古屋美登里のレビュー一覧

  • 穢れの町

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    まさに”怒涛”の展開!
    1部の終わりが「ええっ!!!」で終わったので、続きが楽しみな続編です。
    第3部の完結まで発行されてから購入、読み始めたので、1部と2部の間隔があまり空いていないからいいものだけど、これ発行当初に読んでいたら待ちくたびれて、狂いそうなレベルです。

    2部の主役は、完全に召使の女の子に代わっている。また1部ではそうでもなかったが2部では登場人物で一番好きなキャラになりました。
    がんばれ、ルーシー・ペナント!!

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    2023年08月17日
  • わたしのペンは鳥の翼

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    男の子の子供が生まれなくて頭から熱湯をかぶった女性の話が頭に残っている。そしてその女をみて哀れまれたのは彼女の旦那が可哀想、というのも。

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    2023年05月19日
  • わたしのペンは鳥の翼

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    同じ地球上にこういう世界があるのか、と頭を殴られたような衝撃を感じる。
    ただ、これでアフガニスタンの人々を「理解した」と安易に言うことはとてもできない。きっと、どこまで行っても私は完全に理解できていない。

    厳格なイスラム社会での家父長制、女性の抑圧などを知識として理解はしていても、そこで生きる人々がいることを、心の動きを知ってリアルに感じるのは初めてだった。

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    2023年04月05日
  • わたしのペンは鳥の翼

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    戦争やテロ、デモが当たり前に存在すること、そして家父長制もまた当然として存在することそれが大前提として物語が進むために、展開や心の動きの何もかもが予想できず衝撃的だった。
    アフガニスタンの女性がそれらを受け入れてて諦めているのではなく、当然苦しんでいて足掻いているということが痛いくらい伝わって、苦しい物語も多くあった。
    一方で、子の安全を願う気持ち、働くことに生きがいを感じることといった同じ気持ちも感じることもできた。
    また、アフガニスタンではどのような食器でどのようなものを食べ、飲み、どんな家に住んで、買い物は、学校は、などの暮らしが目に浮かぶような描写が素晴らしかった。

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    2023年03月12日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

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    最後の言葉がすごく響いた。
    何でこんな当たり前のことがわがままって捉えられる世の中なんだろうって思った。

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    2023年01月17日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

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    映画を見る前に読んでおこうと思い手に取った。
    ミステリー小説を読んでいる感覚で一気読み。

    告発記事はいかに緻密に裏を取っていかないと公表に辿り着けないか、その苦労が描かれている。
    しんどい作業だ。よく粘り強く調べてくれたなと感謝の気持ちが湧き上がる。
    この開けた正義への純粋な信念、何だろう、そういうとこ、アメリカ社会の良さでもある。
    同時に、アメリカ社会の闇もこのノンフィクションでよくわかる。特に、企業を守るためのヒエラルキーの上のものへの服従。ザ、資本主義社会。
    それから自由を謳歌する若者たちのパーティーという密室で行われるレイプ。この社会で思春期を乗り越えるのは大変そう。
    日本でも同じよ

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    2023年01月15日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

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    一度声を上げてしまえば、それまでの生活には戻れないかもしれない。被害にあった側が時を経て告発に至るには、とてもとても高いハードルがあるのだなと。

    当たり前みたいに性加害をしてきたボーイズクラブの仕草や反抗が似てるってことは、それが彼らのやり方としてある種共有されてたのだろうなと思って気が遠くなる。

    「被害にあった側が」「恐怖を乗り越え」「真実であることを厳密に証明する」まで信じないことを“冷静で論理的で正しい”かのように認識してしまっている社会はやっぱおかしいよと思ったし、性加害の話題をネタにできると思ってる我が国のアーティストが「アップデートしてやり直します」っていうのは随分呑気なもんだ

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    2022年11月08日
  • 呑み込まれた男

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    エドワード・ケアリーはとにかく日常に溢れる小物達、特に日用品達を生きている対象物として描く事が持ち味なんだけれども今回もその味わいがこれでもかと発揮されていた。ストーリーはピノッキオの生みの親ゼペット爺さんが魚の腹で独り暮らしていた時の話。爺さんが孤独を紛らわす為に手に入ったもので日記を書き、絵を描き、粘土細工をして正気を保とうとしているその様が少しづつ崩れていって時折狂気じみてくるのが圧巻。小物が最初は心を慰めるものであるのにやがて心を苛んでいくものとなっていくのがみててこちらもとても苦しい。延々と爺さんの1人語りなのでこちらも息を詰まらせつつハラハラとしてページをめくっていた。
    エドワード

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    2022年08月16日
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

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    BURRN!の書評で目にして以来読みたかった本で、文庫化を機に、宇都宮の来らっせの待ち時間に購入。

    娘を持つ親としてやるせない想いになる。

    売名のため権力者の男性に近づく女性もいないことはないだろうが、権力を利用する男性の方が圧倒的に多いのが実態だろう。

    そして、未だ男性中心の世の中では声を上げても、すぐに風化してしまう気がする。特に日本では。

    そう思うと、能力云々を言い訳にせず、数だけでも男女同等にするというクオータ制から始めることも意味がある。

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    2022年06月06日
  • 幸いなるハリー

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    お気に入りの作家。この人はプロビテンス生まれ(アメリカの超北東)で、父ロシア人、母ポーランド人で、やっぱ辺境生まれの人(失礼か?)には強く惹かれる。物事や他人を測るものさしがオリジナルというか、よく「あたし帰国子女なんでえ」みたいにどこが偉いのかよくわからんことを自慢する人間に限って全然中身おもんない人間と違い、「人と違うことの苦悩、分かり合えない壁の存在」みたいなんを悩んでこねくりまわし、熟成させ、自分のものにした上で提供しているから、触れる価値あるし、これからも応援したい。

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    2022年05月30日
  • 月の番人

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    人類は一旦月に移住したものの、やっぱり地球が良くて次々と帰還していく、そんな状況を設定したディストピア小説のような絵本。
    主人公は月面移住者コミュニティの警察官という設定。
    セリフは少なめ、紺色と白の2色しか使われない、そして登場人物は常に横顔だけ描くという独特のスタイルだが、創造力を大いに掻き立てられる。

    効率化や過疎化について何度も考えさせられた。
    モジュール状のパーツを組み合わせた簡易的なつくりのマンションが、ある日突然縮小して、自分の部屋のフロアが変わってしまい、部屋からの眺めも変わってしまう場面は印象的だった。居住者の意志は無視され、合理化が優先されている。
    また、自販機が故障した

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    2022年05月22日
  • 肺都

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    ゴミはいつからゴミになるのだろうか。
                   ……肺都。
    物はいつから物だったのだろうか。
                   ……肺都。
    人間はいつから屑なのだろうか。
                   ……LUNGDON。

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    2022年05月03日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

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    主にイラク、アフガニスタンの戦争から帰って来た兵士は、PTSDや脳損傷により苦しみ、自殺してしまう。

    兵士や家族の日々を坦々と記録してある。

    戦争は、戦闘が終わってもなお、人々を苦しめ続けるもの。

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    2022年02月16日
  • 月の番人

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    コマ割り漫画風。月に駐在するお巡りさんの日常。夜色の世界が静かで落ち着く。これは月の話だけど、かつて小さな島々に住んでいた島民たちが、時代の流れで本土に移り住むさまを思い起こさせた。お茶を濁すように派遣されたセラピーロボが、どうにもポンコツでちょっと笑える。カフェのお姉さんみたいな人もいるし、いつかまた、月に移り住みたいという人は現れるんじゃないかと思う。その頃、お巡りさんは地球に戻っているかも。

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    2021年12月20日
  • 幸いなるハリー

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    たくさんの世界を見せてくれた短編集

    生活に困窮した女性とその子どもたちのための食堂を舞台にした『救済』や、言葉を発することの出来ない人々を通じて社会の構造を考えさせられる『金の白鳥』が良かった。

    女性器切除や介護、死とそのまま扱ったら生々しい題材も、美しい表現で優しく包み込むと、主張はし続けながらも作品のなかに静かに収まるんだから、小説は本当にすごい。

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    2021年10月11日
  • 月の番人

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    ネタバレ

    なんだか、あったかいような寂しいような不思議な気持ちで読み終えた。
    残された二人は寂しいよりも美しいと感じるように思う。

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    2021年09月26日
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集

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    エドワード・ケアリーの「おちび」が妙に味があって面白かったので,買ってみた.ジワジワきますね.繰返し読むタイプの本だと思います.

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    2021年09月12日
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集

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    吹き溜まり
    1. 雪や落ち葉などが、風に吹きよせられてたまっている場所。
    2. 行き場のない人たちが、自然と寄り集まる所。

    「吹溜りは孤立した部屋で見つかることになっている」

    「ご存じのように、大半の吹溜りはあえて沈黙しているが、言葉を発するものもいる」

    最初の「吹溜り」を読んだ時に、大好きな、「アイアマンガー三部作」を思い出しました。上記の、哀愁ある雰囲気の中にも、茶目っ気溢れる様が、奇妙さと共に、親しみやすさを感じさせるところなんか、まさに一緒です。

    ただ、どうしてもイラストの怖さに目がいくと思うのですが(表紙を見るとね)、物語を読んだ後は、その印象も変わると思います。もちろん、イ

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    2021年08月15日
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集

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    『バートン夫人』『私の仕事の邪魔をする隣人たちへ』『おが屑』『毛物』◎、そしてやっぱり私も『パトリックおじさん』がサイコーです。

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    2021年07月24日
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集

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    イラストと相まって、すごく奇妙で幻想的な作品ばかりで、短篇ながら強烈な印象を受けるものが多かった。どれも面白かったが、「私の仕事の邪魔をする隣人たちへ」「パトリックおじさん」がお気に入り。

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    2021年07月12日