古屋美登里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イーディス・パールマンが、2015年に発表した、5作目の短篇集「Honeydew」は、私が以前に読んだ、「蜜のように甘く」と本書が合わさった、全20篇で構成されており、「蜜のように~」が好きな方にとっては、まさに待望の一冊だと思います。
バラエティに富んだ、多種多様な人生模様のひとこまから突如として現れる、テーマの感慨深さも同じものではなく、特に大きな盛り上がりをせず、完結したように見えても、実は内に秘めた思いであったり、願いであったりと、込められたものの強さを見出す喜びの詰まった、短篇集だと思います。
が、私には人生経験が未熟であるせいか、読解力が足りないのか、それが分からなかった作品が -
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Posted by ブクログ
ネタバレp74
パーティが終わってみんなが家に帰っていくのを見てるみたいな感じだ
ある意味、何か起きそうで何も起きていない内容。
主人公の現在地は変わっていなくて、それは同じ場所に浮かぶ地球のよう。月を地球から見上げるように、月から地球を見上げる。
あとがきにも書かれていましたが、横顔を多く描かれる作家らしく、表情に大きな変化はないものの色も相まって寂寥が演出されています。
アポロに感銘を受けたのかなと思ったけど、生まれはそれ以降なので、月で暮らすという浪漫や憧れもない。だからこそ地球から移住した人々は地球に帰っていくという流れもどこか現代的に感じました。 -
Posted by ブクログ
ありえないことをさも当然のように淡々と静々と描かれた物語が散りばめられた、作者だけが知っている空想世界が詰め込まれた短編集。全体的に、理解するものではなく、感じ取る物語たち、というイメージを持ちました。
どういうことなの?という疑問をまったくほどけない作品もあれば、数奇なひとりの男の物悲しい運命をたどった表題作や、「私の仕事を邪魔する隣人たちへ」のようなシニカルで恐ろしげな作品もある。「おが屑」「毛物」はイメージしやすい不可思議さで、童話のような戯れを感じる。そういう起伏を読み取れる話に、幻想味の強い意図が解けない話が挟み込まれているという感じ方をしました。
そういう印象だったもので、全体 -
Posted by ブクログ
おちびのマリー
と風変わりなクルティウス先生との運命的な出会いから蝋人形を作る事になる。
最初は人の臓器、やがて人間の顔を石膏で型をとり
蝋人形の顔を作る。
スイスを追われ、パリに行き2人は洋裁店の未亡人とその息子の家に間借りをしまた新たな運命が動きだす。
フランスの歴史に絡め、おちび事マリーの長い長い
人生模様にルイ16世、マリーアントワネット、
ルイの妹のエリザベートその他色々な人物が登場
しフランス革命までのマリーの喜怒哀楽を込めた
不思議な物語が紡がれて行く。
ロンドンに行き着く最後は、おちびのマリーの
新たな名前は有名なマダムタッソーとなる。 -
Posted by ブクログ
マダム・タッソー → マリー・タッソー こと マリー・グロショルツの物語。
実話ではなく、ケアリーの作り上げたフィクション。
フランスの蝋人形作家。
不気味で怖い挿絵だが、あちこちにたくさんあり、わかりやすい。
幼い頃の話は、グロ恐い。
恐い話なのか?と思いビクビクしながら読んだが、
ヴェルサイユ宮殿に行ってからのマリーは見違える様に生き生きとして、
というかものすごい下剋上だと思う。
エリザベート王女と知り合えて本当に良かった。
城を探検して、錠前師と友達になったおちびのマリー。
なんとその錠前師はこのフランスの国王でルイ16世と呼ばれていた。
マリーアントワネットも登場。
「ベルサイユの -
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Posted by ブクログ
パプアニューギニア、未開の地、首狩り族。そこで富豪の息子が消息を絶つというノンフィクション。
食われたのか?がテーマではない。
なぜ?食われたのか。そこを理解することが重要。
それにしても、読みづらい本だった。
ノンフィクションゆえに、実際の土地や人の名前が似通っていて、対立する村の名前は似ているしで大混乱。途中から、理解するのをあきらめて、とりあえず最後まで読むことが目標になった。
途中で、時系列に整理してまとめてくれている章があったので助かった。
普通はさ、の普通が相当違う人たちがいる。でもそういう部分があるというだけで全部ではない。
相手を尊重し理解しようとすれば防げたかもしれ -