫡子争いと、収賄に絡む事件があり、瀬古は冤罪のために上意討ちを仕掛けられてた。 -
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壱石でも削られれば大名ではなくなる、関東の小藩、高岡藩に婿入りした正紀は
格上でもある大藩、尾張藩から婿入りした。
高岡藩は何がおこるにしても、
まず資金を集めなくてはならないという貧乏藩だ。
義父でもある同じ尾張藩から婿に入った正国が
お国入りする経費もやっと用立てたが、
半年先の江戸入りの経費の工面に頭が痛い。
小金の両替商の息子房太郎が相変わらずひょろりとした風貌で
帳面片手に市場を調査中。
聞けば、銚子沖でのイワシの漁が不漁ではないか?
と疑問を持っているという。
市民の明かりである魚油や、
百姓にとって人糞よりも効果がある干鰯や〆粕が
高騰する予測があるという。
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Posted by ブクログ
著者の千野さんのブログに作品についての紹介の文がある。今回の作品の設定について本来ありえないことをどう描くかという意味のことが書かれている。私は時代小説は日本の江戸時代と似て非なる異世界の物語と考えて読んでいる。ある程度歴史は踏まえつつ、(ファンタジーにはならないように)いかに小説(フィクション)を面白く読ませるかというところが作家の力量なのだと思う。千野さんはかなり詳しく調べたうえで作品にしているのでほぼ問題ないと思うが、作家さんによってはちょっとそのへんが怪しい小説も見られるようだ。それでもその作品が優れていれば問題はないのではなかろうか。