【感想・ネタバレ】出世商人 (一)のレビュー

あらすじ

遺されたのは借財、託されたのは店の再建
急逝した父が遺したのは借財まみれの小さな艾屋(もぐさや)。
再建を志した文吉は、荒波を乗り越え立派な商人へとなれるのか。

薬種問屋に奉公していた文吉は、父が急逝し、家業の艾屋を継ぐ事となった。
形見は古い店と十両を超す借財。
文吉は店を再興しようと決意するが、艾売りだけでは金は返せそうにない。
しかも、借金の形(かた)に己の命までもかけられてしまい――。

絶体絶命の返済期限が迫る中、文吉に一発逆転の策はあるのか?
書き下ろし新シリーズ、第一弾!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

初めは何だっていいんだよ。一度掴んだ客を、どう抱え込んでゆくか、それが商人の腕じゃあないか。しっかりおしよ。

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

 千野隆司 著「出世商人(しゅっせ あきんど)(一)」、2020.10発行。薬種問屋・薬作り・薬売りが舞台の話。薬種問屋、遠州屋に奉公の文吉16歳は、父が急逝し家業のもぐさ屋、三川屋を継ぐことに。病気の母親おぶんを看病しながら、残された借財を返すため、懸命に働く文吉。そんな文吉を励まし支える人たちと陥れようとする者たち。新しいシリーズの始まりです。

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2021年02月25日

購入済み

やはり面白い

この作者のシリーズは読みやすく、展開も面白いので大好きです。
この作品も主人公が正直で頑張り屋なので、他のシリーズ同様好きになりそうです。
きっと証人としていろいろなことを学ぶのでしょう。続編が楽しみです。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

千野さん新シリーズ。文春文庫でも本を出すようになったんですね。売れっ子みたい。
以前に出していた『出世侍』の商人版でしょう。一巻は借金まみれからなんとか一息付けそうなところまで。さてどんなスピードで出世していくのか?
ところで重要な役どころで出てくるのが手塚良庵。手塚治虫の曽祖父です。手塚良庵と言えば『陽だまりの樹』。ついつい読み返してしまいました。既読なんだけど覚えていない部分多し(年のせい)、ということもありやはり面白い。そちらと突き合わせるとこちらは安政年間の話のようですね。これから安政の大獄、コロリの流行、さらに牛痘問題等々大変動の時代。時代小説に歴史を考えるのは野暮だとは知りつつ、これからどう描かれるのか気になるところ。

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2020年10月16日

Posted by ブクログ

薬種問屋に奉公していた文吉は、父が急逝し、家業の艾屋を継ぐこととなった。
形見は古い店と10両を超す借財。文吉は店を再興しようと決意するが、艾売りだけでは金は返せそうにない。しかも、借金の形に己の命までもかけられてしまい・・・
絶体絶命の返済期限が迫る中、文吉に一発逆転の策はあるのか?
シリーズ第1

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大火で5歳で両親を亡くし、遠縁を転々とした後、養父母に引き取られ、11歳で奉公に出て5年、養父が借金を抱えたまま亡くなる波乱万丈さ

家業のもぐさ売りを始めるけれど、なかなか上手くいかず妨害もあってと冷ややかな1巻

千野先生にしては物語も主人公も淡々と進んで手応えがなく、最初は違和感が凄い

諦めと理詰め志向が極まって喜怒哀楽がほぼ無い文吉
残された養母と生きて行く事に全神経が注がれているので、それが必然なのかな、と感じます

今後、彼の感情と態度に熱が篭るのか楽しみです

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

初めて読む作家さん。タイトルから安心して読める。
とはいえシリーズ第一作ということで成功とは言えない段階で終了。

薬種問屋〈遠州屋〉の小僧として奉公していた文吉は養父の突然の死により〈遠州屋〉を辞め養父が営んでいた艾屋〈三川屋〉を継ぐことにした。
だが〈三川屋〉の扱う艾は安物で利益は殆どなし。最近は商いが上手く行ってなかったようであちこちから合計十三両もの借金をしていた。
そんな折、〈遠州屋〉時代に知り合った蘭方医・手塚良庵から自分が作った滋養強壮薬を売って稼がないかと誘われる。

テンポが良い。
小僧上がりで店の経営は全くの素人、多額の借金を背負っている文吉が、様々な人と出会い助けられていく様が楽しい。ちょっと出来すぎだが、それも良い。
元は文吉の正直さや誠実さ優しさが成せること。良庵との出会いのきっかけも道で苦しんでいる老女を助けたことだった。
文吉は火事で両親を亡くした孤児であり〈三川屋〉夫婦は育ての親というだけで血の繋がりはない。しかし体調が優れない養母おぶんを見捨てることも〈三川屋〉が背負った借金から逃げることもしない。

艾を仕入れる金すらない文吉に二百文を渡し、もっと良い質の艾を仕入れて売れとアドバイスする〈遠州屋〉の女中・お邑。
文吉が新たに商うことにした良庵製作の薬『元気丸』の売り出しに一役買う幼馴染のお藤。
大手の薬種問屋からの嫌がらせや横やりの真相を調べてくれる下っ引きの宗助。
誠実な商売と『元気丸』の確かな効き目に新たな客を紹介してくれる人々。
たくさんの人たちが文吉を後押ししてくれる。

一方で借金相手の〈相馬屋〉儀兵衛は厳しいのだか優しいのだか。ホームレスの老人・熊もただ者ではない感じ。
〈越前屋〉〈福江屋〉など大手の薬種問屋の横やりや嫌がらせは続きそう。
〈遠州屋〉の若旦那・茂松の動きも怪しい。

商売はまだ始まったばかり。これからどう商いを軌道に乗せ『出世』していくのか、楽しみだ。

ところで読み終えて知ったがこの手塚良庵先生、あの手塚治虫先生の曾祖父だそうだ。手塚治虫先生も医学博士だったが血筋なのか、納得。

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2021年08月13日

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