あらすじ
とある事情で旗本家を飛び出した大曽根三樹之助は、大繁盛の湯屋に居候している。そんな「夢の湯」に新たな居候が加わった。源兵衛が連れてきた瀬古と名乗る一文無しの浪人だ。過去を語らず無口な男だが骨惜しみせず仕事をし、すっかり夢の湯の一員となり慕われていた。しかし瀬古は時折不審な行動をとる。数字がたくさん書かれた帳面を後生大事に持つ瀬古には、大きな秘密があるようで――。若侍三樹之助の活躍と成長を描く大人気シリーズ新装版第三弾!
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Posted by ブクログ
江戸の経済に詳しい作者のシリーズの一つ。
結婚が決まっていた許嫁を五千石の旗本に襲われて自死に追いやられた主人公。
その仇とも言える旗本が後ろから何かと策を弄される。
それが嫌で家を飛び出す次男、冷や飯食い。
偶然知り合った岡っ引きが営む湯屋に住み込みで働くことになる。常連客たちからもすっかり親しまれたおり、無銭飲食の浪人が新しく入った。
瀬古という名前以外には何も教えてくれないものの、働きぶりが陰日向なく実に好ましい。子供たちにもすぐに慕われた。
ところがその瀬古の命を付け狙われた。
知るうちに、どうやら次の嫡子争いと、収賄に絡む事件があり、瀬古は冤罪のために上意討ちを仕掛けられてた。
すっかり好きになった湯屋のメンバーや苦手な大身の娘たちにも協力を願い無実を晴らすのだが。
登場人物たちの関係が気持ち良く、感情の機微もうまく書かれて毎回楽しい読み心地。