古屋美登里のレビュー一覧

  • 穢れの町
    アイアマンガー3部作の2作目…というか、第2巻。

    前巻のゴミだらけで煙ってて薄汚いイメージがさらにパワーアップした本作。ゴミの山とロンドンの間にある「穢れの街」を舞台に、10シリング金貨になってしまった(?)前作の主人公を探す、前作のヒロイン(っぽくないが)が大活躍する。

    本作で一番気になる人物...続きを読む
  • 堆塵館
    スチームパンク?…ともまた違うか。塵芥を集積したロンドン郊外に住むアイアマガー一族と彼らの召使とその皆が住む大きな屋敷の物語。

    塵芥の山に立つ屋敷が舞台なのだから、汚れに汚れた不潔な世界観、人間関係もゴチャゴチャ、登場人物たちも好人物っぽいのは一切いない。主人公もなんだかフワフワだし、ヒロインは泥...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    期待したほどの面白さではなかったけど、充分に読む価値があった思う。
    食人に関する食べる側の思考については一定の類型が視られるのだなと思う。
    もう、地球上には、習慣的に食人する人たちはいないのであろうなぁ。
  • 穢れの町
    舞台を移した穢れの町が堆塵館のあるゴミ山とロンドンの間にあって,それが滅ぼされるというすごい展開の中で、再び巡り会うクロードとルーシー.物と人間の謎を秘めた関係が次第に明らかになってきた.新たに登場するロンドンに住む本当の?人間たち.アイアマンガーはどう攻撃を仕掛けるのか,クロードはどうするのか,い...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    小中学生の頃に愛読していた「ポケットムー」シリーズの「世界謎の10大事件」という巻に、確か"秘境に消えたロックフェラー"というサブタイトルで収蔵されていたと記憶している。
    以来、これまでにこの失踪事件を扱った記事や書籍は何度か読んだが、当時のオランダ政府やインドネシア政府にアメリカ政府、そしてもちろ...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    表紙とタイトルにひかれて、池袋のジュンク堂で買った。
    ホラーとかそっち系かなと思って買ったけど、実際に起きた事件をもとに書かれた本だった。

    とても面白くて、あっという間に読み終えて、久々に満足した本になった。名前がややこしくて、時々混乱したけど、描写が事細かで、まざまざと風景が浮かんで、ドキュメン...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    そんなことがあったのかと好奇心だけで読み始めた。
    異文化の理解とか交流とか簡単にいうけど、そんな甘いものではないということがよくわかる。
    自分たちの価値観の中の、上から目線なんて、もってのほかだ。
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    マイケル・ロックフェラー失踪事件の事すら知らなかったが、未解決事件には興味がある。軽い気持ちで読んでみた。
    著者がたどり着いた真相はいきなり冒頭で明かされる。それは丹念に当時の記録や関係者の証言を辿れば、「事実」としては浮かび上がる。しかし、この本の本質はそれが「なぜ」行われたかであり、そもそも我々...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    そういえば文化人類学の授業好きだったわー、と思い出させてくれた。
    ロックフェラーの御曹司失踪という謎の解明よりも、そういった意味合いが強い内容だったが、面白く読めた。
    ノンフィクションもいいね!
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    期待の亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズI。

    1961年に、ロックフェラーの後継者がパプアニューギニアで消息を絶つ。

    カニバリズムという文化が少し前まであったことにも驚く。

    筆者であるホフマン氏が、この失踪事件の真相を追い求める過程、現地アスマットに住み、その価値観。世界観を共有しようとする...続きを読む
  • 肺都
    終わった。
    凄まじかった。ロンドンの汚さ(こんな生易しい表現では伝えきれない)。臭いも想像するだけで吐き気がした。その時代はそんな街だったのでしょうね。
    三部作を通して、ルーシー・ペナントの強さに何度も勇気づけられた。
    ローランド・カリスの人としての矜持に心打たれた。
    そしてこの一見不気味な挿絵の、...続きを読む
  • 穢れの町
    のめり込んで読んだ。またまた離れ離れになる二人。続きが気になっていても立ってもいられない。
    深緑野分さんの解説がすごく的を得ている。相性の良い本との出会い…。この著者の本をもっと読んでみたい。誕生の品と言っていいものがものが私にもあったかな…。色々思考が広がっていく。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    イラク戦争に200万の兵士が行き、50万がPTDSになった。その兵士たちと家族の抱えた悲劇。
    自衛隊に何が起きるのか、その結果、本人と日本社会はどれほどの後遺症の負担に苦しむことになるのか。想像するに余りある。
    戦争はしてはいけないし、本来日本社会の持つ力ではできるものではないのだと痛感する。
  • 肺都
    アイアマンガー三部作完結編。
    冒険に継ぐ冒険で、息をつく間もなく、読ませる三冊でした。
    でも中心を流れるのはロマンスだったのね。
  • 堆塵館
    まず表紙に魅了された。目が吸い寄せられた。
    作者自身による絵だと、後書きで知って納得。
    「アバラット」みたいだなーという直感が当たった。
    物語が表紙からにじみ出ている。
    期待を裏切らないファンタジーだった。
    あと二冊楽しみ!
  • 穢れの町
    やっぱり面白い! クロッドとルーシーがどうなるのか、アイアマンガー一族はついに動き出しちゃったし。三巻が待ち遠しいです! 早く読みたい!!
  • 穢れの町
    テレビドラマで気になるところでCMになるあれ、次作が12月刊行というのが辛い。だんだん状況がわかってくると同時に思っていたより広い世界観にわくわくする。
  • 堆塵館
    あぁ、失敗した…いや、良い意味の失敗です。三部作とは分かっていたものの、どうしても早く読みたくてつい手に取ってしまい、読み出したらどっぷりハマってしまいましたが、続きが気になる!!揃ってから読めば良かった〜。ヴィクトリア時代でダークファンタジー、作者のエドワード・ケアリーの不思議な世界。読まずに年は...続きを読む
  • 堆塵館
    子どもも楽しいし、もちろん大人だって楽しい1冊。
    怖くはないけど不気味な世界は好奇心をかりたてるね。
    あとがきを読むとなってるとなかなか言葉遊びがちりばめられていて、英語で読めればどんなにか!(もちろん古屋さんの考え抜かれた妙訳です)
    とんでもないところで終わっているので、どうぞどうぞ続きも出ますよ...続きを読む
  • 堆塵館
    初めは何のことか分からず混沌とした感じで始まるも、ある程度情況が理解できてからは面白くなってくる。

    特に訳が素晴らしい。各章話者が変わり、話し言葉で語りかけてくるという形式なので、訳しやすいのかも知らないけれど、いかにも英文訳!ではなく、日本語としてこなれているので、すんなり理解できる。

    後半か...続きを読む