古屋美登里のレビュー一覧

  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    ニューギニアにて、ロックフェラーの御曹司マイケルが消息不明となった事件。
    彼は現地部族によって殺害、更に食されたと報道されました。
    本書はその真相に迫るレポートとなります。
    残虐な描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

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    2019年12月30日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    1961年、ニューギニアで「プリミティブアート」を蒐集していたマイケル・ロックフェラーの船が座礁し、同船していた者と別れて陸に泳ぐ姿を最後に、彼は行方不明になる。サメに喰われたのか、溺死したのか、首狩り・人喰いの風習があるアスマットに殺されたのか。世界の富豪ロックフェラー家の一員の安否に注目が集まったが、事件は解決を見ずに終わった。事件から50年後、著者は民族学のフィールドワークのように現地に入り込み、彼なりに事件のフーダニット、ホワイダニットに至る。収集した証言をどこまで信用するのかはよく民族学でも問題になる。調査者の役に立ちたいという善意の嘘も含めて、相手が本当のことを言っているとは限らな

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    2019年12月24日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    1961年、世界有数の富豪、ロックフェラー一族のマイケルはニューギニアを探検中に行方不明になった。ロックフェラー家は莫大な財力、政治力をつぎ込んで大規模な捜索を行ったが、マイケルを発見することはできず、彼の消息は未だ謎のままだ。

    実はマイケルがどうなったかについては、当時から結論が出ていたが、ロックフェラーのメンツや国際関係などが考慮されて、公式には認められていない。本書の最初の数ページで明らかにされる真相は、マイケルが地元のアスマット族に襲われ、食べられたというものだ。

    というわけで、本書はマイケルの死因を探るドキュメンタリーではなく、なぜマイケルは食べられたのか、なぜアスマット族は人を

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    2019年05月25日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    主にイラク戦争の帰還兵の生活や家族、心的療法プログラムなどについて、実際に起きたことをまとめ上げた内容で、非常に読むのが辛くなる
    海外には本物のジャーナリストがいるってことが分かる書籍でもある。 カタカナの名前が覚えきれなくて若干相関関係が分からなくなっちゃったりもする

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    2019年02月03日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    イラク戦争でPTSDを発症した米兵や遺族のドキュメンタリー。感動的な脚色などはなく、ただ淡々と彼らの苦悩や悲しみを書き記している。登場人物が複数人いるので、散漫的で少し読み難い。心が戦場から帰って来れずにいる彼らの苦しみや、支える家族の不安は解消されそうにない。PTSDの治療法や解決策などもなく、読み終わった後はやるせなさだけが残る。

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    2018年10月29日
  • 堆塵館

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    YAとして書かれた作品のようだけど、YAでは売れそうにないので一般向けとして売っている、という印象の本。
    日本の中高生に受けるかは疑問。誕生の品含め、すさまじくたくさん名前が出てくるので、翻訳小説が苦手な人にもおすすめできない。

    絵と設定は魅力的。ディケンズ的でもあるし、ティム・バートンのアニメ(で見たい!)のようでもある。
    ゴミで財をなした一族が世間的には地位が低いのに、実際は貴族のような暮らしをしているというのも、キリスト教徒がしたがらない金融業でのしあがったユダヤ人や、インドの不可触民の富豪を思わせ、象徴的。
    ただ、この本ではまだ話が始まったばかりで、謎も多く残されたまま。これ続刊が出

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    2017年08月12日
  • 堆塵館

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    不思議で、奇妙で、不気味な空想物語。おもしろかった。この迷宮感はクセになる。
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    見返しにある建物の見取り図をチラチラしながら読むのが好き。絵もすべて著者が描いてるんだとか。
    三部作の1。続きが気になる。

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    2017年05月23日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    久々に完読を諦めた本。
    イラク戦争などで精神的外傷を追って米国に帰国した軍人の実話。ドキュメンタリーで取材した事実を丹念に丁寧に追っていて、すんなりと日常生活に戻れない軍人とその家族の苦しみを書いているのだけど、軍人を4人か5人か追っていいっているのだけど、錯綜していて、どれが誰の話なのかわからなくなる。これに加えて、話の進展がエンドレスな精神を病んだ人の日常がどこまでたっても足踏みをしているような感じのためにいつまでたっても同じ場面ばかりを見せられているような気分になり苦痛が倍増する。
    ただ、この本を読んで思ったことは、PTSDなる概念がでてきた背景にはアメリカ独自のものがあると思った。戦争

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    2016年08月13日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    軍隊における医療は、一般の医療とは性格が異なる。
    なぜなら、一般の医療の目的は病気や怪我をした人を、治療し、元の生活に戻すことが目標なのに対して、軍隊の医療の目的は、傷ついた兵隊を、また戦えるように整備し、戦闘に投入することだから。

    本書には、主にイラク戦争で戦い、肉体的、或いは精神的に負傷した兵士とその家族が、どのような日々を過ごすことになったか、兵士はどんな風に破壊されてしまったのかという記録が書かれている。

    全ての兵士が戦争に行くことによって、破壊されるわけではない。
    しかし、たまたま激しい戦闘の中に送り込まれた兵士のうちかなり多くのものは、肉体的、精神的に破壊される。
    その、破滅的

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    2016年04月30日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    戦場の過酷さと共に、雄々しくあらねばという考えも、帰還兵を苦しめているように思える。助けを求めることを不名誉と思い、苦しい思いを抱えることは自分の弱さと考え、何に苦しんでいるのか語ることができない。戦争は戦場にだけあるのではないということを、ただただ兵士たちの帰還後を辿ることで突きつけてくる。
    こうやって苦しんでいるのは、アメリカ兵だけではないだろう。相対して戦ったアフガニスタンやイラクにも、今のシリアなどにも、過酷なものを抱えている人たちがたくさんいるのだろう。私たちはどうすれば、戦わずにすむのだろうか。

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    2015年12月03日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    アフガン・イラクに派兵された米兵士200万人中50万人がPTSDとTBIに苦しんでおり、毎年240以上が自殺している。5人の帰還兵とその家族の日常を描写することで見えてくる、本人だけでなく家族も苦しめる障害、経済的苦境。

    タイトルと中身がちょっと違うなと思いましたが、翻訳で変えたんですね。後遺症の現状、社会的負担の大きさを知ると、次に、何故と思いますが、それを科学的に説明している本ではないので。

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    2016年05月07日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    数人の帰還兵が更生する過程を描いたレポート。実際には全てが更生するわけではないが。邦題のように、なぜ〜なのかというものへの明確な答えが示されているわけではないので、どちらかというとエピソード的、だがその分リアリティに富んでおり、凄惨さが伝わってくる。

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    2015年05月24日