古屋美登里のレビュー一覧
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一度声を上げてしまえば、それまでの生活には戻れないかもしれない。被害にあった側が時を経て告発に至るには、とてもとても高いハードルがあるのだなと。
当たり前みたいに性加害をしてきたボーイズクラブの仕草や反抗が似てるってことは、それが彼らのやり方としてある種共有されてたのだろうなと思って気が遠くなる。
「被害にあった側が」「恐怖を乗り越え」「真実であることを厳密に証明する」まで信じないことを“冷静で論理的で正しい”かのように認識してしまっている社会はやっぱおかしいよと思ったし、性加害の話題をネタにできると思ってる我が国のアーティストが「アップデートしてやり直します」っていうのは随分呑気なもんだ -
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エドワード・ケアリーはとにかく日常に溢れる小物達、特に日用品達を生きている対象物として描く事が持ち味なんだけれども今回もその味わいがこれでもかと発揮されていた。ストーリーはピノッキオの生みの親ゼペット爺さんが魚の腹で独り暮らしていた時の話。爺さんが孤独を紛らわす為に手に入ったもので日記を書き、絵を描き、粘土細工をして正気を保とうとしているその様が少しづつ崩れていって時折狂気じみてくるのが圧巻。小物が最初は心を慰めるものであるのにやがて心を苛んでいくものとなっていくのがみててこちらもとても苦しい。延々と爺さんの1人語りなのでこちらも息を詰まらせつつハラハラとしてページをめくっていた。
エドワード -
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人類は一旦月に移住したものの、やっぱり地球が良くて次々と帰還していく、そんな状況を設定したディストピア小説のような絵本。
主人公は月面移住者コミュニティの警察官という設定。
セリフは少なめ、紺色と白の2色しか使われない、そして登場人物は常に横顔だけ描くという独特のスタイルだが、創造力を大いに掻き立てられる。
効率化や過疎化について何度も考えさせられた。
モジュール状のパーツを組み合わせた簡易的なつくりのマンションが、ある日突然縮小して、自分の部屋のフロアが変わってしまい、部屋からの眺めも変わってしまう場面は印象的だった。居住者の意志は無視され、合理化が優先されている。
また、自販機が故障した -
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吹き溜まり
1. 雪や落ち葉などが、風に吹きよせられてたまっている場所。
2. 行き場のない人たちが、自然と寄り集まる所。
「吹溜りは孤立した部屋で見つかることになっている」
「ご存じのように、大半の吹溜りはあえて沈黙しているが、言葉を発するものもいる」
最初の「吹溜り」を読んだ時に、大好きな、「アイアマンガー三部作」を思い出しました。上記の、哀愁ある雰囲気の中にも、茶目っ気溢れる様が、奇妙さと共に、親しみやすさを感じさせるところなんか、まさに一緒です。
ただ、どうしてもイラストの怖さに目がいくと思うのですが(表紙を見るとね)、物語を読んだ後は、その印象も変わると思います。もちろん、イ -
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ネタバレアイアマンガー3部作の2作目…というか、第2巻。
前巻のゴミだらけで煙ってて薄汚いイメージがさらにパワーアップした本作。ゴミの山とロンドンの間にある「穢れの街」を舞台に、10シリング金貨になってしまった(?)前作の主人公を探す、前作のヒロイン(っぽくないが)が大活躍する。
本作で一番気になる人物が「ビナディット」。この男、ゴミの山で生まれ育ち、ゴミを服装どころか皮膚のように身にまとい、身体にうごめく昆虫や小動物を食して生きているというとんでもない汚物人間。ゴミどもに「父」と慕われるこの男がヒロインとキスをするシーンがあるのは圧巻。こんなに萌えないキスシーンは初めてだ!
前作同様、本作もと -
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ネタバレスチームパンク?…ともまた違うか。塵芥を集積したロンドン郊外に住むアイアマガー一族と彼らの召使とその皆が住む大きな屋敷の物語。
塵芥の山に立つ屋敷が舞台なのだから、汚れに汚れた不潔な世界観、人間関係もゴチャゴチャ、登場人物たちも好人物っぽいのは一切いない。主人公もなんだかフワフワだし、ヒロインは泥棒だし、それ以外の全員が悪役的。なのに、そのすべてがちょっと気になるというか居心地がいいというか。なんという世界観だ、これ?
この1冊だけを手に取ってみたが、早く続きが読みたい。
ところで、3部作というより、全3巻なのではないだろうか?でないと、このラストは締めになってないぞ。