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Posted by ブクログ
テレビジョン(テレビではなくここはテレビジョンと言いたい)の黎明期や、向田邦子さん、森繁久彌さんといった黒柳さんと縁のある方々とのエピソードがとても面白い…。
文章もとても読みやすく面白いのだけど、やはり取り上げられている方々に対する黒柳さんの親愛や敬意がとても感じられるのがこの上なく素敵で幸せな気持ちになる読者体験だった。
しかし今のテレビからは「ザ・ベストテン」の番組づくりなんて今は想像もできない(というか今は制約上絶対できないであろう)破天荒っぷり。
めちゃくちゃ面白い。
そしてそんな一緒にテレビの時代を作った家族みたいな方々との別れを経てきた、一見天真爛漫に見える黒柳さんの哀しみや、感じている寂しさを思うと胸が切なくもなるのだった。
Posted by ブクログ
かつて、往年の芸能人の葬儀にて森繁久彌さんが遺される身を嘆きながら弔辞を読むのが恒例になっていた時代があったが、今は徹子さんがその役割を担いつつあるのだろうか。
本書では、その森繁さんも含む、往年の演じ手、歌い手、書き手、演出家、そして無名の一般人まで、徹子さんの人生に大きく影響を及ぼした人々についての回想が綴られている。もちろん久米宏さんのようにご健在の方との交流に関しても筆が割かれてはいるが、ほぼ、いわば徹子さんの筆になる「蓋棺録」の体をなしていると言って良いと思う。
どの章も、有名無名を問わず取り上げられた人々と交わした言葉、耳にしたエピソードなどが、あたかも目の前にその人達が蘇って展開されているかのように生き生きと描かれていて、徹子さんの筆力の高さとともに、先立った人々への思いの強さを感じた。
個人的には沢村貞子さんの愛と意志とを貫き通した凛とした最期、そして賀原夏子さんの毒親に苦しめられた半生と、余命宣告を受けた後の壮絶な役者魂と穏やかな臨終とに、心にずしりと響くものがあった。
特に賀原さんの、末期がんに苦しみながらも自分を慕い守る劇団員達に感謝し、
「いま、生まれてはじめて、私は幸福な人間だと思ってる。人生で一番、しあわせよ。」
と口にするエピソードと、それに対する徹子さんの地の文、
「賀原さんは、人に親切にすることはあっても、人から心を開いて、やさしくしてもらった事が、あまりなかったのかもしれない。」
は泣かずにいられなかった。
本書はそんな人生の締めくくりについて深く考えさせられてしんみりするエピソードと、徹子さんのヌード撮影やらニューヨーク武者修行やら、上野動物園初代パンダ初来日時の動物園入り待ちやら清水寺本堂無断侵入事件やらと言った、面白かったり破天荒だったりのエピソードとが、普通に混じっている、かなり侮れない一冊でもある。結構、おすすめです。
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