古屋美登里のレビュー一覧

  • 望楼館追想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後まで頑張って読んだが、自分には残念だが全く合わなかった。決して読みずらい文体ではなく、主人公に
    ただただ共感できない。だれかの替わりに生きていて、成長過程も複雑で可哀想だとも思うけど、やってることはただの泥棒だし、悪質だと思った。愛されてないから、他人の愛の物品が欲しかったんだろうか?
    最後は、望楼館の終わりとともに主人公はどこにでもいる
    普通の人になってしまったんだろうか?
    好きな人は本当に大好きな本なんだと思う。
    自分は多分読み返しはしないが、色々思わされる本だと思った。

    0
    2023年03月03日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    同名映画の原作本。映画では描き切れなかったであろう取材の経緯や事件の詳細を知りたくなり、帰り掛けに購入。登場人物が多く、時系列が時折前後するので少々分かり難い部分もあったが、映画を観ていたおかげで十分理解出来た。逆に、映画を観ていなければ読み進めるのに苦戦しただろう。映画では描かれなかった取材記事が掲載された後の世論の動きやMeToo運動の発展を知れたのが良かった。オンレコに同意した女性二人の勇気に只々頭が下がるばかり。しっかりした意味を持つ原題に対し、この邦題はピントを外しているような気がしてならない。

    0
    2023年01月23日
  • 蜜のように甘く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者は短編小説の名手としてアメリカでは有名らしいが、不勉強で未知、初めて読んでみた。

    短編小説ってのは、無駄を省いて研ぎ澄ませるかみたいなとこも勘所だと思うのだが、この作家さんはその研ぎ澄まし方に味わいがあるタイプなのかと思う。訳者古屋さんの腕もあってそのすっきり研がれた文章はくどみがなくて気持ちよい。

    残念ながら感情移入できるタイプの話が少なく、印象に残りずらかったが、そこは好みの問題だけだと思う。

    0
    2022年11月20日
  • 呑み込まれた男

    Posted by ブクログ

    ピノキオのケアリー版アナザーストーリー。ピノキオを探して怪魚に呑みこまれたジュゼッペ爺さんの世界。どんどん創り出されるオブジェや物語が面白かった。

    0
    2022年09月17日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    蠟人形館を設立したマリー・タッソーの生涯を小説化したもの。不勉強なもので、この主人公が実在の人物とは知らず。完全なフィクションかと思っていたら事実をもとにしたフィクションということ。挿絵がリアルすぎて目をそらしてしまうところあり。私はグロ耐性がないので、この仕事はできないなぁと思った。

    0
    2022年07月05日
  • 幸いなるハリー

    Posted by ブクログ

    イーディス・パールマンが、2015年に発表した、5作目の短篇集「Honeydew」は、私が以前に読んだ、「蜜のように甘く」と本書が合わさった、全20篇で構成されており、「蜜のように~」が好きな方にとっては、まさに待望の一冊だと思います。

    バラエティに富んだ、多種多様な人生模様のひとこまから突如として現れる、テーマの感慨深さも同じものではなく、特に大きな盛り上がりをせず、完結したように見えても、実は内に秘めた思いであったり、願いであったりと、込められたものの強さを見出す喜びの詰まった、短篇集だと思います。

    が、私には人生経験が未熟であるせいか、読解力が足りないのか、それが分からなかった作品が

    0
    2022年06月04日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    誤訳問題に関してはわからないことも多いのでノーコメント
    立場も何もかも違う様々な女性たちの連帯
    トラウマが永遠に残す傷
    事実を暴くための慎重な戦いをやりぬいたジャーナリスト
    グロテスクで言葉を失う加害男性とその背景にある男性中心主義社会
    最も衝撃的でもある、一部の弁護士たちの卑怯さ

    Me Tooという運動がなんであったのか、改めて捉え直すことは今の日本社会を捉え直す上でも重要でしょう。

    0
    2022年05月25日
  • 月の番人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    p74
    パーティが終わってみんなが家に帰っていくのを見てるみたいな感じだ


    ある意味、何か起きそうで何も起きていない内容。
    主人公の現在地は変わっていなくて、それは同じ場所に浮かぶ地球のよう。月を地球から見上げるように、月から地球を見上げる。
    あとがきにも書かれていましたが、横顔を多く描かれる作家らしく、表情に大きな変化はないものの色も相まって寂寥が演出されています。
    アポロに感銘を受けたのかなと思ったけど、生まれはそれ以降なので、月で暮らすという浪漫や憧れもない。だからこそ地球から移住した人々は地球に帰っていくという流れもどこか現代的に感じました。

    0
    2022年04月10日
  • 月の番人

    Posted by ブクログ

    主人公は月のコロニーの安全を守る警察官。しかし、
    過疎化が進み、事件らしい事件は起こらない。
    やがて住人は、彼を残してつぎつぎと地球に
    戻っていき、あたりは月の静寂に包まれ…。

    0
    2022年02月17日
  • 月の番人

    Posted by ブクログ

    なんとなく寂しい本。紺の二色刷がいい。まんがというより絵本って感じがする。個人的には一人でいてほしかった。

    0
    2022年02月13日
  • 月の番人

    Posted by ブクログ

    生きるとは、一体どういうことだろうか。此のように、彼のように、とは言えないものだ。
    月で、住む人が減っていく中で、月に残って生きていくべきか。この是非を他人が言うことはできるだろうか。これまでとこれからを自身で考え、決めることに何を言うことがあるか。生きるための自身の決断に栄光あれ。

    0
    2022年01月05日
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集

    Posted by ブクログ

    ありえないことをさも当然のように淡々と静々と描かれた物語が散りばめられた、作者だけが知っている空想世界が詰め込まれた短編集。全体的に、理解するものではなく、感じ取る物語たち、というイメージを持ちました。

    どういうことなの?という疑問をまったくほどけない作品もあれば、数奇なひとりの男の物悲しい運命をたどった表題作や、「私の仕事を邪魔する隣人たちへ」のようなシニカルで恐ろしげな作品もある。「おが屑」「毛物」はイメージしやすい不可思議さで、童話のような戯れを感じる。そういう起伏を読み取れる話に、幻想味の強い意図が解けない話が挟み込まれているという感じ方をしました。

    そういう印象だったもので、全体

    0
    2021年10月09日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    おちびのマリー
    と風変わりなクルティウス先生との運命的な出会いから蝋人形を作る事になる。
    最初は人の臓器、やがて人間の顔を石膏で型をとり
    蝋人形の顔を作る。
    スイスを追われ、パリに行き2人は洋裁店の未亡人とその息子の家に間借りをしまた新たな運命が動きだす。
    フランスの歴史に絡め、おちび事マリーの長い長い
    人生模様にルイ16世、マリーアントワネット、
    ルイの妹のエリザベートその他色々な人物が登場
    しフランス革命までのマリーの喜怒哀楽を込めた
    不思議な物語が紡がれて行く。
    ロンドンに行き着く最後は、おちびのマリーの
    新たな名前は有名なマダムタッソーとなる。

    0
    2021年07月28日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    マダム・タッソー → マリー・タッソー こと マリー・グロショルツの物語。
    実話ではなく、ケアリーの作り上げたフィクション。
    フランスの蝋人形作家。
    不気味で怖い挿絵だが、あちこちにたくさんあり、わかりやすい。
    幼い頃の話は、グロ恐い。
    恐い話なのか?と思いビクビクしながら読んだが、
    ヴェルサイユ宮殿に行ってからのマリーは見違える様に生き生きとして、
    というかものすごい下剋上だと思う。
    エリザベート王女と知り合えて本当に良かった。
    城を探検して、錠前師と友達になったおちびのマリー。
    なんとその錠前師はこのフランスの国王でルイ16世と呼ばれていた。
    マリーアントワネットも登場。
    「ベルサイユの

    0
    2021年07月27日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    フィクションとノンフィクションの中間な
    マダム・タッソーの自伝的物語。
    結構なボリュームで中盤疲れたけど
    読み切ってよかったと思う。

    タッソーの蝋人形館がロンドンにあるから
    勝手にイギリス人かと思ってたけど
    大陸の生まれでフランス育ちだったのか。
    そして、フランス革命の時代を生きた。
    史実をうまく加えて書いてあるのでしょうが
    なかなかに激動の人生だな。

    人間の嫌なところも写し切る蝋人形。
    …怖いねぇ。

    0
    2021年06月23日
  • 蜜のように甘く

    Posted by ブクログ

    必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
    無駄を削ぎ落とされすぎて
    登場人物たちのつながりや背景がつかめず
    まれに戸惑うものの
    読みすすめるうちにそれらを
    より明確に深く濃く感じることになる。
    あえて書かないことの奥深さ。
    読む人にゆだねる潔さ。
    大きな出来事は何も起きず
    この不幸ではないものの
    何かが足りないような
    光とともに影がずっと漂っている状態こそ
    日常というものなのかもしれない。

    0
    2021年01月19日
  • 蜜のように甘く

    Posted by ブクログ

    日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。

    また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の内容によって、私の好みも分かれました。

    0
    2020年10月27日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    18世紀のフランスを舞台に、スイス生まれのマリー・グロショルツが、両親と死に別れ、師のもとで蝋加工や人体について学び、フランス王女の教師となり、革命期には王族や政治家のデスマスクを作り、投獄から生きのび、結婚して、ロンドンに渡って展示室を作る。

    臓器、スケッチ、服、デスマスク…と蝋人形に至る技術との出会い。孤児や野犬や死人や臭いやらで、花の都どころじゃないパリ、を感じました。

    0
    2020年10月09日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    パプアニューギニア、未開の地、首狩り族。そこで富豪の息子が消息を絶つというノンフィクション。
    食われたのか?がテーマではない。

    なぜ?食われたのか。そこを理解することが重要。

    それにしても、読みづらい本だった。
    ノンフィクションゆえに、実際の土地や人の名前が似通っていて、対立する村の名前は似ているしで大混乱。途中から、理解するのをあきらめて、とりあえず最後まで読むことが目標になった。

    途中で、時系列に整理してまとめてくれている章があったので助かった。

    普通はさ、の普通が相当違う人たちがいる。でもそういう部分があるというだけで全部ではない。

    相手を尊重し理解しようとすれば防げたかもしれ

    0
    2020年01月27日
  • おちび

    Posted by ブクログ

    最後の一文に生への執着、もしくはこの場所への執着みたいなものを感じてぞっとした。
    挿絵のせいで5歳児の「これなーに?」攻撃に遭い返答に困ること度々。

    0
    2020年01月17日