黒柳徹子のレビュー一覧
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タイトル通り、黒柳さんが小さいときから考えてきたことが綴られている。
彼女の知的好奇心の高さと行動力・純粋さは、並みではない、といつも思っている。
「低能」と呼ばれたことや、小学生の頃からロシア文学を愛読していたこと、戦争中の思い出、また女優時代の失敗話、ユニセフ親善大使として訪れたアフリカで感じたことなども書かれている。
この本を読んで改めて思うのは、黒柳さんはやはり、非常に素直で純粋だということ。
さらに、知的好奇心が非常に旺盛だから疑問に思ったことは、何でも聞くし、調べるし、やってしまう。その結果「変わってる」と言われてしまう。
黒柳さん風「変わってる」になりたい、といつも思う。 -
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これが絶対的に正しいと、教えられたのに、実は、間違ってましたと、
言われたら、どうすればいいか?そういう視点で、この二人の戦時下の体験記
を読みました。また、お二人の父親、母親は、どうその時代を生き抜いてきたのかも、
参考にしたいと思いました。
戦前生まれで、戦後が青春時代だった人は、ある見方では恵まれた世代かもしれません。
なぜなら、何もかも失われてからのスタートだったからです。若さが、そのスタートを支えたからです。
戦前生まれで、戦後すぐに中年だった人は、本当に大変だったと思います。
あの戦争に、一番関わり、一番犠牲を払った世代だからです。まさに、このお二人のご両親です。
特に、田原少 -
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「この世界の片隅に」ですずさんが玉音放送を聞いて「まだここに五人おる!」といきり立っていたとき、トットちゃんは青森の諏訪ノ平駅前のお店でラジオを聞いて、もう空襲はない、もう爆弾は落ちてこないとほっとした気分になっていたし、ソウちゃんは海軍兵学校に入るという夢を絶たれ、悲しくて泣いて、泣き疲れて寝ていたのだ。
黒柳徹子さんの本として「窓ぎわのトットちゃん」は読んだことがあって、それと内容のかぶる部分もあるけれど、トモエ学園以外の話もあってなかなか興味深い。
田原総一郎さんと黒柳さんとは年代がほぼ同じで、場所が違うということで、東京~青森と彦根とでの違いも見えて面白い。
できることなら -
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黒柳徹子さんの疎開中の話って初めて読んだように思う。胸に迫って途中でやめることができず、一息に読んでしまった。戦前のいかにも山の手の家庭らしい暮らしぶり、だんだん物資が不足してきていつもお腹をすかせていたこと、とうとう召集されて戦地へ向かう父を見送ったときのこと、疎開先での母のたくましさ、戦後何年もたってから父が帰ってきたときの嬉しさ…、忘れがたく心に残る話ばかりだ。
たくさんの出来事を細部まで覚えていて、またそれを生き生きと目に見えるように綴る黒柳さんの力はすばらしいと思う。どんな言葉より、そうした実際の具体的な情景によって、戦争というものの非道さ不条理さが心にしみ通ってくる。こういうこと -
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ネタバレ昭和28年(今から63年前)、日本にテレビ放送が生まれた。
みんな「ありがたみ」を持って「テレビジョン」と呼んでいた。
現場には生まれたてのテレビジョンを手探りで育て上げた人たちがいた。
日本のテレビ放送開始から現在までテレビ業界で活躍するトットちゃんこと黒柳徹子の自伝エッセイ。
生まれたてのテレビという教室の窓際からトットちゃんは何を見たのか?
スーパースターはあまり登場しない。
トットちゃんが見たのは名もなきクラスメイト達の苦難と奮闘だった。
「知床の岬に ハマナスが咲くころ 思い出しておくれ 俺たちのことを」
放送開始当時は小さな悲喜劇が毎日数え切れずに起きた。
当時は録画機材の値段 -
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日本テレビの草創期、ナマ放送でしばしばトラブルが起こり、どうしようもなくなると「終」と書かれた紙をカメラに貼り付けて、番組を終わらせてしまう。今だからこそユニークに感じるけれど、当時は黒柳さんたちが戦って作り始めたテレビ。その始まりをめぐる物語、そして黒柳さんの青春記は興味深く読むことができました。
なによりこの作品を読んで、黒柳徹子さんを好きになりました。エキストラのおじいさんに関する話、作品への起用が決まり、あなたはその個性でいいと励まされた話、過労でテレビを休んだ話。このあたりが特に印象深い。どんどん進化していく世の中とテレビ。その中でも優しい心を持ち続け、今も大活躍の黒柳さんを、実に -
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子どもは実は思慮深い。生きてきた年数は少なくても、大人が経験を盾に理屈で判断するようなことが天性で判断できたりする。そして、その子どもの判断は、常識に縛られた大人とは相容れないものだったりするのだけど、世の中の良識や真理に沿うものだったり、その子なりの筋道だった考え(説明はできないのだけど)によるものだったりする――ということが確かにあると思う。自分の小さいときのことを思ってもそうだから。
黒柳徹子は、自分の子どもの頃の気持ちをよく記憶しているし、今も子どもの目線で物事を考えることのできる人。そのことは、本書の1編目「赤い松葉杖」をだけでも、十分に表れていると思う。小さかった頃の思い出ばなしや